PandoraPartyProject

シナリオ詳細

誰もルールを知らない麻雀大会~な、なんだこの何も書かれてないハズレは!?~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ――麻雀。
 それは異世界から伝わってきたとも、昔からあったともされる遊戯の一つだ。
 なんか最初にサイコロを振って、なんか、その、えと。あのーえーなんかして点数を一番多く取っている者が勝者というゲームである。

 さてこれぐらいで麻雀の説明は十分だろう。

 ここからが本題だが――先日、鉄帝の北部にある遺跡発掘所でその麻雀が発掘された。
 どうも古代人も麻雀を嗜んでいたらしい……
 一つではなく、三つも四つも台座ごと発掘されて――
「むぅ……これは、かつてはこの地域では麻雀で物事を決めていたのかもしれん……!」
「教授!? まさか、そんな筈が!!」
 それを見た発掘調査隊教授(知力23)は持ち前の頭脳にて用途を推察する。
 一つだけなら個人の趣味であったのかもしれない。だが見よ! 全部で六つも発見されたこの数を! これは集団で麻雀を営んでいたと思わしき跡であると!! この地、鉄帝ではあるが――かつては暴力ではなくまた別の解決方法を古代人達は見出していたのかもしれない。
 そう……麻雀の勝者に従うという、新たなる戦いのルールにて!
「これは――実際にそうであったか検証する必要性があるな!」
 故に教授は走る。
 推察はした。後は実験あるのみだ、と。
 多くの強者を集め――麻雀大会を開催するのだ!!

 そして――近くの街に集まる強者達。

 我こそは覇者なりとする者ら。我こそが麻雀を制する者であると――ッ!
 いずれも麻雀のルールを知らない歴戦の兵だ。
 だが自信にだけは溢れている。己に勝てる者などいる筈がないと。
「クククッ。優勝は貰ったな……」
「おい待て! アレを見ろ――イレギュラーズ達だ!!」
 だが。
 そこへ現れしは英雄たるイレギュラーズ達。
 鉄帝の者達だけでは不十分。多くの知見、そして確かな実力を宿すイレギュラーズがいなければ検証にならぬと判断した発掘調査隊教授(知力22)からの依頼を受けて集まったのが――彼らだ!
 一気に場の雰囲気が変わる鉄帝麻雀闘技大会場。
 我々は奴らに勝てるのか――? いや、イレギュラーズが来たからといって何を臆す必要があろうか! 麻雀とは……席に着く前から既に戦いが始まる競技なのだ!
「へへ……よぉ。座ったなイレギュラーズさんよ」
 席に着くイレギュラーズへと声を掛ける一人――そして。
「アンタが一番乗りだ。ていう事は、だ――当然、アンタがまずはサイコロを振って始めるべきだよなぁ……!?」
「な、に――? 俺から、だと?」
「当然だ。言ったろ? アンタは最初に席に座った……
 つまりアンタがいわゆる『親』って奴だ。ククッ、まさか逃げるとは言わねぇよな……?」
 周囲がざわめく。
 おのれ――『親』を押し付けるとはなんと卑劣な――いやしかし『親』を押し付けられる方にも隙があったのが悪い――ああ、これくらい跳ねのけてくれねぇと面白くもねぇさ――
 『親』の罠にハマったイレギュラーズは果たしてこれから逆転出来るのか――?

「くっ、やってやろうじゃねぇか……!!」

 今――誰もルールを知らない麻雀大会が始まるッ――!!
(※なお、さっき囃し立てた周囲の連中は誰も『親』の意味を理解してません――!!)

GMコメント

■依頼達成条件
 麻雀に……勝てッッッ!!

■シチュエーション
 皆さんは麻雀を知りません。いやもしかしたら知っている人もいたかもしれませんが、大宇宙の神秘により突然忘れてしまいました!!!!! しかし皆さんは麻雀をやる、という依頼を成し遂げねばなりません。

 ……ぶっちゃけつまり『とにかく言ったもん勝ち』のシナリオです。
 皆さんは「これこそが麻雀である」と言うプレイングをご記入ください。
 ルールも何もガン無視のトンデモ麻雀を楽しみましょう!!
 多牌、少牌なんのその。勝てばいいのです――ッ!

 ちなみに依頼主も麻雀をしらないので間違った事をしてても特に問題ありませんし鉄帝ですし納得します。鉄帝ですし!!!!!!!!

■謎の麻雀牌紹介欄
■ワンズ(まんず)
 こ、コイツ!! 数字が書いてやがるぞッ!! 数が多い方が強いのか……!?

■ピンズ
 なんか丸っこいのが沢山あります。

■ソーズ
 緑色の牌です。おっ、鳥もいるぞ?

■風牌
 東西南北の字が書かれた牌です。ど、どうすりゃいいんだコイツは……!?

■發
 緑色の呪文だな……何の意味があるんだ……? まさか、こいつはソーズにバフを!?

■中
 コイツ赤いぞ! やべぇ早く捨てろ!! 負けちまう!!!

■白
 何も書いてない!! クソ、外れだ!!

■その他の謎の代物・単語
・サイコロ
 振ると楽しい。

・点棒
 これを集めるらしいが、一体何の意味があるんだ……?

・チー/ポン/カン
 言うと牌をもらえるという伝説上の単語。

・ロン/ツモ
 どこかのタイミング言うと勝てるらしい。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はEです。
 無いよりはマシな情報です。グッドラック。

  • 誰もルールを知らない麻雀大会~な、なんだこの何も書かれてないハズレは!?~完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年06月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
アンネローゼ=アーレンス=アドラスヘルム(p3p009170)
此処に格好いい称号が入ります
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
アリア・ネフリティス(p3p009460)
怪力乱心の鬼蜘蛛

リプレイ


「――あら新しいお客様ですのね? ようこそ、私の庭へ」
 各卓で始まる麻雀決戦。(なお誰もルールを知らない)
 始まりからして混沌としていたが、その中でも『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)が座っていた卓へと訪れた者は戦慄した――
 彼女の周囲には既に幾人も敗れたと思わしき雀士達がいたのだ。
 ――全てが血まみれで、とその時。

「チーッ!」

 慄く挑戦者の頬を酒瓶で一撃。吹き飛ばされ、壁に突き刺さる。
 ――なんだ今のは、何をした? あれが、チー!?
「迂闊でしたわね。私の前で無防備に牌を捨てるなど……
 命は粗末にするものではなくてよ?」
「貴様、何を!」
「何を――? まだ分かりませんの?」
 指先。そこにあるのは――一つの牌。
 天高く掲げ、そして!

「――ツモォ!!」

 挑戦者の――額にブチ当てる。
 あまりの衝撃に一瞬で『持っていかれ』そうになる――だが!
「ぐ、ぐぉぉ……この程度でェ!」
「あら。まさか私の一撃を受け止められる勇士がこの大会に現れるとは……ごめんなさい。私、貴方を見くびっていましたわ。久々にマトモな『麻雀』が出来そうですわね」
 名前を聞いておきましょう――私に久しぶりに頭脳労働をさせてくれる貴方の名を――
 例え相手が多少『やる』相手であろうと関係ない。
 ――打つ。
 牌を、打つ。打って勝利を求めるのが麻雀。ならば!
「俺の名を、ティエンの名を刻め悪魔め! 俺のターン、ロ」
「『ロン』……それは結構ですが、本当によろしいので?」
 何ッ――!? しかし、もう遅かった。
 体が――痺れッ!?
「毒を塗っておきましたわ。触れば最後、猛烈な腹痛に襲われる毒をね! 当然効果は検証済み……さっきたまたまその辺を歩いていたギルオスに握らせたらトイレに駆け込みましてね。そしてお分かりでしょう? 既にトイレは――塞がっていると!」
 流れる様に犠牲になったギルオス君。最早選べるのは社会的な死か、敗北か!
「どちらでも好きな方を選びなさい!」
 本来、誤ロンは酒瓶で百叩きの刑だけれど。
「――貴方の武勇に免じて、今日は引き下がるだけで許して差し上げますわ。
 またの対戦を、楽しみにしていますわね」
 腹を痛そうに抱え、身動きできぬ相手の身包みを剥ぎながら彼女は紡ぐ。
 彼女は負けない。明日の酒代を手に入れるまでは――!

 あれが麻雀だと――凄い戦いだ――!

 その様子を見る観客達(誰もルールは知らない)にも熱が籠る――頃。
「麻雀ねぇ……ふふふ、希望ヶ浜勤めの蚕を舐めないでよねぇ」
 言うは『繋ぐ者』シルキィ(p3p008115)だ。ふっ、麻雀のルールを知らない小娘と周囲は侮っている様だが……やれやれ困ったものである。
 まさか麻雀の勝ち方が『アレ』だけだとでも思っているのだろうか?
 ――浅はかすぎる。こちらは『だいすーしー』とか『しょうすーしー』とかの単語をなんとなく聞いたことがあるのだ。なんとなく。

「それじゃあ、一局ぶつとしよっかぁ……!」

 つまりこの点でシルキィは圧倒的な優位性を持っていた。
 そう――麻雀が寿司と連動している事に誰が気づけようか!
 『すーしー』の関連性に気づいた彼女の手は早い――少なくともまず『だいすーしー』と『しょうすーしー』は大小二貫の寿司を指す……これは明らか。そして『いっきつーかん』は。
「こういう事だよぉ!!」
「なっ!? お、お前――!!」
 その時。シルキィが行った行動は――牌を口の中へと!
 そう! いっきつーかんとはつまり"一気2貫"……つまり一気に2貫の寿司を食べることを表している! これにて『役』の成立――だがこの過程において最も重要なのは、この『白』の牌だ!
「わからない?(ガキンッ) 白は(ボリボリ) つまり――銀シャリ!(バキン!)」
 これはハズレではない。むしろ勝利に必須のアイテム……

 寿司の――銀シャリの暗喩だ――

 これとおかずになり得る牌を一斉に掻っ込む事によって寿司を示した麻雀と成す! これに気づかず牌を引くのをただパスして見守っていた――お前達の敗北だ!!
「……あーっ、歯が、歯が――!!」
 ……しかし随分と歯が痛いゲームなんだなぁ。


 そして『狐です』長月・イナリ(p3p008096)は見た。
 シルキィの戦い様を――同時に、脳髄に響き渡る『何か』があった。
 それは大宇宙の神秘。謎の天啓が彼女に天眼が如き力を与えて。
「そうか……麻雀ってこんなに簡単なルールだったのね……!」
 全てを悟る。
 麻雀とは卓上ゲームにあらず。
 神聖なる料理大会で使用される特別な食材なのだと――!
 そうと分かれば容易い。大宇宙に接続された(気がする)イナリは己が処理能力の全てを麻雀にだけ注ぐ! さすれば見えてくるは――王族の前に立ち並ぶ四人の料理人。これだ! これこそが麻雀の神髄!
「……さぁ。臆すのならば邪魔よ、いますぐその席を立ちなさい」
 後はどうこの勝負に乗せるか、である。
 故に自信満々の笑みと共に――彼らを諭そう。
「挑発のつもりか嬢ちゃん――鉄帝人舐めんなよ!」
「いい度胸ね。なら刮目しなさいッ――!」
 これこそが麻雀である――言い放ち、牌に振りかけるは謎の粉――ッ否!
 それはDX味の因子ッ!!
 食べれぬものも食べられるものへと変じさせる魔法の調味料――!
「貴様、一体ッ――!?」
「分からない?
 これはピンズを串に刺して塩コショウをかけてじっくりと焼き上げた……ピンズの串焼きよ!」
 焦げ目の付いた――牌の串焼き――!!?
 驚愕。まさかここで麻雀卓のみならず七輪すら出してくるとは――!
 香ばしい匂いが充満。この香りに抗える者などいようものか。
 次々と倒れる挑戦者たち――ふっ、軟弱が過ぎる。
「何を倒れているの? 次は点棒とソーズのサラダよ、ソーズの緑色と緑黄色野菜的な味を楽しみつつ、カリカリと歯応えのある点棒をソーズに絡めて食べる、ヘルシーな一品! ――まさか串焼きだけで終わりだとでも?」
 しかし追撃が発生する。イナリさん、オーバーキルですよ!

「なるほど! さすがです! 麻雀ってそんなルールだったんですね!」

 その様子をまるで羨望するように目を輝かせて眺めるは『はらぺこフレンズ』ニル(p3p009185)――麻雀に詳しい人は流石だなぁ。初めてのニルにとっては新鮮な事だらけなのです……!
「白い牌はおふとんの意味……
 つまり、よりぬくぬくとした組み合わせを目指せばいいのですね……!」
 難しいるーるだ……寝るのが勝ちなら自らは経験がないので不利かもしれない……(※睡眠不要なのでという意味です)けれど、ニルはもう一つの解釈があるのではと真理に辿り着いていた――
「……これは、もしかして湯豆腐なのではないでしょうか?」
 ――そう。これは豆腐だ。
 例えばイナリがやっていた様な――強い、強い湯豆腐を作れば――!!
「……! お団子(ぴんず)はおいしいのできっと強いです! 鳥もどんな食べ方をしてもおいしいので強いです! あとはどれだけバランスよく食べるかが重要なんです!」
 導いた! 勝利への道筋を!
 肉・魚・野菜――それらが揃うように牌を揃える! そう、これが!

「――ロン!」

 麻雀定食完成。ドラが乗って倍満ッ!
 ――ニルだってやればできると思います。
 へへん! と胸を張ってニルは己が勝利を誇る。
 きっとこれが――食を求めた古代人達の戦いの一つだったのだろうと――


「テン・ホー♪」
 牌を、倒す。ただそれだけの動作で勝利を宣言したのは――『クノイチジェイケイ』高槻 夕子(p3p007252)であった。
 電流の如く衝撃が走る――何が起こった――何をした――!?
「あーしに勝てると思ったの? そんなわけないじゃん、ばーか!
 はい早くテンボーテンボー。払えないなら服を脱いでよね、ざーこ、ざぁこ」
「んぐぐ……このガキャア……!」
 すっかり余裕顔の夕子である――ふふ、周りがざこすぎてイヤになる~♪
 呟くだけで勝てるのだ。そう……相手が『チョンボー』と言わない限り!
「へへ、だがお前の快進撃もここまでだぜ……」
「? なに、負け惜しみ? まぁいいけどね、テン――」
「おっと! チョンボーだぜそれはよ!!」
 ――何? 夕子の顔が驚愕に包まれる――
 まさか知っている者がいたのか……場を流す事ができる伝説の単語、チョンボーを……!
「え、負け……ぐ、ぐーぜんよぐーぜん! 次はチョンボーされないんだからね――!」
 ――しかし夕子は勝てなかった。
 テンホーする前にチョンボーされる。テンボーを失い、靴下まで脱いでしまう――
「あう、あうう……うそ! こんなのうそよ! な、なにかイカサマが……! うぐっ」
「どうした嬢ちゃん――早く脱げよ」
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! これだけは勘弁して、お願いしますぅ!」
 最早素肌を晒している面積の方が多い夕子――
 涙ぐめども悪意は容赦がない。分からせてやるのだと、舌なめずり。
 まさか……精神の駆け引きである麻雀で、男女の騙しあいでこのあーしが……!
「も、もう脱げる所なんて……!」
 ここしかない――彼女の儚げで、しかし肢体から揺蕩う魅力が何人をも魅了するのだ――
 瞼を閉じて涙をこぼし。しかし彼女は意を決して最後の――
 はい全年齢ガード! さぁカメラさん、他の戦局を映しましょうね――!!

「ハアーハッハッハ! 『親』と言うたか、愚か者どもめ!」

 そして別の卓。『親』の罠に嵌められたにも関わらず『ここに格好良い称号が入ります』アンネローゼ=アーレンス=アドラスヘルム(p3p009170)は一切臆していなかった。
 親? 馬鹿め。罠に嵌めたつもりが、魚に水を与えおったわ!
「聞け。分かっている中では余こそが最年長――
 つまり『親』などという次元は超えておるのよ。
 余の立ち位置は『親』なんぞではない……飛び越えた先に在りし『祖父母』なんじゃア!」
「な、なにぃ!!? 祖父母だとぉぉ!!?」
「馬鹿な。麻雀にそんな立場があったなんて……!?」
 やれやれ、どうやら完全に予測外だったようだ――
 愚か者どもめ。親があるなら祖父母もあって然りと何故至らぬ? 思ったよりも雑魚しかおらぬ様だと落胆の様子をみせながらアンネローゼは麻雀を始める。そう、全ての点棒を中心に集めて……
「さぁ地獄の棒倒しの始まりじゃぞ……! まずは祖父母たる余からじゃ!」
 点棒を奪い合うオマケゲームの始まりである……!
 一人一回! 棒倒しをして点棒を得ていく!
 そうしなければこれだけある点棒が消費しきれまい! そうして後はアタリを揃えていくのみ――と。彼女は右隣の者から牌を一つ摘みゲットすれ、ば!

「――何!? 何も、書いておらん……だと!?」

 しかしここで彼女は勝利の女神に見放された。
 ――ハズレを引いてしまったのである。馬鹿な、祖父母の余が……!?
「へっ。ご愁傷さまだな」
「ぐっ、ば、馬鹿な……ハッ、いや待てよッ――?!」
 瞬間。彼女の脳髄に叡智が煌めく――ッ!
 この何も書かれていないハズレ……本当にハズレか? いや違う!
「そういう事じゃったか――ッ!」

 これはトランプでいうジョーカーだったのだ。

 何にでもなれる存在。それが白。だから――ッ!
 ぺぺぺっ書く。その辺にあったマジックペンで三つの白い牌に、文字を!!
「これでどうじゃああ! 中当たり、ロンじゃぞ!!」
「なに――!? 中は俺が持っているはずなのに!!」
 甘いのぉ小僧!
 大当たりにはならないかもしれないが、いやちょっとよく分からんがこれで勝ちじゃろ? なっ!? 勝ちと言えこのこのこの――!!


「カカカ! 何を恐れるか!
 これが勝負である以上明確な勝ち負けが存在するということ。
 つまるところ最も強き役を作れたものが勝者となることじゃろう?」
 『怪力乱心の鬼蜘蛛』アリア・ネフリティス(p3p009460)は高らかに笑う。
 麻雀に恐れをなす凡愚など笑止千万。いや麻雀に関する知識は簡単なれど備えていた気がするのだが、なぜか今不思議なことにすっかりと記憶は抜け落ちている――が、問題ない。
 場にある山から恐れずに牌を取る。
 指先に摘み、己が前に置けば……周囲がざわついて!
「あ、あの動き淀みがねぇぞ……!」
「まさか――麻雀経験者か!?」
 一、二、三、四、五、六――ふっ、この程度に驚くとは凡愚だらけだ。
 少し推察すれば分かるはずだ。この数字が描かれた牌はトランプでいう2〜10、タロットでいう小アルカナ、花札でいうカス、つまり必要なのは……
(この四方を表す4牌と謎の鳥、中、緑の謎の漢字、何も描かれていない牌……
 これが強き役を作るための鍵じゃろう。となれば後は――簡単じゃ!)
 揃える。揃えるまで引く! 十二、十三、十五、二十――!!
 誰よりも早く勝利への軌跡を! ――アリアは知っている。この麻雀という遊戯が、元の世界で古来中国から伝わったものであると。ならば――必然的に最強と言える存在は決まっている。
 古来中国に於いて四方を冠するものと言ったら『アレ』しかないだろう。
 東西南北の概念……!

「来た――これでアガリじゃ。『ロン』ッ!!」

 自身の前に三十は牌が並ぶと同時に宣言する――勝利への道筋『ロン』を。
「龍とは『ロン』と発音することもあるらしいな。
 ……四神とは四つの龍を表すとも言う。
 つまりはこれこそが最強の役――『四神』である!」
 東! 西! 南! 北!
 そう麻雀とは――四神を集めるゲームなのだ!!
「ば、馬鹿なぁあああこんな勝ち方が!!?」
「何者だアンタ――ただ者じゃねぇな!!」
 平坦な胸を張りながら彼女は思考する――年甲斐もなく本気を出してしまった。
 麻雀も知らぬ小僧を相手に……ふっ、しかし格の違いを教えるのもまた先達の役目と。

 同時。『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)は既にこの勝負の本質を読み切っていた。

 彼女の知力は66に達しており――依頼主である教授の三倍近い頭脳を宿しているのである! その圧倒的な処理能力をもってすれば麻雀の謎を解き明かすなど容易い。
 ――だからこそ彼女は既に『帰るべきだった』という結論に達しているのだが。
 その理由はこの『牌』にある。
 なぜカード状ではない? なぜ木片ではない?
 この形には理由がある筈だ! 古代人達が導き出した理由が……!
「白き形……皆さんはご理解した上でここにいらっしゃいますか?」
「――どういう事だ」
 そう。これに全ての秘密が――詰まっていたのだ!
 麻と雀、一見風流な名前に見えますけれどアサとスズメ即ち。

「これは『アサチュン』で御座います」

 なッ――!? 周囲のざわめきは最高点に到達し、誰もが理解し始める。
 それは男女の営みの隠語。そしてこの牌は……ベッドを表しているのだと。
 そうつまり! これは――とてもへっちな様子を表すゲームであったのだ!!
「ばかな――いやしかし、そう考えれば辻褄が合う」
「牌は……パイを示していたのか!」
 得心の良く周囲達……よくもこんな破廉恥な依頼に誘ってくれたものだ! 部屋の隅でうねり続けている教授(知力20)を横目で睨みつければ――しかし受けた依頼は果たさねばならぬと、恥辱に耐えてこの麻雀勝負をエルシアは続ける……!
 知っていれば受けなかった――が、しかし! ゲーム自体は婉曲的で健全!
 思考を止めるな考え続けろ。
 男女の駆け引きが題材であるならば、つまり。
「自分を美しく飾り強く魅せ、相手の心……つまり持ち点を奪うのが目的だと判ります」
 美しい牌裁きと力の両立。
 ――これが麻雀。
 芸術と武力の混合。他者を魅了し、その果てにこそ勝利を得る――
「それが、麻雀です」
「……見事だ」
 対面に座っていた初老の男性が血を吐き、エルシアの強さを称える声を零して。
 敗北の宣言。この人物には勝てぬと自ら負けを認めた。

「成程。貴方が勝ち上がってきましたのね、エルシア」
「そう。でもね――ここからはそう簡単にはいかないわよ」
「最強の役四神は誰にであろうと負けんよ!」
「くく、多少はやるようじゃのぉ……そんな奇手があるとは」

 であればと、立ち上がったエルシアを酒瓶片手に眺めているのはヴァレーリヤだ。
 いや彼女だけではない……他の卓から白を奪い取ってきたイナリは潤沢なる餡子と甘いシロップ、カットフルーツを盛りつけた『白』の杏仁豆腐を作り――それを食しながら待ち構えていて。
 更には東西南北の牌と共にアリアが。新たなマジックペンと、沢山の白を確保したアンネローゼもここにある――! なお他の者のぷれいにガチ目に驚いている真っ最中だが、動揺を見せては敗北必至と笑みを浮かべているぞ!
 彼女らが頂点で待っている者達。(※明らかに四人以上いる)
 武者震いの様な感覚がエルシアを襲えど、恐れはない。
 強さであろうと打ち付けて勝利を成さんッ!
 今――麻雀の頂点者を決める戦いが始ま……

「鉄帝国保安部だ!
 ここで違法な賭け事が行われているとタレコミがあった――全員大人しくしろー!」

 ……ろう、とした所で国家権力が介入してきた! やべ逃げろ逃げろ!
 頂点を決める戦いは――また今度だ! うわやめろ離せ国家権力には屈さな(以下略)

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 これが麻雀!!!!!!!(おめめぐるぐる)

 ありがとうございました!!

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