シナリオ詳細
<神異>ひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりが
オープニング
●世界の平和のために神を殺せ
「浸透圧力」
不吉すぎる顔をした男が、ストローの包み袋に水を一滴垂らして見せた。
じわじわとひろがるそれに対して、コーヒーをまた一滴。
同じように広がるそれは、互いの中間でとまる。
「この世界を侵食するものがある時、同じ侵食力でもって押し返すという方法がある。俺がここ最近になってやっていたことは、主にはそれだな」
『希望ヶ浜校長』無名偲・無意式 (p3n000170)は練達希望ヶ浜地区の一角にあるというハンバーガーショップの店内にて、イレギュラーズを集めてそんな説明をしていた。
ここ最近という言い方に含まれるのは、無論この街の夜空にかかる不自然な月のことだろう。
まるで世界をじわじわと蝕むかのように欠けていく月は、実際希望ヶ浜地区のあちこちにある神社や石碑や仏壇といったものを異空間ゲート化した。『希望ヶ浜異世界』と称されたそれは、希望ヶ浜を歪にコピーしたかのような空間であった。その先にあったのはなんとROO内のヒイズルに酷似した再現性帝都。
このまま異空間が定着すれば、ROOの世界がこちらの世界に出現するという異常事態が起きてしまうだろう。
「……お前、何を考えている? 死んだ筈の人間がROOで元気に生きている様を、こちらにも流し込めると、そう考えているんじゃあないか?」
小首をかしげ、世にも辛気くさそうに言う無名偲校長。実際そう考えた人間は多くないが、ゼロだと言えば嘘になる。
その気持ちを見抜いたのだろうか。無名偲校長は唇の片端だけで笑った。
「この世界に死者蘇生などありえない。もし死した者がありし日のまま目の前に現れたなら、それは死者を象った偽物にすぎない。
お前達にしてみれば……そうだな、天義で月光人形を殺した時に思い知ったことだろう?」
しかし、偽物がこの世界に蔓延れば、それは本物の崩壊を意味する。
「この世界を侵食する存在『神異』を払わぬ限り、この街は本来の姿を保つことはできない。放課後のハンバーガーショップも、体育館裏で煙草を吸う不良も、軽い学級崩壊も、大事な大事な日常とやらが音を立てて崩れ去るだろう」
ピッと指を立て、そして無名偲校長はあなたを見た。
悪魔のようなギザ歯をむき出しにして、笑って。
「『世界平和のために、神を殺せ』」
●侵食、青龍結界
希望ヶ浜へ異世界が侵食する際、その通り道となっているのが『豊小路』という空間である。
ここには『守護幻影』なる神霊の眷属たちが現れ侵入者へと牙を剥く。
中でも凶悪な狂気を振りまいていたのが青龍眷属による異空間『植物住宅街』である。
「あの場所に……もう一度?」
異空間の入り口。というより、希望ヶ浜学園中庭にできたひまわり畑に立ったランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)が自分の顎を指さし、『僕が?』といぶかしげな顔をした。
もう秋だというのに背の高いひまわりは咲き誇り、何本もがじっと太陽をみつめている。
「あの空間から発狂せずに戻ってきた人間は少ないんでな」
無名偲校長は肩をすくめてみせた。
「現在、更に狂気を増した状態であの空間が豊小路に発生している。このまま放っておけば、希望ヶ浜へ空間が侵食し始めるだろう。と言うか……もう若干されかけていると言っても良い」
見ろ、と空を指さす。
『侵食の月』と呼ばれる奇妙な逆月食現象が起きている。太陽による侵食。太陽の神でもある豊底比売による侵食を意味する現象だ。
その太陽をじっと見つめるという『ひまわりめいた現象』がこの街の女子高生達の間でなんとなく流行しているのは、気のせいと片付けるには奇妙すぎる。
「もうお前達を引き戻すための『保険』は使えん。
だが今回は調査でも救助でもない。侵略に対する撃滅にすぎん。
故に……シンプルだ」
無名偲校長はギザ歯をむき出しにして悪魔めいた笑みを浮かべた。
「全て焼き払え。狂気と戦いながら、な」
- <神異>ひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりがひまわりが完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年11月03日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●ひまわりがこちらをみています
狂気。
気が狂うこと。また、常軌を逸した心。
古代社会では狂気の人間が神の声を伝えると尊ばれ、主にシャーマニズム色の強い土着信仰においては清らかなる魂が正しく神の声を記し、僧侶たちはそれを翻訳することを掟とした。
一方中世前後のヨーロッパ及びアジア圏においては悪魔憑きないしは狐憑きとして迫害の対象となる。
学者によれば、狂気は自然科学の勃興と共に社会的価値基準から離れ医学の客観的対象となってきたが、再び社会的価値基準との関連が注目されるようになったとし、宗教学もこれを重視すると学術書にて述べている。
また哲学面においても狂気と実存との関係は注目されつつある。
●ひまわりがこちらをみています。あなたはめをそらしてはいけません。
希望ヶ浜学園中庭、ひまわり畑。
「いくら地区内の天候が操作されているといったってねえ」
麦わら帽子に白いワンピース。
沢山のひまわりに囲まれた『律の風』ゼファー(p3p007625)は爽やかに振り返ってから、そしてぶるりと身を震わせた。
「このクリスマス(シャイネンナハト)がほど近いって時期にひまわりはないでしょう、ひまわりは」
麦わら帽子を脱いで投げると、それをキャッチした『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)が自分も同じように麦わら帽子を被った。器用なことにツノで上手に穴をあけて。
「そうはいっても再現性東京ですし、環境を再現するために一年中さくひまわりが開発されているという線もありませんか?」
麦わら帽子の両端をつまんでちょっと下に引っ張ってみせ、歌いながらステップでもふむように歩く澄恋。同じく白いワンピースの裾がおどる。
「二人でゴッホごっこをするのは結構だが」
上着を掲げ、二人に投げて寄越す『訊かぬが華』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)。
「そのひまわりは、何の特異性もない一般的なひまわりらしい、ぞ」
コートをキャッチし、ぴたりと動きをとめる澄恋。
「え、じゃあなんでこの季節に思いっきり咲いてるんですか」
太陽の方向をむいて花を開くそのさまは、夏休みの一ページそのものである。
ゼファーも同じ疑問を抱いたのか、スッとひまわり畑から出た。
小首をかしげてかえすエクスマリア。
「さあ? どうしてだろうな? 理由は全く分からないが、いつまでも咲いたままらしい」
学園の保健室で健康検査を受ける『白き不撓』グリーフ・ロス(p3p008615)。
異世界に入るということで念のためにと受けさせられたものだが、レガシーゼロに健康もなにもあるのだろうか……などと思いもする。まあ、なければ死にもしないのだろうから、きっと色々とあるのかもしれない。
グリーフがふと振り返ると、ベッドに腰掛けた女子高生が窓の外をじっと見つめていた。
その方向には太陽があり、まばたきを一度もせずにただじっと太陽を正面から見つめ続けているように……みえる。
まぶしくないのだろうか。
そう思って当然の光景だ。
「最近流行ってるのよ」
保健室の先生(正確な役職名が思い出せない)がそんなふうに言った。
「何が楽しいのかしらね。私も真似してみたけど、一秒とたたずに目がくらんじゃって」
グリーフは再現性東京に来るのは初めてだ。ROOに至ってはアバター自体作っていない。
『ここは仮初の場所。今の私がここに来るのは、現実から逃げること。もしこの世界で生きる私を見たら、彼はなんと言うでしょうね。否定はしないでしょうが』というのがグリーフの弁である。
一緒に検査を受けていた『ゆめうさぎ』冬兎 スク(p3p010042)が保健室から校庭へ出ると、数人の女子生徒が集まって空を見ていた。
空というより、太陽をじっと見つめ、そのまま微動だにしない。
「本当に流行ってるんですね……希望ヶ浜って、変なことが流行るんですねえ」
別にまねしたいとも思えないし、楽しそうとも思えない。
子供が急にへんなことにハマるというのはよくある話だが、スクからすれば『オトナ』に見えるくらい年上の女性達がああしているのはちょっと不気味ですらあった。
ちらりと見上げた太陽は、ひどくまぶしい。
『侵食の月』と呼ばれるそれは、希望ヶ浜で発生する逆月食現象である。
聞いた話ではROOのヒイズルという国でも同じことが起きているそうだ。
今回の侵食現象と無関係とは、到底思えない。
「本当、どうしてこんなことになってしまったんでしょうねえ」
あらかじめ防火処理を施した空き地にて、『明日を希う』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)はパチンと指を鳴らした。
指の間に火花がちり、ジッポライターのように炎があがる。
ただのライターと違うのは、その炎がオトナの拳ほどはあるというところだ。ボールでもなげるように放てば、的にしていた藁の束に着火され、そしてひどい速度で燃え広がった。
「うん、悪くなさそうだね。今日はこれでうまくやれそうだ」
シキが希望ヶ浜学園の校長から(ローレットを通して)受けた依頼内容は、異界化した特殊空間『植物住宅街』へ侵入し、目につくすべての植物を燃やし尽くすというものだ。
炎というものはとても恐ろしく、すぐに燃え広がってしまうものだが、生木や水分を含んだ草は案外に燃えづらい。
長い経験からそういった知識をもっていたシキは、今回の依頼を『適当に火を放てば完了する依頼』とは考えていなかった。
「それに、前回の探索では植物に襲われた仲間もいたんだったよね?」
そういって振り返り呼びかけたのは、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)。
防災頭巾を珍しそうにかぶったりはずしたりしていた彼はシキの問いかけに頷いた。頭巾をかぶったまま。
そしてシキとはまた異なる『ゲヘナの獄炎』という概念魔術を発動させて手の上に炎をあげてみせた。
「そうだね。ヒイズルの神様の……青龍様の眷属が影響を与えてるみたいだよ。
青龍っていうのはすごく大きな木でできた神様で、だから眷属もやっぱり植物なんじゃないかな」
『青龍って水と土の神様じゃなかったかい?』と言いながら、シキは一応のところ納得したらしい。樹木を信仰するという価値観は、いかにもあのカムイグラらしいとシキも思ったからだ。
「それで? あの空間ではほとんどのメンバーが狂気にやられたと聞いたけど」
精神系バッドステータスへの耐性をもつ者や、『平常心』といったスキルをもった者。その他多くの狂気対策で身を固めまくっていた者ですら、とんでもない狂気に呑まれ最悪その空間に取り残されるところだったらしい。
校長の用意した『保険』なるもので全員帰還できたが、今度もどうなるかわからない。なぜなら、安全な探索法は前回時点で発見されておらず、その後立ち入り禁止処理が施されたからだ。
「一応、感情は消しておくけど?」
「それは前回だれも試してなかったはず。効果あるかもね!」
アクセルはそう言いながら表情から感情をスッと消した。
狂気と感情。その関連性とは、なにか。
『優光紡ぐ』タイム(p3p007854)はしっかりと『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)の服の裾を掴んでいた。
「え、なんで……?」
「この前はウェラさんだと思ってひっぱってたのがひまわりだったから……」
当時の事を思い出し、タイムはぶるりと肩をふるわせた。
希望ヶ浜学園の中だからか学園制服を着用している。
一方のランドウェラは黒いTシャツに白衣という妙な格好だ。ぱっと見は割と大学とかにごろごろいそうな風貌だが、腰にささった刀が異様さを際立たせていた。
そんなランドウェラは、肩をすこし落として苦笑した。
「そうだね。あのとき、正気のまま帰って来れたのは半数にも満たなかったし」
「うー……」
目をバッテンにしてついでに口もバッテンにするタイム。しおっしおな顔である。
そんな二人に、『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)が水の入ったペットボトルを手に歩いてきた。
ランドウェラとタイム、そしてマカライトは前回の探索計画のメンバーだった。
タイムは本人のいうところの『思いがけず』行方不明者となっていた女子生徒を発見し連れ帰ることに成功。こちらも結構なダメージを受けたし多少の治療を要したが、プラスかマイナスかでいえば圧倒的にプラスな結果を得ることが出来た。
「しかし、あんなものが混沌にまで溢れたらタダじゃすまないな」
「そういうこと。今回もダメージは大きいかも知れないけど、放置したらそれ以上に大変なことになる。頑張ろうね」
「ん」
マカライトは拳をグッと出し、ランドウェラもそれにこつんと自分の拳を当てた。
●植物住宅街
希望ヶ浜地区にはいくつもの立ち入り禁止エリアがある。様々なカバーストーリーによって封鎖されたそれらの場所には、怪異と危険が潜んでいる。
今回スクたちの立ち入った『四丁目四辻』は豊小路の深い部分に通じる道であり、『植物住宅街』と仮称している危険地帯へ繋がるゲートだ。
前回探索に入ったイレギュラーズの半数以上が狂気に侵されたこと、そして彼らが精神攻撃に強い耐性をもっていたにも関わらず狂ってしまったことを鑑みて再度の探索が禁止されていた。それが、今破られた形である。
スクはリュックサックのように背負った灯油タンクと放水のズル。ついでに防火袋に入れた着火剤を装備してゲートへと踏み込んだ。
(そもそもボクに根本的な対策なんてありません! とにかく早く動いて、問題は体当たりで解決を祈るだけっ)
パチンと自分のほっぺたを叩いて、スクは走り出した。
一緒に手を繋いで走り出すグリーフ。
ゲートをくぐったその瞬間、あたりの風景は一変した。
「……」
周囲の風景をグリーフは観察し、そしてまぶしそうに目を細める。
「どうしましたっ?」
「いいえ……」
そこは住宅街に似た何かだった。いや、『住宅街のふりをした何か』という表現のほうが正しい。
空は赤黒く、あちこちに巨大なゼンマイや花がたち、ツタに覆われた家もある。サッカーボールが地面で小さく弾み、視界の端へ転がっていく。
反射的にそれを負って視線を動かすと、サッカーボールはまるで最初から動いてなどいなかったかのように地面に停止している。
そしてそのすぐそば。まるでボールを足で止めたかのようにヒマワリが立っていた。
ヒマワリの花は太陽ではなく、『こちら』を向いている。じっと凝視しているようにも見えた。
グリーフには、その『色』がわかる。
あまりにも激しく、強く、まるで街全体を覆わんばかりの色に。
「見えたところで、私にはなにもできません」
あえて口に出して言うと、グリーフは『フレイムバスター』の術式を起動した。
あたり一面に火を放つ。
スクは一旦グリーフに着火を任せ、自分は腰の鞘から刀を抜いた。
グンッと姿勢が低くなり、『手を突かないクラウチングスタート』のような姿勢へシフトする。だがそれも一瞬のこと。勢いのせいでふわりと浮いた兎耳を背に流し、スクは凄まじいスピードでヒマワリの茎部分を切断。更にその先にある、自分の背丈ほどはあろうかという巨大チューリップの茎を切断する。
一歩遅れる形ではあるが、グリーフは自分のペースで炎を連射。10m範囲内にある植物という植物に炎を発していく。
そのたびに、植物たちは苦痛や怒り、哀願や困惑といった感情をグリーフに見せつけてきた。
そんなことをやった経験はないに等しいが、仮に例えるなら、無抵抗な一般市民を虐殺して回っているような、そんな反応である。
あまりにも不快だ。しかし、やらずに帰るという選択肢はない。この仕事を引き受けた時点で、選択と決定は完了しているのだから。
「……」
ちらり、と空に浮かぶ赤い太陽を見る。あくまで直視しないように。
そして気付いた。
「太陽が……笑っ」
グリーフが、その瞬間に消えてしまった。
「――と、ええっ!? グリーフさん!?」
何体かの花を切り裂いた後、スクは困惑した様子であたりを見回した。
ついさっきまで自分の1mほど後方に立っていたはずのグリーフが、振り返るといないのだ。
それだけではない。
「皆さん、グリーフさんが……!」
別の方向へ振り返ると、他の仲間達の姿もなかった。
驚きと困惑。そしてパニックになりそうになった所で、自分の頬をばしんと平手で強く叩いた。
自分が狂気に陥りまわりが敵に見えているのか。それとも仲間が全員どこかへ攫われたのか。
冷静になって周囲を見回してみると、植物はない。焼け焦げたヒマワリがくたりと横たわっているだけだ。
「ボクに確実な対応策なんてない……だから、突き進むだけです」
迷って立ち止まっても始まらない。スクは意を決し、道をまっすぐ進むことにした。
●シットコムムービー
『奥様は鬼女』澄恋(p3p009412)はどこにでもいる普通の奥様。そして旦那様の名前は[検閲削除]。
ごく普通のふたりは、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でも、ただひとつ違っていたのは、奥様は……鬼女だったのです。
玄関の扉をあける澄恋
澄恋「わぁ、ここがわたしたちの新居。愛しい我が家なのですね」
旦那様「そうとも澄恋。愛しい我が家に……愛しい妻」
ドアを閉めて家のなかに入る旦那様、澄恋にウィンク。歯を見せて笑う。
澄恋、うっとりと微笑む。
(観客のうっとりとした声)
ゆっくりと目を瞑る二人。
唇をわざとらしく伸ばす澄恋。
(リンゴーンというドアベルの音)
両手を後ろに組んで背筋を伸ばし、扉に向き直る旦那様。
驚いて飛び退く澄恋。
(観客の笑い声)
澄恋「愛しい我が家に、愛しい最初のお客様」
(観客の笑い声)
澄恋「ただいま空けます、どなたかしら?」
小走りにかけより、ドアをあける澄恋。
処恋が澄恋を押しのけて家の中に入ってくる。
(観客の拍手と驚きの声)
処恋「わぁ、ここがわたしたちの新居。愛しい我が家なのですね」
処恋、旦那様の手を取る。
旦那様、処恋にウィンク。歯を見せて笑う。
旦那様「そうとも処恋。愛しい我が家に……愛しい妻」
目を瞑る二人。近づく唇。
(観客のうっとりとした声)
「待って下さい……なんですか、これは?」
撮影セットの中。カメラやライト、監督の座る椅子やモニター。
家具の置かれたハリボテの家の玄関口で、向かい合う二人の人形から澄恋は視線をそらした。手に持っていた台本を放り捨てる。
カメラのほうを見ると、そこには無数のヒマワリが咲いている。まるでそれぞれのスタッフが立つであろう位置に、ひまわりは並んでいた。
キャンプチェアに至っては、ヒマワリが座面を突き抜けて咲いている。
そしてその全てが、一様に、澄恋を凝視するかのように花を向けていた。
「ああ……そういうことですか」
手をかざし、そして目を細める。燃え上がる炎が、彼女の身すらも包み込んだ。
「狂っていようと、燃やし尽くして見せましょう。ねえ……一緒に燃えてくれますよね、旦那様?」
たちまち、辺り一面は火の海となった。
●ネバーランドの住人
「早速やられたわね」
ゼファーは自分の手と足、そしてかたわらに落ちた槍を見てため息をついた。
視界がひどく低い。指は短く、足には可愛らしい赤いつっかけサンダルを履いているヒマワリの形をした飾りがついていて、歩くとキュッキュという可愛い音がした。
槍を持ち上げようにも重すぎる。試しに腕をブンと振ってみたが、この腕で人を殺せるようにはとても見えなかった。
だが、それは問題ではない。
ゼファーにとって、『その程度』は心を乱す材料にならない。
ため息をついた一番の原因は、味方のうち二名が既に狂気にやられて復帰ができなくなってしまったことだ。
花壇に足をひっかけ、窓によじ登って住宅の中をのぞき見る。
テーブルを挟んで澄恋と
フリーフが微笑み合っていた。
同じテーブルにつくかのようにヒマワリが数本たっているが、それらは全て燃え尽き、まるで突っ伏すように机に花をふせている。
彼女たちなりにミッションを達成したが、その過程で狂気にやられてしまったという所だろう。
「ま、私もそれなりにヤられてるんでしょうけど」
窓から離れて数歩さがる。
彼女たちを置き去りにしていくことも可能だ。しかしその場合、希望ヶ浜の掃除屋たちが命がけで突入し救出作戦を行うことになる。
彼らの『命がけ』は『本当に死ぬ』ことを意味している。
「なんていうか、言葉が陳腐になっちゃうとうっかり忘れがちだわ」
背の低い今でも、窓からちらちらと見える。
室内のヒマワリが、『見るたび少しずつ増えている』のが分かる。
「人って、死ぬのよ。放っておくとね」
槍の隣に置いてあった灯油タンクを蹴り倒し、軽くなった所で家屋にむけてぶちまける。
そして着火剤で火を付けた簡易たいまつを、家屋めがけて放り投げた。
燃え上がる家屋。ひび割れる窓。
槍をよいしょと持ち上げると、ゼファーは走り出した。
棒高跳びの勢いで地面につっかけ、そして飛ぶ。
窓ガラスを突き破り、屋内へと突入した。
●悪魔は契約した質問に必ず答えを言う
シキはヴィジャ盤を挟んで二人。学校の教室。
外は夕日の見える雨模様の夜空に水平線まで伸びる海原と視界を覆うビル群と窓に張り付いた大量の赤い手形と1mも見通せない濃い霧と行き交う無表情のサラリーマンたちでできていた。
ヴィジャ盤の上に、チタン製の10面ダイスを転がすのは紫色のスーツを着た悪魔だった。
ギザギザの歯を見せて笑い、シキに問いかけてくる。
「チェック、失敗。質問を言え、答えてやろう」
「今回は対策をかなり詰んできたよ。まず『ディープブルー・レコード』の【精神無効】効果だね。この空間でうける狂気っていうのがどういう狂気かは分からないけど、ないよりは良い筈だよ。
あっ、もちろんBSの狂気と実際の狂気が別のものだっていうのは分かってるつもり。これは作戦中に気が狂わないようにっていうより、戦闘中に自分を攻撃しはじめないようにっていう対策だね」
「チェック、失敗。お前の指摘通り、ここは希望ヶ浜であって希望ヶ浜じゃあない。
住民が空想した『恐ろしい異世界』が具現化したものだ。ただそれだけなら良いが、そこへネクスト経験者が信仰心を伝播させ、『神の仕業である』と思い込ませた。
信仰は神を顕現させ、異空間を神の庭とする。ここはいわば、人々の思い描いた神の庭……と言ったところだ」
二人は『内容が食い違っている』ことに気付かない様子で会話を続けた。
悪魔が椅子の上で足を組む。机に置いてあるワイングラスを手に取ると、香りでも楽しむように顔の前で揺らした。
シキは椅子にもたれかかり、片手をかざす。
「それと【感情封印】。悲しみも、怒りも、喜びも。この瞬間だけは全て捨ててしまうことにしたよ。
平常心が乱れるのは感情を掻き乱されるから。そもそも心がなければ、平常心が乱れることはないんじゃないかな?」
「チェック、成功。残念……気付いてしまったな」
ヴィジャ盤の上に転がったダイスが、パキリと割れた。
「――ッ」
びくりと背もたれから身体をはなすシキ。
驚きや困惑ではない。さっきまで戦闘していた筈なのに風景も姿勢もなにもかも変わっていたことに、身体が反射で動いたのだ。
表情を消し、風景を観察する。
シキは音楽教室のなかに一人。
ピアノが一台。窓はなく、吸音材でできた壁に覆われた部屋。
椅子はなく、シキは立っていた。机もヴィジャ盤もない。割れたダイスだけが、そこにはあった。
自分の左右には一列に並んだ人達……否、ヒマワリたちがある。
「……」
無言でシキは炎の魔術を行使した。
植物も部屋も、ピアノも壁もなにもかも燃やし尽くし、そして扉を蹴破るようにして外へ出る。
そこは。
なんというところなのだろう。
地面からはえた、先端の尖った卵や種のような形状の物体がきわめて等間隔に並んでいる。そして先端からさき、つまりは自分にとっての頭上に……自分を覗き込む巨大な自分を見た。
「あ」
巨大な自分が、手から炎の魔術を――。
●ひまわりはなぜこちらをみている?
「狂って神の玩具になるのは、御免被るところだ、が。
虎穴に入らずんば……という言葉もあった、な。覚悟は、しておかねばならない、か」
エクスマリアははぐれた仲間達と合流し、再び植物住宅街の探索を始めた。
「オーダーは破壊、だったな」
暴力的なまでに威力をあげた『アイゼン・シュテルン』術式を発動。
曲がり角を飛び出すと同時に打ち出した黄金のエネルギー体がならぶひまわりの中心に着弾。半球状の爆発が広がり、ひまわりなどという脆い存在をその根っこから引っぺがし、そして焼き焦がして吹き飛ばしていく。きっと種ひとつ残さず殺すだろう。
ヒマワリ一本を破壊するのにオーバーキルもいいところかもしれないが、エクスマリアは油断しない。全力を常にぶつけるのだ。
特に『居寤清水』によってAP最大値を増幅させた『アイゼン・シュテルン』術式の威力たるや凄まじく、たった一発限りとはいえかなりの数のヒマワリを破壊し尽くした。
「この一撃で数を幾らかでも減らせば、狂気の元も多少なり削れるかも、しれない」
フウと息をついたエクスマリアは、自分の真上を飛ぶアクセルを見た。
「お疲れ様、至近距離にあるヤツは倒しておくから、遠くのをお願いね!」
アクセルは翼に炎を纏わせると、屋根の上や住宅の窓から突き出すようにはえたヒマワリたちを次々に攻撃し、炎上させていく。
羽ばたきによって屋根よりはるか高くへ上昇し、ターンをかける。視界がぐるんと一転し、すぐさま地面が見える。
翼にうけた風を上手に動かしそのままカーブをゆるやかにすると、アスファルトの地面すれすれをすべるように飛行した。
ブロック塀に挟まれたそのフィールドを、広げた翼でかっ攫っていくのだ。
間にあった植物のことごとくを破壊し、そして再び上昇する。
「それにしても一方的だなあ。相手から攻撃してくる感じが全然しない」
「そうだ、な」
不気味だ。そう考えた途端、エクスマリアの脳裏に一筋の光りがはしった。
否、夜空にはしる一筋の光りの映像が、脳裏によぎったのだ。
「アクセル、何か感じないか」
「え? 何も?」
そう言ってからアクセルはぽんと手をたたいた。
「そうだった、オイラ『感情封印』をかけてたんだった。だから狂ったりしないよ」
そう言いながら、アクセルは無表情にエクスマリアの胸ぐらを鳥足で掴んだ。
無理矢理引っ張り上げ、そして至近距離で魔法の光りを膨らませる。
「アクセルッ!」
エクスマリアは即座に『大天使の祝福』を発動。アクセルを清い光りの球で包み込み、そして風でさらうようにして拭っていく。
「あっ、うわ。何っ?」
自分が仲間に攻撃を仕掛けようとしていたことに気付き、アクセルは首を振った。
「助かったよー、うっかり攻撃しちゃうところだった」
「いや、いい」
解放されたエクスマリアは着地し、その横にアクセルが同じく着地する。
「痛みが不調への、アラートであるように、苦しみや悲しみも、精神不調へのアラート、だ。狂気の原因であると同時に、シグナルでもある。消しすぎないこと、だ」
「だねぇ」
目を瞑って車を運転するようなもの、といったら流石に大袈裟だが、感情をカットし続けるのはもしかしたら危険かもしれない。
アクセルはやれやれと首を振った。
「他の仲間とも合流しよう。離ればなれになってるのは危険だしね」
アクセルはそういって振り返る。
と、そこにはヒマワリが立っていた。
慌てて飛び退く。
後ろにもヒマワリがあって、それに自分はぶつかった。
反射的に羽ばたく。空に逃げれば安全などという理屈は混沌世界にはないが、それでも地を這う動物からは逃げられる。
と思ったら。
ばすんと天井にぶつかった。
いや、天井じゃない。
巨大なヒマワリが、自分を覗き込むように空を覆っていた。
「あ、やばい」
感情封印を解いてみると、激しい恐怖が湧き上がった。
まるでアラートが鳴り続ける部屋で耳を塞いでいたみたいに。
●
「嘘ぉ……あの時よりもっと酷くなってる!?」
握りしめた杖から光を放ち、ヒマワリへとぶつけるタイム。
光を受けたヒマワリはぺきりと折れ、それを知らせるようにタイムは折れたヒマワリを指さした。
「トドメはお願い!」
「了解」
マカライトは手にした剣を振るうと幻の鎖を展開した。
鎖は激しく赤熱し、折れたヒマワリへと巻き付いていく。
そしてボッと音を立てて発火させ、メラメラと灰とあげながら燃焼させていく。
まばたきを、ひとつ。
するとマカライトのすぐ隣にヒマワリがあった。
移動したような気配や音は一切無いにも関わらずである。
「ティンダロス!」
マカライトは飛び退くと同時に眷属を呼び出すと、空を飛んでやってきたティンダロスType.S(シャンタク)へと飛び乗った。
ヒマワリはそんなマカライトを追うように花の方向をひねり、そして表面から大量の種を発射した。
空中で狙い撃ちにされてはたまらない。ティンダロスを民家の屋根に着地させると、放った無数の鎖をうねらせて相手の種を止める。
「ナメるなよ、雑草ども」
魔神の性質かそれともマカライト個人の強靱な精神力か、ヒマワリたちの放つ狂気の電波めいたものが彼を狂わせることはなかった。
いや、なかったとこの時点までは考えていた。
屋根の上に『移動』してきたヒマワリへ次々に鎖を伸ばし、燃やしていく。
全て燃やしきったところで、マカライトはティンダロスから降りた。
「……攻撃は既にしかけられていた、か」
周りを見回すと、そこは広い海岸線だった。
あたりには無数の破壊された戦車。
水平線のかなたより、巨大な影と魔の群れが迫るのが見えた。
心は冷静なままだ。
ということは、これは幻覚かなにかということだろう。
狂気と聞いていたが、頭をかきむしって奇声をあげ走り回るようなタイプのものでは、どうやらないらしい。
「冷静なまま狂わせにかかるか……」
こういうとき、どうすれば良いかは知っている。
マカライトは自らの首に鎖を巻き、そして両腕を鎖で拘束した。
「あとは任せた」
自らを突如として拘束し、屋根から転げ落ちたマカライト。
慌てて駆け寄ったタイムが揺り起こそうとするが、目をあけたまま彼は『あとは任せた』とだけ言った。
振り向くと、背後に複数のヒマワリ。前を向けば、そこにもヒマワリ。取り囲まれたようだ。
が、慌てる必要は無い。タイムは杖に力を込めて治癒のフィールドを展開した。そしてマカライトを庇うように覆い被さる。
「ウェラさん、今!」
キンッ――と刀を抜くような音と同時に闇色の斬撃が複数走った。
タイムもろともその攻撃に晒されるが、類い希なる防衛能力を持つタイムのこと、彼女の周りで力尽きたのも、そして深い傷を負ったのもヒマワリたちだけだった。
「ありがと、タイムちゃん」
スタン、とブロック塀の上に着地したのはランドウェラだった。
「こんぺいとう食べる?」
「今じゃない!」
「だよね」
ランドウェラは肩をすくめ、そして刀の柄を握って水平にかざした。
「しかし、随分『マトモ』な敵だね? 移動のしかたは不気味だけど、攻撃方法なんて種のマシンガンだし」
ランドウェラはウーンとうなり、そして自分なりの考えを述べてみることにした。
「この空間は……そもそもなんなんだろう」
「ん?」
急に哲学みたいなことを言い出したランドウェラに、タイムが首をかしげる。
「再現性東京の住宅街……っていうか、僕の出身世界にあった異常空間を真似て作られた筈だよね。侵食、だっけ? そのメカニズム覚えてる?」
ランドウェラがタイムへ振り返ると、タイムは唇に人差し指をあてて記憶を巡らせた。
「ええっと、確か……希望ヶ浜の人達の噂話が実体化したんだったよね」
「そうそれ。異空間に足が生えてこっちに這い出てきたわけじゃない。そもそもこの空間を作ったのは『希望ヶ浜の人達』なんだよね」
ランドウェラの世界が直接侵食することは事実上ありえない。その情報をもった希望ヶ浜市民の誰かがそれに似た噂を流し、噂が変容する過程でヒイズルの神の話が合流したのだ。
植物というワードから青龍に繋がり、青龍の眷属という噂話が実態となって侵食に至ったと考えるのが妥当だろう。
「じゃあ、このヒマワリたちが見せる狂気って、何」
攻撃。恐怖。危険。様々な可能性の中で、最も『噂になりやすいもの』とはなんだろう。
そこまで考えて、タイムは前回の経験をふと思い出した。
「わたしたちに……接触しようとしてる?」
相手が興味を示してきたとき、最も関わりが深くなるのは攻撃や対策をとった時だ。
「もしかしてだけど、『対策をとろうとすればするほど狂気が深くなる』の?」
「さあ、なんとも。少なくとも『平常心』や『精神無効』を持っていた仲間がやられて、タイムちゃんが最後のタイミングまではやられなかった理由ってそのくらいだと思うよ。だって、タイムちゃんってぱっと見た限りじゃ狂気系に対してかなり無防備だし。あ、抵抗値を除いてね」
マカライトを一瞥してから言うランドウェラ。
特にマカライトは『動じない心』というギフトをもっていた。発動すれば洗脳のたぐいが一切通用しなくなるという強力な対精神系能力だ。
ムッと頬を膨らませるタイム。
「だったら最初からそう言ってくれればよかったじゃん!」
頭からぷんすかした空気を放つが、ランドウェラは肩をすくめて笑った。
「それが『最大の対策』になっちゃうでしょ」
「あっ」
例えば暗闇の廊下を手探りであるいてトイレに行こうとした時、壁伝いに歩いているだけならただ『暗くて怖いな』で済む。
だが「廊下の突き当たりにナイフをもった男が潜んでいますよ」と知らされた時、それを無視して動くことはほぼ不可能だ。ベッドの下の斧男の例えでもいい。
「ま、そういう意味でマカライトは賢かったね。『自分の対策に対策』したわけだから」
ランドウェラは剣に炎を灯すと、残ったヒマワリを斬り捨てた。
火を上げて倒れるヒマワリ。
そして、その途端、激しい悲鳴と共に街全体が燃え上がった。
びくりとするタイムに手をかざし、動かないように求める。
それだけだ。
それだけで、終わりだからだ。
●中庭の夢
希望ヶ浜学園、中庭。
兎小屋とオウム小屋のあるこの場所には、いくつか花がうえられている。
チューリップや菊。誰でも名前は知っていそうな花だ。
意識を取り戻したタイムがゆっくりと立ち上がる。
すぐ隣に、燃え尽きたヒマワリが倒れていた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――『植物住宅街』の破壊に成功しました
――今回、異空間に捕らわれた人数は0人です
GMコメント
●これまでのあらすじ
希望ヶ浜にROOからの侵食がおこりました。TOP絵にあるような不気味に歪んだ異空間が発生し、それが徐々に実際の希望ヶ浜のあちこちに歪みをもたらしつつあります。
このまま放置し続ければ、いずれ希望ヶ浜という『作られた平和な世界』が破壊されてしまうでしょう。
皆さんはこの異空間『豊小路』へと突入し、中でも狂気の度合いが激しい『植物住宅街』というエリアで目につく植物という植物を破壊し尽くしてもらいます。
・全開の探索記録
<半影食>ひまわりがわたしを見てる
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/6532
●オーダー
『植物住宅街』にてあらゆる植物を焼き尽くします。
火を付けて回るのが一番なのですが、この場所にいるだけで狂気に見舞われ、それを回避するすべは今のところ見つかっていません。
精神力の強い者や、巧妙に精神の乱れを隠せる者や、固い平常心を持つ者もことごとく狂気に飲まれ、強制的に希望ヶ浜へ引っ張り戻すという方法でやっと帰還することができました。
既にそのリソースを使い切ってしまったため、その『強制的な帰還』は今回行えません。
とはいえ置き去りにしたらどうなるかわかったものではないので、希望ヶ浜の掃除屋たちが突入し命がけで皆さんを確保、帰還させることになります。
どんな敵が出てきても戦えるように、どんな狂気に乱されてもいいように覚悟して飛び込みましょう。
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●希望ヶ浜学園
再現性東京2010街『希望ヶ浜』に設立された学校。
夜妖<ヨル>と呼ばれる存在と戦う学生を育成するマンモス校。
幼稚舎から大学まで一貫した教育を行っており、希望ヶ浜地区では『由緒正しき学園』という認識をされいる裏側では怪異と戦う者達の育成を行っている。
ローレットのイレギュラーズの皆さんは入学、編入、講師として参入することができます。
入学/編入学年や講師としての受け持ち科目はご自分で決定していただくことが出来ます。
ライトな学園伝奇をお楽しみいただけます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はC-です。
信用していい情報とそうでない情報を切り分けて下さい。
不測の事態を警戒して下さい。
●侵食度
当シナリオは成功することで希望ヶ浜及び神光の共通パラメーターである『侵食度』の進行を遅らせることが出来ます。
●Danger!(真性怪異による狂気)
当シナリオでは『見てはいけないものを見たときに狂気に陥る』や『反転に類似する判定』の可能性が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
●侵食度<神異>
<神異>の冠題を有するシナリオ全てとの結果連動になります。シナリオを成功することで侵食を遅らせることができますが失敗することで大幅に侵食度を上昇させます。
●重要な備考
<神異>には敵側から『トロフィー』の救出チャンスが与えられています。
<神異>ではその達成度に応じて一定数のキャラクターが『デスカウントの少ない順』から解放されます。
(達成度はR.O.Oと現実で共有されます)
又、『R.O.O側の<神異>』ではMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。
『R.O.O側の<神異>』で、MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
但し、<神異>ではデスカウント値(及びその他事由)等により、更なるログアウト不能が生じる可能性がありますのでご注意下さい。
※本シナリオは運営スケジュールの都合により、納品日が予定よりも延長される可能性がございます。
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