PandoraPartyProject

シナリオ詳細

パンツイーター

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●下着を喰う者たち
 幻想北部ファイティングブリーフ村にはある言い伝えがあった。
「パンツイーターじゃ」
 煙を吹く半裸の老人が水煙草をくわえた。
 一呼吸を置いて、虚空へと目をやる。
「後ろにある絵が見えるかね。わしの老いた目にはもう見えぬがのぅ」
 ピンクのイチゴ柄パンツを頭に被った男が十字のポーズをとり太陽のごとく後光を放つという、飾った人間の正気を疑うようなタペストリーがそこにはあった。
「そのものイチゴパンツかぶりて夜闇に駆けるべし。古い言い伝えじゃ」
 先を言い渋る老人。コインをいくらか握らせると、渋々ながらも口を開いた。
「パンツイーターは夜闇に紛れ、パンツを被った馬コシヌノ・パンツァーに跨がり現われると言われておる。言い伝えでは、パンツのゴムがゆるゆるになった家の付近に、ともな」
 タペストリーには確かに馬に乗って走るパンツイーターの図も描かれていた。
 隣にはカウボーイが縄をぐるんぐるんする勢いで乙女のパンツを振り回している図も描かれているので、もうこの老人の趣味なんじゃないかなと思えてきた。
「パンツイーターは家にあるパンツの全てを持ち去り、拒めばはいているパンツすらも奪い取ってしまうという。恐ろしい伝説じゃ……」
 おそろしいかなあ、と誰でも思うところではあるが。
 これが、『誰のパンツか』で大きく話は変わってくるのだ。
「それで、『双竜のパンツ』が奪われたと?」

●パンツを取り戻すたたかい
 『双竜のパンツ』を取り戻すべくいくつもの小貴族たちが駆け回るなか、いち早く『パンツイーター』の情報を掴んだのは他ならぬギルド・ローレットであった。
 例外なく奪還の依頼を受けていた彼らは準備を整え、田舎の家へ押し入りパンツのゴムというゴムを引っ張りゆるゆるにした後、夜間襲来を待つこととなった。
 情報屋の言葉を思い出す。
 『パンツイーターは都市伝説的存在なのです。一体どんな攻撃をしかけてくるのか、どんな容姿をしているのか……まったく分からないのです! ですが分かっていることは一つだけあるのです』
 イレギュラーズの一人が、情報屋の言葉を繰り返す。
「血が流れるなら、伝説だって殺せるさ」

GMコメント

【オーダー】
 パンツイーターから双竜のパンツを取り返す。
 これが依頼の根本的な内容です。
 PCたちは情報屋の助けを借りて『パンツイーター』が次に現われる場所を特定。
 知らん人の家前で待ち伏せをしている状態からスタートとなります。
 ここまでやっといて来ないってこたぁないので、やってきたパンツイーターからパンツを奪い取りましょう。

※ここ以下の内容はメタ情報です。
 相談中は触れつつも、プレイングでは『今初めて知った』みたいなリアクションをとっておくとより深くシナリオをお楽しみ頂けます。

・パンツのありか
 『双竜のパンツ』はパンツイーターが被っています。
 がっつり装備しているので、パンツイーターを倒さなくてははぎ取ることが出来ません。
 戦闘中にはぎ取れないわけじゃありませんが、難易度的には倒すより難しいロールが要求されています。

・パンツイーターの強さ
 金のパンツを被った騎士です。黒い甲冑と剣を持ち、本来盾とか持ってそうな手でパンツを弄んでいます。
 コシヌノ・パンツァーという黒い馬に跨がり『騎乗戦闘』を得意としていますが、馬から落ちても勿論戦えます。
 あとパンツは大抵奪われます。絶対にです! どんなに巧妙にガードしようともです! 必ずパンツ奪いとりますからね! たとえあなたがノーパンでも! 心のパンツを奪って見せますからね!

・くうき
 このシナリオはタイトルからお察し頂ける通りふざけた空気でできています。
 真面目にやろうとすればするほどシュールな絵に飲み込まれることになるのでご注意ください。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • パンツイーター完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年06月26日 20時55分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

鏡・胡蝶(p3p000010)
夢幻泡影
猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)
幻灯グレイ
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
宮峰 死聖(p3p005112)
同人勇者
津久見・弥恵(p3p005208)
薔薇の舞踏
イーディス=フィニー(p3p005419)
翡翠の霊性
エリシア(p3p006057)
鳳凰

リプレイ

●双竜のパンツってなんだよ……なんだよ……
「……」
 目から光を無くした『飛べぬ鳳凰』エリシア(p3p006057)が、壁に掛けられたタペストリーを見つめていた。
 パンツ被って馬に乗り、パンツを振り回しながら金色の野に降り立つ騎士が描かれている。
「これが?」
「漆黒の騎士パンツイーターじゃ」
「騎士……」
 宗教と騎士と中世ヨーロッパ的社会構造について説明しようと思ったけど今する話じゃなさそうだねやめとくね。
 『夢幻泡影』鏡・胡蝶(p3p000010)が胸の前でゆるく腕を組んだ。
「まぁ、見られても獲られてもそんなに驚かないけれど、それにしたって一体どんなヤツなのかしら、パンツイーター」
「ああ、どんな敵でも油断は……ん、今なんと?」
「こう、変態的な感じの中年男性って感じのイメージだけれど」
「この際中身はなんでもいいよ! 今日はこう、あれだから、とられると……困るよ!」
 商売を疑うレベルでスリットの入ったチャイナドレスで、『特異運命座標』猫崎・桜(p3p000109)が膝を押さえた。
 よく知らないけど混沌に中国はないので多分どっかの誰かが歪めて伝えた何かじゃないかなって。
「近づかなければとられないよね?」
「さあな。だが……一つだけ言えることがある」
 『望を喰らう者』天之空・ミーナ(p3p005003)が顔の前でピッと裏ピースを開いた。
 ハッとして振り返る桜たち。
 ミーナは、その横に並んだ宮峰 死聖(p3p005112)は、全く同じポーズで叫んだ。
「「やらやまけしからん!」」
「『あっち側』だこの人たち!」
 拳や肘を打ち合わせて同志のサインを送り会うミーナと死聖。
「僕にとっては好機。女の子達の恥じらいとか破廉恥な姿は、大好きだからね」
 内面と外見と性質とその他諸々が変な風に混ざった人なので、はたからは死聖がどういうつもりなのか分からないが、少なくとも桜が身の危険を感じるに十分な人物だった。
 負けない。
 桜たちは何かに対して心を決めた。

「今まで触れなかったッスけど」
 『落ちぶれ吸血鬼』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)がゆっくりと振り向いた。
「『双竜のパンツ』って……あの双竜ッスか? はは、まさかそんな」
「もしそうなら……」
 『髭の人』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)が恐い目をしていたのでそっちからも目をそらして、クローネは大きく咳払いした。
「えっでも小貴族が動いてるらしいし……いやまさか……だってほら、ねえ……」
 バーン! と扉が開かれる。
「話は聞かせて貰った」
 カピブタのぶひに無理矢理跨がった『トータルパンツコンサルタント』セティア・レイス(p3p002263)が、めいっぱいのシリアス顔で言った。
「わたし、聖剣騎士セティア、またの名をトータルパンツコンサルタント。パンツイーターは許せない。絶対に倒すから」
「ええっ……本当にやるんですか……? やりますけど……」
 『月影の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)が心から困るという顔で横に立っていた。
 貴族のお仕事だってゆーから化粧も服装もキッチリしてきたのに敵の性質が『パンツを盗む』って……。
「けど、剣を持って押しかけてくるなら油断はできませんよね。初めての大きなお仕事がこんなではありますけど、頑張りましょう!」
「ああ……うん……」
 パンツというパンツを引っ張ってゆるゆるにしたタンスに手を合わせていたイーディス=フィニー(p3p005419)が、はっとして振り返った。
「俺は依頼三連続でパンツや水着を脱がされつつあるんだけど、お前もそうなるなよ?」
「不吉なこと言わないでください」
「ところで話戻すんだけどさ」
「どこまで戻すんですか?」
「双竜のパンツってあの双竜なのか?」
「よりによってそこに戻すんですか?」
 いやいやと首を振るイーディスたち。
「いや、ないない。そんなキャラじゃないしなあの人。けどもしそのパンツが黄金だったら俺も覚悟を決めて――」
 何気なく玄関の扉を開ける。
 と。
 こちらに向けて騎馬突撃しかけてくる漆黒の騎士が見えた。
 頭にパンツを被った馬。
 伝説にきくコシヌノ・パンツァー。
 それに跨がるは伝説の騎士、パンツイーター。
 彼の頭には。
 黄金のパンツが輝いていた。
「「双竜のパンツだあああああああああああああ!!」」
 世にもひでえ話が始まるよ。

●パンツイーターっていうくらいだから喰うんじゃねえの?
「フゥーハハハハハハ! 我が名はパンツイィータァー! 貴様のパンツを奪う者なりィ!」
 安元○貴みたいな籠もった声で突っ込んでくる漆黒の騎士パンツイーター。
「大人しくパンツをよこせば良し、よこさぬなら力尽くでもグフ!?」
 その顔面に叩き付けられる純白のパンツ。
 相手の顔に白いパンツを叩き付けることは決闘を示すサインだ。古事記にもそう書いてある。
「狼藉は許さない。いざ尋常に勝負!」
 セティアはてあーと言って跳躍したが、ぬあーと言って墜落。スカートを押さえてぷるぷるしはじめた。
 頭上でパンツをぐるぐると振り回すパンツイーター。
「フフフ、これはパンツクリエイトのパイオニア、『ねこさん印』のパンツだな?」
「かえして、わたしのぱんつ、かえして」
 届かぬ空に手を伸ばすセティア。
「このままじゃ、もう二度と飛べない……なくして気づいた、翼なのに」
「綺麗な台詞にしてるけどノーパンじゃ飛べないってことだよな」
「言うな。野暮になる」
 腕組みをしてセティアの様子を鑑賞するミーナと死聖。
「変態ね……」
「ああ……」
 (ミーナたち含めて)見ていた胡蝶とイーディスがそれぞれ手袋を嵌めた。裾をきゅっと引っ張って目に光を宿す。
「仮に中身がイケメンでも、流石に抱きたくないわ」
「今からボコボコにするんだから関係ねぇよ」
「フフフ来るがいい!」
 ひひーんと啼いて前足を跳ね上げるコシヌノ・パンツァー。パンツを掲げたパンツイーターの背後で都合良く雷が落ちた。
「貴様のパンツも剥いでくれるわ」
「パンツを盗む余裕など与えねぇ!」
 同時に飛び出す胡蝶とイーディス。
「援護するよ!」
 桜が太もものホルスターから二丁拳銃を抜いて乱射を開始。
 その横を弥恵が高速で駆け抜けていく。
 かけ声ひとつで派手に跳躍し、華麗な回し蹴りを繰り出した。
 弾丸と弥恵の踵がパンツイーターの顔面を狙うが、それを『ヘェイ!』といってのけぞり回避。
 直後にコシヌノ・パンツァーの腹を殴りつけるイーディス。
 胡蝶はバランスを崩したパンツイーターの足を掴むと、勢いよく引きずり下ろした。
 地面に叩き付けられるパンツイーター。
「そこっ」
 桜の射撃が集中し、アイタタタと言って身体を丸めるパンツイーターの腹を弥恵が勢いよく踏みつけた。
「さあ! 頭に被ったその、あの、それを返すんです!」
「それって何のことだ」
「それは……そ、それです」
「えー、なんのことかなぁ」
「名前を言って欲しいなあ」
 両サイドから覗き込むミーナと死聖。
「敵が増えてる!?」
「返さないなら無理矢理奪い取る……ま……で……」
 スッと足を抜き、高速で後ろ歩きをして、弥恵はズボンの腰のところを親指でくいって広げて中を覗いた。
「どうかしたの?」
「えっ!? 取ら――なんでもありません!」
「ふーん……ハッ!」
 銃を構えたまま、桜は目を見開いた。
 パンツイーターがむくりと起き上がる。その左手には、指一本一本にそれぞれパンツが下げられたいたのだ。
「い、いつの間に僕のパンツを!? 僕のパンツを返すんだよ!! それは僕のお気に入りなんだからー!」
 うわーと叫ぶ桜。
「おい、こら! 返せバカぁ!」
 同じくイーディス。
 ここで各種パンツについて個人名と紐付けした詳細な描写を行なってみせるのはどうだろうか。いやいや気分を害するおそれもあるから安全かつ健全な対応を心が――イーディスのパンツは白いレースだよ!
 動きやすさを重視してか一般的な丸い見あるレースのシルエットじゃなくて腰から股にかけてのラインを無駄なくサポートするタイプのやつだよ! それでもしゃれっ気を考えたいのか腰回りだけには小さくふわっとしたレースがあってイーディスの隠れた乙女さを際立たせているよ! 性別がチェンジする能力があるだと? 知るかァ! 今は乙女なんだよ!
 それに桜のぱんつはお尻にネコさんプリントが付いてる可愛いやつだよ! チャイナドレスはスリットきついけど下着は子供っぽいのが桜のいいところだよ! お腹を冷やさないための設計がなされてるからかパンツ自体のシルエットも大きめでスリットのからたまにチラチラ見えてたけど皆あえて言わなかったよ! ここには乙女しか居ないからね。居な……い? うんいない!
 弥恵と胡蝶の下着は見せるっていうか魅了することを意識して設計されたオトナなパンツだよ。パンティって呼んでもいい。胡蝶は歪んだ人格にマッチさせた結果だけど弥恵の場合はむしろダンサーとしてのプライドっていうか見えない所まで気合いを入れねばみたいなカッとした色と刺繍がなされているよ。この人ら露出は少ないのにやけに色っぽいと思いませんか。
 セティアのパンツは以前一シナリオ使って書いたからそっちを読んでくれ。
 ……ふう。
「「満足満足」」
 ミーナと死聖が口元をぬぐって満面の笑みを浮かべた。
「なっ、なんスか今の間……」
 まわりをきょろきょろするクローネ。
 が、ンなことしてる場合じゃないのはパンツイーターの左手を見れば分かる。この『インモラル版栄光の手』みたいなやつを今すぐ撃たねばならぬ。
「突っ込みどころだらけだけど……相手してる暇なんてないッス! 二行で死ねェ!」
 クローネは格ゲーめいた顔アップカットインを挟むとマジックライフルの残弾が空っぽになるまで撃ちまくり、とっておきの魔力増幅弾を込め直すとパンツイーターの額を打ち抜いた。はいここ戦闘要素。
「あれ、アイツ……左手だけじゃなくて右手にも……?」
 剣を持ってた筈の右手に。具体的には小指に黒くてきわどいパンツがひっかかっていた。ガーターベルトとセットで。
「あ、あうあうあうあうあ……」
 スカートを押さえるように内股になったクローネはじりじりと後退しながら目尻に涙を浮かべた。
「とられたな」
「とられたね」
「ち、違います! 取られてません! 取られて! ないったら!! 模写するなー!」
 ライフルを振り回してミーナたちを追い払うクローネ。
「それはそうと漆黒の騎士、剣よりもパンツとったぞ」
「パンツ二刀流だね」
「破廉恥な……!」
 エリシアは豪快に刀を抜くと、頭髪の先が虹色に輝いた。
 漲る力がわなわなと沸くように髪をさわがせ、刀身にもまた虹色の光を宿し始める。
「我が成敗してくれるわ!」
 虚空を裂く上段斬り。光は魔術となって飛び、パンツイーターを襲った。
「ハァイ!」
 パンツを高速で回転させて魔術をかき消すパンツイーター。
 その隙に距離を詰めたエリシアが、刀身に激しい熱を帯びさせ振り込んだ。
「燃やし尽くせ! 我が焔よ!」
「セェイ!」
 両手の五指で伸ばした複数のパンツでガードするパンツイーター。
「どうしよう。エリシアちゃんすごくかっこいいのに敵のせいで……」
 ムスティスラーフは悲しみに目尻をぬぐうと、オーラソードを二本振り上げてダイブした。
「僕も手伝うよ! パンツイーターをぶっ倒――あーっ! 今はおやめくださいパンツとらないでください中身見せつけになっちゃう! おやめください、あーっ!」

●パンドラパーティプロジェクト。これは滅びの未来を破壊すべく生きるイレギュラーズたちの混沌冒険奇譚である!
「フゥーッハッハッハッハッハ! もはや貴様らのパンツは我が手中であるぞォ!」
 両手を頭上に掲げ全員のパンツをぐるんぐるん振り回す漆黒の騎士パンツイーター。
 クローネも弥恵も桜も内股で膝をつき服の裾をひっぱるばかり。
 その様子をミーナと死聖が克明に観察するばかり。
「くっ、どうすればいいんだろう……このままじゃ手も足も出ないよ!」
「皆の恥じらうさまを記録するのがこんなに大変だなんて」
「そこはやめてもいいんですよ?」
「ぐうっ……!?」
 ミーナが突如として膝を突いた。慌てて振り向く死聖。
「どうした同志!」
「地面にまき散らした令嬢のぱんつ(時価)に見向きもしないなんて……奴め、玄人志向だ」
「知ってた」
「それに、なぜだか皆の恥じらうさまを見てても心がときめかない」
「えっそんなまさか……」
 ちらりと見やる。
 クローネが『かえしてー! ガーターベルト返してくださいッス!』と涙目になっているのに、なぜだか心がカッとならなかった。
「まさか……!」
「『心のパンツ』を奪われたんだ。失念していたよ。ノーパン主義の私には無害だなんて、とんだ勘違いってやつさ!」
 シリアスにノーパン主義をカミングアウトするミーナ。
 そんな告白を受けてもぴくりともせぬ心に、死聖は絶望のあまり真っ白になって倒れた。
「もうだめだしのう」
「死ぬほどまでに!?」
 頭の黄金パンツを被り直すパンツイーター。
「フハハハハ――我がただパンツをはぎ取るだけの変態に見えたか!」
「見えなかったらどうかしてますよね」
「我は心のパンツ……パンツへの想いまでも奪うことができるのだ!」
「言われてみれば」
 ムスティスラーフが怪しい目をして言った。深く突っ込んだらよくないので目をそらしておく桜。
「けどどうすればいいんだろう。今飛んだり撥ねたりしたら」
「ですよね。大変なことに……」
 弥恵たちがもじもじしていると、セティアがすっくと立ち上がった。
「大丈夫、まだ飛べる」
「けど」
「皆を見てて、思い出したことがある」
 セティアはミニスカートを靡かせて空へと舞い上がった。
 ハッとして見上げる死聖たち。
 が、しかし。
「見えない! 謎の光や闇がかかって――」
「そう、だって――ぱんぱーぷは全年齢向けだから」
「そうだった!」
 今まで忘れてたのか、パンツイーターが焦ったように身構えた。
 そんな彼をセティアの剣が、ムスティスラーフの剣が、桜とクローネの射撃が、弥恵とイーディスの蹴りと拳が、ミーナと死聖のなんかガッとしたやつがまとめて炸裂していく。
 あまりの威力に砕ける鎧。パンツイーターはよろめいて後じさりした。
「ぐあああああああああ!? このままではまずい! 奥の手だ!」
 全員のパンツを翳し、あーんと口を開けるパンツイーター。
「まずい、奴めパンツを食べる気だ!」
「名前の割に食べないなーって思ってたんだ僕」
「させるかァ!」
 刀から虹色の炎を吹き出させたエリシアが、パンツイーターへと襲いかかった。
 残り僅かな鎧が砕かれ、パンツイーターの肉体が炎に包まれる。
「今度こそ燃やし尽くせ、我が焔――!」
 鎧をうしないパンイチとなったパンツイーターを、胡蝶が華麗な一本背負いで投げ倒した。
「脱がすならせめて、ムードを守るべきだったわね」
 むんずと黄金のパンツを掴み、はぎ取る胡蝶。
 露わになった顔を……しかし、セティアがそっと布で隠した。
「被ってても、パンツの中身だから……」
 さよなら、パンツイーター。
 伝説の騎士。

 後日、パンツイーター45歳独身は縄をかけられて警官に連れて行かれていた。
 去り際立ち止まり、振り返るパンツイーター。
「見事な戦いだったぞイレギュラーズ。だが大切なことを忘れているな――我もまた、パンツの誘惑に踊らされた被害者の一人だということを、な」
 なんか意味深なことを言って豚箱直行馬車へ詰め込まれるパンツイーター。
「あいつ、妖怪とかじゃなかったんだ」
 とは、誰の弁であったろうか。

 後日談その2。
 みんなのパンツはしっかり燃え、なぜかすごい耐熱加工がされていた双竜のパンツだけを回収し、持ち主へとそっと送り届けた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

過度なアドリブは気分を害するかもしれない。
アクセル下手踏みで峠を攻めるようなリプレイは不幸な事故を起こすかも知れない。
けど、今日は踏む。
走行速度でカーブをせめるのだ。
それ故に死んだとしても本望である。

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