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シナリオ詳細

<Noise>再現性沖縄20XX:早すぎたハロウィン

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●Error:再現性沖縄とは
 そこはまるで……《沖縄》であった。
 練達の一区画に存在する再現性沖縄。さらにその一区画には翔波と呼ばれる地域が存在する。
 それは異世界『地球』よりこの世界に召喚された人々の言う《沖縄》を何か凄い勘違いして、「大体こんな感じだろう」というイメージで出来上がった魔境である。
 沖縄にはあらゆる夢がある。沖縄は食べ物が美味しい。
 そんなイメージを植え付けられた料理人たちは「沖縄こそは料理人に約束されし聖地である」と思い込み、事実翔波ではあらゆる食材が手に入る。
 そして全ての物事は料理でのみ解決され、あらゆる暴力は此処では排除される。
 料理こそ全て。料理が世界を救う。
 火と油、水と調味料に囲まれた世界こそ我が人生……それに気付かないなど料理人として愚かだし何なら皿洗いからやり直せばいい出直してこいやド素人が……その境地に至らなければ料理人としては未熟に過ぎ、究極の一皿になど永遠に届きはしない。だからこそ、街は今日も料理バトルの音が鳴り響いているのであった。
 ……鳴り響いている、はずだった。
 Error。
 Error。
 重大なエラーが発生。沖縄システム外の存在が侵入。
 最終防衛システム「沖縄化」を実行します。
 沖縄の作法に従い撃滅を期待します。
 グッドラック。

●ハロウィンが襲ってくる
「……翔波に危機が迫っているのじゃ!」
 クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)は、集まった面々にそう呼びかけた。
 そう、再現性沖縄(アデプト・オキナワ)の翔波。
 料理人の聖域であり、あらゆる食材が集まるこの場所が……ハロウィンに浸食されていたのだ。
 笑う不気味なカボチャが地面から生え、木に無駄に蜘蛛の巣が張っている。
 そして、木の実の代わりに飴の実が生る有様だ。
「ちなみに舐めたら水飴だったのじゃ!」
 食ったのか。
 当然であれば出てくるそんなツッコミに、誰も何も言わない。
 それがオキナワソウルというものだ。
 ともかく、そういうわけで「ホラー」ではなく「ハロウィン」らしい。
 笑うカボチャは普通に中身は甘みの強いカボチャクリームのようだ。
 いや、やっぱり普通じゃない。どう転んでもお菓子だ。
 どうやら夜妖の類ではないようだが……再現性沖縄にこんな事が起こるとは、まさに事件だ。
「それだけではない。どうやらカボチャ頭の怪人たちがウロウロしているようでな。連中が杖を振れば周囲がハロウィンの飾りつけになってしまう……これは沖縄の料理の自由の危機じゃ!」
 どうやらその杖が変なお菓子作成機のようだが……このままハロウィンに沖縄を侵食させるわけにはいかない。
 沖縄の平和が今……脅かされようとしているのだ。

GMコメント

料理人の皆様、再現性沖縄<アデプト・オキナワ>へようこそ。
え? イレギュラーズ? そんな肩書此処じゃ牛脂1つ分の価値もありゃしないぜ!
そんな感じです。

クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァーさんのアフターアクションに基づくシナリオです。
練達で起こっているエラーの影響はついに沖縄にも……!
今こそ沖縄パワーで沖縄を襲う危機を退けましょう!

今回、エラーの主因たるハロウィン怪人が相手です。
周囲をハロウィンモードに変えながら翔波を歩いています。
皆さんの数に合わせて分裂してきますので、何の憂いもなく料理を作ってください。
なお、ハロウィン怪人はパンプキンヘッドに黒スーツ、お菓子の杖を持っています。
作るのはカボチャクリームのタルトです。ハロウィンっぽくお化けとかジャックオーランタンの食べられる飾りも載っています。中々の強敵でしょう(美味しさ的に)。

そして勿論、ルールはいつも通りの沖縄ルール。
ハッタリも通用しませんし自分の舌に嘘はつけません。
「不味いものしか旨く感じない? うるせえ美味い料理は全部を砕くんだよ吹っ飛べ、アホがあ」な感じです。
美味い料理を作った奴だけが勝者です。

●翔波
 再現性沖縄20XXに存在する料理バトルの街。
 何かあれば料理で解決する料理馬鹿の聖域。
 ローレットのイレギュラーズの皆さんは料理人として参入することができます。
 此処では全てのステータスは無意味です。武器は振ってもハリセン程にも通じず、ギフトもスキルも無効化されてしまいます。
 ただし、相手より美味い料理を作れば大ダメージを与えて海老ぞりで大空に吹っ飛ばすことができます。
 相手の料理の方が美味ければ自分がそうなるってことですよ。
 なお、必要な食材や調味料は「基本的」にはその辺に生えています。
 豚肉の木とか砂糖の実とかあります。超怖ぇ。
 幻の食材と言われる類のものは特殊な場所、あるいは状況でしか存在しなかったりします。
(逆転が必要なシーンで偶然見つかったりするかもしれません)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 料理には常に想定外が付きまといます。
 プライドなんてミキサーにかけて飲んでしまいましょう。
 ハヴァナイスデイ。

  • <Noise>再現性沖縄20XX:早すぎたハロウィン完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
恋揺れる天華
サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
不壊の盾
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女

リプレイ

●沖縄にやってきた
「屋台とお供らと仲までやってきました沖縄! あ、お供は周りのご飯食べに行ったぞ」
『恋揺れる天華』上谷・零(p3p000277)の周囲にはキャトラトニーもイヌスラのライムも子ロリババアのオフィリアの姿もない。
 零の申告通り、何処かに行ってしまったようである。
 まあ、特に問題は無いだろう。沖縄は命の危険とは縁遠い場所だ。
「料理の聖地……沖……縄……?? 何を再現したんだ……?? なんで料理漫画風の世界観なんだ……??」
 全部適当なことを吹き込んだ奴と、それを再現しちゃった練達が悪いので気にしないのが吉である。
 沖縄では細かいことを気にする奴から吹っ飛んでいく仕様である。
「……まぁ、良い」
 それを感覚で理解したのだろうか、零は深呼吸して気を取りなおす。
「そういやギフトでフランスパンは出せねぇかな? あれが一番料理する上で肌に合うんだが」
 外でやれば出せるだろう。その辺り沖縄判定は無駄に厳しい。
 しかし……フランスパンは普通に生えている。
「この沖縄なら、何だってあるはずだ……! ……逆に伝説のフランスパンとか、在ったりする? 黄金に輝いてるのとかギフトと共鳴したりとかしない?」
 どうやら零の沖縄適性は非常に高そうだ。
「そもハロウィン怪人も沖縄らしさねぇしな……練達の助けになるならやってやるさ。これまでの混沌でのパン屋の総決算、させて貰おう!」
 沖縄適性を見せつける零に、『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は頷く。
 あの調子ならば頼りにしてもよさそうだと、そう感じたのだ。
「ハロウィンが早く来るエラー? 沖縄に来るのは二回目だが、料理じゃないと戦えないのは相変わらず不便だな……コアである武器にデバフ入る影響で体も重いし、とっとと料理を作ろう」
 そう、練達に発生している無数のエラーは沖縄にも届いていた。
 幸いにも生命に繋がる重大なエラーはないが……ハロウィン怪人という形でそのエラーは顕現していた。
 もしかすると何か重大なエラーであったのかもしれないが……沖縄ナイズされた以上は、沖縄の流儀が通用する相手でしかない。
「ふむ……本来、彷徨える南瓜の霊は私の本分。さくっと受理奉って浄化してあげたいところですが……ここは沖縄。ならばここでの作法に従いその御霊を鎮め(爆破し)ましょう」
 そんな事を言うのは『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)だ。
 そう、沖縄では銃も何もかも必要ない。
 樹里の言う通り、沖縄の作法こそが此処では唯一にして最強の武器なのだ。
「オキナワ? どこなのでしょうか。またチキュウとかいうところでしょうか? 不思議な文化で御座います。状況はよくわかりませんが、ハロウィンのお料理を作ればいいのですね? ならば、僕とジェイク様の夫婦の絆をよくご覧なさい。美味しく美しいハロウィン料理を作ろうじゃありませんか」
「ああ、そうだな。要は俺達が、かぼちゃ頭との料理対決で勝てばいいんだろ? 簡単さ」
『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)と『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)の夫婦タッグも、すでに沖縄の流儀で戦う準備は完了している。
「ひゃっほい! OKINAWAだー! なんだか無暗に常夏っぽい雰囲気がするよ! ハロウィン怪人なんて似合わない奴にアタシは負けないかんね!」
『夜に一条』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)もテンション高く、今にも踊りだしそうだ。
 いや、もう踊っている。ちょっと気が早い。
 そして……この中では沖縄のプロ、オキナワオブオキナワと言っても良いのが『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)だ。
 そのミルキィの視線はミルヴィの更に向こう……こちらをじっと見ているカボチャ頭に向けられている。
 そう、件のハロウィン怪人。すでに8人に分身し、こちらをお出迎えでやる気満々である。
「……この場所をどうにかするには、まずは貴様等を倒せばいいようだな」
「話が早いね!」
 ミルヴィはそう叫ぶと、不敵な笑顔で哂う。
「ハロウィン! それはパティシエ的にとても腕のふるいがいがあるイベントだね! でも、流石にまだ早いんじゃないかな? ここはボクのとっておきのお菓子で撃退させてもらっちゃうかな♪」
「うむ。あわてんぼうなのは一部のサンタクロースだけで十分じゃと言うに、なぜにジャックランタンもどきのハロウィン怪人が出ておきったのか、理解に苦しむのう……そう言えば知っておったか、ジャックランタンって元はカブだったそうじゃぞ? 最近東京系のウォーカーから聞いたんじゃが」
『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)もそう言って……ふと、ちょっと不安げな表情になる。
「……あと、どこぞに反省を促すダンスとかやらぬよな……?」
「……ふむ」
 何やらハロウィン怪人が身体の前で両拳を握ったのを見て、クラウジアが慌ててドロップキックを放つが……まあ、とりあえず冗談だったようである。
 どのみちドロップキックでは勝敗はつかないが、もうそれしかなかったので仕方がない。
 とにかく、相手もこちらも準備万端。
 ならば言う台詞はこれしかない。
「さて、れっつごーきっちん、あーれきゅいじーぬ!」
 そして、地面から調理台や調理器具が生えてくる。
 それは……沖縄流の勝負の始まりの合図なのだ。

●ハロウィン怪人をやっつけろ
「オキナワと言えばハブらしいよ! なんか親父の書庫の資料に書いてあったからハブって毒蛇を探すよ!」
 ミルヴィは言いながら、ハブを探すが……それらしき蛇っぽい生き物はいない。
「……ハブ! いない! あ、危ないからなんだ、そっか……」
 再現って言っても割といい加減なんだねー……、と残念そうに呟くミルヴィだが……まだ近くにあるハブの木には気付いていない。
「むむむ、色々と手鼻をくじかれた気がするけどアタシの料理は沖縄料理に限らずオキナワの食材で作ったアタシの料理だよ! オキナワ料理は豚にありと見たっ! 豚肉の木から獲った豚肉で肉麺を作ってお出汁をとっちゃうよ!」
 言いながら、ミルヴィは手早く調理道具を動かしていく。
「辛目の味付けに隠し味にサトウキビも入れてラフテーもいれてー……このままじゃ濃くて食べれた物じゃない……むむむ。ゴーヤを加えればっっ!」
 言いながら、即座にゴーヤを捥いでくるのは沖縄適性の表れか。
「やっぱり水に漬けた、あっさりと炒めたゴーヤは濃い味付けと抜群の相性で肉麺との相性も抜群! ここにカットして食べやすくなったラフテーと肉麺を加えながら混ぜるよ!」
 そうしている間にも、ミルヴィの視線はハブを探していた。
「ううーん、ここにハブがいたらハブのドキドキポイズンパイとかできたのになー……あれ、ハブの木まであるんだ? なら作れる!」
 ハブのなっているちょっとクレイジーな木からハブをもぎ取ると、即座に調理を始めていく。
 そんな光景をそのままに、零も調理を進めていた。なんと屋台「羽印」を持ち込んでの調理である。
「俺は主食でガツンとしたのを創るぜ。スイーツも美味いが、負ける訳にゃいかねぇ!」
 零が作るのはフランスパンバーガーなるものだ。
「但し以前とは違う。食材の制限が実質無いからこそ実現した予算度外視のギガフランスパンバーガーDX……!」
 そう、零は実によく沖縄を理解している。
 色んな制限があって外では出来ない料理も此処では出来る、出来てしまうのだ。
「ステーキハンバーグにチーズにトマト、レタス……色々な食材を重ね積み出来るは巨大なハンバーガー。勿論バカでかすぎないギリギリのライン!」
 やっぱ両手で掴んでこそ、だろ? その方がきっと美味いぜ、と零は笑う。
「……それに使う食材全部上等な奴だ。満足感が果てしねぇだろうよ」
 さて、サイズはどうか。こちらも順調に調理中である。
「………クリスマスケーキを作ったらさらにバグって逆にもとに戻らないかな……まあ、流石にクリスマスケーキはないか、普通に定番料理を作るか」
 そう言い始めて調理開始したサイズは、ゴーヤーチャンプルーを作成することに決めていた。
 調べた感じ、沖縄てそういうのが定番らしいし……というのが理由だ。
「ゴーヤや野菜をたくさん切って、食べやすい大きさの肉と一緒に炒める感じだな……苦味を押さえるために卵も追加するか、苦味がある料理は味付けが肝心だからな……勿論料理のさしすせそをまもって味付けだ」
 そんな基本をしっかりと押さえたサイズの調理の横では、樹里がちょっと楽しげな調理風景を展開していた。
「ということで、まずは探すまでもなくそこらへんにある巨大お化け南瓜(1トン)を採取。これだけ大きいと普段の私では持ち上げられませんが……ここは沖縄。料理の可能性は無限大です……!」
 むん、と持ち上げた樹里は……そう、持ち上げたのだ……!
 そして、その南瓜を真ん中から真一文字に切り、種とわたを取り除き……それを蒸し器に入れてじっくりことことと蒸し上げていく。
「ふふ、流石は沖縄です。これだけ大きな蒸し器と、調理場はそうはありませんからね。蒸し甲斐があります」
 そう、沖縄では考えた料理に特注の器具が必要だから……などという事はない。
 望めば、調理器具など生えてくるのだから。
「とはいえ、立派な南瓜なので当然蒸し時間も掛かります。なのでその間に色々なほいっぷくりーむを作っていきましょう」
 カボチャにホイップクリーム……というのは何だろう。聞こえていた誰もが疑問符を浮かべる。
「そう、今回私が作るのは南瓜のまりとっつぉです。大は小を兼ねる、ということで大きな南瓜の中に様々な味変したくりーむを詰めれば大食漢さんも大満足の一品です。種とかわたを抜いたところにも詰めますからね、生くりーむ自体も色々なものを使っていきますよ」
 何やら怪しげな雰囲気を醸し出してきた。まさかカボチャ部分にお菓子でもマジパンでもなく、まさかのカボチャである。
「南瓜くりーむは元より、ここあ、抹茶、ちょこれーとの王道はもちろん、紅茶の茶葉やじゃむなども使っていきます
 魔女の巨釜に魔砲杖でかき混ぜつつ……今日の樹里はこれ以上ないくらいにハロウィンをしている。
「そして蒸しあがった南瓜を冷まし、口を大きく開けてほいっぷさせます。時々酸味用におれんじぴーるとかを混ぜつつ……」
 いや、味自体は……少なくともクリームの味は美味しそうだ。
 そんな中、幻とジェイクの夫婦コンビは堅実に調理を進めている。
「俺達が作るのはヤシガニのポタージュだ」
 ジェイクの掻き出した南瓜を幻が茹でてから、タネを取って、柔らかい南瓜と白玉粉を混ぜる。
「これを美術知識と美術を駆使してかぼちゃの形に変化させます。勿論、この小さな南瓜餅の中をくり抜いて、目と口を作ります。その部分には黒の食紅で染めて、ヤシガニの身を中心にした黒玉餅を詰め込んでおきましょう。更に、赤の食紅を使って、赤と白のコントラストが美しいキャンディの飾り餅も作ります」
 それだけではない。白玉餅を変形させてお化けも作っている。
「目には黒ごまを、口には細い海苔を使いましょう」
 海老の殻を細かく粉状になるまで砕いて小麦粉と水を混ぜ、よく練ったものをのし棒に細く巻きつけて網状に加工。
 それをなるべくその形のまま揚げていく。
 その間にジェイクがポタージュ本体の調理を進めていく。
「先ずは甲羅から身をくり抜き、甲羅を細かく砕く。砕いた甲羅と刻んだ香味野菜を炒めた後に、濾して更に細かくしてから鍋に入れたら……鍋に先程取り除いたヤシガニの身を追加してじっくり煮込むぜ」
 この煮込んだものをミキサーにかけて、黒胡椒を追加すれば、ポタージュ自体は完成だ。
「しかし、まだ終わりじゃあないぜ。かぼちゃの実をくり抜き、ハロウィン仕様の器を作るぜ」
 かぼちゃの器にポタージュを入れて、ハロウィンらしさの演出も忘れない。
 そして、先程揚げたものなどを幻が南瓜の容器の中のポタージュに浮かせていく。
 それでも終わらない。更には幻がデザートも作っていたのだ。
「青や緑、黄色などの食紅を使って、琥珀糖を作り、星形に切り抜いたり、黒曜石のように切ったりしましょう。これらの琥珀糖を透明なワイングラスにいれて、ソーダを注ぎ込みましょう。最後にブルーキュラソーをコップの縁沿いに沈めれば……」
 さて、ミルキィはどうか。どうやらデザートで勝負するようだった。
「さーて、相手がハロウィンでカボチャなら、ボクもカボチャで対抗せざるを得ないだね! この季節でしか出せないボクのスペシャリテ(得意料理)芋栗南のタルトで勝負だ!」
 言いながらも、すでに手は動いている。沖縄にすっかり慣れたミルキィの動きには、一切の無駄はない。
「沖縄パワー満載の紫芋を使ったカスタードの上にくりりんカボチャで作ったクリーム! さらに栗の甘露煮のトッピングから繰り出されるホクホクあまあまの嵐の前にひれふすのだー! ふははー☆」
 そうして簡単に作成しているように見えるが、食材探しは平たんではなかった。
 何しろ、くりりんカボチャは北の食材らしいから沖縄ではレア物であるらしいのだ。
 坊ちゃんカボチャとかでも美味しく作れるんだけど、ここはなるべく妥協したくないから時間が許す限りは食材探しがんばるぞー、と気合を入れていたミルキィだが……そこは流石沖縄。諦めずに探せば、ちゃんと生えていた。
 そして最後はクラウジア。こちらも作るのは料理だけではなくデザートも、といった構成だ。
「というわけで今回のテーマはカブじゃ! カブといえばポトフじゃ! カブに玉葱ニンジン、ベーコンソーセージ。そこに何故かこの地で自生している中から厳選したコンソメスープにてじっくりコトコト煮込む……簡単じゃが煮込み具合の判断は経験が物を言うぞい。コンソメが自生とかちょっと儂外で叫んでくるのじゃ」
 なんでじゃー、とクラウジアが叫んでいる間にもスープは煮えてくる。
 なおコンソメの実は葉っぱの違いで種類の違いが分かるそうである。これだから沖縄は。
「さて、これだけでは物足りぬゆえ、ここはお菓子も用意じゃ。チョコを混ぜたバターケーキ生地に、さらにメレンゲを混ぜてふんわりとさせて焼き上げ、上下分割して定番のあんずジャムを挟み、全体を改めてチョコでコーティング……さらにハロウィンらしくホワイトチョコペンで蜘蛛の巣を描き、マジパンでできた可愛らしい感じの蜘蛛をセット!」
 そう、そして全員の料理が出来上がる。
「うむ、こってこってのザッハトルテじゃがこれもよいじゃろう? さあ、召し上がれ!」
「ギガフランスパンバーガーDXだ。所作は今は捨て置いて構わねぇ。一旦杖を置いて両手使って喰ってみろ、ほら」
「ゴーヤーチャンプルーだ。お菓子ばかりは体によくないからな、野菜も食べるがいい、あと適度な運動も忘れずにな!」
「南瓜のまとりっつぉです。それでは……たぁんと召し上がれ」
「ヤシガニのポタージュだ。夫婦で力を合わせて作った料理が、カボチャ頭共に負けるわけがないぜ」
「見て美しい、食べて美味しい、星のデザートもどうぞ」
「これがアタシの「ゴーヤと豚の甘辛肉麺」だよ! それと「ハブのドキ♡ドキポイズンツチノコパイ」だよー! ハブの姿はそのままにお腹部分にたっぷりのゴーヤとしっかり焼いた解毒香草を詰めてパイ風にした逸品だよ。殺人的な苦みと、毒の旨味がクセになる味! アタシは味見してないケド召し上がれ♪」
「トリックオアトリート! 芋栗南のタルトだよ。さあ、ボク渾身のトリートを味わって再現性渋谷に帰ってもらおうか!」
 そうして始まった料理勝負は……カボチャ怪人が天高く吹っ飛ばされ消失した事で、クラウジアたちの勝利が確定する。
 これで仕事は終わり。ならばとジェイクと幻は並んだみんなの自慢の料理を、仲良く食べて夫婦の時間を過ごし始める。
 この2人に関しては、全員が空気を読んで邪魔をせず……零も離れた場所で真面目に沖縄の海を眺めていた。
「この沖縄でも商売……出来ねぇかな」
 不可能か可能かでいえば可能である。通りすがりに料理勝負を仕掛けてくる、そんな沖縄でも良ければだが。
「ハロウィンの本拠地は渋谷だよね? 今度はしっかりとハロウィンの時期に渋谷で決着をつけようね!」
「……うむ、やはりポトフのキモはスープじゃのぅ、うまい」
 キラリと何処か遠い空に向かってキメるミルキィの横で、クラウジアが満足そうにポトフを味わう。
 この料理さえあれば、もう全部いいよね的な混沌。
 それはまさに、沖縄の平和を取り戻した証であっただろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事沖縄の平和を取り戻しました!

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