シナリオ詳細
はい、それでは皆さんには今年もミニスカサンタになって頂きます
オープニング
●この時期の風物詩『ミニスカサンタ』だよ!
Ho-ho-ho――
幻想の街中に特徴的な声が響き渡る――
それは毎年この時期になると現れる『奴』の声であった。
紅い衣。たくましい白髭。
『奴』と言うべき特徴を重ね揃えたその存在は――幻想の家屋の屋根という屋根を飛び跳ねながら移動していて――
「うぉぉぉぉ待ちやがれコラ――ッ!!」
それをミニスカサンタ姿で追いかけているのが『貴方達』であった。
……説明しよう! 『奴』は幻想に現れる魔物の様な精霊の様な存在であり、触れた相手の衣装を強制的に『ミニスカサンタ』にしてしまう恐ろしい能力を持っている個体なのだ――! なんか近年の有識者(?)の間による研究によると、この呪いは二十四時間続くらしく、しかも何故か脱ぐことが出来ないとか。
――その魔の手に貴方達は掛かってしまったのである。突然襲い掛かってきた奴の能力により衣装がいきなりミニスカサンタになったのだ――!
「くそう! 何考えてやがるんだアイツは……しかも無差別って訳ではなくて、どうしてイレギュラーズだけを狙い撃ちに!!」
そして奴は逃走している。貴方達の衣装をミニスカサンタに変えて満足そうにしながら。
近年の有識者(??)の間による研究によると、この呪いを解く手段は一つ……『奴』を打ち倒す事であるのだとか。しかし早い。屋根を巧みに飛び越えて各地を巡るその俊敏さ――一体どこからそんな力が出ているのか!
いっそのこと二十四時間ほど隠れるのも手かと思うのだが。
しかしこれまた何故かローレットのイレギュラーズを狙い撃ちにしてくるので、遂に依頼が出されてしまったのだ。『あの野郎をぶちのめせ』と。このままでは他のイレギュラーズも次々と奴の毒牙に掛かってしまうかもしれないから!
だから追うのだ! うぉぉぉぉ!
このクソ寒い真冬に! 素足を晒して!
幻想の街中を駆け抜ける――!! ああ知り合いよ見るなよ、絶対に見るなよ!!
「あっ、イレギュラーズだー!」
「サンタさんだー! わーサインくださーい!!」
そんな事考えてたら、きゃっきゃと無邪気に近寄ってくる近所の子供達。
あの、やめてどいて! この格好は違うんです! これは、その、『奴』の陰謀で!
Ho-ho-ho――!
「うわああああ待てやこれ以上逃げるなホントに、止まれええええ――!!」
男も女も関係ない。みんなミニスカサンタになるんだYOー!
Ho-ho-ho――! あぁ、特徴的な笑い声が――幻想の街中に響き渡っていた。
- はい、それでは皆さんには今年もミニスカサンタになって頂きます完了
- GM名茶零四
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2021年12月31日 22時07分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
『奴』め、なんて恐ろしいんだ――
『あなたの世界』八田 悠(p3p000687)は思考する。
人はそれぞれ身に纏うモノがあるのだ。スーツにしろ学生服にしろバニーにしろ。
人の服装を勝手に変えてしまうこと、それはアイデンティティへの攻撃に他ならない。
故に僕は、僕らは!
「服装の自由を護るために戦おうじゃないか!
誰しも自由なる服を身に纏い、謳歌する権利があるのだから――!!」
いや貴方普段の姿は大抵『アレ』じゃないですか、ねぇちょっと!!?
堅い決意を瞳に秘める悠――彼女の衣装は、なんと最初からミニスカサンタ衣装だ!! ついでに体も大人モード。わざわざ『奴』がミニ丈にしている所から推察するに――身体に対して詰まっている状態がイイんだろうよ。はい!
なに、この身に恥じるところなど一切ないんだ。
だから堂々と跳んで跳ねては大捕り物をしてやることに異はない――
だけれども誰も彼もが彼女みたいに冷静(?)に覚悟完了している訳ではない。例えば――
どうして! 今年も! こんなことを――!!
『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は心より叫んだ。『奴』との対峙はこれが初めてではない――昨年も相まみえた相手である! まぁアレと完全同一個体かは知らないが、とにかくミニスカサンタには記憶があるッ――! くそぅ!
「ブレンダねーちゃんだー! ねぇねぇどうしてそんな恰好してるのー?」
「さむくないのー?」
「ハハハ、メリークリスマス。今は仕事中だから危ないぞ?
ほら。きっとお家ではケーキが待ってるぞ――さぁ早く帰るんだ。早く」
近所の子供達はなんとかあやして『奴』を追いかける……!
くっ! 正直短すぎてとても激しい動きなんてしたら色々危ない気はするわ、そもそも寒すぎるわ問題だらけだが――そんな事もいってられん!! 万が一『知り合い』に見られればとんでもない事になるのだから――!!
「こういうのは!! 室内で着るからこそいいものなんですよ!! それをどうしてこうも無理やり……くっ! 色々と、見えない様にするには、限界が……! ええい、絶対捕まえてとっちめてなんとかしてやります!」
「ふぇえ……っ!? な、なぜこのような格好に……!? ふとももが、丸見え、では……!? というかこれ、角度的には見えてはいけない所も……ふえ、ふぇぇぇ……!?」
そして追うのは勿論ブレンダさんだけじゃありません事よ。こういう出来事には縁の深い『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)さんや突如のミニスカ事件に戸惑っている『華奢なる原石』フローラ・フローライト(p3p009875)さん達もです……!
奴の声はどんどん遠くへと過ぎ去っている――だからこそとにかく逃げる『奴』を追いかけねばならない、のだが。どうして屋根! 屋根の上を飛び跳ねてるのだ! これって角度的にまずい事があるでしょう誰かが上を見上げたりしたらあーもう!!
けれど恥じらっている暇もないのです。追うなら今追わねばー!
「えっ。ミニスカサンタになるくらいなら放っておいていいんじゃないですか!? むしろ視覚的に皆ハッピー! あの娘もこの娘も皆ミニスカ綺麗な太もも拝み放題ってね! ほらしにゃもこーんなに可愛い感じですよ! なにが不満なんですか!」
だけど『可愛いもの好き』しにゃこ(p3p008456)さんはそんなでもありません。だって可愛いんだもん! ミニスカですよミニスカサンタ! この時期だけの特権サンタ衣装! 何がダメなのかと周辺を見渡してみれ――ば。
「う、うお――っ!?!? な、なんだなんだ、このかっこ……!?
俺、さっきまで確かに普通の服で……あ、足がすーすーして、落ち着かな……
へっくしっ!! へっくしっ!! あ、だめだくしゃみがとまらぬぇー!」
「ちょっ、な、何これぇ!!?? いちおう話は聞いてたけど! まさか(一応)男まで狙ってくるとか思わないじゃない! ていうかスカート予想以上に短くない!? ていうか男のスカート丈短くてどこに需要が!!? まずいって、まぁ今の俺の姿ならセーフだけど……!!」
「あー……これ男のもミニスカにしていくですね……筋肉モリモリマッチョマンも多分ミニスカにしていくんでしょうねーこれ……」
しにゃはしにゃりながら見据えた。そこにいるのは『ドキドキの躍動』エドワード・S・アリゼ(p3p009403)と『白き魔法少女・ブラン』一ノ瀬 和真(p3p009859)――つまり男組だ!
なんてこった。『奴』はどうにも見境がないらしい――! まぁ辛うじてというか、和真は偶然別件の依頼の最中に触れられたので戦闘中判定に入ってるのか、その姿が少女の姿に変わっているのだが……これは幸か不幸か!
「くっそ、元の姿でこの衣装になってたら大惨事よ……文化祭のコスプレじゃあるまいし……ていうかどのみち放っておいたら二十四時間もこのままとか冗談じゃないわよ! 私が『一ノ瀬和真』に戻る前に早くなんとかしないと……!」
決意新たに。和真……いやブランは往く。
ミニスカの裾を抑えながら。彼方で笑っている――あの赤服へと!
●
――正直な事言うと私は『奴』のこと、嫌いじゃないっスよ。
『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)は思考していた。雪降る中、その脳裏に映っているのは――エドワード氏の年齢らしくほのかに筋肉のついた白脚。ミニスカのラインに消えていくあの曲線美を想起するや否や、心が温かくなるし、ブラン氏はブラン氏で一粒で二度美味しいという代物だぐへへへへ……あっ。もしもしポリスメン?
そういう訳なのでちょっとぐらい多めに見ても――と思うのだが。
当然イレギュラーズたる彼女もミニスカサンタになっている訳で……その……
その『体型』の脚がですね――晒されてるんですよ――公衆の面前に――生で――
「……ぶっ殺す!!!!!」
殺意の波動に目覚める美咲! 別に彼女は極端に太っている訳ではない――しかし駄肉か? と聞かれたら『NO』とは答えられない――それが我らの美咲さんだ!
いや素晴らしいですね、やっぱりね、女性というのは肉付きがあってこそのものですよ。え、膝枕や三角締めされる時は柔らかい脚の方が嬉しいだって……? 分かってるじゃあないか。スレンダーな足も勿論素敵ですが、それにはない魅力が肉とムチッとした感覚には詰まっているものであり、おっとこれ以上はまずいので閑話休題!
とにもかくにもイレギュラーズ達は追いかける――あの赤い衣装の『奴』を!
Ho-ho-ho-!
相も変わらず呑気な声が聞こえてくるが――絶対逃がさないからなァ!
「あー寒い寒い寒い寒い!! 流石にクソ寒いですねこれ!! あーもう!!
ふぅふぅ! でも、しにゃは悟りましたよ……!」
可愛さとは我慢する事と見つけたり……!
しにゃこは往く――! タイツは甘えだ、ニーソックスで我慢!
お洒落や可愛さと機能性は両立しない――ならばしにゃは可愛さを優先するのです! それにやはりこのソックスとスカートの絶対領域が神って古来から言われてますからね! 古事記にも書かれてた!
優れた感覚をもってして闇夜を果てまで見据えるものだ。うおおおお飛行万歳、ローアングルから覗いたりするんじゃありませんよ! いいですか絶対ですよ! 絶対ですからね!!
「くぅ! やはりどう抑えても屋根の上を行く以上、これは隠すの無理では……ええい! 下着を見られる羞恥というよりも子どもたちの教育に悪いだろうが! どうにかならないのかこれ! いや別に見られて良いという訳ではないが――!」
「待ちなさいっ……どこまで逃げるのよ! 止まりなさいって!!
言ってるでしょーが! こら、聞こえてるでしょ、こら、こ……待てコラァ!!!」
そんでもって『奴』が逃げる方向的に当然ブレンダやブランも同じ目に遭っている訳ですよ! ブレンダの卓越した運動神経があれば屋根の上を飛び回るくらいお茶の子さいさい……ではあるが、そんなアクロバットな動きをすれば、ああ! まずいですよこの角度は!
思わずブランも段々口調が和真に戻りつつあるものである――!
「あーもうすばしっこい! 止まらないってんだったら仕留めるからね、コラァ!!」
ならばと。魔力を収束させて『奴』へと放つ! いやもう知った事か! 多少のダメージ叩き込んでも大丈夫だろうアレは多分! とにもかくにもまずは足を止める事が重要と――!
「捉えました! 逃がしませんよ……ここで止まっていただきます!!
ミニスカサンタにさせた報いは受けるべきです! この――!!」
『Ho-ho-ho-!』
そして。ブランの一撃を躱した『奴』――は、シフォリィの射程圏内に捉えられる。
武器に冷気を纏わせ一撃。跳躍するその一閃は一気に距離を詰めるものである――!
ブレンダ同様、華麗なる跳躍を成すことが出来れば卓越した速度で接近可能。まぁ屋根から屋根に飛び移る際に色々と気にする所はあるのだが……しかし、奴をぶちのめしてしまえば関係ない事である! それにアンダスコート履いてちょっとマシにしてるのだから!
「ふ、ふふ……でも、私もミニスカサンタの対象になったという事は……『ローレットのイレギュラーズ』として、私もその端くれとして認識されているということで……ほんの少しだけ光栄な、ような……い、いえ、やっぱりすーすーしますし! 他の人の視線が気になりますし! あ、だめです見ないで下さい! こっちはだ、だめですー!」
同時。フローラも寒さと恥じらいをこらえつつ追いかけてくる――下の方ではなんだか騒ぎに勘付きつつある者達が上を見上げてきている気がするが、ホントにダメです~! 暗いのが幸いで見えていないとは思うが、ひ~!
暗きを見通す目をもってして『奴』を追うが……あれ。もしかして下の連中も暗視の目をもってたら、スカートの中を容易に覗けたり……? あ、あんまり深くは考えないようにしましょう!
「おかーさん、あの人達なにしてるのー?」
「シッ! 見ちゃいけません! ほらお家に帰ってシチュー食べるわよ!」
「わ、わ……いけません、お子さんがた……っ!
これは、その、やむをえない事情があるのだけなので……!!」
「ご、ごめんねお姉さんたち今しご……あぁぁぁぁそんなキラキラした無邪気な目で見ないで!! 心が痛い!! 違うの! 信じて! これはお姉さんたちのやんごとなき事情で――!」
「これはもう外野の声気にしてる場合じゃないっすよ! 一刻も早く奴を――!!」
激しい動きをすればするほどにスカート丈の事情が如実に表れる――!
思わず裾を抑えるフローラやブランだが、それよりもと追いかけるのが美咲だ。
……そう、スカートを気にして動きが鈍くなれば――『奴』の魔の手が伸びてくるのだから――!
『Ho-ho-ho-!』
と、思っていれば早速だ! 更に繰り出されたシフォリィの一撃を受け流し――タッチ。
さすれば明らかに……スカート丈が更に短くなって!
「ぁ! 触れられたらア、アンダスコートが消えた――!? くっ! やはりアンダスコートもご法度だというのですか! 怒ってるんですか! スパッツじゃないとダメでしたか! え、それも違う?」
「あああ更に短くなって……くそ! おい、そこのお前ら見るな! いいか!
何も言うんじゃないぞ!! 絶対にな!!」
「こらー! PPPは良い子のゲームですから!! ローアングルから覗く悪い子は、後で監視処理ですよー!」
焦るシフォリィにブレンダ。野生の貴族達も見上げるくるものだが――しにゃこも含め脅しかける様に言葉を紡げば。
「くぅ『奴』め――相も変わらず恐ろしい能力を醸し出してくる事だね……!
だけど。見切ったよ。君には一つ……弱点がある」
だけれども。そのサンタの眼前に果敢に立ったのは――悠だ。
秘策がある。そう、奴が来ている服を自在にミニスカサンタに変えるというのなら……
「そう――普段の姿(全裸)に戻ればいいだけの事!」
Ho-ho-ho-!?
まさかの対処法。そのやり方はまずいですよ悠さん!! でもブーツやソックス、手袋などで小細工をしても布面積を奴は確実に減らしてくる事だろう……これはきっと概念攻撃。そう思えばこれも有用な手段の一つか――!?
布を纏わぬ彼女のありのまま。正直もうこれめっちゃ寒い。立ち止まったら凍える!
「改竄元がなくなってしまえば、如何に君といえど――成す術がないだろう?」
あ、ダメだ本当に凍えそう。なのでめっちゃ動く。止まったら風邪を引いちゃうから。
仮に全裸すらも上書してミニスカサンタにするほど強力だとしても好都合……
改竄と改竄のイタチごっこをしている間に仲間が対処すればよいだけなのだから――!
そして見据えればみれば『奴』は戸惑っている。そりゃそうでしょうね!
「うお――まてまて――っ!! 男のオレなら気にしねーぞ、は、は、はっくしょん!!」
「そろそろお縄についてもらいますよ! しにゃ達から逃げおおせるなんて思わねーでくださいね!」
そして。その隙をエドワードが一気に詰めてくる。ずずー、うう、鼻水も出てくるけれど頑張るぜ! みんな下手に動き回れない以上オレが……と思ってればエドワード君のスカート丈が更に短くなった、あー!
そしてマフラー装備(胸元は開けてる!)のしにゃも追撃する――!
空を飛翔し先回り。皆と協力して追い立てれば、徐々に奴が逃げうる先が潰されていくもので……
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……ま、まってくださーい! は、はぁ、はぁ……!」
と、その時。フローラが座り込んだ。
体力のない彼女に長期戦は不利であったか――!
前かがみになり、肌も色付いて汗もしっとり……おやこれは。
『Ho-ho-ho-!』
スカート丈を更に短くするチャンスだと――『奴』が往く!
ダメ押しが出来る状況だ。至高のミニスカを、此処に!
――だが、それこそが罠だったのだ。
「かかりました、ね! その欲望こそが……弱点、です!」
「うらー!! 喰らえ、必殺のフランケンシュタイナー!!」
フローラの半分本気半分演技。罠に食いついた『奴』へと美咲が締め上げる――!
そう。勿論『奴』が晒してくれたその太い、ほんまふっとい足で、だ。
ふふふ。寒さをカロリーでカバーしてきた美咲は未だ俊敏……俊敏? だ! ホントはね。タイツとかを履いたほうが良いことぐらいはわかっていまス。でもね、私が履くとこう……『ムチッ』ってなるんですよ。分かります? ソレ? その感覚が!
「いやーあれこそが良い所だよね。『タイツと生脚の境目にできるちょっとむにっとした段差がへっち』の極みだよ。人類の宝というかなんというか……ワインが合うねぇ」
「おい! そこの畑から生えてきた貴族! ちょっと後でシフォリィ氏とかに対象を変えてお話しましょう!」
「え、なんで私!!? まぁともかく――この世の中にはサンタのおじいさんを待っている人だってたくさんいるんです! それを理解しなさい!」
突然出てきた有識者(貴族)へ言を紡ぐ美咲――
が、今は『奴』を攻め立てる好機だとシフォリィも一撃放つものだ。
完全に拘束され、後は逃さずフルボッコにするのみなのだから――!
「うぉぉぉ! しにゃの力を! 全霊を此処に! 殺しちゃダメですよ!
クックック、貴方にはまだ使い道がありますからね!
しにゃの計画に役立ってもらいますよ! 殺すには惜しい能力です!」
『Ho-ho-ho-!?』
同時。しにゃも嘲笑うような狙撃を繰り出しながら――『奴』の使い道を想像するものだ。ククク……が、そんな不穏な気配を察したのか『奴』が必死に抵抗し始めて――あっ! 美咲のふとましい足から脱出を!
だが。
「逃がすかあああッ!! 星空の彼方まで――吹っ飛べオラァ!!!」
遂に憤怒爆発。ブランの魔力が収束し――直後に魔砲が放たれ夜空に一閃。
その衝撃により吹っ飛ばされる『奴』があらば。
『Ho-ho-ho-!』
夜空に奴の声が響き渡ると同時。皆の身体……いや衣服に異変が起こる。
ミニスカサンタ衣装が――解除されたのだ!
「よ、よっしゃやったわ……! あーよかった元に戻れた……!
あんな姿、あの子に見られなくて本当によかった……!」
「はぁ、はぁ……そうか、よし、よし、悪は滅び……た……!」
ブランにブレンダは安堵する。ああ知り合いに見られなくて本当に良かった――と?
「――やぁブレンダ。すごいやり取りだったね」
思った、ら。
なんかブレンダの良く知る相手の声が聞こえてきた気がした。
はえっ? は、ほ? な、シ、シルト? そんな馬鹿な、一体いつから……
「割と最初から? 最近まで動けなかったのに大変だね――まぁ、ブレンダらしいといえばブレンダらしいのかな。あの格好も去年ぶりだし。ああ懐かしいね。あの時は随分とビックリしたものだけど、やっぱりブレンダはこの時期になるとああいうのに縁があるのかな」
「あああああ!!」
今日見たことは忘れろ!! これは奴のせいで私の意思ではない!
二人っきりでも見せないからな!! やめろそんな残念そうな顔をしてもダメだダメ!
……見られて恥ずかしくない下着だったのが幸いだな。
聖なる夜に声が響き渡る。
紅い衣装はこの時期の象徴。まぁ、ミニスカなのはどうかとも思うけれど。
「……ううっ。冷えてきた。風邪には気をつけないと、ね」
それ以上に悠さん、早く服を着て!!
なんとなく体が暖かい気がする。ああこれってもしかして風邪の症状かな――
Ho-ho-ho-!
ああ。まだ奴が生きている様な――幻聴が聞こえた様な気がした。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
Ho-ho-ho-! やっぱりミニスカサンタって最高だと思うんですよね。
今年もありがとうございました!!
GMコメント
●依頼達成条件
『奴』に追いつきぶちのめす!!
●シチュエーション
幻想王都メフ・メフィート。時刻は雪降る夜です。
周囲は近付くシャイネン・ナハトに向けて活気にあふれている気がします……が。
皆 さ ん は ミ ニ ス カ サ ン タ で す。
男? 女? 関係ありません。皆ミニスカサンタです!
貴方もお前も皆皆ミニスカサンタです!
これは後述する『奴』の影響です――この状態を解除するには『奴』をぶちのめす他ありません。『奴』を放っておけばまた無辜なるイレギュラーズの犠牲が増えてしまうかもしれないのです……なので『奴』を追いかけて始末してください! ――ミニスカサンタ衣装で!
●『奴』
紅い衣。たくましい白髭。
そう――『奴』です。
異常なまでの俊敏性。屋根から屋根に飛び移る軽業……見事な限り。メフ・メフィートを駆け抜けるその存在ははたして魔物なのか精霊なのか。正体は有識者(???)の間でも意見が分かれている所ですが、そんな真実はもうどうでもいいでしょう。
そう――だって奴は触れた相手を次々と『ミニスカサンタ』にする能力を宿しているのですから!!
何故かローレットのイレギュラーズだけを狙い撃ちしている様です。何の恨みがあるんだ。えっ、狼狽えているイレギュラーズを見たいだけ? マジで?
ともあれこの能力は発動すると二十四時間解除されないらしいです――ただし『奴』を戦闘不能にすれば解除され、元の衣装に戻るのだとか。やったねイレギュラーズ!
――という訳で皆さんには奴をぶちのめしてもらいます。
どうにかこうにか屋根を飛び回る『奴』へと追いついてください――! あ、でも皆さんはミニスカサンタですからね! あんまり激しく飛び回ると色んな意味で危ないかも……!!
なお。既にミニスカサンタの人物に触れると、更にちょっとスカート丈が短くなる能力もあるそうです。
●近所の子供達
「わーイレギュラーズだー! どうしてそんな寒そうな格好なの?」
無邪気な子供達です。サンタ衣装を見ると目を輝かせて近寄ってきます。
●近所の騎士とか商人とか大人達
またイレギュラーズがなんかしてると思いながら見てます。
●野生の貴族達
A:むぅ、あれが世に聞くミニスカサンタ衣装!
B:ほう知っているのですかな?
A:うむ。とても肌を晒している衣装であり、正直こんな寒い冬の時期にああいうのはどうなんだろうと思わないでもないのだが、まぁすごくロマンあふれる衣装だからそういう実用性とかどうでもいいよね。とにかく素晴らしい衣装だよ! 私の屋敷ではメイド服の代わりにミニスカサンタ衣装を制服にしてるぐらいだ。ちょっと追いかけて目に焼き付けたいなぁ。
B:えぇ……???
C:ええ……??? でもちょっと分かる。
B:えぇ……?????
●情報精度
このシナリオの情報精度はMINISUKA・SANTAです。
Ho-ho-ho――! よろしくお願いします!
Tweet