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シナリオ詳細

フルネアルナの見た夢

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●フルネアルナ
 潮風にのって船を滑らせ、エールをお供にギターを愉快につま弾けば、『フルネアルナ』はやってくる。
 愉快に笑う気持ちを見つけて、海の精霊が自分も混ぜてもらいたがるのだという。
 ほら、愉快に遊ぶ僕らの船の横をご覧。
 大きなエメラルドグリーンをしたマンタの群れが、海から飛び上がるのが見えるだろう?

●フルネアルナ・ハント
 ROO内ネクスト世界、セイラー航海王国は海と島々でできた国である。
 そのなかの一角、ショウジー島にはさかんな産業がある。
 海の精霊がつかわした海洋生物『フルネアルナ』の漁だ。
「フルネアルナというのは、混沌世界にもある生物です。海の精霊がつかわしたとされ、魂魄(コンパク)エネルギーを多く含む生物として知られています。
 このあたりではコンパクエネルギーを電力のように利用し生活を豊かにするという文化があり、人々はこれをつかわす精霊に感謝と信仰を捧げているのです。
 精霊はフルネアルナを通してコンパクを伝え、人々は精霊に感謝の宴を捧げる。こうして島の生活はまわっていくのです」

 なぜこんな説明をしたのかと、いえば……。
「いま、ネクスト世界には混沌世界ではみられないほど巨大なフルネアルナが潜んでいます。どうやらこれが、バグ事件によって意識を奪われた研究員たちを救出するためのクエストトロフィーになっているようなのです」
 かみ砕いて説明すると、この仮想世界ネクストが生まれる際発生した巨大なバグに飲み込まれたログイン中の研究員達の意識が、『クエスト』という形でロックされているのだ。これを達成することで、結果的に混沌世界で意識不明になっている研究員たちを救出することができるのだ。
「巨大フルネアルナはただ探し回るだけでは絶対に見つけ出すことが出来ません。
 ですが唯一、沢山のフルネアルナを呼び出し刈り取ることができれば、それに乗じるかたちで出現するという情報があるのです」

 手順はシンプル。
 まずは洋上(ないし船上)で楽しい宴を開いて、みなで楽しい気持ちを高める。
 それに誘われて表れたフルネアルナを自由な攻撃方法で倒し回収していく。
 これが首尾良くゆけば、巨大フルネアルナが出現するので、これと戦闘し倒す。
 ――というものだ。
「楽しく遊んで楽しく戦って、そして楽しく倒しましょう!」

GMコメント

●クエスト:巨大フルネアルナを倒せ!
 OPで説明したとおり、シナリオは三つのパートに分かれます。

・宴パート
 自由に宴を開いて楽しい気持ちを高めましょう。
 無理に楽しくならなくてもよいですが、『自分ならこういうことがあると楽しい』と相談の際にまわりに自己紹介して、互いに楽しめるものを提供し合うというのが相互利益になってとてもよいです。
 一応ここはROO内でありますので、中の人が楽しんでいても、アバターロール上たのしいと表現していてもOKとします。精霊さんはその辺アバウトなようです。

・収穫パート
 海から沢山現れるフルネアルナをかりとりましょう。
 フルネアルナは泳げるほかちょっと空を飛べるので、海面から約10mくらいの高度までは鳥のようにぱたぱたと飛び回ります。
 特段遠くへ逃げたりはしないので、楽しく戦い楽しく倒しましょう。
 戦闘力はそんなに高くないので、BSなんかもだいぶ有効です。
 余談ですが、フルネアルナはエネルギー生命体なので肉体を破壊されてもあんまり痛かったり苦しかったりしないようです。エネルギーとして大切に使われることで昇華し、海へと還るといわれています。

・ボスパート
 バグによって生まれた巨大フルネアルナです。
 こいつだけはバグによって歪められているようで、あらかたフルネアルナを収穫し終えたところで現れ皆さんへと攻撃してきます。
 エネルギーの弾幕をはったり、空を飛んでエネルギーの刃を繰り出してきたりと豪快な戦闘を行います。特殊抵抗値も高くBSで制御するのはちょっと難しそうです。
 こちらもうまく連携をとりながらこれを倒しましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • フルネアルナの見た夢完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年07月08日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウヅキ(p3x000292)
春の精
リアナル(p3x002906)
音速の配膳係
ミーナ・シルバー(p3x005003)
死神の過去
タント(p3x006204)
きらめくおねえさん
ミーティア(p3x008617)
ウィード(p3x009132)
どこへでも
レイル(p3x009453)
自由騎士
霧江詠蓮(p3x009844)
エーレン・キリエのアバター

リプレイ

●フルネアルナの見た夢
 浅くゆれる波が、遙か遠くへ伸びている。どこからか生まれ、白く寄せ続ける白い波状のあぶくがほんのりと青く透け、太陽の光で緑色に淡く通っていく。
 珊瑚礁と熱帯魚。観光地のそれとは違うが、しかし静かで優しい海。
「ここで生まれた人々が、海へ自分たちが還るって考えるのは自然なことかもしれませんねぇ」
 船の出る桟橋を歩き、『どこへでも』ウィード(p3x009132)は木造桟橋のごつごつとした独特の感触と足音に目を細めた。
「今日のお仕事は……宴ですね! あんまり人を楽しませるのは得意じゃないですけど、その代わりというか、目一杯楽しんじゃおうっと。
 わたしはおいしい食べ物とお酒があれば十分すぎるくらい幸せですし……」
 うっとりと船を見上げるウィード。ハッとして口に手を当て振り返る。
「もちろん目的のフルネアルナもちゃんと狩りますよ!」
「それにしても愉快な漁法だねえ。
 飲み食い付き、しかも今回仲間に美女が居るときた。
 俺はこれだけでも十分楽しめるってもんさ。
 宴会で美女の笑顔を肴に一杯とか、最高だねぇ。
 まぁ、美女達に気持ち悪がられない程度に楽しむとするか!」
 うーんと組んだ両手で背伸びをする『自由騎士』レイル(p3x009453)。
 深くリラックスした息をつく彼の横で、『エーレン・キリエのアバター』霧江詠蓮(p3x009844)短い髪を指先でいじっていた。
 『んん』と、喉の奥で低く唸る。
「宴会か……あまりやったことはないが、具体的にはどうすれば良いんだ?」
「そりゃあ」
 腕を下ろしたレイルが振り返り、グラスを持って口元へもっていくジェスチャーをする。
「酒飲んで美女見て美味い飯、だろ。あといい景色」
「サケ、オンナ、メシ……ケシキ……」
 初めて言語に触れた獣みたいな発音でいうエーレンに、レイルは笑って肩を組んだ。
「ま、要は楽しめってことだ。心配するな、リードしてやるよ」

 そんな男達の一方、既に船に乗っていたミーティア(p3x008617)は手すりに腰掛け足をぶらぶらとさせていた。
「ふぅん、魂魄エネルギーねぇ。
 何だか字面だけだと、精神エネルギーみたいのを搾り取る風に聞こえそうじゃあないかなぁ、あ、ボクだけかな?
 いやいや、ちゃんと循環して大切にされてるなら良いんだよ、うん! 精霊エネルギーみたいなアレって事だよね!」
「深緑……翡翠のひとたちの価値観に、ちょっと似ていますね」
 『春の精』ウヅキ(p3x000292)が大きな鉢植えをよいしょよいしょと言いながら運んでくるもんだから、ミーティアがぴょんと飛び降りて支えにまわる。
 一緒に甲板の中央に設置すると、ウヅキはたまの汗をぬぐってフウと息をついた。
「宴会って、ずっと堅苦しいものだったり、目立たないよう裏方に回るものだったのだけれど。ここでなら……」
「ん?」
 小声でつぶやいたウヅキにミーティアが振り返ると、なんでもないと言って首を振った。
「さあ、今日は思いっきり楽しみましょ!」
 話が纏まった(?)所で甲板へと出てくる『調査の一歩』リアナル(p3x002906)。
 『死神の過去』ミーナ・シルバー(p3x005003)も一緒に甲板へ出ると、吹き付ける海風を胸いっぱいに吸い込んだ。
「宴会やってたら敵が向こうからやってくるとは楽でいいねぇ。
 ま、気を抜く訳にはいかなさそうだけどな」
「なんか、あれだな……光ってると寄ってくるイカみたいな漁法だよな」
「別に光る必要は……」
 と言った途端、後ろでぺかーっとまばゆい光が放たれた。
 言わずもがな、『きらめくおねえさん』タント(p3x006204)である。
「皆様ぁ――宴よぉー!」
 両手に空のビールジョッキを握ってY字に掲げるタント。
 その溢れんばかりのパッションにうっかりウェーイといって乗りそうになったが、リアナルとミーナは一旦ウェーイを飲み込んでから裏ツッコミした。
「「まだだ」」

●喜びにひかれてやってくる
「さ、派手に飛ばそうか」
 水上を激しいスピードで滑るバナナボート。
 前方でそれを引っ張るのはモーターボート……ではなくリアナルである。ジェットスキーをとんでもないスピードではしらせ、何人かが跨がったバナナボートをスリリングなアクティビティに変えていた。
 最終的にはカーブしきれず盛大に転覆したボートからウィードやレイルが笑いながら放り出され、ライフジャケットでぷかぷか浮くというそのものズバリなアクティビティを楽しんでいた。
 しばらく交代で遊びまくったその後で、くたくたになったリアナルたちは沖の船へと戻っていく。
 船体の脇からさげた縄ばしごを登り切ってみると……。
「おう、おかえり。準備はできてるぞ」
 先に船に戻っていたミーナが大皿に揚げ物やら焼き物やらの料理を乗せたいわゆるオードブルプレートを両手それぞれに持ってふりかえった。
 さっきまでシーなアクティをビティっていたためか可愛いめの水着に白いエプロンというなかな凄い格好である。
 海からあがってきたレイルがもう『ヤバイな』しか言わなくなるしウィードもそれに対して『ヤバいですね』としか返せない有様である。
 ヤバイだけで会話が成立しそうになっていた彼らをよそに、ミーナはキャンプ用の折りたたみ式テーブルに皿を並べていく。
 その一方では、ミーティアがあの上部がパカパカするドラム状のバーベキューコンロを前にして、厚切りのビーフや分厚い魚の肉を敷いていた。
 炭火であぶられた肉が油をおとし、ジュッという音と共に肉の香りが広がる。
「宴会といえば焼き肉だよね。焼き肉パーティー……アガるよね」
 純和風の美少女妖怪みたいないでたちで、しかもトングをかちんかちんさせながら言うミーティア。
「豪快な芸とかそういうのは持ってないし、ここはひたすら肉を焼こうかと思って。……あ、鉄板持ってきたから、焼きそばとかもやるよ」
 にっこり笑うミーティア。そこへタントが両手にがっつりビールジョッキを四つずつ掴んで現れた。
 混雑時の居酒屋でもそうそう見ない光景に、うっかり二度見する詠蓮たち。
「さ、今度こそ……」
 ジョッキをそれぞれテーブルに置き、一人ずつ手に取る。
「宴――杯乾杯よぉ! いえーい!」
「「いえーい!」」
 ビールジョッキ(ウーロン派含む)が一斉に掲げられ、ウィードとレイルはそれぞれジョッキを半分程まで飲み干した……ところで、ぷはあと満足げに息をはく。
「……ヤバいな」
「……ヤバイですね」
 何かの上限を超えたのか、それとも仮想現実ながら酔っ払ったのか、語彙の消えかけた彼らに手をかざし、詠蓮が甲板中央へと歩いて行く。
「宴会には芸がつきものと聞いた。出来ることは限られるが……」
 ウヅキから借りた桜模様の扇子をバッと勢いよく広げると、彼の左右に置かれた大型植木鉢からにょきにょきと木が生え育ち、太い枝に足をかけるようにして飛びのっていく。
 更に伸びた木の枝が複雑に組み合わさったのを確認すると、まるで重力を感じさせないかのような速度で枝を駆け上がっていく。
 最上部を片手で握り、逆立ちの姿勢をとって扇子をかざす詠蓮。
 ウヅキはその下で、ぱちぱちと手を叩いてほっこりとした笑みを浮かべている。持ち込んでいた籠をぽんと投げれば、詠蓮がそれを空高くでひっくり返し、集めておいた桜の花びらを振りまいていく。
「夏の海で、まさか桜の花吹雪とは……」
「仮想現実を差し引いても……ヤバイですね」
 タントに至っては『きゃー!』って言いながら手を叩き、なおかつぴかぴか点滅していた。
「もう楽しくて楽しくて! お酒が進んじゃうわねぇ、オーッホッホッホッ!」
 ぴょんと飛び降りてきた詠蓮。そばで『お疲れ様でした』といって手ぬぐいを渡してくるウヅキに例を言ってから……。
「あの人ああいうキャラでしたっけ」
「素というか、中のひとはそうですね」
「ああ、そういえば……そうか」
 額の汗をぬぐってから思い出す。
 この潮風も、木のてっぺんから見えた広大すぎる水平線も、流れていく雲も青空も、みんなみんな仮想世界のものなのだ、と。
「この世界にいる人々も、生物も……彼らなりに生きてる、のかもしれないな」
「…………そうですね」
 ウヅキはどこか思うところがあったのか、少しだけ言葉につまってから頷いた。
「なら、ここでしかできない体験を……私たちもしましょう」
 ニッコリとウヅキが笑った、その時。
 海面がエメラルドに輝き、大量のフルネアルナが水面をやぶって飛び出してきた。

●フルネアルナ
 エメラルドグリーンに輝く海と、光る空。
 大量のフルネアルナが飛び出し船をまいて羽ばたくその中心に、詠蓮たちは立っていた。
「どうやら、上手くいったらしいな。なら……」
 『次の仕事だ』とつぶやいて、刀の柄に手をかける。
 ぐっと深く身体の重心を沈めると、固いバネ仕掛けのごとく急速に飛び出した。
 駆け出し、踏み込み、抜刀そして切断までおよそ一秒にも満たない。
 真っ二つに斬られたフルネアルナを見て、レイルは口笛を鳴らした。
「よし、楽しませて貰った分……俺もチョットは本気をだしますかね、っと!」
 椅子に座ってフルネアルナのありさまに見とれていたレイル。だが両足を上げ勢いをつけ、ぴょんと立ち上がると腰の剣を抜いた。
「さあ、こっちへ来な。歓迎するぜ」
 渦をまいて集まるフルネアルナ。対するレイルもまた豪快な回転斬りを繰り出し、フルネアルナをまとめて切り裂いていく。
「そりゃー! どんどん薙ぎ払ってやるです!」
 ウィードも負けじと手をかざすと、サンショウオ型の水の精霊が水しぶきから形をかえ、群れを成してフルネアルナへ飛びかかっていく。次々に張り付き爆発していく精霊達。
 ミーティアはしれっと肉くってた友達のゴリラに片付けを頼むと、人型に切り抜いた術紙を沢山空に投げ、九つの尻尾をたてて呪力を送り込む。
 まるで意志をもったかのように飛び出していく戦闘式神たち。
 タントもまけじとふわぁと身体をうかせると、身体の周りに沢山の鏡を出現。自ら放つ光を一点に集中させると、投げキスによって作り出した魔法のレンズごしに照射した。
「ふふ、楽しい楽しい宴にようこそぉ」
「大量大量! ってな。ところで、こいつらって食えるのかね?」
「食べたらだめだと思いますよ?」
 ミーナとウヅキも早速参戦。
 ウヅキは『不中不当の呪(あたらずのおまじない)』をかけると、船にのる仲間達へと展開。更に『信念補強の呪』へと転じると、彼らのフルネアルナへの意志をより強く固めていく。
 そこまでこしらえてから弓をとり、フルネアルナめがけて矢を放った。
 飛んでいった矢が命中。と同時に高速で迫ったミーナのクナイが隣のフルネアルナへと命中し、まとめて撃墜。
 ミーナは更に大量のクナイをまとめて投擲すると大量のフルネアルナを撃墜した。
「さてと、仕上げだ」
 腕まくりしたリアナルが羽根型のビットを展開。解放。一斉出撃させるとフルネアルナたちへと次々に集中攻撃を仕掛けていく。
 こうして撃墜されたフルネアルナたちが甲板にごろごろとおち、それを片っ端から回収してまわるウヅキやリアナルたち。
「さぁて、そろそろかしらねえ」
 タントが振り返ると、まるでその時を待っていたかのように船がグリーンに輝いた。
 否。船の底、海底からせりあがるように発光体が近づき、そして激しい揺れを船へと与える。
 思わず手すりを掴んだウヅキの眼前に出現したのは、これまでとは比べものにならないほど、それこそ船に匹敵するほど巨大なフルネアルナであった。
「でました……これが目的のフルネアルナですね!」
 はじける海の水しぶき。揺れと風と、そしてグリーンの光りに晒されて、ウヅキは再びおまじないを両手デュアルで同時展開。船もとい仲間達を強化すると、水平に構えた弓をフルネアルナめがけて連続で放った。
 リアナル羽根ビットを一度自分に戻し、そして羽ばたきをかけて飛び上がるリアナル。
「タント、同時に行くぞ」
「はぁい、一名様ごあんなぁい」
 空中でビッとフルネアルナめがけ指を突きつける。
 羽根のビットがすべて射撃形態となり、タントの光が大量の鏡と魔法のレンズによって拡散。一斉に光の弾幕がはられた。
 対するフルネアルナも光の弾幕を展開。
 無数に相殺されるなかで、数発がフルネアルナへと届いて小爆発を起こした。
 そのまま空に飛び上がって逃げようとするフルネアルナだが、ミーナと詠蓮がそれを許さなかった。
「ちーっとばっか、本気でいかせてもらうぜ! 掴まれ!」
 赤い翼を広げ垂直に飛び上がるミーナ。その手に掴まることで天高く放り上げられる形になった詠蓮は、再び鞘に収めた刀に手をかけた。
 木の枝ハシゴを駆け上った時と同じような風景のなかで上下反転。
「鳴神抜刀流・太刀之事始」
 あえて目を閉じ風を感じ、そしてフルネアルナの存在をつよく感じ取る。
「――『一閃』」
 豪快な一撃――に混じる形でミーナが五芒星のラインを描いてフルネアルナの周囲を飛び回り、連続斬撃をたたき込んでいく。
 それによって墜落するフルネアルナ。
 ミーティアとウィードは同時に身構えると、狐型の白い焔とサンショウオ型の水色の氷を同時に生成。まるで生きているかのように動くかれらと意識をリンクさせ、墜落してくるフルネアルナへと解き放った。
 突撃。そして爆発。
 その衝撃によって傾いた船からミーティアが放り出されるも、助走をつけてジャンプしたウィードがキャッチしそのまま一緒に海へと転落。
 ぷはあといって二人で顔を出した。
「フルネアルナは!」
「大丈夫だ」
 船の甲板にでろんとひっかかる形で止まったフルネアルナ。
 その上には、レイルがくたびれた様子で座って居た。傍らには剣。彼の剣がフルネアルナに突き刺さり、その動きを完全に止めていたのがわかる。
「バグのせいでこんなんなっちまったが……元は島の連中と仲良くやってたんだろ? またエネルギーにして、循環のなかに戻してやろうぜ。こいつも」
 ぽんとフルネアルナの表面を叩くレイル。
 ミーティアたちは苦笑し、そして頷いたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ミーティア(p3x008617)[死亡]
ウィード(p3x009132)[死亡]
どこへでも

あとがき

 ――クエストクリア!

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