シナリオ詳細
高天京の熊手祭
完了
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オープニング
●高天京にて
熊手祭。
豊穣の地には、そう呼ばれるお祭りがある。
地域によって細かい部分は異なるが、共通点として「熊手」が存在する。
様々なおめでたい飾り物をつけた「熊手」と呼ばれる扇状の縁起物を購入するのだ。
かつては飾り物ごとに様々な意味があったらしいが、今ではその意味も消失し、めでたいものをたっぷり飾るのが良いとされている。
そして、購入者に販売者が贈る掛け声も独特だ。これもやはり地方によって違うのだが、高天京ではこうだ。
家内安全、無病息災! はぁー、かっこめかっこめ! である。
この「かっこめ」というのが熊手でそういった幸せを掻き込む……といったような意味があるらしい。
だからこそ、幸せを値切ってはならない。
あえて高い金額を出し、売り手側が「ご祝儀」として幾らか包んで返す結果、常識的な金額に納まる。
まあ、そんな感じの両方が気持ち良い「粋」なイベントでもある。
この時期に豊穣の各地で行われるお祭りではあるのだが、高天京で行われるものこそが「本物」だという人間もいる。
まあ、一年の穢れを落とし次の年に福を呼び込む類の儀式であるから、そう言いたくなるのも分からないでもない……といったところだろうか?
そんな高天京での熊手祭が、ついに開催に至ったのである。
●高天京の熊手祭
「というわけで、その熊手祭へのご招待が来たです」
今回熊手祭へイレギュラーズを招待してくれたのは宮内卿候補の榊 黒曜だ。
今現在、外部の人間の立ち入りにピリピリしている高天京に招待してくれたのは、イレギュラーズへの信用もあるだろうが、彼からの個人的な感謝の気持ちもあるだろう。
自慢の祭を楽しんでいってほしい……と、そういう意味が多分に含まれている。
ならば、楽しむのが何よりの感謝の示し方というものだ。
「メインは熊手になるですが、それ以外にも色々と露店も出てるです」
外部の業者は入れないが、普段から高天京で商売をしている選りすぐりの料理人たちが露店を出している。
綿飴、タコ焼き、イカ焼きに芋煮、大判焼き。
様々なお祭り料理が並び、奥に行けば熊手売りの「かっこめ!」という叫び声が聞こえてくる事だろう。
熊手を買って来年の幸せを祈るのもいい。
露店を巡って楽しむのもいい。
ただ単純に、お祭りで誰もが幸せそうな高天京の空気を楽しむのも良いだろう。
何の憂いもない幸せな時間を楽しめるというのは、それだけで貴重なのだから。
「あ、ちなみにですが。私たちが露店を出してもいいそうです」
イレギュラーズにだけ許された、そんな特権的なものだ。
とはいえ、問題を起こせばすぐに営業停止になってしまうだろうが……まあ、そんな心配の要る者は居ないだろう。
常識の範囲で楽しむこと、それが重要なのだ。
「まあ、場所的な意味も含めて……こんな機会も早々ないと思うです。しっかり楽しむですよ」
勿論、チーサ自身楽しむ気は満々だ。
今日この日、高天京が世界で一番熱くなる。
つまりは、そういうことだ。
- 高天京の熊手祭完了
- GM名天野ハザマ
- 種別ラリー
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2021年12月26日 22時05分
- 章数1章
- 総採用数4人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
●ゴリョウの屋台
高天京の熊手祭。
並ぶ露店の中に、『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)もまた露店を出していた。
高天京で露店とはいえ店を出す絶好の機会にゴリョウも乗った形だ。
俺ぁ屋台を出す側で参加させてもらうぜ! と気合充分のテンションは、当然のように露店でも全開だ。
出し物は得意の『料理』スキルを活かしたドネルケバブ。
目の前で回る肉の塊のインパクトでまずは度肝を抜く算段だ。
「へえ……なんだいこりゃ。金属棒に回した肉を焼いて……削るのか」
「おう、美味そうだろ?」
笑うゴリョウに現地の住人も頷き、1つ買い求めていく。
何でドネルケバブ? という疑問への答えは簡単で「豊穣ではまず食えねぇ代物だから」であった。
なんとなくラサとかでよく食べられていそうな気がしたが、その辺りは不明だ。
「色んな地域に行くイレギュラーズとして、他国の料理を食って想いを馳せてもらうってのも一興ってもんよ!」
「ほー、やるねえ。お、美味い。これがその他国の味付けなのかい」
勿論多少違っている。
ラサの味付けのままだと敷居が高いのはゴリョウには充分に分かっている。
現地にあった味というものは当然ある。
「豊穣の民でも食べやすいアレンジはしてるぜ」
具体的にはピタパンは米粉使用、ソースはスパイス程々で醤油仕立てにマヨネーズと子供の好きそうな照り焼きに近い味付けだ。
大人には甘さ控えめでスパイス効かせた味もあるんでお好みでどうぞ……といったところだ。
そしてそんなゴリョウの屋台は物珍しさもあってか、かなり繁盛をしていたのだった。
成否
成功
第1章 第2節
●響子の出し物
「流石はゴリョウさん、屋台が大繁盛ですね」
『天狗』河鳲 響子(p3p006543)はそんな事を言うが、響子自身が今回は出店していた。
まあ、店というよりは出し物である。そう、大道芸だ。
お祭りなので人も沢山居ると思いますし、バルーン芸なら場所も取らず子供達もきっと喜びます!
……とまあ、そういう目論見であったが、これが大成功であった。
請われるままに犬やウサギや花。お城やドラゴンなども手際良く作って披露する。
そして最後は完成したバルーンを子供達に配る。この辺りが盛況の秘訣だろうか。
「いっぱい作るから、喧嘩しないでね?」
ちなみに風船でお城を作った技は、企業秘密。
だからこそ問われれば響子は、こう答えるのだ。
「ふふふ、内緒です♪」
成否
成功
第1章 第3節
●かっこめ!
店を出す者ばかりではない。
『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は、並ぶ露店の間を「放浪」していた。
「いやはや、こういうのに巡り合わせるんだから適当に放浪してみるもんだな。どれ、ここの地酒も買ったことだし何かしら買い食いするか」
素焼きの瓶に入った酒を揺らしながら、バクルドは適当な露店にふらりと立ち寄っていく。
「おい、おっさん。その肉串を3本頼む」
焼きそば、たこ焼き……色々買って肴にする。
「この祭り囃子の中で飲む酒も良いもんだ、屋台の飯も旨え」
こうした現地のお祭りに参加するのも、旅の良さの1つだ。
(ここならではのものを記念にやってみっか。ああ、そういやなんだ? かっこめってやつでもするか)
そんな事を考えながら、バクルドは熊手の屋台まで辿り着く。
「よお。験担ぎだ。あーなんて掛け声だっけか?」
そうして教わったワードの景気の良さにバクルドは笑う。
「なるほどな、じゃあ俺らしく言うなら……放浪安全、無病息災かっこめかっこめ!」
それが叶うかどうかは、バクルド次第。
成否
成功
第1章 第4節
「わーい、熊手祭なのー」
『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)は楽しそうに周囲を眺め歩いていた。
「カルタ町でも行ったけど、こういう催しは何度行ってもいいものなのよ。新年に向けて縁起を担いでおくの」
とりあえず、と買い食いするのは綿飴、りんご飴のような甘いもの、大判焼きみたいな和菓子。
そして何より、熊手である。
見た目が小柄でお使いか何かに見えたからだろうか。
ご祝儀として返ってきた額も、それなりに多めである。
「家内安全、無病息災! はぁー、かっこめかっこめ!」
「かっこめ、かっこめ、コャー、コャー」
高く掲げて持って帰るのが作法らしいからと「そう」している姿は、微笑ましく映るらしい。
「とりあえず、領地の安全とか色々祈願しつつ、そっちにお供えしておくの。(以前ブレイブメダリオンをブリキ缶に保管してたりしたけど)その辺はちゃんとするの」
まあ、その辺りは帰った後の胡桃を信じるとして。
熊手祭は、こうして騒がしくも平和に過ぎていくのだった。
成否
成功
GMコメント
高天京の熊手祭です。
外部の人間は入れないのですが、イレギュラーズの皆様は特別招待です。
なんと露店を出す権利も与えられています。
食べ物の露店を巡るもよし、金魚すくいや輪投げに勤しむもよし。
熊手を買って「かっこめ」して貰うのも良いでしょう。
露店を出してもOKです。
なお、チーサもその辺をフラフラしています。
何かあればどうぞ。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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