PandoraPartyProject

シナリオ詳細

夏野菜のピザが食べたい

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●バーニングトマト
 真夏の太陽、そして広々とした畑……ではなく、平原。
 素晴らしい太陽の日差しを受けて夏野菜が踊る。
 トマト、ズッキーニ、ナス。どれも見事な色艶で、とても美味しそうだ。
「……よし、行くぞ」
「おう」
 そこに現れたのは、網を持った2人の男。
 夏野菜を収穫に来た武闘系八百屋の店員である。
「そりゃああ!」
 八百屋の投げた網は見事に夏野菜達に覆いかぶさって。
 しかし、即座にトマトの放った炎に網は焼かれてしまう。
「ちっ、しま……オウッ!?」
 トマトの放った炎に気を取られた刹那、ズッキーニが八百屋の男の尻を思いっきり引っぱたく。
 スパーン、という凄まじい音と衝撃に男は倒れ……もう1人の男が野菜取り網を振り回す。
「なんて新鮮な夏野菜だ……! ぬぐおっ!」
 ズッキーニを捕まえようと網を振り回すもう1人の男の尻に……ナスが、刺さる。
 ぐるんっと白目を剥く男が倒れて。
 夏野菜達は男達を協力して何処かに捨ててくると、再び平原で楽しそうに踊り始めた。
 そう、新鮮な夏野菜は実に元気。元気な野菜程美味しいから、収穫時は怪我に気をつけないといけない。
 鉄帝から幻想に伝わった、夏野菜の収穫の手引きである。

●此処にチーズはあるんです。
「と、いうことがありまして。夏野菜の入荷がないお店が困ってるです」
『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)はそう言うと、集まった全員の顔を見回した。
 火を噴くバーニングトマト。
 尻を叩くキックズッキーニ。
 尻に刺さるカンチョーナス。
 尻を狙う野菜が2つもあるせいで、他に何もおかしいところが見つからない。
「今回の目標である野菜は、この3つなのです」
 売り物である以上、必要以上に傷つけてはならない。
 しかし武器を使えば必ず傷つけてしまう。どうすればいいのか?
 その秘訣は、鉄帝に伝わる秘伝にあった。
「野菜にはしっかり愛情を込めましょう……です」
 そう、愛情。
 目的の野菜をしっかりと両手で包み込み、抱きとめることで野菜に愛が注入され動かなくなる。
 更には味も愛情を受けて上がるのだ。
 野菜は愛を籠めて育てれば美味しくなる。そんな言葉を聞いた者は多いだろう。
 それは与太ではなく真実だったということなのだ!
「まあ、そんな事やってる間に尻を狙われるとは思うですが」
 しかし尊い犠牲ではある。
 目標となる野菜の数はトマトを30個、ナスが20本、ズッキーニが10本。
 その必要数を確保出来たら、あとの夏野菜は自由にしていいというのが依頼人の話だ。
「ま、売り物にならなくなった野菜は食べるといいのです。ピザでも作るのですよ」
 チーズは此処に最高のものがある。
 そう言って、チーサは机の上にチーズの塊を置くのだった。

GMコメント

ピザ食べようぜ!
チーズとベーコンはあるんだ!
な感じのシナリオでございます。
無事に夏野菜を集めたらピザパーティーです。
皆さんが尊厳を犠牲にしてる間にチーサが移動窯を設置して生地を作ってくれます。

無駄に尻を防御すると野菜の味が落ちるので、甘んじて受けましょう。
それで野菜が美味しくなるんです。

・バーニングトマト
真っ赤な美味しいトマト。捕まえようとすると火を噴きます。
ダメージはそこそこ。あと装備がファンタジックな消え方をします
(装備が火に変わって消えていくイメージ。ただし、消えたわけではなく3分くらいで戻ります)

・キックズッキーニ
尻を叩きに来ます。年末によく見るアレです。

・カンチョーナス
尻を狙ってくる野菜2号。こいつはひでえや。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●Danger!
 当シナリオには尊厳とか乙女的なアレとかシリアスキャラとかの崩壊判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
 汚れギャグってことですよ。

  • 夏野菜のピザが食べたい完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月05日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フォークロワ=バロン(p3p008405)
嘘に誠に
バク=エルナンデス(p3p009253)
未だ遅くない英雄譚
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
メイ・ノファーマ(p3p009486)
大艦巨砲なピーターパン
ヴィリス(p3p009671)
黒靴のバレリーヌ
アリス・アド・アイトエム(p3p009742)
泡沫の胸
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
柊木 涼花(p3p010038)
絆音、戦場揺らす

リプレイ

●野菜を収穫せよ
 その平原は、夏野菜の飛び跳ねる場所だった。
 トマトにナスにズッキーニ。美味しい夏野菜が飛び跳ねる、夏野菜のパラダイス。
 人間に対して非常に敵対的という弱点さえ解決できれば、非常に新鮮なお野菜の群れだ。
「ピザピザピーッツァ♪ ピザを作って食べるだけとはまた楽な依頼ねぇ〜♪ え、なに、カンチョー? 尻たたき? なにそれ??? えぇ……なにそれ、そんな野菜存在するのぉ? まぁ依頼とあらばやるわよ、やってやるわよ……野菜ごときに負けてなるものですか! ババっと終わらせてピザにしてやるのだわ!!」
『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)はそんな感じで気合を入れる。
「事前に知ってはいてもこう夏野菜が跳び跳ねている光景を見るとなんとも……あれは魔物の一種ではないのですか? え、違う?」
『嘘に誠に』フォークロワ=バロン(p3p008405)は言いながら首を傾げてしまう。
 そう、違うのだ。あれは誰が何と言おうと野菜なのだ。
「ピザと聞いて!!!! ……ってお尻を狙ってくる夏野菜ってどんな野菜ですか!?」
「夏野菜を採ってくる依頼、と聞いてきたのにこれはおかしいのですよーー!! それなのにお尻を防御しちゃダメってひどいのでしてーー!!」
「もう尊厳を投げ捨てる事の多き事よ、これで尻の一つや二つ程度構わぬ……いややはり構うわ戯け! 孤児院で収穫を手伝う事はあれどもこのような事等初めて聞いたぞ! 何故、何故……!」
「野菜に……攻撃されるの……嬉しくないけど、女の子なら……はっ! なら…女の子に先、野菜と同じようにシて貰う……そしたらおしりの痛み……慣れる……! それに…女の子にされるの……まさか……これが『愛』……!? なら……愛をもったまま野菜と対峙できる……!」
 柊木 涼花(p3p010038)に『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)、『信仰問答』バク=エルナンデス(p3p009253)、『♡小悪魔リトルレディ♡』アリス・アド・アイトエム(p3p009742)がそれぞれ慟哭の声をあげる。
 ……いや、アリスだけ何かおかしい。
「……本当にいいの? じゃあ……やるよ……」
『ピカピカの特異運命座標一年生』メイ・ノファーマ(p3p009486)がアリスに蹴りを入れている光景が見られたが……まあ、さておこう。
「夏野菜のピザ! とっても素敵ね。私は食べられないけれど頑張って作るわ! ……なんて意気込んでいたのだけれどなんだかおかしいわね??? 私が知らない間にお野菜って進化したの??? よくわからないけれど乙女の純潔は守らせてもらうわ!」
『黒靴のバレリーヌ』ヴィリス(p3p009671)がそう叫び、ヴィリス達は夏野菜に挑んでいく。
 そう、野菜の進化は激しいのだ。より美味しく、より強く。たぶんそんな感じである。

●戦え、夏野菜と
 野菜は愛情で美味しくなる。それは世界が示す真理だ。
 優しく抱きしめてあげる事、それだけが狂暴な野菜たちを大人しく、美味しくする真理。
 だからこそ、ルシアはカンチョーナスをしっかりと抱きしめる。
「もーっと、美味しくなるのですよ~」
 ルシアに抱きしめられたカンチョーナスは動くのをやめ、ただの物凄く美味しいナスへと変わっていく。
 そう、愛情で満たされたが故に暴走する必要がなくなったのだ。
 元々料理は好きで得意なルシアは、食材を大切にする想いを持って愛を込めるのが得意なのだろう。
 まあ、他の野菜の方を向いて攻撃されるリスクを減らすことは忘れていないし……何よりも。
 ナス→ズッキーニ→トマトの順に採る事を提案したのもルシアだ。
 これは攻撃された時に後々ひどいことになりそうな野菜から収穫するという見事なリスク管理によるものだ。
 そしてそれは今のところ、順調に機能している。少なくとも、ルシアに関しては。
「死角からの突撃が一番確実かつ安全だと思われますが死角ってあるんでしょうかあれ……無さそうですね、ですが注意の逸れているものを狙った方がいい気がします」
 フォークロワはバクを狙っていたナスに飛びつき……しかし逃がしてしまう。
「安心せよ、我らはお主らを必要以上に傷付けるために来ているわけではない。その証拠に儂の姿を見よ、お主等とのじゃれ合いもこう容易く受け入れてかのようにして抱きしめておるのだ。怖がる事はない」
 カンチョーナスを今まさに受け入れようとしていたバク。その尻に、ナスが突き刺さる。
「んぐぅ!?」
 ズン、と。凄い音が響いてバクが倒れて。その尻をズッキーニが引っぱたき、トマトが火を噴いて何処かへ去っていく。
「しかしトマトだけ他のと比べ幾分か優しい……いや火を噴いている時点でどうかという話であるが……いっつぅ!?」
 また別のズッキーニがバクの尻を引っぱたき飛んでいく……散々である。
 尊厳崩壊という単語がバクの頭の中でリフレインしていたが……無理もない話だろう。
「ボ……ボクのお尻はペンペンもカンチョーもさせないからねっ! って、あいたあああああ!」
 ズッキーニによる打撃が1回、2回、3回、4回、5回、6回。
 魔砲を撃ったメイが気に食わなかったのだろうか。
 7回、8回、9回。容赦のない集中攻撃である。
「いたたたたああ……」
 そこにトマトがおまけとばかりに火を吹いていき、ズッキーニが10回目の打撃を加えていく。
 まさに袋叩きであるが……意外にも健闘しているのがアリスである。
 最初に女の子にしてもらったから慣れる、などと言っていたアリスであるが……。
「収穫した野菜……女の子だと思ってるから……愛……たっぷり……! 捕まえたら一個一個……しっかり愛してあげる……ぎゅって」
 なんと見事に野菜に愛情を注ぎ、かなりの収穫率を誇っている。
 庇う準備もバッチリだが、愛情力が強すぎるのだろうか、ビックリするほどに被害が少ない。
「正直ピザにつられた自分が少し恨めしいですが、野菜が収穫できなくて困っている、ということであれば手伝いましょう。ええ、困っている人がいれば手伝うのが人情というものですから、手伝いますとも。……乙女的なアレの崩壊は避けたいですが、こうなったらヤケです。全部終わったら電波曲にでもして音楽活動の糧にしてやります!」
【魔神黙示録】【勇壮のマーチ】【神子饗宴】【英雄叙事詩】……思いつく限りの歌を歌った涼花も野菜狩りに参加していくが……目の前に広がる光景は、控えめに言っても地獄であった。
「お尻はしっかりガード……したら味が落ちるって本当ですか? むぅ……仕方ないので防ぐのは諦めて、ルシアさんの案通りに処理していくしかありませんね」
 器用さには自信がある涼花だ。1つずつ、1つずつ確実に。
「うくっ!」
 ズッキーニにスパーンと打撃を受けたが、確実に、丁寧に。そうしていけば……。
「もはや敵に食糧と称して送りつければそれだけでかなりのダメージ追わせられるのではと思ってきますね。痛いです」
 何やら冷静に分析しながらズッキーニに尻を叩かれ飛んでいくフォークロワを見て、ちょっと心が折れそうになる涼花。
 しかし、そんな涼花の視界の外ではコルネリアとヴィリスが死闘を繰り広げてもいた。

「ルシアの言う通り危険度の少ない所から終わらせていきましょ……カンチョーナス……これね、よっとぉ!? あっぶね、尻に向かって突撃してきた!? え、ヴィリスどうしたの……」
「コルネリアガード!!!」
「はぅん!!!!!」
「ええ、私の秘技コルネリアガード。その名の通りコルネリアに代わりに犠牲になってもらったわ。カンチョーなんていやよ。だって恥ずかしいじゃない」
 そう、コルネリアを文字通り盾にしたヴィリス。なんとも美しい友情である。
「し、尻が……! ヴィリス!!」
「頑張って! あなたの仇はそこよ!」
「薄切りにして焼いて生姜醤油で頂いてやろうかぁ!」
 ナスと死闘を繰り広げ始めるコルネリアを応援するヴィリスだが……次なる危機を感知して、ナスを倒したコルネリアの元へ向かう。
「コルネリア!」
「はぁ……はぁ……どんなもんじゃヴィリ……」
「コルネリアガード!」
「ほぉぉぉん!? 刺さったばかりなのにぃ! ズッキーニ!? ほぉん!? ほぉん!? いてっ! いてっ! やめろやぁ!」
「ケツキックもいやよ。だって痛そうじゃない。そういうのは経験豊富そうなコルネリアに任せるわ」
「今何か言った!?」
「……地獄絵図でして」
 最後のナスを見事抱きしめたルシアがそう呟くが……その眼前をズッキーニに交代で叩かれながら冷静な表情で飛んでいくフォークロワが通り過ぎて行ったのは……控えめにいって、混沌であった。
「どこにそんなパワーがあるのが不思議になるほど吹き飛ばされますねこれ」
 そんな事よりも、もはや地上に帰さないとばかりにズッキーニのコンビネーションを受けているフォークロワはズッキーニに何かとてつもない恨みでも買っているのだろうか?
 ズッキーニは、何も教えてくれない。野菜だから。
 ……ともかく、野菜を見事捕まえ切った後はピザである。とりあえず全員無事である。色々と。
ふぅ、取り敢えず一定数確保できましたね、あとは余った野菜を使ってピザを焼きましょうか……はぁ、服がどろどろです……これは後で洗濯が大変ですね……」
 設置された移動窯と用意された生地とチーズがあれば、調理も簡単だ。
 チーサとフォークロワが次々と焼いて取り出していく夏野菜のピザは、実に美味しそうだ。
 とろける高級チーズの香りは、「たまらない」の一言では済まない。
「もう、だから謝ってるじゃないの」
「謝ってるから何やっても言い訳ねぇだろぉぉん? しかもあーた途中から楽しんでたでしょ!?」
「だって嫌だったんだから仕方ないじゃない。2人が犠牲になるより1人の方が被害が少ないわ。ピザあげるから許しなさいよ」
「盾になるとか聞いてねーしよぉ! ピザなんかで許せるわけ………仕方ねぇなぁ、今回だけだぞ……?」
 そう、ヴィリスとコルネリアの喧嘩も夏野菜のピザがあれば一発だ。
 途中でコルネリアの足に熱々のチーズが落ちるというトラブルもあったが、それはさておいて。
「……でもピザにのってる野菜を見ると、さっきのことを思い出してものすごく複雑な気分になるね……ボクが作ったのは、見た目はよくないかもしれないけどおいしいよ! きっと!」
「うん……美味しい……えへ、えへへ……」
 メイにアリスがピザを食べさせてあげて、アリスは実に嬉しそうに……そして美味しそうに食べている。
 ちなみにアリスは女子のお尻に触れた野菜をほぼ全て覚えている。
 それにどういう意味があるのかは不明だが……このピザにのっているのは、まさにそれであったりする。
「ピザはとても美味しいのです、あっそれ私のタバスコかけすぎたピザ……」
「……! み、水……!」
「お水でして!」
 フォークロワのピザを食べてしまった涼花に、ルシアが水を差しだす。
 そう、ピザは美味しい。
 収穫した夏野菜はとても美味しくて、恐らくは一級品と呼ばれるものですら勝てないに違いない。
 何しろトマト1つですら、生で齧るだけでも涙が出る程に美味しいのだ。
 それを贅沢にソースにした夏野菜のピザの美味さたるや、世界中の美食家が大金を払って食べに来るのではないかというほどだ。
 それほどまでに夏野菜のピザは美味で、これがお土産に出来る程にあるとなれば、失われた英気もしっかりと回復できるというものだ。
 しかし、しかしだ。今日1日で結構な尊厳崩壊を……尊厳という言葉が砂になり風に飛ばされていく程味わったバクは、その最高に美味しい夏野菜のピザを食べながらも、こう思うのだ。
「やはりこうして食べると美味いだけに、中々納得がいかん……」
「本気で美味しい辺りがどうにもこうにもでしてー」
 ルシアも思わず同意してしまう。
 目を瞑れば浮かんでくる今日の光景。
 自分のギフトでお尻をヌルヌルにしていたアリス。
 ズッキーニに尻を叩かれながら、結局1度も地上に降りてこなかったフォークロワ。
 困った時のコルネリアガード。
 崩壊を繰り返すバクの尊厳。
 それらが涼花の歌声をBGMにバクとルシアの頭の中でリフレインする。
「なんでこんなに……」
 なんでこんなに美味しいんだろう。
 そう思わざるを得ない……そんな、お尻の痛い一日であった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

こいつはひでえや!
ご参加ありがとうございました!

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