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シナリオ詳細

ゴーラビッツ、海に出る

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●不凍港争奪戦
 シルヴァンス。大森林地帯の北部に住み、永久氷樹と共に生きる者達である。
 常冬のその台地では当然のように普通の手段では作物は育たないが……いろんな方法で生き延びる、逞しい者達の住み家でもあった。
 そして、今。そんな彼等の住む場所で1つの争いが継続中であった。
 不凍港。まあ、港と呼ぶには少しお粗末だが……それでもかなり貴重なその場所は、こっそりやってくる商人達との取引の場所でもあった。
 しかし、そこに今いるのは商人ではない。
 ましてや以前戦ったノルダインでもない。
 そこにいる……いや、「ある」のは船だったのだ。
「たいちょー、出来ましたよ!」
「ついに僕らの船が完成です!」
「こんなの、他のシルヴァンスにだって出来ませんよ!」
「ノルダインの筋肉馬鹿にだって無理です!」
「そう、その通りだ」
 防衛隊ゴーラビッツの隊長モーガンは、港に浮かぶ鉄の船を見上げニヤリと笑う。
 そう、そこに浮かんでいるのは鉄の船。
 此処にやってきていた鉄帝の商人がたまに持ってくる怪しい機械部品を彼らなりに解析して、以前の事件で鹵獲したノルダインの船も研究して出来上がった、古代文明パワーの船。
 風力&人力推進船グレートラビッツ!
 風がある時はそのエネルギーを変換し、風がないときは動力室でひたすらペダルを漕ぐことでエネルギーを変換し進む船。
 ノルダインが襲ってきた時の為の必殺武器だって搭載済みだ。
「この前の商人、当局の締め付けが厳しくてしばらくこれませんとかほざいてたしな! 僕らで新しい取引先を開拓だ!」

●とはいうものの
「まあ、そんなわけで依頼になったです」
『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)はそう言うと、1枚の地図を取り出した。
 無辜なる混沌の『大陸』北部に位置する鉄帝から、天義の近くを通り抜け海洋へ。
 正確には、その途中で取引の船とランデブーする。
 誰かが「密貿易……」と呟くのをチーサが否定する。
「ちゃんとした取引です。元々シルヴァンスの方にも取引に行ってた船と、ついでに取引しようってだけなのです」
 その辺りは他のシルヴァンスの部族から情報提供と顔つなぎがあったらしく、今回のゴーラビッツの取引に他のシルヴァンスの部族からの注目も集まっていることがよく分かる。
「今回は鉄帝に比較的近い場所での取引となるですが、それでも船で3日かかる距離です」
 その中では、当然様々なトラブルがあるだろう。
 何しろシルヴァンスが船でノルダインの如く海へ出ようというのだ。
 むしろトラブルだらけだろう。
「上手くサポートしてあげてほしいのです」

GMコメント

シルヴァンスの部族「ハートゲッツ」の一族が鉄帝の技術を使った船「グレートラビッツ」を使い海に出ようとしています。
航海の経験なんかゼロですので、無事に取引完了できるように助けてあげてください。
航海術、船の上での美味しい料理、宴会のやり方など色々あると思います。
3日後のランデブーまでの間、頑張りましょう!

・グレートラビッツ号
大きさ:大型船レベル
武装:防衛用パワードスーツ隊、正面のラビッツブラスト(光線砲)
なお、ラビッツブラストはエネルギー全開でないと撃てません。
甲板、船長室、地下1階が船室と食堂。地下2階が倉庫と機械室。人力エネルギー発生器(自転車みたいなアレ)があります。

・人力エネルギー発生器
自転車みたいなアレ。漕げば漕ぐほどエネルギーが溜まります。
ラビッツブラストの為のエネルギーもこれで充填します。
誰かやれってことですよ。

□今回の敵
コンブトルーパー
海の中から現れるコンブが寄り集まって人型を模したかのような気持ち悪い系モンスター。
錆びた剣や斧を使って襲ってきます。
コンブシップ
コンブが寄り集まって出来たかのような気持ち悪い系の船型モンスター。
真正面から相手の船にコンブを伸ばして海に引きずり込もうとしてきます。
コンブトルーパーとは共生関係。

□今回の味方
航海特別隊シーラビッツ
・防衛隊ゴーラビッツから特別編成した5人。
隊長モーガン
今回は副隊長に防衛を任せて出てきたぞ。
乗ってるパワードスーツは特別製。巨大な拳で相手をぶん殴るぞ!
たぶん一番頭が良い。
シェフ
料理担当。基本的に野菜料理。
乗りこむパワードスーツはコンバットナイフ装備。
隊員×3
今回は最低限。あとで皆に教える為に色々必死だぞ!
いざという時にはアサルトライフル装備のパワードスーツに乗って戦うぞ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • ゴーラビッツ、海に出る完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レッド(p3p000395)
赤々靴
リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
オライオン(p3p009186)
最果にて、報われたのだ
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星

リプレイ

●進めグレートラビッツ号
「……なんか浪漫あるっすね!」
 グレートラビッツ号の甲板で、そんな『赤々靴』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)の声が響く。
 普段森林で過ごしている人達が未知の海にチャレンジするなんて、実にワクワクする。
 それがレッドの素直な感情だった。ちなみにグレートラビッツ号の周囲にはディープクルーザーPLMも併走していたりする。
「冒険心ワクワクとお手伝いのついでにいい機会っす。少しヴィーザル地方の実情を学ぶっす」
「リリーもシルヴァンスには別の事でお世話になってるからねっ、お礼も兼ねてがんばらなきゃ! とりあえず、この機会に……って思ってちょっと航海について勉強してみたよ。だからその面のサポートなら任せてっ!」
 そう言いながら『マスターファミリアー』リトル・リリー(p3p000955)は海鳥型のファミリアーを飛ばしてもいる。
 ちなみに『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)も船の周囲を飛んでいたりするので、中々賑やかな光景になっていたりする。
「ああ、よろしく。頼りにしてるぜ!」
 シルヴァンスのモーガンが2人にそう笑う。
「人力エネルギー発生器の……自転車? については……ごめん、リリーは(大きさ的に)漕げないから誰かにやってもらうしかないねっ」
「俺達のサイズに合わせられるから漕げると思うけど……」
 リリーは海風が吹いて聞こえなかったか「マリアさんがんばれっ!」などと言っていて……モーガンが「仲良くなれそうだな」などと言って何処かに去っていく。
 シルヴァンスのチームを彼が統率しているだけに、中々忙しそうだ。
 ちなみに誤解であってリリーは漕ぐのを手伝う気はちゃんとある……ので、この後飛んでいたルシアに聞かされてモーガンに「誤解だよっ!」と言いに行く事になるのだが……それはさておいて。
「うーん処女航海がこれって大丈夫かなあ。陸の上と違って海は割と厄介なんだけどねぇ。第一の関門は船酔い、第二に襲ってくる海獣達と。んー色々前途多難だけどまあ頑張ってお手伝いしましょうか」
「まあ、それ故に自分達を雇ったのでありましょうなあ」
『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)に『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)はそう答え、ゴーラビッツ号を見回す。
 2人が見たところ、グレートラビッツ号は中々に完成度が高い。鉄帝の何処から技術を持ってきたのかは分からないが、船としてはよく出来ているのだ。
 だがルーキスの懸念している通り、海は厄介だ。実際、甲板ではシーラビッツ隊員がすでに1人グロッキーであり、レッドに運ばれている最中だ。
「気分悪くなったら我慢しないで船室で横になるっすよー?」
 そんな事をレッドに言われながら船室に向かっていくシーラビッツ隊員を見ながら、ルーキスとエッダは自分達に出来る事を考えていく。
「料理人が欲しいって話だし、厨房は私が受け持とう。レッドが魚を釣ると言ってたし海鮮たっぷりのシーフードカレーでも作ろうか。海の上ではカレーが良いって旅人の本で見たんだよね」
「一応自分も広い目で見て当局の者であります。自分は、船内の住環境を良くする様々な手伝いに奔走しようかと思うであります。まあ、だいたいなんでも……シェフのサポート、艦内の掃除洗濯、その他サポート小間使い。漕ぐ者がいなければ発電も」
 2人の宣言に近くにいたシーラビッツ隊員が「おおー」と言いながら拍手をしている。
「あ、大事なこと一点。メイドではなく騎士(メイド)でありますからね。そこ間違えんなよぶっ飛ばすからな。あと使用人やってるからってナメた態度取った奴もわからせる」
 エッダの決め台詞めいた言葉にシーラビッツ隊員から口笛が鳴るが、まあノリがいいのは確かなようだ。
 ちなみに今、漕ぐという単語が出たが……そう、この船は漕ぐタイプの人力エネルギー発生器がついていて。
 今この時も、『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)が一生懸命漕いでいる最中だった。
「さぁ! 漕ぐぞぉ! というかこれ、もしかするとずっと漕いでるのかな!?」
「勿論! マリアさん、頼むぜえ!」
「マジかあ! こういうのは得意だよ! とにかく漕ぎまくって速度を上げ、同時にラビッツブラストのエネルギーも貯めておく! うおおおお!!! 雷光殲姫の漕ぎっぷりを見せてやろうじゃあないか!」
「いえーい、雷光殲姫いえー!」
「マリア氏がんばえー……だめだ、イマイチやる気を引き出せない。ここはマリア氏の嫁をエミュレートするしか無いか……? 教えて、有識者」
「はーい有識者でありますよミサキ嬢。あいつの声のエミュレート? そうでありますね、もっとこう……いや違う……あいつはそんなこと言わないであります……ダメ! 全部ボツ! ちょっと練習するでありますよ、一緒に営倉籠るであります!」
「そういう気遣いはいらないからね!?」
 たまたま近くを通ったシーラビッツ隊員と『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)、更にはエッダまで加わって、そんな応援を投げかけるが、そんな感じでマリアは今動力源として絶賛稼働中。
 そんなマリアを見てしばらく大丈夫そうだと判断すると、『元神父』オライオン(p3p009186)は船内の他の箇所を回っていく。
「航海の経験無しで海に出ようとしているのか……なんとも勇気というか蛮勇というか……まぁいい、出来ることをしようか」
 そう、オライオンもまたルーキスと同様の懸念を抱いていた。
 経験が無いという事は未知という事。自覚なしにストレスが溜まっているものだ。
 説法、というまではいかないが船員達の不満や不安、気になる所を聞いて回るべきだと、そう考えているからこその行動だった。
 今後船での活動の可能性もあるならば、データとして取っておくのは悪い事ではないだろう。
 しかし、しかしだ。
「人力エネルギーとは……動力なんとかならなかったのか。人が足りてなければ手伝うがそうだな……食堂に行って飲み物やゼリー等エネルギーになるような物を持ってこようか。所々休憩をいれつつ交代で漕いでいけばそれなりに効率良く貯まるだろうよ」
 そうやってオライオンは食堂に向かっていくが……美咲もまた、別の場所に行っていた。
「食材調達っす! 釣り針にエサを付けて……海にポイっとっす」
 そうやって釣り竿を垂らしているレッドの横で、美咲は座っていた。
「なるほど…密貿易じゃないという事は密航っスか? そっちでもない。そうですか……」
 合法な航海となるとやる事に困る系女子の美咲は、ただ座っているだけではない。
 とりあえず音叉を鳴らしながら盗聴盗視で反射音を聞き取るということを実施していたのだ。
「要はソナーっスね。エネミースキャンがあるならそっちの方が精度も高くて扱いやすいんすけどね……ただ、ソナー式偵察にも利点はあって底面把握による座礁対策やー……はい、レッド氏。魚群来てます。竿投げるなら今でス」
「はいっす!」
「こんな感じで敵以外も探す事ができるんスねー」
 頷く美咲だが……その「敵」に対処する為の兵装「ラビッツブラスト」の発射装置近くにはルシアが陣取っていたりした。
「わぁーー!これが「ラビッツブラスト」ですよー? 何かすごそうなビームが出そうでしてーー!! ……まぁでも、これを使う時は多分非常時なので出番が来ない事を祈ってるのですよ」
「チラチラ見るなよ……凄い撃ちたそうじゃん……」
「そんなことはないのでして!」
 シーラビッツ隊員の言葉を否定するルシアだが、ルシアには魔砲があるので大丈夫だ。大丈夫なのだ。

●戦え、グレートラビッツ号!
 そうして、グレートラビッツ号はリリーの指導を受けながら順調に進んでいく。
 食堂での食事に関しても、ルーキスとルシアが大活躍だ。
「肉があればステーキ、鮮度の良い大型魚ならムニエル。日によって飽きないようメニューを弄りつつ作れる限りの料理は頑張って提供していくべきだよね」
「肉がないのでして! 野菜もいいけどちょうどレッドちゃんたちの釣りたて新鮮な魚があるのですよー!」
「豆ならあるぞ?」
「偏ってるなあ。お酒はやけに種類あるし。でもアルコールは最低限、襲撃があったら困るからね」
 調理担当のシェフとワイワイやりあう2人だが、レッドが魚釣りを頑張っていなければ、代用ハンバーグの作成を考慮に入れなければならないところだった。
 動力担当に栄養になるものを差し入れるべく食堂に来たオライオンが何とも微妙な顔をしていたのが忘れられない。
「……色々な意味でバタつきそうな船旅になりそうだが……無事に終わる事を祈ろう」と言っていたのは、たぶん心の底からの祈りであっただろう。
 ……ちなみにリリーがそういう文化なのか聞いたところ、単純に所持担当のシェフの趣味だったようで、後でモーガンに詰められていた。
「要望があればメニュー考えるから、リクエストは私までどうぞ」
「グラタン!」
「チーズがないのでして!」
「野菜ばっかり充実してるんだよなあ……」
 溜息をつくルーキスは「敵がついでに食材落としてくれないかなあ」などと呟いてしまうが……そんな事を言ったからだろうか?
「なんか怪しいの近付いてきたっす。こういう時は銅羅っす! どーらー!」
 ゴアーン、とレッドの鳴らす銅鑼の音が船内に鳴り響き、全員が戦闘態勢に移行、一気に船内が慌ただしくなっていく。
 こちらに向かって来ようとしているのは、実に気持ち悪いコンブで出来た船が1隻。
「敵襲だぞー、沈みたくなければしっかり応戦してねー!」
 ルーキスの指示に従うように、甲板にはパワードスーツがずらりと並ぶ。
「景気よく大砲ドカーンといくっす! ……ええ?まだっすか? マリアさんファイト! コンブシップに大砲ぶっ放すのにボクも漕ぐの手伝うっす!」
 レッドが動力室に走ろうとした矢先、そのマリアから伝声管を通じて声が届く。
「エネルギー充填完了だ! ふふ! 食らうといい! タイガーブラスター!!!!」
「タイガーブラスター、発射でしてー!」
 やはり発射ボタンを押しに行ったルシアによってラビッツブラスト……改めタイガーブラスターが船首から発射される。
 ガオン、と凄まじい音をたてて発射されたタイガーブラスターはコンブシップに命中し、見事に消し飛ばす。
 ……だが、そこからコンブトルーパーたちが逃げるようにバラバラと落ちていくのを誰も見逃しはしない。
「白兵戦準備であります!」
 エッダが叫び、パワードスーツがそれぞれの武器を構える。
 そこから然程時間を置かずにコンブトルーパーたちがグレートラビッツ号に登ってきて、オライオンが空中から神気閃光を放つ。
「こうして実際に見ると、中々に……」
「気味悪いっスね。どうせなら食べられそうなやつが襲ってくればよかったんすけどねー、マグロとか」
 オライオンの言葉を美咲が引継ぎ、ソニックエッジを放つ。
「それにしてもウネウネしてて気持ち悪いっす……」
 神気閃光をセイヤっと放ちながらレッドも呟くが、それはシーラビッツの面々も同じであるようだった。
 エッダの夢想拳もコンブトルーパーをぶっ飛ばし、あとは白兵戦と駆けてきたマリアとルシアも戦闘に加わっていく。
「ルシアのやることは「破式魔砲をぶっ放す」! これだけでして!」
 そうして戦闘はあっという間に終了し……シーラビッツの面々はぐったりとした様子でパワードスーツを所定の場所に片づけにいく。
「……そういえばどんなもの取引するんだろう……ちょっと終わったら見せてもらおうかなっ……?」
「あ、確かに。取り引きってどんなのっすかね? 興味あるっす」
 リリーとレッドがそう呟くと、早々にパワードスーツを置いてきたモーガンが「興味あるかい?」と聞いてくる。
「え? 教えてくれるの?」
「随分俺達の事知りたがってたろ? 教えてやるよ」
 先導するモーガンに、ついでだからと全員で船倉へとぞろぞろついて行き……モーガンが、荷物の覆いを外す。
「これって……ニンジン?」
「雪人参だ。他の一族は知らないけど、僕達はコレを育てて取引材料にしてる。寒くないとこじゃ育たないらしいぜ、コレ」
 なるほど、とリリーは思う。
 全てのシルヴァンスがこれを取引材料にしているわけではないだろうが、その土地でしか育たないものは確かに重要な取引材料になるだろう。
「取引は信用が第一だ! 信用を得られれば次の取引にも繋がる! 商売は相手にとっても良い物にならなくては次が続かない! 正直にいくんだよ!」
「勿論さ。伊達に不凍港を持っちゃいない。その辺は心得てるよ」
 マリアにモーガンはそう頷いて。
 エッダもこの機会にと、1つ疑問に思っていたことを聞いてみる。
「一つ質問。貴方々の生存戦略を妨げる心算はありませんが、一応確認であります。この船で我々に弓を引く予定は? いえ。あるのであれば、面白い戦争になりそうだと思っただけであります……ふふ」
「船一隻でかい? そりゃあ、やらざるをえないならやるけどね。今のところそのつもりはないさ」
 面白い冗談だ、とモーガンは笑いエッダも笑う。
 シルヴァンスは色々とずる賢い一族も多いが、ハートゲッツの一族は比較的温和であるようだった。
 これを色んな食料や部品を引き換えるんだ、というモーガンの説明を受けながらも、ルーキスはそろそろこの旅が終わりに近づいている事を感じていた。
「はじめての海でここまできっちり航海できれば十二分でしょう。海に慣れない面々の経験値が収穫かな? あとは取引を無事に終えさえすれば……」
 そこまで呟いた時、伝声管から「相手の船が見えましたー!」という声が響いてくる。
「めでたしめでたし、でして!」
「ああ。最初はどうなるかと思ったが……何よりだ」
 ルシアにオライオンが頷き……そうして取引を終えたグレートラビッツ号は、再び不凍港へと帰っていく。
 こうしてグレートラビッツ号の最初の航海は、見事に成功して終わったのである。
 

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事航海を成功させました!

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