シナリオ詳細
紅葉を楽しむ温泉付き別荘一泊の旅
オープニング
●紅葉は見たいし温泉も入りたい
秋といえば紅葉。
それに異論を唱える者は居ないだろう。
食欲の秋だろうとスポーツの秋だろうと読書の秋だろうと、そこに紅葉があればテンションが高くなることは確実なのだから。
そして……そこに温泉が加わったらどうだろうか?
温泉にゆったりと浸かりながら、紅葉を楽しむ。
それに敵うものなど、存在するはずがない。
その温泉自体も、至高の極み。
泉質は含鉄泉。鉄分を含み赤茶色に染まるその温泉は通常の温泉の比ではないほどの保温効果があり、極寒の日であろうとポカポカになるという素晴らしいものなのだ。
その見た目から「赤銅の湯」とも呼ばれる、そんな名湯なのだ。
そして……そこに建てられた別荘も豊穣より取り入れたタタミが敷かれており、ゆったりと寝転がることが出来る仕様になっている。
台所の設備も充実しており、食材さえ用意すれば大体のものは作れるだろう。
フスマを開け放てば紅葉で染まる光景を楽しめ、身も心もリフレッシュ。
そんな秋を過ごせれば、どんなに幸せだろうか?
……問題はないのかって?
そうだなあ。ちょっとモンスターに占拠されてるってくらいかな!
●モンスターを追い出して別荘を取り戻せ
「というわけで仕事です」
チーサ・ナコックはそう言うと集まった全員に何かのパンフレットのようなものを差し出した。
四季折々の風景を楽しめる別荘で俗世とは無縁の癒しを、みたいに書かれているが……一体何なのだろうか。
「実はこれ、情報屋で共有してる別荘の1つなのですが」
なるほど、情報屋はそういう物件にも詳しいだろう。
そのネットワークを駆使してこういうものを持っていたとしても、何の不思議もない。
しかし、わざわざそんなものを自慢しに来たわけでもないだろう。
「ですが、ちょっと管理を任せてた者から『占拠された』と連絡が来まして
その犯人はモンスター。
どうやらサルのモンスターらしいが、何処かからキーキーとやってきて温泉を占拠してしまったらしい。
温泉とサルはある種付き物ではあるが、だからといってサルモンスターに情報屋の温泉を占拠されるいわれはない。
早急に排除しなければならない。
つまりは、そういうことなのだが……。
「そのついでに、一泊してこようってわけです。どうです? 良い所なのは保証するですよ」
情報屋のネットワークで確保されている温泉付き別荘。
紅葉も見ごろであるらしいので、それはきっと素晴らしい一日になるだろう。
となると……モンスターには手早くご退場願わなくてはならないだろう。
- 紅葉を楽しむ温泉付き別荘一泊の旅完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年11月03日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●温泉を楽しむ為に
「酒だ! 飯だ! 温泉だ! 湯治を邪魔するエテ公なんざ蹴散らしちまえ! エテ公が俺たちの湯治を邪魔すんじゃねえよ!」
「ふふ! 温泉かぁ! 久しぶりに一緒にゆっくりできそうだね! ヴァリューシャ!」
「おほほほ、温泉にお酒を浮かべて飲む夢が叶う時が、ついにやって来ましたわーー!! 誰か、誰かビール樽を持ってきて下さいまし!」
「風呂場で飲むには豪快すぎません? ビール樽は。いや、ワイン樽ならいいって意味ではありませんよ?」
『錆びついた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)と『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)、『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)、『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)の大暴れする音と、サルモンスターが吹っ飛ぶ音が混ざり合う。
「占拠って……まあ、雨露凌げて温泉もついてるなら分からなくもないですが。さっさとご退場願いましょう」
ヘルツ・ハイマート(p3p007571)もそう言いながらサル退治に加わり……そうしてサルは早々に滅びた。温泉である。
「さあ、温泉です。温泉で酒です。今回はチーサさんが居ますからね、料理は彼女に任せましょう」
「別にいいですけど、サボってたらてめーにはワサビだけで作った寿司食わすですよ?」
『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)がサッと酒瓶を隠したが、それはさておき。
この別荘の掃除に食材の追加など、やることは多い。
それもこれも素晴らしい宴会の為である。何しろ人里離れた山の中。
ちょっと大幅に……盛大に羽目を外しても、何処にも迷惑がかからないのだ。
その為にも、まずはどうするか……『陽色に沈む』金枝 繁茂(p3p008917)と『妖精騎士』セティア・レイス(p3p002263)は、別荘の掃除にとりかかっていた。
「わたし掃除にがて、住み着いてる妖精とかにしてもらうしふつうは」
「簡単ですよ。さあ、ささっと掃除を済ませましょう、拠点の衛生管理は重要案件ですからね」
ヨシッと軽く気合を入れて清掃開始する繁茂だが、その現状を確認していく流れも手慣れたものだ。
「サルに占拠されていたみたいですが、別荘の被害が気になりますね、被害確認は一応しておかないと……むむっ! タタミが捲られ至る所の扉が開いている……! これもサルの仕業ですかね」
「いや、私っスね」
部屋から顔を出した美咲は、次のタタミを剥がしていく。
やっているのは床面の確認だが……特に問題は無さそうだ。
「座椅子を裏返し、壁面も軽く叩いて、押し入れから台所まで扉という扉を開いてー……あ、此処はやっとくんで下の掃除お願いしまス」
そうして繁茂たちが出て行ったのを確認すると「ふー」と息を吐く。
「一通り『掃除』は終わりましたね。さて、ここからどう片付けまスかねー……」
職業病で盗聴器の類がないか探していた美咲ではあるが、一応問題は無かった。
此処からが本当の掃除である……のだが。
「wifiぱすわーどさがそ。ない?やばい、電波もつうじてないここ。スマホできないのとか、田舎むりめにやばいかもってなる、たぶん」
「やー……忙しそうっスね」
「みんないろいろしてる、わたしもがんばってたべる係と温泉入る係するね」
「それは係じゃないっすねー。ほらほら、そこどかないと転がすッスよ」
「ああー……芋煮とかもたべるし、普通に。あ、肉めのものたべたい、わりと」
「芋は今下で煮てるっスねー」
「ああー……」
コロコロと美咲に転がされて楽しそうに転がっていくセティアではあるが……セティアなりに食べる係は真剣にやるつもりであるらしい。ちなみにこの後いっぱいコロコロされた。
「ふー……気を付けないと時間が溶けてしまいますね」
そんな2階の2人を他所に、繁茂は1階の掃除を始めている。
「本来なら数日かけてやる事ですし確認した所と状況をメモして後ほど管理を任されている方にお任せすればよさそうですね」
屋敷には虫を寄せ付けない魔法があると思うので虫は気にしない。実際、虫の類は入ってきていないようだ。
当然だが、掃除をする者がいるなら料理をする者もいる。
マリアとヴァレーリヤは、チーサと共に芋煮を作っていた。
「ヴァリューシャと一緒に、芋煮を作るお手伝い! ふふ! 腕が鳴るね!」
「マリィ、そちらの準備はできまして? 火を起こす方は、準備万端でございますわー!」
「ヴァリューシャ、私は準備万端さ! いつでも点火しておくれ! すぐにでもチーサ君と調理にとりかかれるよ!」
「……もう呑んでるですか?」
「のんでませんわ!」
「まだだよ!」
元気の良い返事が返ってくるのを聞きながら、チーサは芋の下処理をする。
なんとも元気だが、テンションの高さ故だろうか。
とにかく、芋煮は速めに準備をしておくにこしたことはない。
そして、山中ということで食材調達に出かけた面々もいる。
たとえば寛治は清流を見つけ、釣りに興じていた。
「食材調達……を口実に、これは完全にレジャーですね」
そんな事を言いながら寛治は清流で冷やした酒をちびりちびりとやっている。
せせらぎの中で紅葉を眺め、静かに釣り糸を垂らす。
都会の喧騒や日々の忙しさを忘れ、自然に包まれて過ごす……そんな上質の癒やしの時間を寛治は堪能していた。
「上手いこと釣れたなら、夕飯に川魚の塩焼きが追加ですね」
ハハハ、と笑う感じは実に楽しそうだが……そんなレジャーを楽しむ寛治とは逆に、バクルドはガチで狩りに出かけていたりする。
「……そうだな鹿とかが狩れるといいな」
その呟きは、まさにガチのハンターだ。
棒とロープを使った罠設置と狩猟で大型の獲物を狙うつもりなのだ。
後は道中で鳥だのを撃てばレパートリーも増えるだろうか?
「チーサが上手いこと調理してくれるだろうから食材取ったら丸投げだな」
言いながらバクルドは仕掛けた罠の確認をしていく。
「っしゃあ! でけえ獲物が引っかかったぞ!」
そんなバクルドの歓喜の声が響く頃。
ヘルツは山菜探しをしていた。バッグにカンテラにシャベルと、用意もバッチリだ。
キノコ、葉菜、根菜、知識の限り探すべく山を歩き回り、すでにそれなりの量もゲットしている。
「翌朝の分もありますから多めでも大丈夫でしょう。ええ、皆さんの食べる分も持ち帰らないといけないんですから迷子なんてなりませんとも」
そんなフラグめいたことを言いつつも心配になったのか「……ま、万が一の時は精霊さんに元いた別荘に帰りたいとお願いすれば何とかなるでしょう。多分」などと言っているが……この後ヘルツはバクルドと一緒に別荘に戻ることになる。
そしてその頃、美咲は街に買い出しに出ていたりもした。
「皆が必要そうで商店で買わないといけないものはこっちで買っておきましょう……ま、酒は寛治氏も持ってきてそうなので最低限の量で良さそうでスね」
言いながら美咲は商店で必要そうなものを見繕っていく。
「まずは鉄帝といえばのウォッカと定番のウィスキーとつまみとセティア氏用兼割材のジュースと調味料とビールと……いや、最低限と言うには酒の量多いな……!?」
少し減らすべきか。そんな事を一瞬考え……美咲は新しい瓶を掴む。
「でも、まあ面子が面子だし……もう少し買っておくか……」
ともかく、そうして準備は整っていったのである。
●宴会開始!
「ひゅーー、完成! 食べましょう食べましょう! マリィはお野菜多めが良いかしら?」
「私はお肉大好きだよ! ヴァリューシャはお野菜派かい? ふふ! お酌もしちゃうよ! たぁんと飲んでね♪」
早速イチャイチャしているヴァリューシャとマリアはさておいて、宴会の始まりである。
繁茂の作ったおにぎりとはちみつ柚子茶もなんだかんだで食卓に追加されており、非常に贅沢な食卓になっている。
芋煮に鹿肉のジビエ料理、川魚の焼き物……まさに山の幸が大集合だ。
「はあ、美味しいですね……」
「いやあ、こうのんびりと食えるのは確かにいいもんスねー」
繁茂に美咲も頷き、焼き物をパクリと食べる。
寛治が釣ってきた魚だが、中々に美味だ。
「酒! ご馳走! 無礼講!」
その寛治は、早速ご機嫌に酒を空けている。
美少女殺し(樽)に、稲荷酒造・桃源郷(樽)。
食前酒には果実酒『M』、そして酒席には欠かせないヴォードリエ・ワイン。
そこに美咲の買ってきたウイスキーなども合わせれば、世界の酒大集合といった感じである。
「ジビエには、ワインが合いそうですね」
そして、食卓には七輪も置かれているが……今まさにセティアの手により良い香りが醸し出されている最中である。
「うちのおじいちゃん、茄子とか七輪で焼くから真似する。いか干したのとかも焼くから、みんなもたべていいよ……わたしこれに、コーラ盃あわせるから」
言いながら、セティアはジビエ料理をもぐもぐと食べている。
肉あったらけっこうたべる、とは本人の談ではあるし実際美味しそうに食べている。
そして茄子も良い焼け具合であり寛治が早速ヒョイと食べて樽酒をグイッといっている。
「っか~~っ! うめぇ! 飯も旨えし酒も旨え! こりゃ働いた甲斐があるってもんだ!」
バクルドもガッツリと言っているが、酒が中々に進んでいるようだ。
「9人でも大宴会ってな! じゃんじゃん食ってじゃんじゃん飲んじまおう! あー、働いた後の飯は最高だな!」
そうして酒も飯も進めば、ぽつぽつと温泉に行く者も現れ始める。
「すみっことかすきだから、すみっこですごいぼーっと紅葉とかみる、えもい? 山……ここ……」
適当に服を脱ぎ散らかしたセティアがチーサに割とガチめの説教をされたが……湯あみ着を纏ってコーラ盃を傾けている。
ちなみにコーラ盃とは盃にコーラを注いだ代物である。
プカプカと浮いたお盆にはコーラと盃と……チーサが用意してくれたナッツが載っている。
「そう、わたしは温泉入る係……」
ちゃんとかけ湯もしているし、温泉はポカポカと身体が温まる。
「露天かつ混浴ですかぁ……わぁ、まさに自然の中って感じがしますね」
同様に湯あみ着を纏ったヘルツは、こちらは風景を楽しんでいた。
温泉から見える空に、燃えるように真っ赤な紅葉。
魔法の明かりで照らされたそれは、とても幻想的で。
「どうよ、一杯いっとくか?」
「あ、いただきます」
バクルドに貰った酒を、一杯。
あまり飲み過ぎるつもりはない。
程よく飲んで、肴にこの光景を楽しみたいからだ。
(記憶が無くとも、この光景が如何に素晴らしいものかは分かりますから……)
そうやって楽しんでいるヘルツに必要以上に絡むこともなく、バクルドも酒を飲む。
「夜で紅葉を見ながら温泉で酒を一杯! 猿退治と狩りで汗水たらした後の風呂は格別だなぁ、酒が入れば疲れもいい肴だ」
「そうですねえ。疲労感も流されていく気がします」
繁茂の前にも、ナッツとお酒の乗ったお盆が浮いている。
「川のせせらぎ、そよぐ草木、そして目を開ければ一面の紅葉。風流で良いですわねー。これは一段とお酒が進むというもの。ならば飲むしかございませんわー! 乾杯かんぱーーい!」
「自然溢れる素晴らしい景色の中で、恋人(ヴァリューシャ)や仲間達と一杯……ふふ! 悪くないね! 風流……ヴァリューシャにぴったりの言葉だね! それじゃかんぱーい!!!」
「ほら、飲むのが遅いですわよ! それとも、私のお酒が飲めないとでも??」
「ヴァリューシャ、あんまり無理矢理飲ませちゃ駄目だよ?」
寛治がヴァレーリヤに絡まれ、マリアにターゲットが移った隙にスタイリッシュに逃げていくが……基本的にヴァレーリヤとマリアはセットにしておけばよい感じに巡るので安心である。
そうして寛治は、自分のペースでゆっくりと飲み始める。
「露天風呂に酒を持ち込んで、お盆に乗せて湯船で飲む。たまらないですね」
何しろ、樽まで持ち込んでいるので追加も簡単である。
「温泉ならやはり日本酒でしょう。ここに「美少女殺し」を用意しました。お酒を嗜む者同士、差しつ差されつでいきましょう」
ドドンと置かれた樽は、この人数で飲んでも中々無くならなそうだ。
「良かったらチーサさんも是非。お酒でほんのり赤らんだ湯浴み着姿、中々に艶っぽいですよ」
「まあ、酒の席だからその発言も許すですけど」
「普段だったら?」
「フォークで尻を刺すです」
いつもチーサが持っている巨大フォークを思い浮かべる寛治だが……酒の席なので許された。安心である。
「いやー、人間って公衆の前では服を着る生き物じゃないでスか? つまりは公衆浴場も湯浴み着を義務付けるべきと思うんスよ」
そんな事を言いながら、美咲(体型:肥満)は深々と湯に浸かっている。
「ねぇ? チーサ氏(体型:華奢)? マリア氏(体型:痩身)? いや、私の体型は関係ありませんよ? 一般論の話でス」
「ほう」
「なるほど」
「どれどれ?」
チーサにマリア、そしてヴァレーリヤまで集まり、美咲をツンツンとつつき始める。
「あ、ちょ、私の体型は関係ないでスから!」
「ほう」
「なるほど」
「どれどれ?」
「これも大自然の掟……」
「ああー!」
セティアまで加わり、美咲が散々つつかれまくっている光景から紅葉に視線を移しながら、寛治は思う。
「しかし、こんないい別荘が使われていないのは勿体ない。定期的な手入れも兼ねて、宿として営業するのもよいのでは?」
秋冬のハイシーズンに最適な別荘になるだろう。
その案は幾らでも出てくるが……今は存在感を消すのが一番だ。
そんなこんなで、秋の紅葉を楽しむ温泉付き別荘一泊の旅は……騒がしく、かしましく過ぎていくのであった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
コングラチュレーション!
温泉もご飯もしっかりと楽しみました!
GMコメント
サルモンスターを倒して温泉を楽しみましょう。
全然強くないので、戦闘プレイングは薄めで大丈夫です。
●サルモンスター×10
温泉と言えばサルですキー。
引っ掻き攻撃を使用してきます。
■別荘パート
温泉はサルモンスターを倒せば自然と浄化されるので掃除の心配は要りません。
食事の準備に別荘の中の簡単な掃除などが必要でしょう。
温泉は露天。男湯とか女湯とかないので、湯あみ着なり水着なり用意しましょう。
なお全裸で入ろうとするとチーサに強制的に湯あみ着を着せられます。
2階は寝室。でっかい大広間に皆でお布団敷いて寝ます。
チーサ入れて9人しかいないから広々です。
輝く魔法の明かりが紅葉を照らし、美しい光景が楽しめるでしょう。
というわけで戦闘パートはぶっちゃけ「俺サル倒す」でも平気そうです。
食事、温泉、その後の過ごし方。
どのパートにどのように文字数を割くのか。
ガッツリ悩みつつお楽しみくださいませ!
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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