シナリオ詳細
クマさんず☆エクストリーム!
オープニング
●右も左も君もクマ!
はるか天空を駆ける無数の流星が見えるか。
おひさまぽかぽか日曜日。おひるに浮かぶクマさん型の雲のあたりをこちらへ向けて飛ぶ光の列が。
それらは棺の形をした――否、十字架の形をした棺型強制強襲葬儀『黒鉄十字柩(エクスギア)』。
大地に次々に突き刺さる十字架が開く……よりも早く、追加で突き刺さったもう一回り大きな十字架たちが開いた。
通常のものとは異なる観音開き。収まっていたのは、大人の背丈ほどの……。
「やあ、ボクはカイン! 一緒にあそぼう!」
白いクマのぬいぐるみ……のような存在だった。
ROOでの活動が豊かなイレギュラーズなら知っていよう。カイン(p3x003581)はローレットから派遣されたアバターのひとつで、お気に入りのくまさんをおっきくしたものであるという。
が、棺から現れたそれは明らかに大人の身長を超えていた。
その様子を怪訝に思った兵士達。軍服にサングラスをかけたかれらはアサルトライフルを構えて扇状にカインを取り囲み、コールと共に一斉射撃。
が、銃弾はカインの体表をはねるばかり。むんっと力こぶでも作るような姿勢をとると、カインはくまさんパンチを放って兵士の一人を突き飛ばした。
そこへ更に――。
「ベルも、一緒に、たたかいたい、です」
勇敢に大型棺から飛び出した蒼いくまさんことベル(p3x008216)。
一緒に打ち込まれていたエクスギアを開いて特殊武装の大型剣を取り出すと、慌ててこちらに向いた兵士のライフルを剣でなぎ払った。
歩み寄れば、兵士よりも更に大きい。
流石に不自然に思う頃だろう。mまで巨大化できる特殊能力をもつカインならともかく、全長30センチのベルがここまで大きくなることはない。
それに、表情の固まった様子はどこか着ぐるみめいたものがあった。
そう、着ぐるみ。
「クマさん、出撃しますっ」
別の棺から飛び出した茶色いティディベア型着ぐるみが、ビームクローを展開して兵士たちへと急接近。ぐるぐると回転し彼らの武装を切り落としていく。
ハルツフィーネ(p3x001701)がつねに持ち歩くクマさんそっくりのそれは、カイン同様銃弾を弾きパワフルに兵士をなぎ払う――『着ぐるみ型パワードスーツ』であった。
カイン、ベル、ハルツフィーネ。三人の装着したパワードスーツが並び、じゃきーんと効果音を鳴らしてポーズをとる。
「今日の私達は、くまさんづくしです!」
●くまさんVSくまさん
ここはROO内仮想世界ネクスト。その鋼鉄国での物語である。
いくつものクエストをこなし様々な人達との戦いをこなしてきたイレギュラーズは、その過程でパワードスーツの存在にふれることとなった。
それから半月ほど。ヴェルス系軍閥ゼシュテリオンに所属していた関係でその解析や改造が可能になった彼らは、ついにその実戦投入の機会をえたのである。
「クエスト内容はマイナーな軍需メーカーの暴走を止めるというものなのです」
一旦現実側へかえって、セフィロトにあるオシャレなカフェで説明を続ける『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
「軍需メーカー『アーミーベアーズ』は鋼鉄国内で活発化した兵器需要を見越して新製品を開発しました。それが着ぐるみ型パワードスーツ『くまさん』です!」
立体ディスプレイを反転させて動画をみせるユリーカ。そこにはくまの着ぐるみが銃弾を弾き鎧の騎士をパンチでなぎ倒す光景がうつっていた。
「可愛くてつよい! 鋼鉄国民に愛されつつ守ることができる警備装備のある意味の完成形がこれなのです!
しかし軍閥間の軋轢にはさまれる形で工場の閉鎖に追い込まれた彼らは同じく職を失った民間軍事会社と結託してくまさんの暴走を始めたのです!
『可愛くてつよい』兵器が暴走するなんて悲しいことなのです。これを止めるべく――」
じゃじゃーんといって新たな画像を見せるユリーカ。
「目には目を、歯には歯を、くまさんにはくまさんを!
こっちも対抗して、きぐるみパワードスーツを作ったのです!」
こうして、『くまさんVSくまさん』の戦いが、幕を開けたのである!
- クマさんず☆エクストリーム!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年08月16日 22時06分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●くまさんせいぞろい!
しゃきーんという効果音とともに、『ちいさなくまのこ』ベル(p3x008216)をそのままおっきくしたくまさんが剣を構えてポーズをとっていた。
「もちぷにベル、さんじょう」
説明しよう! もちぷにベルとはベルのアバターをそのまま大きくしたような姿をしたベル専用くまさんパワードスーツである!
撥水加工が施された短毛のボア生地に似た表面装甲と、程よい弾力を持たせる内部装甲の組み合わせで、衝撃吸収と手触りを楽しめるもちぷに構造になっているぞ!
抱っこして眠ることが出来るなら、快眠間違いなし!
「がおーがおー。
勇者の、ベルです。
だからベルは、くまさんを使って、悪いことをする人達を、懲らしめます」
もっかいしゃきーんするベル。
その横で、『翳り月』レイス(p3x002292)のくまさんがあらぶるくまさんポーズをとっていた。
青ベースに銀色をアクセントにしたカラーリングのくまさんである。月のエンブレムが胸についているせいでツキノワグマっぽさがちょっとだけ出ていた。
「こんなに可愛いのに、そのくまさんで暴動なんて……工場が閉鎖に追い込まれたって事情は分かるけど……」
体の周りに魔力剣を複数展開すると、同心円状二列の円形に並べ互い違いに回転および周回させた。一行で急に複雑な動きである。
「ボクたちは兵器じゃないし、くまさんを兵器にするのはボクたちの存在を踏みにじられるような気分だし、子供の夢を壊す行為だと思う。だから『ダーティテディ』の暴走は止めてみせる、ボクたちの手で!」
うおーといって立ち上がった『くまぬい』カイン(p3x003581)。もうカインがそのままでっかくなったようなパワードスーツだしなんか不思議な力でフォーンって浮いていた。
その横でひょこっと立ち上がる『不明なエラーを検出しました』縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)の大きなくまさん。
『鋼鉄 こーゆーの 珍しね』
(軍需メーカー『アーミーベアーズ』かァ。我(アタシ)がこの世界でも"武器商人"として活動していたら大いに興味があったのだけど。今はこの世界を楽しむ"何か"だしね。ヒヒヒ!)
青みがかった銀色のくまさんで、黒っぽい服を上から来ていた。裾に螺鈿細工で目を描いたような模様の入ったトンビコートが特徴的である。
『かわい? 変 なてない?』
コートをふりふりして見せる縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧。
そこへふたり(?)のくまさんが同時にずぎゃんと着地した。
「めーい☆ちゃんねる♪」
「にゃこ☆ちゃんねる♪」
『めい☆ちゃんねる』May(p3x007582)と『勧善懲悪超絶美少女姫天使』ひめにゃこ(p3x008456)のくまさんが左右にたち、それぞれの存在感をグンバツに発揮しながらキラキラしていた。
「ふっふっふっ。現実ではいくつもの着ぐるみを着て、R.O.Oでもペンギンさん着ぐるみでブイブイ言わせている、着ぐるみマイスターのメイはこだわりが強いのですよ?」
Mayのくまさんはおなかにポケットがついた黄色いくまさんである。なんでか耳がない。なんでだろう。わからない。
一瞬顔に張り付いたモザイクシールをぺって剥がして地面に叩きつけるMay。
「これぞ、メイのくまさんパワードスーツ、メイ○もn……げふんげふん、何でもないのですよ!」
一方のひめにゃこくまさん。
「ひめもクマさん可愛いから好きですよ! まぁひめの方が可愛いんですけど! けどせっかくですし超絶ゴージャスなのでいきましょう!」
ピンクのくまさんにドレスを纏わせ女王様風にアレンジしたくまさんには、宝石のようなパーツが王冠や目や鼻にあしらわれ全体的にぴかぴかしていた。
「うーん、カラフルで可愛い! よーし、ヒメベアー号可憐に出撃!」
ポーズを取り直すと花びらエフェクトが舞い散って後光がどかーんと輝いた。
「敵も味方もクマさん。どこを見てもクマさん。
なるほど、ここが楽園ですね?
皆さん個性があって大変グッドです。
私のために争わないで下さいと言ってみたい、女の子が憧れるシチュエーションもできちゃいます……」
わくわくMAXの『魔法人形使い』ハルツフィーネ(p3x001701)。いつも抱きかかえているくまさんそのものに入ったかのようなもこもこ具合で、両手からくまさんクローをシャキンとはやした。
「そんなくまの楽園に、くまさんが!」
激しい集中線と共に現れる『8月中は公約たぬき期間』Teth=Steiner(p3x002831)。
たぬき的みみつきフードを被りたぬき柄尻尾を装着したたぬき柄くまさん。テロップには『ねこです』と書いてあった。すべてを間違えたカニ画像みたいな有様である。
「こうなったら、どうぶつ三位一体パゥワァを思い知らせてやるぽぉーんッ!」
色々と弊害がおきそうな公約にヤられたTethはあらぶるくまねこたぬきのポーズでローラーダッシュした。
「たぬき、いきまーす!」
●くまさんずばとる!
登場シーンをかっとばし、サングラスかけた敵兵たちをなぎ倒すシーンすらもかっとばし、たどり着いたは民間軍事会社『ダーティテディ』の演習場兼事務所。
片目に傷がついたようなデザインの、森林迷彩カラーを施したくまさんがアサルトライフルを手に立ち塞がる。
「あの流星のような出撃装置……ゼシュテリオン軍閥か! 軍閥の軋轢に潰されたアーミーベアーズの悲しみ、俺たちが晴らしてやる!」
「「おう!」」
ザッと左右に広がるように増えたくまさんたち。剣をもった戦士風くまさんやガトリングガンを担いだコマンドー風くまさん。魔女ハットをかぶったマジカルくまさん。その他様々なくまさんがザッと居並び、それぞれが派手な装備と個性的なカスタムデザインを見せつけていた。
「争う必要はありません。けれど、どうしてもと言うなら相手になりましょう! お話し合いはその後です!」
ハルツフィーネくまさんは両手を掲げるとがおーと叫んで衝撃波をおこした。
シールドくまさんが前へと飛び出し、展開したにくきゅうマークのついた展開式増加装甲によって折りたたんだ屏風をひらくかのように壁を形成。衝撃波を吸収する。
が、それで終わりではなかった。
「クマさんに愛があれば動けるはずです。もっと心を通わせるのです」
ギャリンと音をたて、壁を貫通するエネルギークロー。通称クマさんクローが壁を切り裂きシールドくまさんの胸へと突き刺さった。装甲表面を切り裂き、そのまま脚部を破壊するように振り抜く。
「俺のシールドくまさんが破られた!? この通行中の児童や近隣住民のご理解を得やすいと設計された肉球ウォールすらも!?」
「己の心に最強のクマさんを持っていないからその体たらくなのです。そんなに可愛いクマさん達も宝の持ち腐れですね」
「心に……クマさんを……!?」
瞠目するシールドくまさん。その上をふたりのくまさんが飛び越えた。
「なんだかこのパワードスーツを着ていると力が漲ってくる気がするねぇ。張り切っていこうか! おらおら、かかってこいよ!」
両手を前に突き出したうつ伏せ姿勢で飛ぶカインくまさん。謎のエネルギーマントがなびいて彼を飛行させ、空中からの打ちおろしを狙っていたランドセルロケットくまさんへと体当たりを仕掛ける。
小学生のような赤くて可愛いカバーをかぶったランドセルロケットでなんとか耐性を維持する赤ロケットくまさんに対し、炎を纏ったパンチやキックをばしばし連打していくカイン。
「ボクのくまさん流格闘術はそう簡単には破れないよ!」
そんな彼と同時に飛び込んだのは縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧くまさん。
「縺サ繧峨?√⊇繧峨?∵??医い繧ソ繧キ?峨→驕翫⊂縺?§繧?↑縺?°?√ヲ繝偵ヲ??シ」
聞き取りのとても難しい言葉を放って『繧「ク$ィブ◆キル1』を発動。加勢しようと飛行した黒ロケットくまさんを攻撃する。
「このくまさん、強い……!」
黒ロケットくまさんは風船型ビットを三つ飛ばして三角形のエネルギーシールドを形成するが、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧くまさんの打ち出す『繧「ク$ィブ◆キル1』はシールドへ侵食するとシールド効果を中和、崩壊させ、黒ロケットくまさんへの直撃を引き起こした。
「強いが……こいつはなんとか押さえる、そっちは頼むぞリーダー!」
「任せた。――それと狙いはお前だ、ヘビーアームズくまさん! ソードくまさんとドリルくまさんは分散して敵くまさんをマークしろ! マジカルくまさんは援護だ!」
そう叫んだアサルトライフルくまさんは基地の格納庫から遠隔操作で発進したミツバチ型大型ドローンへタイミングよくジャンプする形で合体。背中にミツバチウィングを装着すると攻撃を開始した。
狙いはTethくまさんである。くまさんなのだろうか。
「開き直ったねこを舐めるなたぬぅー!」
ローラーダッシュによる激しい横向き移動でアサルトライフルくまさんへ射撃をくわえつつ円周軌道上を走り続け、オプションされたランチャからグレネードが放たれる直前に軌道を変更。『S3:Sparkly_Bird』を発動させると大きなねこたぬき型ドローンが出現。Tethはその上に飛び乗ると華麗に飛行する二つのドローンとくまさんによるドッグファイトが始まった。
「くっ、なんというくま――なのか? たぬきではないのか?」
「ねこです! ねこのくまさんだぽん!」
「一体どれなんだ! はっきりしろ!」
そうしているうちに、ミサイルポットとダブルガトリングガンで武装したヘビーアームズくまさんが射撃を開始。
「ん~♪ 敵も味方もくまさんで、そこにデフォルメくまさんまで加わって可愛いが溢れてるのですよ。ここは天国ですか?」
ってほやほやしていたMayめがけて殺到するミサイル。
ワーといって両手をばたばたさせ、胸のポケットからカプセルを取り出しぽいっと投げた。
「守って! ナイト君!」
カプセルから飛び出した騎士くまさんが盾をかざしミサイルを防御。そうしてる間に別のカプセルを取り出しぽいっと投げた。
「賢者センセー!」
杖とけんじゃっぽい帽子を被って髭つけた賢者くまさんが現れ、ふぉっふぉと言いながら能率の魔法を展開。
「さあ、いくのです!」
そう言われて構えたのはレイスくまさんとベルくまさん。
レイスくまさんは魔法両手剣を生成して握り込み、ベルくまさんは鋼の剣を握り込んでそれぞれシンメトリーな構えをとった。
「弱点をつくつもりだろうが、そうはさせん!」
「ここで止めるよ!」
ソードくまさんとマジカルくまさんが立ち塞がる。
「守る為に、可愛く出来たくまさん達を、悪いことに使っては、いけません。
くまさん達も、きっと悲しんでいます。
……ベルも、そうでしたから」
つぶらな瞳の奥に悲しみを光らせて、ベルくまさんはソードくまさんへと斬りかかる。
ぶつかり合う剣と剣。一度は反発し弾き合った互いの剣は連続して打ち込まれ、そのたびに幾度となく互いを弾き合う。
どちらかと言えば、ソードくまさんをベルくまさんの猛攻が押し込み、左右へのステップを交えて華麗に剣を繰り出すベルくまさんをソードくまさんの堅実な構えが一生懸命防御しているように見える。
(ベルは、鋼鉄の平和を守って、くまさん達も救いいたいって、思いました……)
「ソードくまさん!」
マジカルくまさんが蜂蜜のつぼに杖を突っ込むと、魔法のハニーをまき散らすように展開。すべてが剣の形となり飛び出す――と同時に、レイスくまさんの放つ『ロードディバイダー』がハニーソードを貫き破壊した。
「可愛いくまさん……だけど、負けないよ!」
破壊に使った魔法剣が分解、再構成され、無数の小さな魔法剣がマジカルくまさんへと殺到する。
ぶつかり合うくまさんたち。その中で、ひめにゃこくまさんはついにヘビーアームズくまさんへと到達した。
「射程にとらえましたよ!」
『ぷりてぃたいふーん』という名のくまさん大回転アタックによって強引に防衛ラインを突破したひめにゃこくまさんは、舞い散るハート型の花弁の中でバッと額に両手をあてた。
発光する王冠。その光は中央の宝石型ビームレンズへと収束。
「超絶秘奥義ニャコニウムビーム!」
「なんの! フルオープンくまさんアタック!」
大量のミサイル、銃弾、拡散ホーミングニャコニウムビームが交差する。
両者直撃。が、それが勝負をわけることになった。
「て……てぇてぇ……!」
がくりと膝を突くヘビーアームズくまさん。彼の全身からはハート型の花弁エフェクトが舞い上がり、まるでひめにゃこくまさんにメロメロになっているかのように見えた。実際そうなのかもしれない。
そしてその決着こそが、この戦いの大きな転換点となったのだった。
「クマさんビーム!」
「ぐわー!?」
ハルツフィーネくまさんの必殺びーむでびりびりしたくまさんが膝をつき、がっくりと倒れる。
「ここまでカスタムした『くまさん』が、コピー品に敗れるなんて……」
「いいえ、コピーなんかじゃありません」
ハルツフィーネくまさんが振り返ると、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧くまさんがホニャホニャとなにかを言った。カインくまさんもこくりと頷いている。
レイスくまさんが歩み出て、いまだキラキラして勝利のポーズをとっているひめにゃこくまさんの肩をぽんと叩く。
「どちらも可愛かった。こっちのくまさんも何体か戦闘不能になってしまったし……」
よくみればレイスくまさんやTethくまさんの体からはバチバチとエネルギーが漏れている。Tethくまさんはトドメにつかっていたエー手リックブレード『Pollux』を収納状態に戻すと、腰にパカッと開いた収納部へと収めた。
Mayくまさんは配信妖精のブラウニーへと手を振る。
「この戦いの様子はちゃんとライブ中継したのです。見た人達はくまさんの強さと可愛さを思い知ったでしょう!」
「それは……!」
大きな声がして振り返ると、くまさんを開発したであろうアーミーベアーズの技術者が立っていた。事務所の中に隠れていたのだろうか。他のスタッフが心配そうに駆け寄っていく。
事務所にもどっていましょうと叫ぶ彼らに、ベルくまさんが武装を解除して歩み寄った。
「利用されて、打ち捨てられるだけの、お話は、とっても悲しいって、ベルは思いましたし、綺麗になって、生まれ変わって、新しい場所で、暮らせることが、くまさんの幸せだって、ベルは考えました」
ベルくまさんの言わんとすることを、技術者は理解したようだ。
目尻に涙をうかべ、ベルくまさんの差し出した手をとる。ダーティテディの面々も、その様子をじっと見つめていた。
ちらりと技術者の顔を覗き込むひめにゃこくまさん。
「あの、このスーツ、一回使ったらダメになっちゃう急造品なんですけど……これからも使えるようになったりとか……」
「しましょう!」
「してくれるの!?」
してくれるらしい!
くまさんたちは拍手(?)し、花弁のエフェクトが空へと舞い上がっていった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
――かわいいパワードスーツ『くまさん』は回収され、アーミーベアーズ&ダーティテディは今回協力してくれたゼシュテリオン軍閥へと加わりました。
※ROO内のデータとして『くまさん』を装着しての活動が可能になりました。気持ち的に強くなれる気がする(気がする!)装備です。特殊化やプレイングフレーバーでお楽しみください。
GMコメント
●くまさん
このシナリオでは全員『くまさんパワードスーツ』を着用します。
これによって戦闘能力が飛躍的に向上した気がします。気がするだけですが、気持ちは大事だと思いませんか。
全員専用のくまさんが貸与されるので、オリジナルくまさんで戦いに挑みましょう。
プレイングには『自分のくまさんのコスチュームや特徴』を書いてみるとより美味しくお楽しみ頂けます。
※今回ちょっぴりゼシュテリオン関係のワードが出てきますが、フルメタルバトルロアとはちょっと離れたお話となっております。
●えねみー
アーミーベアーズ製のパワードスーツ(くまさん)を着用したPMC『ダーティテディ』の一団です。
彼らは様々にカスタマイズしたくまさんを装備し、射撃戦くまや飛行くま、格闘くまや広域魔術戦くまなどバリエーションをそろえています。
知り合いの軍閥に頼んで現地に直接乗り込めるので、軍事会社の演習場兼事務所へ直接ドーンと登場して戦いましょう。OP冒頭の様子みたいに。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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●ROOとは
練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline
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