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シナリオ詳細

<ヴィーグリーズ会戦>かの道を開け

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「なんだあれは!?」
「こっちに向かってくるぞ!」
 兵士たちが騒めく。未だ会戦場となるヴィーグリーズの丘は先だ。だというのにこちらの軍勢へ向かってくる影がある。大きな鳥――否、魔物だ。
「総員、迎撃態勢を――!」
「待て」
 兵士へ指示を飛ばそうとした司令官は、しかし遮る声に視線を向けた。『焔の因子』フレイムタン(p3n000068)はその四肢に焔を纏わせ、向かってくる巨鳥を見上げる。
「あれは我らが相手をしよう。足止めを喰らう訳にはいくまい」
 一同の目的はあの魔物を退けることではない。この先にあるヴィーグリーズの丘へと到達し、悪徳貴族と彼らの率いる兵士たちを圧倒することである。なればこそ、ここで二の足を踏んで遅れる訳にはいかなかった。
 何より、フレイムタンが『我ら』と示したのは此度の勇者を輩出したギルド《ローレット》のイレギュラーズである。何よりも頼もしい存在であった。
「感謝する。だが、一部の兵は援護へ回そう。――ここはイレギュラーズが食い止める! 第一分隊は彼らの援護を! 総員、一刻も早くヴィーグリーズの丘へ向かうのだ!」
 司令官の指示に従い、進む兵士たちは先ほどよりも早足で道を進み始めた。その殿を務める兵士はイレギュラーズの勇姿を目に焼き付けんと振り返り、瞠目する。
「霧だと……?」
 突如発生した霧はイレギュラーズたちを呑み込み、丘へ向かわんとする兵士たちまでその手を伸ばそうとしている。前へもっと早くと伝えた兵士もまた、それから逃れるように小走りになった。
「イレギュラーズの皆さん! 霧が増幅しています! このままでは本隊が追い付かれてしまう……!」
 霧の中から仲間の声が聞こえた。こちらの様子に気が付いたらしい。しかし同時に、先ほどより若干霧の広まる速度が遅くなったようにも感じられ、殿の兵士は仲間へ向けてそれを叫び伝えた。
「この小さな鳥か!?」
「こいつを倒せば逃げ切れるな!? いや、逃げ切ってくれ!」
 どうやら既に霧の中では戦いが始まっているようだ。兵士は霧の方へと是を伝え、走る速度を上げた。



 時を少々遡り、ローレット。
「皆さん、決着の時なのです! わるーい貴族はえいえいっ! ってやっつけちゃうのです!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がしゅっしゅっとエアーボクシングしながら告げる。
 幻想国で起きていた不穏な事件の数々――奴隷市や魔物出現、勇者選挙に現れた偽勇者など――は、ミーミルンド家とその派閥に属する悪徳貴族の仕業であると判明したのはつい先日だ。彼らを打倒すべく、国自体が動き、そしてイレギュラーズの助力を得るべくローレットへ依頼も舞い込んでいた。
「貴族兵の皆さんと一緒に『ヴィーグリーズの丘』へ向かって欲しいのです! そこが今回の戦場なのですよ」
 ヴィーグリーズの丘は幻想中央に存在する広い丘であり、周囲には森や湖なども広がっているとされている。多くの者が戦い合うならばこれくらいに広大な土地でなければ戦いにくいだろう。
 イレギュラーズたちはそれより手前で貴族兵と合流。共に丘へ向かい、悪徳貴族の私兵軍を打ち破るといった手はずである。
「でも、向こうは魔物を操ったりもしてくるのです。備えは十分に、道中もお気を付けて、ですよ!」
 いつもと同じで情報屋は皆を送り出すしかない。あとは無事を祈るのみ――だから、今回も。いつもに負けないくらい、無事で帰ってくるよう祈りを込めて。

「皆さん、いってらっしゃい!」

GMコメント

●成功条件
 ラトカリプスの撃破

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。不測の事態に気を付けてください。

●士気ボーナス
 今回のシナリオでは、味方の士気を上げるプレイングをかけると判定にボーナスがかかります。

●『水雹』ラトカリプス
 水の力を操ることが出来る巨鳥。飛行能力を持ちます。
 濃霧の中でも自由に行動することができ、その攻撃はいずれも範囲攻撃となります。
 主に水や氷を用いた神秘攻撃が多く、【凍結】【痺れ】系列のBSがかかる可能性があります。
 全体的なステータスや攻撃方法は不明ですが、反応は高いようです。
 何者かに使役されていると見られますが、周囲にそれらしき人物がいるかは不明です。また、言葉は解しているようですが、人語を話すことはできません。
 不定期ターンに小エネミーを十数体召喚します。

『小エネミー』コカリプス
 氷で出来た小さな鳥です。初期15体召喚済み。
 攻撃力に優れ、防御力はイマイチ。高い命中率を持ち、【麻痺】系列のBSをかけてきます。
 ラトカリプスがいる限り、不定期ターンに十数匹が召喚されます。また、これらを迅速に撃退することで、霧の増幅速度を押さえることができます。

●フィールド
 ヴィーグリーズの丘へ繋がる森。ラトカリプスの力により、一体へ濃霧が発生しています。
 事前に有効な備えをしていた場合、マイナス補正が若干軽減されます。

●友軍
・貴族兵×???
 ヴィーグリーズの丘へ向かっている兵士たちです。霧から逃げんと急いでいますが、現時点では追いつかれるか追いつかれないか微妙なところです。

・貴族兵分隊×20名
 貴族兵軍から分けられ、イレギュラーズへと加勢する分隊です。
 そこまで強くありませんが数がいるため、複数人で小モンスター1体を相手取ればそこそこの時間で倒せるでしょう。

●ご挨拶
 愁と申します。
 友軍を先へ進ませるため、敵を食い止めなければなりません。必ずや仕留めましょう!
 それでは、よろしくお願い致します。

  • <ヴィーグリーズ会戦>かの道を開け完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年07月06日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

グレイシア=オルトバーン(p3p000111)
知識の蒐集者
ルアナ・テルフォード(p3p000291)
絶望を砕く者
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ルナ・ファ・ディール(p3p009526)
探す月影
佐藤 美咲(p3p009818)
合理的じゃない
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標

リプレイ


 霧は深く、あまりにも見通せない。先程兵士たちが戦った敵も、こちらが戦えることに気づいて集まるため後退したようだ。
(このタイミングでいやらしいことしまスねー)
 『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)はハイセンスで周囲の状況を探りながら眉根を寄せた。敵も味方も、ヴィーグリーズの丘に集結し始めている。戦場への到着が遅れたならば、戦況は大きく変わることだろう。それを見越しての敵襲だ。
「魔種が悪さしてるかもなのに……」
 『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)は『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)といち早く合流し、周囲を見渡す。とは言っても霧ばかりだ。貴族のいざこざはどうでも良いのだが、魔種は止めねばならないことだけは理解している。故に、ここで足止めされるわけにはいかない。
「霧を操る魔物とは、また厄介なものだな」
「うん。でもこれくらい退けてみせなきゃ、領民に平和な暮らしをしてもらうことなんてできないから」
 グレイシアはルアナの言葉に目を細める。彼女はこの魔物を退け、いつか貴族にも振り回されない日々を目指さんとしているのだ。眩しい、真っ直ぐな目標。
 彼女がそう願うのなら、尽力せねば――グレイシアは超聴力ですぐの敵襲がないことを確かめながら、ルアナに鈴のついたチョーカーを手早く結んでやる。
「ふっふーん。ねこさんみたい。かわいい?」
 つけてもらったルアナはくるりとまわり、チリンと鈴を鳴らす。戦闘時の音にかき消されてしまうかもしれないが、ないよりはマシなはずだ。
「獣の五感をなめんなよ。捕食者はどっちか、教えてやる」
 『月夜に吠える』ルナ・ファ・ディール(p3p009526)は霧に対する不機嫌さを隠しもせず告げる。どこか遠くない場所にいるはずだ。かの魔物を使役し、操る黒幕が。
「幸先が悪いったらありゃしねえ。会戦間近でケチがついたぜ」
 『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)もまた瞳をすがめるが、ここを突破するにはかの魔物を始末せねばならぬと分かっている。やるしかあるまい。氷鈴を身につけていることを確認しながら、彼は霧の中へ残っているはずの友軍へ声を上げた。
「こんな所は通過点だ! 俺達で突破口を切り開くぞ! 5人ずつで固まれ!」
 彼もまた獣の鋭い感性を持っている。視覚だけに囚われず、聴覚や嗅覚があたりの様子を拾い上げるのだ。互いの姿も見えづらい空間で、グループを作るということに友軍たちが苦戦しながらも集まり始めている様子がわかる。
(味見もしたい所だけど、ちゃんと肉の味がするのかな?)
 初めて見る獣に対する『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)の疑問はそこだった。倒せないなどとは微塵も思わぬ自信。そして貪欲な食欲。氷の味しかしなかったら残念だ、なんて――それこそテーブルについた者の言葉のようだ。
 真実――マルベートにとっては戦場こそテーブルと言っても良いのかもしれない。彼女はまず、とジェイクへ魔門を解放する。
(さて、どっちがはえぇかな)
 ルナはその五感を駆使してラトカリプスとコカリプスを探し始める。時折鳴るのは仲間の付けた鈴か。匂いはまだそう強くないが――戦い始めたなら、その血なり泥なりをかけてしまおうか。
「――いたぞ、ルアナ」
 グレイシアのハイセンスにラトカリプスが引っかかる。どうやらコカリプスも一緒らしい、複数の羽ばたきが聞こえた。
「そうしたら……あ、あれかな?」
 ルアナは駆け出そうとしてはたと気付く。仲間に見えぬのなら、ルアナが接敵することも気づかないかもしれない。猫のように可愛らしく鈴をつけているとはいえ、それが全員に、かつ的確な位置を知らせるとは限らないのだから。
「ラトカリプスはわたしが抑えるから!」
 声を上げながら敵元へ走っていくルアナ。次第にその耳にも敵の羽ばたきが聞こえ始める。ジェイクはその音を頼りに武器を向けた。この霧の中、見えぬことは確かに不利だが――ならば当たるよう、近づけば良い。
 さらにそこへ美咲の放ったワイヤーが無数に張られ、コカリプスをも打ち落とさんとする。ルアナには一発も当てていない。否、『当てない』のだ。
「……絶対に誤射はしません。後ろを気にせずコカリプスに向かってください」
 兵士たちへ美咲はそう告げながらワイヤーを構える。道草くってる暇はない。とっとと倒して、皆で本番(戦場)に行くのだ。
「簡単には突破できないだろうが……どうか、俺たちに力を貸して欲しい」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)の言葉が美咲に続く。姿がよく見えなくとも、その真摯な瞳が見えなくとも。心のこもった言葉は確かに兵士たちへ届くだろう。自分たちの後に続くのではなく、自分たちと共に戦って欲しいという、その思いが。
「こちらこそイレギュラーズの方々と共闘などと、光栄ですよ」
「心強いってもんだぜ! なあ!」
「ええ!」
 イレギュラーズたちの言葉に兵士たちの反応は良い。士気の上がった友軍とイレギュラーズはコカリプスに、あるいはラトカリプスに向かって駆けていく。
 チリン。チリン。イレギュラーズの身につける鈴が小さく音を立てた。
(この世界は……目まぐるしいな)
 各国で様々な動きを見せているが故に当然な部分もあるのかもしれないが、召喚されて日が浅いというのに文字通り『目の回る忙しさ』である。思わず苦笑が漏れそうだが、そこに人命が関わっているとあらば表情も引き締まろう。
 どのような世界であろうと、その礎は民草にあり。彼らが蹂躙される姿を黙って見ているわけにはいかない。
「そんじゃ、付いてこいよ!」
 にぃと笑った『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は自らを発光させる。目もくらむような強い光ではないが、霧の中でもぼんやりと光るそれは、まるで灯台の導のようだ。
「ぶはははッ、さぁ来やがれ小鳥ども!」
 彼の言葉が、動きひとつがコカリプスを煽り立てる。群れが少しずつゴリョウの元へと向かえば、ラトカリプスは味方もいなく丸裸だ。
 ゴリョウによってラトカリプスから引き剥がされたコカリプスは、友軍たちの攻撃に遭いながらもゴリョウへと攻撃を仕掛ける。しかしその頭上から突如として無数の弾丸が降り注いだ。数羽が力尽き、友軍の足元へ落ちる。
「小さい敵は倒す事は難しくない、落ち着いて対処していこう」
 彼らはさして強くない。あとはいかに攻撃を受けずに済むか、という点にあるようだ。ゴリョウが引き付けてくれるのならばその点は暫く彼に任せて良い。
「俺は集めるだけで精一杯だ! この命、おめぇさんらに預けたぜ!」
 ゴリョウの言葉に友軍の攻撃が力強さを増す。彼を中心として敵を群がらせていることで、影という形に浮かび上がらせられているのも大きいだろう。はっきりした形ではないものの、少しでも影が見えたならそこにコカリプスがあるのだとわかる。
「迅速確実に処理していこう。素材は鮮度が大切なんだ」
 マルベートと兵士たちは連携して1匹のコカリプスを仕留めにかかる。数で押すのは狩りの基本。首を狙うよう指示しながら、マルベートもハルメギドでかの獲物を狩る。それが地面へ潰える前に、彼女は新鮮な肉を手にした。
 いいや、まだ肉かどうかもわからない。味わう余裕がないのは惜しいが、万が一溶けてしまっては困るとマルベートは躊躇いなく喰らい付いた。
(ふむ? 肉の食感はある。氷らしさはない、が……)
 ひんやりと冷えた肉。これはこれで――特にこれからの季節――アリだ。
「喰らえ!」
 ルナのブルーコメットがラトカリプスへ迫る。ルナが退くと同時にエーレンが懐へと強く踏み込んだ。
「――鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。お前たちの邪魔を受けるわけにはいかない」
 魔性の切先がラトカリプスへと迫り、その翼を削る。淡い水色の羽根がぱっと舞った。
 ラトカリプスが痛みに鳴き、その力を顕現させる。モロにくらったルアナは歯をくいしばりながら、力強く剣閃を放った。
(こんなところで死ぬもんか。死なせるもんか……!)
 自分だって、仲間だって。そして、友軍の兵士だって。
「この場にいる兵士さん! 皆で一緒にこの場を切り抜けようね! でも深手を負ったら無理しないで!」
 今、どれだけ霧が膨らみ続けているかもわからない。しかし先に行った兵士たちの声が聞こえないということは、その速度より進軍の方が早いということだ。ある程度引き離せたならば多少霧の広がる速度があがろうとも、友軍の命を優先したい。
 霧の中でも的確なジェイクの発砲が2発。続いてグレイシアの放つ黒顎魔王が叩き込まれる。ラトカリプスは不快そうにひと鳴きし――その周囲に小さき眷属たちを召喚した。
「ぶはははっ、オメェさんらはこっちだぜ!」
 ゴリョウがすかさずコカリプスたちを引き付けんと声を上げる。そして兵士たちを横目ににっと笑みを浮かべた。
「いいか? オメェらは俺らの手伝い役じゃねぇ」
 かと言って、イレギュラーズが手伝い役というわけでもまた、ない。イレギュラーズも、兵士も、この場では対等なのだ。故に――。
「オメェらと! 俺らで! 一緒に! ブッ倒すんだよ!」
 やっちまえ!! と腹から響くような声が兵士たちを奮起させる。ゴリョウへ向かってくる敵へと立ちむかう兵士たちにゴリョウはブレイクフィアーで回復を施す。
「おっと、獲物のくせに余所見かい?」
 マルベートは味方兵士を庇いながらアブソリュートグレイズを展開する。絶対的に。華麗に。優雅に。鼓舞を与え、マルベートはさあと微笑んだ。
「勇壮に立ち向かいたまえ。この開戦が終わったら共に労いの酒でも飲もうじゃないか、幻想国の英雄諸君」
「英雄?」
 兵士へ向けられた言葉に兵士自身が戸惑う。マルベートは茶化す風もなく頷いた。

 ――今、この時ばかりは。彼らひとりひとりこそが、この国を守る英雄なんだよ。

 兵士たちがコカリプスたちを殲滅する中、ラトカリプスが高く舞い上がる。すぐさま霧に紛れて見えなくなった方角へルナは狙撃銃を向ける。散った羽根が落ちてくることは――ない。
「いいや、逃さない」
 エーレンは木の幹を足場に駆け上がり、勢いのまま空へ。その機動力は見えぬ刃を彼へ纏わせる。
「空を飛んだら逃げられると、どうして思った?」
 握った刀を振るう。思っていたより軽い。が、確かな感触を柄越しに感じた。
(私はあっちっスね)
 美咲のワイヤーはコカリプスたちへ向かう。誤射はもちろん、無駄撃ちだってしたくない。できる限りダメージを敵へ叩きつけるのだ。
 エーレンの攻撃直後、体勢を立て直すように羽ばたきの音が大きくなる。ジェイクはすかさず魔力のこもった銃弾を放つ。
「逃がすか!」
 ひらり、と羽根が数枚舞い落ちる。それが地に着くか、着かないかの瞬間、ジェイクの頭上に影が差した。
「任せて!」
 そこへ滑り込む小柄な影。ルアナはジェイクを庇うように両手を広げる。
「攻撃はわたしが受け止めるから、だいじょうぶ!」
 ね、と肩越しに片目をつむってみせるルアナ。無傷ではないが、そこまで打たれ弱くもない。
 再び地上へ舞い降りたラトカリプスは水を操り、一同を飲み込まんとするように襲い掛からせる。接近する者たちを巻き込まざるを得ないが、それもあと、もう少し。
「此処が正念場だ」
 グレイシアはラトカリプスの弱った様子に声を上げる。今たたみかけなければ、倒されるのはこちらの方。
 濃霧の中での応酬は、その巨体が地面へ墜落することで勝敗を決す。
「あとは木っ端クズ共だ!」
「多少は原型を残しておいてくれたまえよ? なかなかクセになる食感だからね」
 ジェイクの容赦ない弾幕にマルベートは肩をすくめ、少しでも獲物を残すべく自身も躍り出る。
 コカリプスたちは十分に士気の上がった兵士たちとイレギュラーズに押し切られ、物言わぬ骸となったのだった。



 霧が、ゆっくりと晴れていく。全てのモンスターを倒した故に、増幅することがなくなったからだろう。
(奇襲は……なさそうだ)
 グレイシアは人の気配を探りながらも、警戒を緩めることはない。ラトカリプスが倒されるまで使役する者の存在はなかったが、倒されてからどう出るか。
 すなわち――反撃か、逃亡か。
 周囲が見えるようになってくるより先にジェイクや美咲、エーレンたちが黒幕を探し始める。見つけたら逃がすわけにはいかない。
「素直に投降して、とっとと出てきてくださいねー。そしたら命までは取りませんから」
 多分、と最後につく。いやだって、逃亡防止にワイヤーで足を切断する気は満々だ。その時うっかり殺っちゃったとか、その後死んでしまったとか、そういう可能性はある。
 しかし、美咲の声に応える者はいない。友軍にも協力してもらって周囲を探してみたが、どうやら黒幕は既に敵前逃亡したようである。
「ふん。ならさっさと行こうぜ」
 ジェイクが味方をヴィーグリーズの丘へと誘った。これは前座だ。これ以上は探す時間もロスになる。
 こうして一同は、戦場へ続く道を再び進み始めたのだった。

成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

ルアナ・テルフォード(p3p000291)[重傷]
絶望を砕く者
ゴリョウ・クートン(p3p002081)[重傷]
黒豚系オーク

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。
 さあ、先へ進みましょう!

 それでは、またのご縁をお待ちしております。

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