シナリオ詳細
歪んだ天河石
オープニング
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「――それで、奪われてしまったと」
「申し訳ありません、ファザー・ユーゴ……」
ユーゴ・クヴェルは目の前で落ち込む『紫焔』クリス・ノルドリアを見た。『外の人間』に負けて帰ってきた彼は、しかしそのことよりも奪われてしまった仲間たちをに気にしているらしい。
アドラステイア――信仰を喪った者が辿り着いた先。最後の楽園。本物の神がいる場所。その庇護下へ連れ去られた彼らがどんな目に合うか、想像もしたくないのだろう。故に、ユーゴは問うた。
「助けに行きたいかい?」
「……許されるのでしたら」
逡巡は僅か。クリスはユーゴを真っすぐに見上げた。
このアドラステイアにいれば、奉仕すれば幸せになれる。妄信させたそれは、言い換えればこの地以外で幸せになどなれるはずもないということ。生死を問わず、仲間たちを連れ帰ってやらなくてはいけない。
(そうすることが、皆の幸せに繋がるんだ。……そのはず、なんだ)
信じている――そのはずなのに。クリスの脳裏には一瞬、剣を交えたかの少年が思い浮かべられた。歳の近そうな彼は、クリスと同様に間もなく成長期を迎えるのだろうか。それともまだ、もう少しだろうか。
「理由が『それだけ』では許す事もできないな」
「そんな……っ」
不意に返ってきたユーゴの言葉にクリスははっと焦りを浮かべる。しかし常に穏やかな笑みをたたえるユーゴは小さく苦笑を混ぜた。
「許さないとは言っていないよ。ただ、もう少し理由が必要だ」
例えば――仲間たちが囚われている街を訪れ『物資を調達する』とか。
アドラステイアにはたくさんの子供がいる。服も、食料も、何だってあればあるだけ良い。調達した分だけ幸せは更に増す。
「双方に血を流すだろうが……こればかりは必要なことだ。わかるね?」
「はい」
クリスは答えながら目を伏せた。ああ、わかっている、わかっているとも。
皆が幸せになるために。皆を幸せにするために。物資の強奪も、魔女裁判も、聖銃士になることだって――全ては神の御心のままに。
「今回は共に行こう。どうやら、一筋縄ではいかない相手であるようだ」
ユーゴは立ち上がり、剣を取った。今回の失敗はただの失敗ではない。天義という国と信仰を大きく揺らがせたイレギュラーズたちなのだから。
●
「どうでしたか?」
「言っていた通りだったのです」
冷泉・紗夜(p3p007754)へ『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が力強く頷く。そして持っていた羊皮紙を開き、ここなのですとある地点を指さした。
それは独立都市アドラステイアからほど近い場所にある街。以前、紗夜たちがアドラステイアの子供達と戦いを繰り広げた場所でもある。
その戦いの折にこちらで保護した2名の子供達は、街で軟禁状態が続いていた。妄信していたアドラステイアに戻れず、敵国とでも言わんばかりに噛みついてくるのである。しかし街の者とローレットからの配慮もあって、あくまで『落ち着くまで様子を見る』というスタンスを取っていた。
「最近はようやく落ち着いて来たみたいなのですが……アドラステイアから怪しい動きがあって、別の街へ移送する予定なのです」
「狙ってくるなら、そこでしょうね」
紗夜は頤に手を当てた。戦った際の様子から伺うに、こちらへ取り残された仲間を奪還しに来る可能性は少なくない。しかしそう易々と子供達を返してやるわけにもいかない。だからこその紗夜たちイレギュラーズである。
「紗夜さんたちなら大丈夫なのです! また返り討ちにしてやるのですよ!」
――などと言っていたのが、数日前の話。
今、かの街は極度の緊迫状態にあった。
「もうだめだ……」
「門が破壊されるぞ! 総員構えろ!」
「狙いはなんだ……!?」
固く閉ざされた門の内側、自警団の男たちが声を上げる。今日はイレギュラーズ護衛のもと子供達が移送されるというのに――いや、だからこそ狙われたのか。
ミシミシと嫌な音をたて、ほどなくして盛大な破壊音と共に門が吹き飛ぶ。外から攻め立ててきたのは子供達と、白き生物。そして、1人の大人。
「さあ、物資を集めましょう」
「「はい、ファザー・ユーゴ!」」
大人――ファザー・ユーゴの言葉に子供達は揃って返し、聖獣もまた自警団を襲っていく。
イレギュラーズが到着するまで、もう暫し。
- 歪んだ天河石完了
- GM名愁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年07月22日 22時06分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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逃げ惑う住民の悲鳴と。
それを守らんとする自警団達の剣戟と。
聖獣による建物の破壊音と。
そんなものが入り混じる街へ辿り着いたイレギュラーズたちは、すぐさま敵を探り出さんと駆け出した。この襲撃はユリーカの情報を持っていた一同からすれば『やはり』というべき事象であり、驚くことではない。『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)は市場の一角へ崩れた建物の幻影を被せ、奪われそうな物資を隠す。
(これ以上、この街では何も奪わせないわ)
自身も一度は故郷たるこの国を捨てた身。言い返すことなどできないけれど、それでも。
「マルクさん、申し訳ありません……援護をお願いします!」
「うん。急がないとね」
『カモミーユの剣』シャルティエ・F・クラリウス(p3p006902)とマルク・シリング(p3p001309)は仲間たちとは別の道へ。元々の予定であった護送馬車を目指して行った。
(子供たちをあんな場所に帰すことも、子供たちを利用して略奪を行うことも、認められない――許せない)
『星の救済』小金井・正純(p3p008000)は2人の背中を視線で追い、そして戻す。保護した子供たちを守り切るのは彼らに任せ、自身のすべきことをしなければ。
「コーデリアさん、いかがですか?」
「建物が邪魔ですね」
正純の言葉に『信仰者』コーデリア・ハーグリーブス(p3p006255)は小さく眉根を寄せる。大きな通りや広場は良く見えるが、住宅街のような密集している場所は前者と比べてしまえば、例え見下ろすような視点であっても見づらいものは見づらいのである。
ちょろちょろとそんな場所へ入り込み、また別の通りへ抜けるいくつもの影。アドラステイアの子供たちだ。
「話には聞いていましたが、ほとんど賊徒のようなものですね。略奪を行うなど、語るに落ちる」
ちらほらと見えた聖獣の姿を仲間へ伝達しながら索敵を進めるコーデリア。さあ、久々の実践と行こうか。
「まーでも、『真面目に騎士をやってた』ほうが、略奪のキモが分かってるのはそりゃそうだよな。
ここがレガド・イルシオンだったら、だけど!」
『横紙破り』サンディ・カルタ(p3p000438)はアーリアが降らせた琥珀色の下へ――聖獣たちの元へと飛び込む。腕を交差させた天使たちはサンディを見下ろした。
「泣く子も黙る大怪盗、サンディ・カルタここに見参! 俺を差し置いて盗みを働くなんざ、百年早いぜ!」
彼の名乗り上げに天使たちが光の力を明滅させる。そこへ正純の放つ星の一矢が空より至った。
(可能な限り多くの子を救いたい……それが、対処療法にしかならなくとも)
だってこんなこと、これ以上させていいわけがないのだから。
コーデリアの魔弾が聖獣の1体を捉える。仲間が聖獣を引きつけている間に、と『plastic』アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)はこちらを見る自警団たちに向いた。
「皆さんは、子供を殺さないよう、無理のない範囲で戦ってください」
「俺たちはイレギュラーズだ。聖獣たちは引き受ける! 街を守ろう!」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)の言葉に自警団たちが気色を浮かべる。たとえ子供であっても、イレギュラーズ(選ばれし者)ならばなんと心強いことか。アッシュは自身らがフォローに回れるよう、戦う時に離れすぎないよう指示をしてイズマと共に聖獣の相手へ加わる。
アドラステイアの労働力、その大半は子供なのだろう。これまでこうした略奪を行ったのも子供ばかりらしい。
(生活物資を略奪に頼るのは或る意味必然では、あります)
だからといって、見過ごすことなどできるわけもないのだが。
一方のシャルティエとマルクは通りを駆け、以前保護した子供たちが載せられているという馬車に向かっていた。
(いつも後手へまわってしまうね……)
遠くから悲鳴が聞こえる。上空を舞うファミリアーの視界から、建物を壊す聖獣と、引きつけ戦い出す仲間たちの姿が見えた。
そして。
「……いた。このまま真っ直ぐだ」
「はい!」
マルクが探していたのは、前回もシャルティエと剣を交えた『紫焔』クリス・ノルドリア。彼が仲間の解放を狙っているというならば、放っておくことはできない。
(またあんな場所に戻す訳にはいかないし……ここで奪還を防げば、その先に続く足掛かりにだってなるかもしれない!)
保護された2人と和解できたら。他の子供たちも奪還できる、そんないつかを迎えられたら。シャルティエがそう思えるのには、クリス自身の行動原理があった。
「――クリス!!」
シャルティエは視界に映った彼へ叫ぶ。クリスはシャルティエの姿を見てはっと目を見張り、それから剣を抜いた。
「また、きみなのか……!」
シャルティエより向けられた光刃を剣で受け止め、クリスは2人へ相対する。
「君は……仲間を取り返しに来たんだね?」
「ああ。こんなところに残しておけるものか……!」
クリスは敵意のこもった視線でシャルティエを射抜く。その時、不意に通りへ回した建物が倒壊した。砂煙の中から現れた聖獣にマルクはクリスから踵をかえす。
「あっちは僕に任せて」
「お願いします!」
シャルティエはクリスから目を逸らさない。これより先へ進ませるつもりも、ない。
(クリスは、強奪だけじゃない。仲間を取り返しに来たんだ)
アドラステイア外の街を襲い物資を得る、賊のようなことを許せるわけもないが。彼の根幹にあるものはきっと『皆の幸せのため』なのだ。
「僕は、君を……君たちのことを、諦めない。諦めたくない!」
だから――戦おう。
●
「――ファザー・ユーゴ」
その言葉に振り向いた彼へ、蛇のようにうねる雷撃が走る。鋭く、真っ直ぐに。
「ファザー!!」
庇いに出た子供が倒れる。それを見下ろした男はアッシュへ視線を向けた。
彼の実力は読めない。けれど彼と既知であるアーリア曰く、騎士を目指していた者だったと言う。ならばその腰に差した剣もまた、飾りではないということだろう。
野放しには、しておけない。
「ファザーを傷つけないで!」
「邪魔するな!!」
物資を奪っていた子供たちがユーゴを守るべく走ってくるが、アッシュに躊躇いの色はない。物資の運び手たる彼らを動けなくしてしまえば、結果的に被害も抑えられるのだから。
「させないわよぉ」
アーリアの指にはめられた指輪が煌めく。気まぐれな魔女の贈り物に続いて、バリアの失われた聖獣へイズマの黒顎魔王が叩き込まれた。しかしそちらへも気づいた子供たちがわらわらと現れる。それは自警団だけで押し止められる数ではない。
「ここはアドラステイアの信仰が通じる場所ではない。帰れ!」
細剣が軽やかに振られる。彼らを殺すつもりはないが、物資も保護した子供も奪われるつもりはない。
「これで――仕舞いです」
コーデリアのソニックエッジにより聖獣が砕け散る。にっと笑みを浮かべたサンディは1体も漏らさぬよう声を上げた。
「こんなもんか? このサンディ様も倒せないようじゃアドラステイアもたかが知れてるぜ!」
敵視を集めるサンディへ向けられるいくつもの光。それは彼を傷つけ、同時に周囲で戦っていた子供たちを癒す。それもあってか、子供たちは負けを知らぬと言った瞳だが――。
「――言ってるだろ? 『こんなもんか』って」
サンディは受けたダメージをものともせず、飄々とした態度を見せた。聖獣も硬いが、サンディとてそれは同じだ。
「……ごめんね。やられてあげるわけにはいかないから」
周囲の子供たちを狙って無力化させた正純は、次いで聖獣へと矢をつがえた。
(聖獣……ヒトが狂ってしまった成れの果て)
その事実をイレギュラーズは知っているが、アドラステイアの子供達を見るに知っているとは――知っていても信じるとは思えない。信じているアドラステイアが、人間をあんなものに変えてしまう、なんて。
「この一撃を持って、手向けとします」
――どうか次に産まれてくる時は、星の祝福があらんことを。
一方、聖獣を相手取っていたマルクは敵を倒し、クリスとシャルティエの元へと戻っていた。傷ついたシャルティエを支援するマルクは視線をクリスへと向ける。
(きっと君は……君たちは、聞く耳を持たないんだろうけど)
それでも言わずにいられないのは、真実を知るが故か。
「……アドラステイアからやってきて、保護された子供たちはかなりの数に上る。彼らはイレギュラーズの領地に引き取られたりして、幸せに暮らしているよ」
略奪せねばならないことも、戦わねばならないこともない。今度こそ子供が子供らしく暮らせているのだとマルクは言う。
「嘘だ!」
言葉に力がこもった。その一撃を受け止めたシャルティエは、しかし彼を先へ進ませまいと進路を塞ぎ続ける。
「……君たちは、僕たちを嘘つきだって言ったよね」
「っ……ああ、信じられるものか! 今度こそ俺も皆も幸せになれるんだ、邪魔なんてさせない!!」
やはり、とシャルティエは瞑目した。
どれだけアドラステイアに染まろうとも、クリスの心の奥底にあるのは『皆の幸せ』だ。それがアドラステイアでなら叶うのだと、思ってしまっているだけで。
「僕たちがアドラステイアを認められないように、君たちも僕たちを信じられない。……仕方ない事だと、思う」
「それなら、これ以上――」
「けど、それなら! 何度だって、君たちに信じてもらえるまで……僕は諦めないで言い続ける!
『君たちの幸せはきっと、他にもあるんだ』って!」
思いを力に。強烈な一撃がクリスを叩く。それでもまだ彼の膝をつかせるには足りないが――何もかも、諦めるには早い。
聖獣をあらかた片付けたイレギュラーズがユーゴへと立ち向かう。疲労困憊のアッシュに代わり、サンディが前へと躍り出た。
「神の言葉が聞こえんならとーぜん、1人でもガキの俺くらいはボコボコに出来るんだよな?」
ぴくり、とユーゴの眉が動く。釣れたか。
そこへ降り注ぐ琥珀色の雷撃に、ユーゴは視線を向けた。最後に見た時よりも互いに成長した幼馴染――アーリアへと。
「どうして……ねぇ、どうしてユーゴくんがそっちに居るの? 国を守る騎士になるんだって言ってたじゃない!」
信じたくなかった。たまたま聞いた名前だって、同じ名前の別人だと思いたかった。
けれど、会ってしまっては、信じざるを得ないじゃないか。
「アリア。この国は、間違っているんだよ。神なんていなかったじゃないか」
イズマの突きを抜いた剣でいなし、コーデリアの飛翔斬を躱す。正純の一矢が当たるかと思われたが、飛び込んできた子供が身代わりに受けた。
「ファザーを傷つかせるもんか……!」
(……恐ろしいな)
真っ直ぐに歪んだその言葉に、イズマはそう思わざるを得なかった。
彼らはこの国に悪意を抱いてこのようなことをしているだけではない。数いるうちの1人や2人はそうかもしれないが、大多数はアドラステイアで育まれた信仰心の元に動いている。
閉鎖的な環境でほど、極端で強固な信念は生まれるものだ。そしてそれが歪んでいるなどとは思いもしない。それこそが信念を持つ者たちの『正義』なのだから。故に、視野を広げるなどということもありはしない。
「…… いつまで続ける気なのですか。こんな、子供を盾にする様な真似を」
アッシュは神気閃光で子供を無力化しながら問うた。しかしユーゴは肩を小さく竦める。
「それは誤解だよ。彼らは進んで行動しているに過ぎない。俺は強制なんてしないんだ」
自身が盾になれと命じているわけではない。そう告げる彼へサンディが呪いと闇の一撃で迫る。躱そうと後退したユーゴの足元が、不意に揺れた。土が彼を包み込まんと盛り上がる。
「ねぇ、ユーゴ」
アーリアは土で彼を捕らえ、真っ直ぐに見つめた。記憶にあるより成長した彼は、けれど以前と変わらないように見える。
「この国が危なくなった時も、その後だってずっと貴方は国を守ってくれていると思ってたのよ」
故郷に戻っても彼の姿はなくて。けれど聖都で騎士として頑張っているんだと思っていた。なのに。
「ねぇ、どうして? ……お願いだから、答えてよ」
アーリアの問いかけにユーゴは――小さく、笑った。
「アリア。この国は守るに足ると、思っているの?」
無理矢理に土から逃れて、ユーゴは剣を構える。騎士として鍛えた剣技は今や、国に歯向かう刃だ。
「この国に神なんていなかったんだ。アリアが外へ出たのも解る――」
コーデリアの銃弾がユーゴを狙う。掠めたそれに視線を向けた彼へ、コーデリアは静かに口を開いた。
「あなたは『何』のために戦っているのですか?」
アドラステイアは新たな『神』を信仰している独立国家だ。子供たちも一心に祈り、強い信仰を示すために動いている。
しかしユーゴはどうだ。信仰者という匂いがしないと思うのは、コーデリアの気のせいか。
「愚問だね。俺はアドラステイアのファザーだ」
そう答えた彼は大きく後ろへと飛び退いた。周囲に子供たちはもういない。退いた先にあるのは街の外へ続く門であり、撤退するというならば――イレギュラーズにも深追いする理由は、ない。
「ユーゴくん」
「また逢おう、アリア」
――その視線がかちあった時、瞳の奥にあるものに寒気を覚えたのは、気のせいか。
「ファザー・ユーゴは撤退を選んだみたいだよ。まだ続けるかい?」
「……っ、時間切れか」
マルクの言葉にクリスは小さく呟いた。聞こえる距離にいたシャルティエは「時間切れ?」と聞こえたままに口にする。
しかし彼はそれに答えることなく、踵を返した。彼もその命を無駄に散らす気はないようだ。
(……いつか、届けば良い)
言葉も、思いも。聞く耳を持ってさえくれたなら、伝わるはずだから。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした、イレギュラーズ。
また、いつか。
それではまたのご縁をお待ちしております。
GMコメント
●成功条件
アドラステイアの者を撤退させること
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。不測の事態に気を付けてください。
●エネミー
・ユーゴ・クヴェル
アーリアさんの関係者で、幼馴染です。子供達からは『ファザー・ユーゴ』と慕われています。
穏やかそうな笑みを浮かべますが、その瞳の中は酷く濁っているでしょう。
彼は元々騎士で、そこで培われた剣技でもって戦います。とても強いです。特に的確な剣捌きには注意が必要でしょう。
引き際だと感じれば他の者を引きつれて撤退します。イレギュラーズが到着するまでにそこそこの物資は集められているためです。
斬り払い:単純、故に強烈な一撃。【失血】【痺れ】【必殺】
連撃:目にも留まらぬ、的確な剣捌き。【スプラッシュ3】【連】【体勢不利】
・『紫焔』クリス・ノルドリア
シャルティエさんの関係者です。心優しい少年で、『アドラステイアの皆で幸せになりたい』と願っています。
イレギュラーズについては敵として見ていますが、シャルティエさんについては年頃が近そうなこともあって、若干複雑な心持のようです。基本的には好戦的です。
聖銃士として剣を振るいます。攻撃力が高く、とても身軽です。彼は今回、戦うことよりも囚われた仲間の救出を優先します。
暁光:暁に見るような紫の焔を武器へ纏わせ攻撃します。【炎獄】【必殺】
皆の為:不屈の心には理由があります。例え、歪んでいたとしても。【攻勢BS回復70】【致命】
・アドラステイアの少年少女×???
武器を携えた戦災孤児たち。妄信的にアドラステイアを崇める子供です。
子供の力でも扱いやすいような軽めの武器が多く、故に手数で攻めてきます。子供の素早さも舐めてはいけません。ただし防御技術はそこまででもないでしょう。
基本的には物資の略奪を行いますが、一部の子供達はファザー・ユーゴを庇いに行くことがあります。
・聖獣×???
胸の前で腕を交差させた天使。その体は彫像のように固いながら、不思議と滑らかな動きを見せています。
飛行能力を持っているものの、今回は街の襲撃であるためそこまで上空へ逃げません。割と見境なく攻撃をしてきます。
攻撃はその身から発せられる光であり、至近~遠距離レンジで攻撃することができます。また、その光はアドラステイアの者にとっては癒しになるようです。
輝輪:頭上に煌めく輪は悪しき者を殲滅するでしょう。【乱れ】【恍惚】
光纏:その光は自身を守るバリアでもあります。【反】【HP増】
●ロケーション
アドラステイアにほど近い天義の街です。特筆するようなものはありません。
建物や樹木等、障害物になるものが多いでしょう。
街のあちこちで敵が暴れ、物資を回収しています。これ以上物資を回収させないこと、撤退するような流れを作る必要があります。
●NPC
・自警団の人間×20名
友軍。武装した一般人です。街を守る意志はあります。そんなに強くはありません。
複数人で聖獣1体とやり合えるかどうかというところです。
・囚われの子供×2名
前回捕らえるに至ったアドラステイアの子供たち。今は大人しいですが、何があるかわからないため面会等はできません。
馬車へ既に乗せられたところで、何事も無ければリプレイ終了まで大人しく乗せられています。鍵付きの箱馬車であり、自発的には逃げられません。
●ご挨拶
愁と申します。
間が開いてしまいましたが、アドラステイアのお話です。
今回、移送予定の子供が奪還されても成否には関与しません。この瞬間、最も大事なのは『この街から敵を追っ払う事』なのです。
それでは、よろしくお願い致します。
下記を読まずとも問題なく参加できますが、一応迄に。
前作:偽りの緑簾石(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4967)
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