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シナリオ詳細

猫の掟を知るがよい

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●にゃふりーとの怒り
 オアシスに怒号と猫の鳴き声が響く。
「くそっ、こいつら全然捕まんねえ!」
「逃げるんじゃねえコラ!」
 そこには、猫を追いかける如何にもガラの悪い男たちの姿。
 網を使っても投げ縄を使っても、スルリと抜けていく。
「逃げるにゃー」
「にゃふりーとが戻ってくるまでの辛抱にゃー」
 それは喋る猫たち。
 ラサを巡る猫キャラバンのねこたちだった。
 炎の猫にゃふりーとに守護されているはずだが……そのにゃふりーとは何処へ?
「はっ! あの化け猫はしばらく戻ってこねえよ! サンドワームの中でも特にでけえ群れをけしかけたからな!」
 なるほど、オアシスから少し離れた場所で爆音が聞こえてくる。
 そのサンドワームとやらとにゃふりーとが戦っている音なのだろう。
「おい囲め! 追い込んで網を投げるんだ!」
「やばいにゃー」
「こうなったら砂漠に逃げるにゃー」
 決まるや否や、一斉に砂漠に走り出していく猫たち。
 古来より逃げる猫を追うのは並の苦労ではない。
 逃げ出した猫たちを男たちも追おうとして。
 しかし、そびえたつ炎の壁がそれを阻む。
「なあ!?」
「……まさかモンスターの群れまでけしかけるとは、やってくれるにゃ人間」
「もう倒したってのか!? 嘘だろ!」
「このにゃふりーとを甘く見たのがてめえらの死因にゃ。俺はマックスでキレてるにゃ」
 オアシスを焼き尽くさんという勢いで炎の柱が屹立していく。
 それは……にゃふりーとと呼ばれる神獣の怒りの顕現だった。

●にゃふりーとを止めろ
「にゃふりーとたんを止めたいのでございます」
 微妙に何処かにトリップした顔で『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)がそう切り出した。
 何やら素敵な思い出が人格を侵食しているっぽいので、チーサ・ナコックが咳払いをして話を続ける。
「えー……猫キャラバンが大暴走してるのです」
 チーサ・ナコックはそう言うと机に地図を広げていく。
 そもそも、猫キャラバンとは何か?
 それは実在する「ラサの不思議な話」の1つだ。
 ラサの砂漠には不思議なものがたくさんある。
 それは不思議なダンジョンであったり、謎の品を売る隊商であったり。
 本当か嘘か、砂を纏い飛ぶ黄金の鳥を見たという者もいる。
 語るだけで千と一の夜を越えると言われるラサの不思議な話。
 その中の1つに「猫のキャラバン」なるものがあるという。
 猫だ。
 猫の獣種ではなく、猫だ。
 馬が無くとも走る不思議な馬車に乗り、猫のキャラバンは旅をしているのだという。
 誰も人が居ないような小さなオアシスで、その日一日、ゆったりと宴会をするのだという。
 何か珍しいものが売っているわけでもない。
 価値としては然程でもない。
 というか、そもそも市ですらない。
 たぶん何か別の噂が混ざってる気がする。
 ただ、オアシスで猫がまったりしてるだけの、そんな空間。
 しかし、その猫たちとは意思疎通が可能だという噂がある。
 そしてそれは事実であり、猫キャラバンには「にゃふりーと」という守護者が存在していた。
 前回、幻はその猫キャラバンと遭遇し幸福の果てに人格とか記憶の一部とかをすっ飛ばしてきたわけだが、今回その猫キャラバン……というか、にゃふりーとが暴走しているという情報を掴んできたのだ。
「どうにも、にゃふりーとにモンスターの群れをけしかけている間に猫を誘拐しようとした連中がいるらしく。にゃふりーとはその残党を追って、ついでに本拠地も壊滅させるべく進撃中です」
 盗賊の残党も命がかかっているので必死だし、マジ切れしているにゃふりーとは完全に盗賊をブチ殺す気でいる。
 本気のにゃふりーとの余波で周囲の気温が上昇し、ラサの一部の気候に異変まで出始めている。
 空飛ぶ馬車に乗った猫たちが追いかけているが、何らかの手段でにゃふりーとの怒りを沈めなければならないだろう。
「結構状況は予断をゆるさねーです。頑張ってきてほしいのです」

GMコメント

『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)さんのアフターアクションに伴うシナリオです。
猫キャラバンの守護者、にゃふりーとをケガさせないように止めましょう。
以下、必要データです。

●にゃふりーと
真っ赤な巨大猫。全長4M。猫をいじめる奴は俺のねこふぁいやーがカリカリに焼き上げるにゃん。
移動は空中移動。めちゃめちゃ怒ってます。
・ねこふぁいやー:任意の方向から放たれるラサの太陽の如き炎。どんな悪党もカリカリにゃん。
・ねこふれいむ:地面、あるいは空中から建立される巨大な炎の柱。最大30本出るにゃん。
・ねこさんしゃいん:にゃふりーとを中心に放たれる超高熱の波動。骨すら残さねーにゃん。
・ほのおのことわり:常に回復し続けるにゃん。ほのおは不滅にゃん。ねこの可愛さのごとく。

●逃げる盗賊団×10
だいぶにゃふりーとにカリカリにされて減りました。
甲殻虫型のモンスター「ムーンスカラベ」に乗って必死で逃げています。
基本的にメンタルは悪党です。

●盗賊団の本拠地
小さなオアシスです。盗賊が20人くらいいます。
絶賛酒盛り中。

●猫キャラバン
にゃふりーとを空飛ぶ馬車で追いかけています。
今のところ、猫たちの声はにゃふりーとに届いていません。
空飛ぶ馬車はにゃふりーとの守護の力により、炎の影響を受けません。
猫も大好き猫アイス、猫まっしぐらの猫ペーストの袋詰めなども載せられています。

どのように止めるのかは皆様のプレイング次第です。
なお、テーマは「猫への愛」となっております。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 猫の掟を知るがよい完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年11月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
エドワード・S・アリゼ(p3p009403)
太陽の少年
サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)
砂漠の蛇
杜里 ちぐさ(p3p010035)
見習い情報屋

リプレイ

●猫キャラバンを追え
 気温が上がる。空気が歪む。
 一部では温水のような雨すら降り、蜃気楼が見える地域すら出てきている。
 にゃふりーと。怒れる神獣を、『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)たちは追っていた。
「にゃふりーとちゅぁああああん!」
 幻はすでに正体をなくしているが、『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)が上手く制御している。
 勿論事情についても、リミッターが外れる前の幻から聞いている。
「タフなガンマンで名が通っているこの俺だがな、元々動物全般が好きなのさ。その中には当然猫も含まれる」
 嫁から依頼内容を聞いて、俺の怒りも心頭ってやつさ。猫をイジメた奴らに、きっちりをけじめを取らせてやる……と、そんな事を言っていたジェイクではあるが、此処にはそれを充分以上に理解できる面子が揃っている。
『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)も、その1人だ。
「世に悪の種は尽きまじとは言うが……」
 前回もゲオルグは悪党どもを退けたが、また似たようなのが出ている。
「やりすぎてにゃふりーとの怒りを買ってしまうとは、自業自得としか言えないな」
 にゃふりーとの怒りはもっともではあるのだが、万が一何かあったら、猫キャラバンを守るものがいなくなってしまう。
 しっかり説得して止めなければな……とゲオルグは気合を入れ直す。
「猫キャラバンというと、もっと長閑なものを想像していましたが、存外物騒なのですね」
「変な手出ししなきゃ、長閑なんだけどな……」
『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)に『ドキドキの躍動』エドワード・S・アリゼ(p3p009403)は言いながら、にゃふりーとのことを考える。
 ともだちのにゃふりーとのこと、きちんと止めなければならない。そんな想いが、エドワードの中にあった。
「にゃふりーと、あいつ相当怒ってんな……周りがちゃんと見えずに、仲間の猫たちの声も聞こえねーなんて……自分だけで、熱くなりすぎだぜ……」
 そして、そんなエドワードの様子を見てサルヴェナーズも頷く。
「まずはにゃふりーとに追いつくことが最優先、ですね」
「猫又の僕としても、にゃふりーとや猫キャラバンの危機を放っておけないのにゃ! 猫又は猫じゃないけど、みんな猫仲間には違いないにゃ」
『少年猫又』杜里 ちぐさ(p3p010035)も叫び、走る。
 段々と熱くなっていくその方向には……1台の空飛ぶ馬車がある。
「見つけた! あれが馬車だね!?」
「ああ、そうだ!」
 ゲオルグの答えに頷き、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は『ツナ缶海賊団』航海士キジシロを空飛ぶ馬車へと投げつける。
「ニャー!?」
「何か飛んできたにゃ!」
「なんかオシャレな服着てるにゃ!」
「マジックアーム展開にゃ!」
 なんか一匹の猫が発射したクレーンの玩具みたいなものがキジシロを掴んで馬車の中に引きずり込む。
 どうやらファーストコンタクトは無事成功。
「猫さんその馬車乗せてにゃーー!!」
 ちぐさがそう叫べば、馬車の後部から白猫が顔を出す。
「よく見たらまだいっぱいいるにゃ!」
「見た顔もいるにゃ!」
「僕達は敵じゃない! 話を聞いてほしい!」
『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)がそう叫ぶと……空飛ぶ馬車がピタッと止まる。
 急に止まったら危ないとちぐさは思っていたのだが……空飛ぶ馬車は予想以上に凄いようだった。
「聞くにゃ」
「僕ら忙しいにゃ。短く言うにゃ」
「僕達をにゃふりーとちゅぁんのところまで連れて行って頂けないでちゅか? 僕たちの仲間が盗賊団は滅多打ちにするので、盗賊については安心してもらって大丈夫でちゅ。僕達にはにゃふりーとちゅぁぁんを説得する秘策があるんでちゅ!! だから、空飛ぶ馬車に載せて欲しいでちゅ!」
「大体分かったにゃ」
「乗るにゃ」
「話が早いな。頼むぞ」
 幻の説得が見事に通じたので、ジェイクが幻を馬車に押し込みファミリアーの鳥で得た情報を共有していく。
 此処から先は説得班と別動班に分かれる予定だ。
 にゃふりーとに追い付く為にも、出来れば先回りが望ましく……強化されたジェイクの情報網で、先回りが出来る道順を割り出してはいた。
 その上で偵察の為にファミリアーを放ったわけだ。そしてその情報が今、役立つというわけだ。
 説得班は幻、ゲオルグ、エドワード、ちぐさ。
 別動班はアクセル、ヨゾラ、ジェイク、サルヴェナーズ。
 2つの作戦が、本格的に始まろうとしていた。

●にゃふりーとを止めろ
 ジェイクの調べた情報により、別動班の先回りは見事に成功していた。
 乱立する炎の柱は見るからに恐ろしく、いるだけで茹ってしまうような熱気は周囲の空気を激しく歪ませている。
 どうやら、間に合ったようではある。
 もっとも、どの道盗賊どもの末路は変わらないが……。
「猫キャラバンとか不思議な馬車はこんな緊急事態じゃなかったら興味深いものだけど……今は盗賊を倒しつつにゃふりーとを止めないとね」
「ああ、このまま盗賊どもに本拠地まで案内させる……!」
 ジェイクがチラリと視線を向けると、そこにはにゃふりーとに再度近づく空飛ぶ馬車の姿があった。
 そう、説得班を乗せた空飛ぶ馬車は更にスピードを上げ、にゃふりーとに迫っていた。
 近づくだけで火傷しそうな今のにゃふりーとにも、その加護を受けた空飛ぶ馬車であれば接近可能。
 そしてまず飛び出すのは、幻のギフト「胡蝶の夢」による、幾つもの「ネコちゅあんの特大フィギュア」たちだ。
 それぞれ馬車に乗っている猫たちを模したもので、幻が人格を吹っ飛ばしながらも判断力を残している証明でもあった。
「にゃふりーとちゅぁぁあん!! にゃふりーとちゅあんには大切な仲間がいるんでちゅよー! だから、冷静になって欲しいでちゅ! 盗賊は僕達の仲間がもうめっためったに倒すでちゅ! だから、優しいにゃふりーとちゅあああんに戻ってほしいでちゅー!!!!」
 それは、まさに何の格好もつけていない魂からの幻の叫び。
 だからだろうか。にゃふりーとの動きが、ピタリと止まる。
「にゃふりーとが止まったにゃ!」
「すげーにゃ!」
 今まで猫たちの呼びかけにも止まらなかったにゃふりーとが止まった。言葉が通じたのだ。
 ならば、今がチャンスだ。
「お前の気持ちもすげーわかる。お前はきっと、腹立たしい以上に必死なんだ。大事な仲間を守る為に。奪われねーように。大事なものを失くすのは、誰だって怖いもんな。なりふり構って、られねーんだよな?」
 次はエドワードが、にゃふりーとに呼びかける。
「いいぜ。にゃふりーと。お前のその思い、オレが全部受け止めてやる!!」
 今にもまさに飛び出しそうな勢いだが、猫たちがエドワードを掴んで止めている。
 流石にこの中に飛び出るのは自殺行為が過ぎるという判断のようだ。
「お前が盗賊のおっちゃん達を許せねーのは、仕方ねーってわかってる。あの人たちが殺されても、仕方ねーってわかってる。けどよ、にゃふりーと……そうじゃねーだろ! お前がすることは! お前は! 仲間の猫たちを守るんだろ!! その仲間の猫たちに、悲しい思い……させてんじゃねーよ!!!」
 それは、幻のものとは方向性こそ違うが……同じくらいに真っすぐな叫び。
 だからこそ、にゃふりーとの纏う熱が……僅かではあるが下がったように感じられた。
「あの時言ったよな、にゃふりーと。オレの気持ちも、お前の炎に負けないくらいあつあつだって。お前の炎がどんなに熱くたって、オレは倒せねーぜ……!!」
 その炎の如き熱き台詞に、にゃふりーとの纏う熱がまた少し下がって。
「守りたいモノは手の届くところに、にゃ……!」
 そんなちぐさの呟きもまた、にゃふりーとに届いた。
「猫キャラバンのみんな、僕がいる限り大丈夫にゃ! 根拠はないけど絶対守ってみせるにゃ!」
(……この馬車、にゃふりーとに近いから、炎とか飛んできて安全らしいけど怖いにゃ。なんて思ってるのは表には出さないのにゃ)
 思っていることはともかく、ちぐさのその台詞は……まさににゃふりーとが本来は言うべきことではあるのだろう。
 そして……今こそにゃふりーとを止める最大のチャンスだと、ゲオルグが叫ぶ。
「仲間に危害を加えた盗賊達を許せないのはわかる。だが、少し待ってほしい」
 その切り出しは、まさに今のタイミングだからこそ出来るものだ。
 ゲオルグはまさに上手く空気を読み、適切なタイミングで説得を始める。
「別に盗賊達を焼くのはいつでも出来るのでは?」
 これに関しては、ゲオルグは本気でそう思っている。
 他の仲間の怒りもごもっともだと思うので盗賊達を殺そうとしているのを無理に止めたりはすまい……と、そう考えていたからだ。
「人々に癒しを齎すいと尊き存在であるにゃんこを虐げた者を命を奪うだけで済ませていいのか……否、断固として否である。まずは奴らに、自分達が犯した罪の重さを自覚させることが必要なのだ。その為に何を課すべきか……そう、強制的ににゃんこ達のお世話をさせるのだ。その内ににゃんこの可愛さ、愛しさ、尊さに気づいた時に奴らは初めて自覚するだろう」
 それはもはや、説得というよりは演説だ。
 猫たちが「おー」と感心したような声をあげているが、まさに猫のための演説といった風ですらあった。
「自分達の犯した罪がどれほど重いものなのか。そして、どれほどの業を背負ってしまったのかということが。その罪と業を抱えてこれからの人生を生きていく、これこそが奴らに相応しい罰ではなかろうか!」
 と、ここで多少ゲオルグはトーンを下げる。
「まぁ、全然気付く様子とかなければその時は容赦なく焼いてしまえばいいのだし。だから少し落ち着いてほしい。にゃふりーとに何か有れば猫キャラバンを誰が守るというのか」
 勿論、盗賊ごときににゃふりーとはどうにもできないだろう。
 今まさに盗賊が壊滅寸前だったことからも、それは明らかだ。
 だが……そのゲオルグの大演説は、にゃふりーとに残っていた凄まじい熱をスッと冷ましたのだ。
「……にゃるほど。さっき盗賊を追いかけて行った連中にも見た顔があったにゃ。そしてお前等の言う事も正しいにゃ」
「にゃふりーとちゅぁああああん!」
 幻が喜びと共に馬車から飛び出しにゃふりーとに張り付くが、それをぺりっと剥がすと頭に載せる。
「あの人とんでもないニャ……」
 キジシロがそんな事を呟くが、たぶん幻本人がまた記憶がスッとんでいるかもしれない。
「……はー……にゃふりーと。感じたぜ。お前の思い。あの炎の熱さが、お前が仲間たちを思う思いの熱さってわけだ……へへ、どーりで熱いわけだぜ」
「にゃふりーと、こいつ馬車から飛び出そうとしてたにゃ」
「あやうく炭にゃ」
「うむ、その熱さを俺は許容するにゃ」
 言いながらにゃふりーとはエドワードを馬車から掴みだし、幻同様に頭に載せる。
「お前がいつものお前に戻ってくれて良かったよ。ともだちがやり過ぎそうな時はさ、体を張って止めてやんのも、ともだちの役目だろ?」
「まあ、俺の本気を見て尚それを言えるのは中々のことにゃ」
 言いながらにゃふりーとは、猫をもふもふしていたゲオルグに視線を移す。
「お前も乗るにゃ?」
「いや、やめておこう」
 もふもふしているゲオルグに頷くと、にゃふりーとはちぐさに視線を向ける。
「猫耳の者よ。お前も、このにゃふりーとは猫と認めてるにゃ。猫を誇るがいいにゃ」
「あ、ありがとにゃ」
「さて、それじゃああっちに向かっていった連中を迎えに行くにゃ」
 そうしてにゃふりーとと馬車が移動を始めた頃……盗賊のアジトは、すでに壊滅状態であった。
「このままでは不利ですね。魔術で信号弾を上げます。援護して下さいーーーなんて。素直ですね」
 さらなる援軍を呼ぶ素振りを見せて敵を焦らせるサルヴェナーズの演技が光るが……そこまでするまでもなく、盗賊たちはあっけなく吹っ飛ばされている。
「今後の為にも、1人たりとも逃がさないよ!」
「猫を狙った自分達の愚かさを嘆くんだね! 光の翼よ! 猫達を虐める駄目な奴等を切り裂け!」
 攻撃手段を全解禁したアクセルの神気閃光や魔砲が炸裂し、ヨゾラの光翼乱破が盗賊たちを切り刻む。
「お前達を始末するのに、猫の手を借りるまでもない」
 そうジェイクが言い放ち、プラチナムインベルタを放つ。
「動物を虐める悪い奴らを、俺達が生かしておくわけねえだろ。盗賊共は一匹たりとも逃さない……猫達が味わった恐怖の百倍の恐怖を味あわせてやる」
 それはまさに処刑宣言に近い。
 しかし今回の事態を引き起こした責任を思えば、にゃふりーとに焼かれるよりは温情措置と言えるだろうか。
 そうして、見事に盗賊たちは壊滅して……にゃんこパラダイスが、無事に開催されたのである。
「盗賊たちは何故分からないのだろうな……この! にゃんこの可愛さを!」
「オイラは初めてだけど……いいね、これ……」
 もふもふに埋まっているジェイクが至福の表情を浮かべ、アクセルも猫の可愛さにメロメロになりそうになる。
 幻はもはや語るまでもなく。ジェイクも幻と共にもふもふを楽しんでいる。
「かわいいは、宝物ですからね」
「だな!」
 にゃふりーとに寄り掛かっていたエドワードとサルヴェナーズが、そう頷きあって。
「全ての猫には幸せになる権利があるのにゃ。猫又の僕も含むのにゃ。それを蹂躙する権利は、何人たりとも……とにかく、ないにゃ!」
「その通りにゃ」
 ちぐさに、にゃふりーとがそう頷く。
「あぁ、やっぱり……猫キャラバン最高ー!」
 響いたのはヨゾラの、そんな声。
 それは全てを解決した者だけが感じられる……喜びの感情の発露であった。

成否

成功

MVP

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事に猫キャラバンの問題を解決しました!

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