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シナリオ詳細

再現性東京2010:P-Proof at アルハラモンスターズ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鋼鉄の棺桶(基本見解)
 再現性東京は、異世界『日本』における東京の文化を根幹に繁栄した区画である。畢竟、そこには『混沌肯定』に収まる範囲の工業製品も存在するので、やはり自動車なども当たり前に存在するのだ。
 ……で、まあ。車があるということは交通事故も存在し(練達の技術をなんかすれば劇的に減るだろうが『再現性』の意味がなくなる)、それに応じた責任のとり方というものもまた、存在する。

「いい飲みっぷりだ。君達これからドライブかい」
「ちょっくらこのあたりぶっちぎってやりますわー!」
「だめよぉ、これでもお姉さんは教師なんだからいけないわーひっく」
「気にしてはダメであります。それを言ったら自分は……ぅいー」
「……酷い酔い方だね」
 ここは再現性東京内、『希望ヶ浜』のとある飲み屋。安酒メインの気のいい場所だ。こんなところで飲んでいる女達にドライブかいとは大概な聞き方だが、男の方はどうやらモクテルで済ませているではないか。
「あ゛? 酒場にきて酒を飲まないとか何の冗談でありますか?」
「男には飲まなくてもあれこれ楽しみたい空気ってもんがあるのさ。居酒屋は飯がうまい」
「わかるわぁ。でも自分だけシラフってどうなのぉ?」
「そーですわ! 酒は神からの賜り物! 飲まにゃ損ですわ!」
 酒を飲まない男を女達は口汚く罵ってくる。この程度ではなく、筆舌に尽くしがたいスラングも含まれていたが再現性東京では翻訳不可能なので省かせて頂く。
「いいね、君達は楽しそうだ」
 男は食事を終えたらそのまま外へ。しっかりとした足取りで出ていった相手を3名の女は怪訝な目で見てから、再び酒盛りに興じ始めた。

 男の名はスタントマン・ビリー。
 数時間後、女達の車に己のそれをぶち当てて両者スクラップ同然に破壊し、事故に装って殺害し、以て「酔ってた女の暴走」に仕立て上げて相手有責に持っていく快楽殺人者だ。
 彼の車は“耐死仕様(デス・プルーフ)”。どんなにクラッシュしようと運転手を守り走らせ、相手だけを殺す装置――そんな彼に狙われた女達は今日も犠牲に……。

●なりませんでした
 炎上した車の中から鋼鉄の腕、否、エッダ・フロールリジ (p3p006270)の徹甲拳が突き出され、車の上半分のフレームを吹き飛ばす。
 次いで、ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)のメイスが豪快に振るわれ、以てその余波で燃え盛る車の炎をかき消した。
 最後に、アーリア・スピリッツ (p3p004400)は燃え盛る炎の中ですらしゃなりと立って特に何もしなかった。というか彼女、希望ヶ浜の古文教師なので飲酒運転で事故ったとかバレたら最悪だし、ほか2人も学生枠だったはず(独自研究)。
「痛たた……何なのもう!」
「あの車ですわよ! ぶつけたの!」
「炎上した車の弁償代、払ってもらわなければならんでありますね」
 弁償とかよか先に考えることあるだろうとか、逃げる車にどう追いつく気なのかとか考えることはいっぱいある気がするが……。
「大変そうに……じゃなかったヤバそうゆね。黒塗りの“極〇車”用意するから事故らせたクズに襲撃(カチコミ)かけるゆ」
 スッと車で現れた『ポテサラハーモニア』パパス・デ・エンサルーダ (p3n000172)は何処かに電話をして恐ろしい手配を始めた。こいつ夢クリエイションみたいな会社に似た名前のトコに籍置いてない?
「アイツ多分最近話題のスラッシャーゆ。今晩中にヤツも車も修理工場行きにしてやゆ」
「えっ怖。パパス様滅茶苦茶機嫌悪いでございますか?」
「ついさっき他のイレ……特待生や教師が似たメに遭ってゆ。ぶっちゃけ飲んでた連中全員ギルティなんゆけどやってる奴をほっとくわけにいかんゆ。っていうかあいつ夜妖憑きだし……」
「今更取って付けたような夜妖憑き認定に苔がむしますわよ」

GMコメント

 リクエストありがとうございます。
 映画終盤、あまりのアクロバット展開にゲラッゲラ笑って妻に「君の笑いのツボが分からない」と言われてドン引きされたので恨みを皆さんで晴らすことにします。嘘です。

●成功条件
 『スタントマン・ビリーin耐死装甲車』の撃破(車両の完全破壊、本人の生死不問)

●リプレイの流れ
 希望ヶ浜スカイライン(そういうものがあるってことでひとつ)に乗ってビリーとチェイスします。
 ビリーを射程に収めたら車をぶつけたりスキル叩き込んだりして車を潰します。
 最後に出てきたビリーと戦闘になりますが、車が無事ならひき逃げアタックしてもいいでしょう。
 なお、ビリーは夜妖憑きである限り死にゃしねーので遠慮なくやっていいです。

●皆さんの立ち位置
 ビリーの犠牲者枠です。
 皆さん酒を飲んだり飲んで運転してる人間の車に便乗した希望ヶ浜、カフェ・ローレット絡みの学園所属者なので公になったらまずいです。なんとしてもビリーを叩き潰して口をチャックさせましょう。でないと破滅が待っているぞ(※念の為申し上げますが万が一失敗になっても飲酒運転が公になるとかはないと思いますが名声はマイナスになるから同じことだぞ)。

●特殊ルール:黒塗りの“極〇車”
 パパスがなんかして手配したということになっていますが多分ローレットがなんとかしました。
 (乗り合わせた人間の機動力合計)/(人数-1)=車両機動力です。
 例:4人乗り合わせて全員機動4=16/3=5(四捨五入)
 台数にそこまで制限はかけませんが分かれすぎない方がいいです。


●フェーズ1:追走
 希望ヶ浜スカイラインに乗って次の獲物を探すビリーを探索撃破に向かいます。
 ビリーの車は大体機動5~6くらいでブッ飛ばしてます。
 追いかける立場なので普通に追ってもかなり時間がかかります。なんやかんやで色々挟み撃ちするとかなんとか手段あります。
 なんかいい感じに策をねりねりして、車を潰すつもりで無理ぶっこくとプレイングボーナスがつきます。
 プレイングボーナスがつきます。大事なことなので2回いいました。

●フェーズ2:クラッシュさせる
 チェイスの延長になります。だいたいビリーの車との戦闘射程に入ったあたりからです。
 耐死装甲車は基本的に防技が高く、接近妨害用にバンパー部にブレードがついていたりマキビシをぶん撒いてきますが皆さんが乗ってる車は割とその辺「多少は」耐えます。
 まあ結構ダメージ与えないと壊れませんので根気と殺(や)る気でいこう。

●フェーズ3:ビリーをボコす
 ビリーは夜妖憑きですので、まあフツーに強いです。
 車が一台くらい無事ならちょっと楽かな。でも皆なら頑張れるかな。どうかな。
 神秘系メインのヤツです。スタントマンの癖によ。

●パパス
 参加していません。手配するだけして帰っていきました。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 再現性東京2010:P-Proof at アルハラモンスターズ完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月12日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談9日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フニクリ=フニクラ(p3p000270)
歪んだ杓子定規
亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
※参加確定済み※
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
※参加確定済み※
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
※参加確定済み※
神薙 焔(p3p009384)
特異運命座標
イザカ・VⅢ・モリス(p3p009602)
改造人類
フォウリー(p3p009811)
災厄( ‘ᾥ’ )少女

リプレイ

●濃いか薄いかじゃなくて濃いか特濃かの2択is何
「なんですの一体! 気持ちよ~く酔っ払って、気持ちよ~くスピードを出して良い気分でしたのに!」
「テメーーーナメたマネしやがって!!! 追うでありますよアーリア!! ヴィーシャ!! 返事するでありますよオラァ!! 2人ともいつのまにこんなズンドーに!!!」
 『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は怒り心頭と言った様子で、『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)を伴って早々に追撃をカマそうと張り切っていた。張り切っていたのだが。
「エッダちゃぁん、それドラム缶よぉ」
「チッ、騙されたであります! あんにゃろこんな姑息な幻術を使いやがって!」
「俺にはどう見ても最初からそれがあったようにしか思えなかったけどな……しかしあいつ、人が酒飲んで気持ちよくなってたところに、わざとぶつけてきやがったな……こちらもぶつけて引き摺り下ろして、検問(意味深)してやらなけりゃ気が済まねえ」
 理不尽な怒りを撒き散らすエッダに、『仁義桜紋』亘理 義弘(p3p000398)は冷静にツッコミを入れる。が、別に彼も身ぎれいだったわけではなく、当たり前のように飲酒運転していたようだ。
「飲酒運転? ……ところで誰が運転してたんだったか?」
 誰だったんでしょうねえ。
「清純可憐、生徒に大人気のアーリア先生が事件を起こしたら学園に密かにいると言われているアーリア先生ファンクラブが悲しんじゃう!」
「宴会の余興にしては派手すぎない? え、違う? 余興じゃない? ファンクラブ公認イベとかじゃなくて素で事故だったのアレ?」
 アーリアのどこか白々しい発言に頭の上で「?」を浮かべる『歪んだ杓子定規』フニクリ=フニクラ(p3p000270)だが、コイツ自発的に燃やさないけど延焼や爆発など悪化のプロであることは懸命な(報告書の)読者諸氏はご存知であるはずだ。俺も知ってる。
「人がぁー気持ちよく飲んでぇー夜のドライブを楽しんでるのを邪魔しちゃダメだって教わらなかったのぉ!!」
「そうよねぇー気持ちよく飲んだ後にこんな目に遭わされちゃ報復よねぇー!」
「よく言ったであります、ところでイイ体しておりますね、自分達と組まないでありますか」
 『Disaster girl』フォウリー(p3p009811)のキレ気味の発言に、アルハラモンスター達はめっちゃ勢いよく食いついた。ローレット所属で酒に愛着がありちょっと気性が荒いとすぐこれだ。こいつらは何も学ばないのか。酒乱騒乱だけで観測範囲で片手で収まらないぞ。
「逃げ遅れて飲み会に巻き込まれただけなのに……ノンアルしか飲んでないのに……どうして……どうしてこうなった……」
「ああ、あたしが差し入れた芋焼酎『大迷宮』でこんなことになるなんて……」
「お前の仕業かよぉ!」
 他方、『改造人類』イザカ・VⅢ・モリス(p3p009602)は完璧すぎる被害者枠だった。ここまで教科書どおりの巻き込まれ体質もそういない。そして『特異運命座標』神薙 焔(p3p009384)が何処で酒を仕入れて飲み会に差し入れたのかは明らかになってないが、未成年は(希望ヶ浜では)買えないと思うのできっと闇市。イザカが怒ってもまーこれは許されると思う。
「えぇ!! わかってますよ!! 気配を消そうと運転手を確認せずに後部座席に座ったのが悪いってのは!! ……ヒック、ですがねぇ! あの野郎、俺より反応も機動力も低いくせに俺より前を走りやがった!!」
「そこが問題でしたの?」
 イザカ、飲んではないが酒気だけで酔っているらしい。本格的に弱いのがよく分かる……そして機動・反応教徒は大体自分の前を走られるのが大嫌いだ。イザカの烈火の如き怒りに、その辺りと無縁なヴァレーリヤは首を傾けた。いいのか、頭を下にすると漏れるぞ。
「きちゃったわぁキレちゃったわぁ。この『こげねこ』って書いてるお酒を景気づけに一杯ひっかけてチェイスよぉ!」
「あはは燃やせ燃やせカクテルおかわり!カクテルはカクテルでもモロトフだがなぁ!!!」
「2人とも持ってんの危険物じゃねえか! 開けんな開けんな! まだ早いであります!!」
 フォウリーとフニクリはそれぞれ危険物をぶん回しながら車に乗り込もうとしていた。いくら極〇車だって内装は燃えるんですよ? なにしてるんですか? そりゃエッダもツッコミに回るわ。
「それで、届いた極〇車は3台だけど運転は」
 焔は一旦落ち着いて班分けを確認する。多分自分の考えと周りのそれをすり合わせないと失敗するので。
「俺だな」
 で、義弘と。
「カチコミじゃあああああ!」
 なんかめっちゃカチキレてるイザカと。
「えっ……えっ、あれっ、確か貴女は希望ヶ浜の」
「いいのよぉ、気にしないでぇ? 私達とドライブで天国見ない?」
「ほらほら神様も見ておりますわ! 私達に手伝えば天国にいけますわよ!」
「うるせーーーーとっとと協力するであります!」
 アルハラーズに絡まれた希望ヶ浜在住の徳田さん(28・仮名)。ほんとどっから連れてきた。
 というわけで、アルハラーズ3人+徳田さん、義弘・焔・フォウリーの3人、そしてイザカとフニクリの態勢で追跡を……。
「アーリア、徳田さんいたら機動力落ちるであります」
「駄目ねぇ」
「ええ……」
 徳田さんはご退場願いました。なんだよこれ。

●“速度(スピード)”に“狂乱(ラリ)”っちまった奴等
「よっしゃ“往く”ぞオラァ! ンだよこの車、こことこことこことこれが邪魔だァ!」
「なんかこの人車バラし始めたんだけど。あはは楽しいねえ。私も手伝うよ。私おもちゃの車肉抜きする改造得意だったから。アレあんま意味なかったらしいけど」
 イザカ、極〇車に取り付くなりドア、天井バンパー、トランク、安全装置、サイドブレーキ、ブレーキ等、走るという機能に関係ないブツをバラしはじめた。フニクリは彼のイカれっぷりに気を良くしたのか、自らも取り付くとどこからか取り出した工具でドライブコンピューターをも取っ払った。近代の車両かな?
「ヒック、何人たりとも抜かさせねぇ!! 先頭(テッペン)は俺だ!!」
「あはははははいいねえ行くよ!」
 ヒャッハァー! といつのチンピラかという勢いでアクセルベタ踏みでカッ飛ぶイザカと、他人の尻馬に乗って事態を悪化させるのが大好きなフニクリのコンビ。何も起こらぬはずがない。
「……あいつ、自分の車破壊してカッ飛んでったんだが」
「カーナビってのある? あるわよね。流石極〇車ね、完備してるわぁ♪」
「チューンに億かかってそうね。車内シアター……あるわね! あたしは後ろで映画キメるわ!」
「義弘ちゃん、ナビは私がするわぁ! スカイライン、料金所アタックする? しちゃう?」
「しねえよ!? ETCがついてるだろ、多分料金はローレット持ちだ!」
 多分前に立ってマウント取りたいんだろうな、と義弘はイザカのシャウトを聞いて判断し、ハンドルを握る。
 助手席に乗ったフォウリーのナビは的確っちゃ的確なんだが、やっぱ酔ってるので攻撃的なところが出ている。酔ってて一番常識的なのが義弘なのである。運転も大分スピード出してるのに静かだ。
 そして彼は、後ろから発進したアルハラーズの車を見なかったことにした。
「……免許ないけど、要するにこの下のペダル踏めばいいんでしょう?」
「大丈夫ですわアーリア! 遮るモノがあっても私が切り開きますわー!」
「“暴走(ユメ)”語るなら自分達を通すでありますよ! 通しても飲みの邪魔したからお陀仏だがなァ!?」
 あんまり理解していないテイ(絶対ウソだ)でアクセルを踏み込んだアーリアの目前に、障害物がこんにちは。だが直後、突き出されたメイスから巻き上げられた炎が正面のそれ(低層ビルの一部)を削り取り、背後で崩れ落ちる粉塵と瓦礫を巻き上げた。エッダはといえば、知らん顔してブッこむ極〇車のボンネットに林〇〇君の真似でもたれかかっている。そろそろ怒られろ。
「この調子なら足止めもうまく行くはずよぉ! イザカ君達がカッ飛ばしてるけど、先回りして頭を抑えられそう!」
「やるでありますよヴィーシャ、アーリア。アルコールの追加請求であります」
「高いウィスキーがいいですわー!」
「お前酒の味が分かるでありますか?」

 一方、そんな惨状をつゆほども知らず、ビリーは希望ヶ浜スカイラインを流していた。
 先程潰した何組かの酔っぱらい共は今頃死体か、よくて瀕死の呼気からアルコールが検出されているだろう。いい気味である。
「ン……?」
 そんな彼の眼前に、突如として通行止めの看板が見えてくる。おかしい、規制情報はなかったはずだ。多分何かの間違いか……そう、一瞬でも判断とアクセルを緩めたのが彼の全ての間違いだった。
「車の速度×俺の速度×パワー! 単純な計算だぜ!!」
「は? ぶつけんの? マジで言ってる? 」
 イザカの絶叫が響き渡り、フニクリの動揺の声がそれに続く。
 耐死装甲車に向かってアクセルを全開にしたところでシフトレバーを引っこ抜いてエンジンブレーキをカットしたイザカは前方へ体を投げ出し、フニクリは斜め上の方向へとスラスターを蒸かす。
「車の弱点はエンジンか運転手と、相場が決まっているのでございますわー!」
「ハァァロォォゥさっきはよくもやってくれたでありますなテメェー!!」
「わざわざ埋めるくらいなら今土葬してあげるわぁー!」
 イザカに取りつかれ、左右に車体を振ったビリーは直後、エンジンに向かって飛んできた火球に目を剥き、ついで横合いからガラスをぶん殴るエッダに悲鳴をあげ、さらには四方からせり上がった土壁で二進も三進も行かなくなって敢え無くクラッシュした……かに見えたがさすがの耐死仕様、土壁をブチ破って飛び出す!
「おいゴルァ、免許持ってんのか!?」
「アハハ風を感じながら撃つのたーのしー!!」
「ハァイ、お元気? あなたに呑ませる酒はないけど、弾はいっぱいあるのよ!」
 クラッシュしたからといってそれで終わりなわけがない。車体から身を乗り出して銃弾を好き放題ぶっ放すフォウリーと焔。さらにドアぶち破って相手を引きずり出そうとする義弘! ああ、免許証が宙に舞った!

●やりすぎる気はなかったと、やる気まんまんのヤツほど言う
「自分にも運転させるでありますよ! 愉快にケツ振って誘ってやがるんでありますかオラァ!!!」
「こ↑こ↓までやって割れないなんていい度胸だなオイ! ルーフからブッ壊すぞ!」
「オウ、免許ほっぽりだして運転しちゃもう無免許運転だよなぁ? どう落とし前つけるつもりだ?」
 適当な斜面に車をぶち当てて駆け上がり、車ごとプレスしにいくエッダ!
 そんなことどうでもいいとばかりにフロントガラスを一心不乱にぶん殴るイザカ!
 そして自分で放り投げた免許証を引き合いに出して無免許運転を指摘する義弘! こいつら全員ハラスメントの限度を越えた素晴らしい対応(皮肉)だ!
^「うっうっ、ちょっと懲らしめてお金を巻き上げるだけのつもりが大事故に……」
 ヴァレーリヤ、大事故(クラッシュ)でほぼほぼ原型をとどめていない装甲車から引きずり出されるビリーの姿に白々しいうそなきをカマした。さっきまで車どころかビルを犠牲にしといて今更か。
「おい、海と山どっちがいい?」
「え……あ、」
「おら! 喋るなつっただろうが! 喋ってんじゃねぇぞゴルァ!!」
 イザカ、ビリーに問いかけておいて返答が出そうになったら顔を殴る。理不尽!
「でええい、知り過ぎた者は死ぬことになりますのよ! 大人しく秩〇山で養分になって、二酸化炭素削減に貢献なさい!」
「秩〇山って何よぉ! 生かして一生私達の財布にしましょ!」
「落ち着くでありますアーリア。どっちにしろこいつ生きて返せば自分らは破滅でありますよ」
 そしてアルハラーズとしては山派だったらしい。
「でも簡単に死なないんでしょお? ストレス発散の道具にしちゃいましょ!」
「……俺は関係ねぇから免許ブチ割ったら終わりだな」
「埋めるって判断セーフだっけ? え、生死不問? 身元バレたくないしそうしようぜ!」
「「もう一杯いくか……」」
 義弘とフニクリは積極的に事態に関わることはせず、ハイ・ルールに沿う限りは好き放題やらせることに決めた。そもそも生死不問、なんか供述させたらまあ面倒事になりかねない。
 とりあえずなんか夜妖が憑いてるらしいので引き渡すなりして事件を闇に葬ればそれで大丈夫だろう。
 だってこれ以上やって頭ぐわんぐわんしてたら、そりゃ。
「おろろろろろろろろろろろ」
「ARGHHHHHHHHHHHHHHHHHH」
 イザカが吐く。
「はーすっきり! じゃあこのこげねこ空けてもいいわよね!」
「待って? ちょっと私車から逃げ切れなくて今うまくうごけな」
「さーんにー、いーち、はい!」
 義弘の運転していた車から這々の体で抜け出した焔は、しかし眼前でフォウリーが火酒の封を切ろうとしているのに愕然とする。まずい。あれが発火したら気化しているガソリンとかそういうものが凄くヤバ

 ドンッ……。

「これでコイツの歯を全部折れば身元確認は不可能でありますね! 万事解決!」
「なあ、フニクリ」
「私はアレ以上関わりたくないんだけど」
 鈍い音の爆発音の後、エッダがビリーの歯に指をかけて一本ずつ折り、その度悲鳴があがるのを背景に義弘とフニクリが言葉をかわす。
「……あれ、止めなくていいよな?」
「尊い犠牲が出たけどイレギュラーズだし死なないでしょ」
 去っていく2人をよそに、アルハラーズ、そしてイザカとフォウリーがハイタッチ。足元にはエッダの用意したプラカードだ。

『THE END』ォ!

成否

成功

MVP

イザカ・VⅢ・モリス(p3p009602)
改造人類

状態異常

神薙 焔(p3p009384)[重傷]
特異運命座標

あとがき

 まあ細かい色々は書いてるとキリがないのでパンドラの減りが全てってことでいいかな。いいよね!
 なお、各車のアレですが
 イザカ車 機動11(+トンチキボーナス)
 アルハラ車 機動9
 義弘車 機動7
 でした。どれもはえーんだよ

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