PandoraPartyProject

シナリオ詳細

命は巡り、救われし者

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●命は巡り、救われし者
「……う、うん……?」
 ぼんやりと目を覚ました、一人の少女。
 周囲は真っ暗で、ひんやりと冷たい風が吹き込んでくる。
「え……こ、ここ……どこ? ……何で、こんな所に……居るの……?」
 さっきまで、ヘッドセットを被って仲間達とわーわーやってた筈なのに……周りに仲間は誰も居ない。
 そして彼女は不安いっぱいながら立ち上がり……僅かな風が吹いてくる方向へ、と歩いて行く。
 ……するとそこは、周囲は木々が生い茂る森の中にひっそりと佇む洞窟であった、と気づく。
「こんな所……知らない……何処なのここ!?」
 キョロキョロと周りを見渡している彼女。
 ……だが、そんな彼女の元に近寄ってきたのは……豚鼻に短足、醜い顔の億達。
『ヒヒヒ……ナァンダ? 道二迷ッタカ?』
『ソリャ不安ダヨナァ? デモヨォ、一人デ出歩クナンテ不用心ダナァ!!』
 げははは、と笑いながら、彼女の周囲を取り囲む3人のオーク達。
 1対多という状況、其れに武器もない彼女が対抗出来る術は無く、絶体絶命。
 ……だが、そんなオーク達の所へ。
『……グァッ!?』
 不意にパタン、と次々に倒れていくオーク共。
 彼らを仕留めたのは……流麗で、美しい顔立ちをした、耳の長い者達。
『大丈夫か?』
『え、ええ……あ、あの……あ、ありがとうございました……?』
 キョトンとしている彼女。
 そんな彼女も……耳は長く、尖っていて。
『ふむ……記憶喪失か、何かか? ……取りあえず、私達の村に来ると良い。落ち着けば、記憶も取り戻すだろうからな』
『え、あ、あの……あ、は、はい……』
 今の状況を、全く理解出来て居ない彼女。
 その申し出を断るのも悪い、と……大人しくついていく。
 ……そして、彼女達が村に戻り、数日後の夜。
『アノ村カ……俺達ノ仲間ヲ殺シタ奴ラハヨ』
『アア……絶対、ブッ殺ス……!』
 彼女の足取りを追ったかどうかは分からないが……殺された仲間の復讐に、と集結したオーク達。
 近くの仲間達も呼び寄せたのか、かなりの物量作戦でもって村を包囲しつくし……オーク達は、村へ火の玉を投げつけると共に襲撃を開始するのであった。


『お、お願いします……お願いします……あの子は、絶対どこかで生きている筈なんです……そう、私は信じてるんです……!!』
 と、希望が浜地域のニュース番組にて度々流される、行方不明事件。
 最初の内は、報道側もセンセーショナルに奉じていたが……ここ最近は、少しトーンダウンしている模様。
 しかし時折、帰ってきたという行方不明者もおり、消えてはまた現れる……という具合の報道状況。
 そんなニュースが流れる、カフェ・ローレットにて綾敷・なじみは。
「正直さー、もうずーっと繰り返されてるから、みんなも耳にタコかもしれないんだけどねー……でも、そういったのも対処しないといけないんだよねー」
 ニッ、と笑みを浮かべながら、彼女は振り返る。
「まぁ、みんなも手慣れた通りになっちゃってるかもだけどさー、ROOにログインして、行方不明の彼女を見つけ出して来て欲しいんだよねー。やっぱり、誰かが泣いてるシーンを見させられ続けるのは、気が滅入るしさー」
 軽い口調ではあるが、行方不明になっている少女を心配しているのは……間違い無さそう。
 ……そんななじみの言葉に頷いた君達へ。
「ありがとー! それじゃ、ヘッドセット被って行ってらっしゃいー!」
 と、ぶんぶんと手を振り送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 ROO、今回はエメラルドでのオーク退治です。

 ●ROOとは
  練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
  練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
  R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
  練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
  自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
   特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

 ●成功条件
   ログアウト出来なくなってしまった『ミコト』と、彼女を匿う村の人達を救い出すこと。
   また『ミコト』を元のログインポイントに送り返して、彼女をログアウトさせる事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   ROO世界の美しい森林地帯『エメラルド』。
   そんなエメラルドの一角に聳える、小さな村が舞台となります。
   『ミコト』は、この村の自警団の人達に救われ、彼女は偶然エルフの姿をしていた為、村に匿われているといった状態です。
   村に居る限り平和なので、ちょっと居心地がいいな……と思って居る矢先に、一度倒されたオーク共が徒党を組んで村を襲おうとしています。
   一応村の自警団である数人は、多少の戦闘能力はありますが……襲撃してくるオークの数からすれば、対抗するのは不可能でしょう。
   『ミコト』を守る位ならば出来るかもしれませんが、余り彼女達を過信しすぎない様にご注意下さい。
   尚、襲撃の時は夜半過ぎ……大多数は寝静まり、自警団の一部が防衛の為に起きている位です。

 ●NPC情報
   『ミコト』
     希望が浜の学生で、テストプレイヤーとしてROOに潜入しました。
     エルフに憧れてたのか、姿形はエルフだったので、村の人達に受け入れられました。
     村の人達に優しくして貰えているようで……村は居心地が良い様です。
     尚、彼女には戦闘能力はありません。

 ●討伐目標
   ・オークの群れ x 70体
     最初、『ミコト』を襲おうとして、自警団に殺された仲間の仇、と燃え上がっているオークの大集団です。
     彼らは襲撃の最初のターンに、手持のたいまつを村に投げ放ち、村に火をつけてから出て来た村の人達を殺していく……という作戦を取ります。
     数が多いので、村の四方八方に展開して、こうげきを仕掛けます。
     出てこなければ、こちらから襲撃をするでしょうが、最初の数刻はその作戦を繰り返しますので、松明の火の玉の対処が必要です。
     尚、オーク単体について、攻撃手段は棍棒のようなものでぶん殴るだけで、バッドステータスもありません。
     ただ、村の自警団の人達よりは一回り体力はあり、しぶとい奴らですのでご注意下さい。

※重要な備考

 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 命は巡り、救われし者完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年06月27日 21時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

梨尾(p3x000561)
不転の境界
ルルリ(p3x001317)
闇のしらべ
九重ツルギ(p3x007105)
殉教者
ベネディクト・ファブニル(p3x008160)
災禍の竜血
きうりん(p3x008356)
わるいこ
壱狐(p3x008364)
神刀付喪
ネコモ(p3x008783)
ニャンラトテップ
ルージュ(p3x009532)
絶対妹黙示録

リプレイ

●緑の国の
 R.O.O世界、緑拡がるネクスト、エメラルド。
 長い耳をした、エルフの者達が多く住まい、彼らの領地を侵略しようとするオーク共と町や村を巡って争うのは……ある意味このネクストにおいては日常茶飯事な出来事であるのかもしれない。
 ……ただ、それが今回は、ちょっとだけ特殊な事情を孕んでいる、という訳で。
「うーん……エルフを狙うオーク……そして村を焼き討ちだなんて、実に王道な展開だにゃ」
 『にゃーん』ネコモ(p3x008783)がとても納得するかのように頷く。
 ……まぁ、確かにエルフを狙うオークが返り討ちに遭って、オークがその復讐の為に村を焼き討ちにしてやる……なんて話は、まま良く聞く話。
 そんな彼女の言葉に少し遠い空を見上げながら『陽光のような焔』梨尾(p3x000561)も。
「そうですね……復讐はしますよね。自分もむす……父がころされたりしたら、間違い無くします。なので動機は肯定しますが……でも、復讐はさせません。家族の元に帰る前に死の恐怖を味わうだなんてお土産は少女に必要無いですし、自分は旅人でパンドラを集めなきゃ、この世界ごと自分がいた世界も終わってしまいます」
 勿論、ここは元いた世界とは似ているものの、実際には全くの別世界。
 だから似ては居ても、全く違う世界。
「でも、復讐と言えども、実際の所オークを殺したのはエルフだけど……先にちょっかいを掛けてこようとしたのはオークなのよね? ……どっちもどっち。こういう争いというのは、VRでもなくならないものなのね……」
「そうニャねー。まぁ、後は王道通り、正義の勇者なボクたちがオーク達を倒して、ミコトちゃんを救助してハッピーエンドニャ!」
 『闇のしらべ』ルルリ(p3x001317)に、二ヒヒ、と笑うネコモ。
 その笑いに応じるかの様に、『妖刀付喪』壱狐(p3x008364)と『開墾魂!』きうりん(p3x008356)も。
「ま、今回も稀人の救出だな。ここのオークは、話を聞く限りただの単細胞の様だしな、早急に駆除してしまおうか」
「うん、そうだね! 私にとってエメラルド初依頼! 耳長に媚び売ってエメラルドにフィールドセルの畑を作るぞー! 張り切っていこー!!」
 並々ならぬ気合いが入ったきうりん……救いより、別の方に強く意識が向いて居る様な気がするけれども……。
 ……ともあれエルフ達、そしてこの世界に不意に迷い込んでしまった少女を救いたい、という気持ちはちゃんとある模様。
 そんな彼女の言葉にルルリが。
「ふぁぁ……とっても面倒だけど、依頼達成の為にはオークをなんとかしないといけないのだわ」
 と欠伸しながら言うと、梨尾は強く頷き、仲間達へ。
「さて、弱肉強食と行きましょうか。野蛮なオークと違って、こちらに殺した相手の肉を食べる趣味はありませんが」
 と言うと、『宣告の翼』九重ツルギ(p3x007105)と『白竜』ベネディクト・ファブニル(p3x008160)は。
「ええ……このような作戦、手慣れた等とは言いませんよ。多くの中の一つでも、当事者にとっては大きな悲劇でだ」
「ああ。状況は余り良くはない様子だが、我々がこの場に来た以上、この盤面はひっくり返させて貰うとしよう」
 そしてネコモが。
「んじゃま、気合い入れていくニャー! みんなー、準備はいいかニャー!」
 と勝ち鬨を上げて気合いを入れると、『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)が。
「ああ! 村は、おれ達が絶対に護ってみせるぜー!! よーっし、んじゃ急いでエルフ? の村に向かうぞー!!」
 と仲間達を促し、そしてイレギュラーズ達は聞いたエルフの住まう村、へと急ぐのであった。

●村を襲う焔弾
 そしてイレギュラーズ達は、エメラルドを駆け抜け、件の襲撃が予測される村へと到着。
 ……勿論、突然のイレギュラーズ達の来訪に対し。
『何だ、キミ達は……!』
 警戒しているエルフの守衛に、村に入るのを止められてしまう。
 とは言え、オーク達の襲撃まで、さほど時間的余裕も無いこの状況では、説得している余裕も無い。
 ただ、ここで救出するべき者の名前を言っても……更に警戒されてしまう事だろう。
「確かに……警戒されてしまうのも無理がないニャ……」
 と、ネコモがぽつり呟いた瞬間。
『アソコ、エルフの村!』
『痛イ目、遭ッタ! ココデ返ス!!』
 ……かなり遠くの方から、うっすらとオーク達の騒ぐ声が聞こえてくる。
「思ったよりも速かったな……皆、別れるぞ!」
 ベネディクトの指示に合わせ、村の四方へと分散するイレギュラーズ。
 オーク達は、彼らは手に持つ松明を、弓矢に番い……射る。
 それは火の玉が投げ込まれたかの如く……エルフの自警団達は、そんな信じられない光景に目を見開く。
『何……だとっ!?』
 驚きの声と共に、火の玉が村に接近……だが、その被弾をギリギリの所で払い落とすはツルギ。
「皆さん! 話を聞いて下さい!」
 払い落とすと共に叫び声を上げ、自警団の者達に注意喚起。
 その一方で、ルージュは村の周りをぐるり一瞥。
 村を完全に包囲するように、オーク達が居並ぶ光景を見て。
「おぉー。さすがにこんな数の的は初めてだぜ!」
 と低く笑みを浮かべる。
 勿論松明攻撃は一方からだけでなく、様々な方角から次々と襲いかかる。
 だがイレギュラーズ達も四方に散り、村を襲うそれらの攻撃を一つ一つ、確実に撃ち落としていく。
 そして、梨尾は別の方角より。
「特異運命座標です! この村は現在オークに囲まれております! 我々はオーク達の対処に向かいます! 村人さん達は敵が投げた松明で村に火が付いたときの消化、戦える人は手が空いたら村に侵入してきたオークの対処をお願いします!」
 と大きな声と共に、寝て居る村人達をも起こす勢いで村に呼びかけていく。
 それを基点とし、壱狐、ツルギ、ルージュも各々の方角より。
「この村は我々が守る!!」
「オークです……新しい食材が自らやって来ましたねぇ!」
「とりあえず、そうね……みんな、この子に付いていって。大丈夫……暗闇に包まれているけど、みんなを傷付けたりはしないわ」
 と、オークの攻撃から逃れるよう、村人を村の中心部へ、一方自警団達は火の対処を指示。
 ……そんなイレギュラーズ達の指示に、最初は戸惑いを隠せない自警団達だったが……村を守る為に、と一念発起。
 そして……そんなイレギュラーズ達の動きに、不思議な表情で覗き込んでくる少女の姿。
 エルフの姿だが、武器は持っていない。
 だが、他の逃げ惑う村人達と比べると、顔立ちも、雰囲気も違う。
「ん? もしかして……あれかな?」
 そんな少女の姿に気づいたルージュは、ささっt、と彼女の元へ駆け寄る。
『え、あ……えっ?』
 戸惑う彼女に、ルージュは。
「ミコトねーちゃんか?』
『あ、あ? ……え、えっと、うん……』
「そっか……ミコトねーちゃんも、村の人と一緒に逃げて! 希望が浜に戻りたいんだろ?」
 元々此処に住んでいる人なら、絶対に知りようがない『希望が浜』という言葉。
 そんな言葉、聞くなんて思ってなかった……と、驚きの表情を浮かべる彼女。
「大丈夫大丈夫、俺達もそっからやって来たんだ! ミコトねーちゃんもあぶねーから、避難しといてくれよ! あ、そこのにーちゃん、ミコトねーちゃんの事、頼んだかんな!」
 背中を押して、其の場を後にする様に促す。
 ……何度か振り返るようにしながら、彼女も又……村の中心部の方へと避難。
 そうしている間にも、オーク共は何発も火の弾を撃ち込み、村が壊滅的な被害が受けるのを待ち構える。
 ただ、一向に村が燃え盛る様子も無く。
『何ダ!? 全然火、付カネエゾ!』
『邪魔者、居ル? フザケヤガッテ!! ブッコロス!!』
 と、、しびれをきらしたオーク達が次々と、東西南北全ての咆吼から攻め込んでくる。
 ……そんなオーク達の接近を、暗視の中で見定めたルージュが、傍らのルルリに。
「やっぱり松明で村が燃えちまうのが一番困るし、さっさと敵のアレを止めるべきだよな?」
「そうね……ふふ、暗闇は私のフィールド。思いっきり暴れましょう?」
「ああ! 大暴れさせて貰うぜ!!」
 と、先陣を切って攻め込む。
 まずは前進し、オークに直接相対。
『テメエラ? 俺達ノ邪魔スルナ!』
 憤り鼻息も荒いオーク達。
 そんなオーク達へ盛大に嘲笑しながら。
「子豚さんがブヒブヒ言いながら、村を汚しに来たのね……匂いが服に移りそうで嫌なのよ……」
 しっしっ、と手を払う仕草、更にルージュも。
「そうだよなぁー。良い物食べてねえんだろう? だっから臭いんだろうなぁ!」
 と、鼻を摘まむ仕草。
 実際の所、東の方向でツルギが持って来た、ガーリックをたっぷり聞かせた、極臭の豚肉チャーハンの匂いがこっちにも漂ってきているから、かもしれないが。
 でも、オーク共はそんな匂いになんて気づいている訳も無く。
『ナァンダトォ! 殺ス、ブッコロス!!』
 青筋立てて、怒濤の勢いで攻め込んでくる。
 そんな敵の攻撃を、ルージュは早速。
「ま、何だかわかんねーけどよ、最強の力は愛だって聞いたんだ。これは、その愛の力だぜ!!」
 と叫びながら、オークの懐に刃をぐさり、と突き立てる。
 電光石火の一撃に苦悶の咆吼と共に倒れるオーク……そして、一撃で倒された仲間に、驚愕する仲間達。
『何、ダト!?』
『バカナ? イヤ、エルフジャナイ!?』
 状況を理解出来ないオーク達の好きに、更にルルリが力強い歌声と、軽やかなステップを踏んで、まるで踊るようにオーク共を切り刻む。
 ……そんな二人が討って出た西方の騒ぎに続けて、各方面のイレギュラーズ達も、次々と討って出る。
「しかし、随分と数を揃えてきた様だな。ならば……こちらも相応の手数で応戦するのみ!」
「ええ。見せて戴きますよ。死闘の中で覗くであろう、貴方の本性(なかみ)!」
 とは東のベネディクトとツルギの二人。
 まずはツルギが敵陣ど真ん中へと進み出て行くと、気合いで己を高めると共に続いて、敵へ挑発。
 怒りを覚えたオーク達は冷静な訳も無く、全力で棍棒を振り落し、ツルギを削る。
 しかし攻撃後の隙をついて、ベネディクトが妖刀の力を解放。
「どうした! お前達よりも俺は遥かに小さい。そんな奴も倒せもしないのか!?」
 更にヘイトを稼ぐようにしながら、周りに居るオークを纏めて一閃。
 全力全開、熾烈な一撃を次々と食らわせる事で、オーク共を次々と薙ぎ払う。
 そして北方、梨尾とネコモの二人の側は、梨尾が挑発役を討って出て、一方後ろにネコモの陣容。
 杖から放たれる炎が敵へ纏わり付き、オークを狂わせるとそこへネコモがアッパーカットの如く拳を下から上へと振り上げる一撃を喰らわせる。
 残る西方のきうりんと壱狐は、というと。
「ふふふ、どっちの方がしぶといか勝負だよ!」
 ときうりんがオーク共にそんな挑発をすると。
『アァン? フザケタ口キキヤガッテ、返討チダ!!』
 と切れ散らかしたオークが更に前進。
 その間に自分へ。
「免疫力アップ! あときゅうりの棘みたいにちくちくするようになったよ!!」
 と笑いながら自己強化し、敵へと突撃し。
「さぁさぁ、食べてみなさぁーーい!!」
 と怒りを誘う攻撃。
 そんなきうりんの一方後ろから壱狐が。
「本当、最初に襲いかかっておいて、迎撃されたら逆上するとは戦士の風上にも置けませんね! ここで成敗します!!」
 と術式を纏った『壱狐』の刃を横に払い、オークに大量の刃文を喰らわせていく。
 とはいえその攻撃は仲間も巻き込む一撃なのだが。
「大丈夫大丈夫、私ごと纏めて薙ぎ払ってえぇい!!」
 きうりんは死を覚悟の上で敵を惹きつける。
 勿論、かなりオークの手数は多い故に、長くは持たないだろう。
 だけど長く持たないからには、力技で勝負。
「ほらほら、私が居るからには、他の所に行かせないよぉ!!」
 徹底的に怒りを振りまき、敵を逃さない。
 纏まってくれれば、壱狐の刃は特に効果を発揮する訳で……きうりん諸共、オークを成敗。
 かなり危険になったら、きゅうりを食べて回復する。
 ……ただ、流石にオーク全て合せて70匹となると……それでは回復も足りない。
「大丈夫大丈夫! 倒れたら後はよろしくっ!!」
 でも、きうりんは決して笑顔を忘れず、刃に巻き込まれていく。
 ……そんなきうりんの犠牲の下に、西のオークは一番早く、全て倒れていく。
「良し、っと……次は……?」
 オークが居なく、更に追っ手もいないことを確認した上で南、北の方を一瞥し、壱狐はまだ敵の多いルルリ、ルージュの方へと加勢。
「西は完了です、次は、こちらですよ!」
 そんな壱狐と共にルルリとルージュの攻撃の手も更にヒートアップ。
 二匹、三匹、五匹……とさほど特殊な能力も持たないオーク達は、数が減れば格段にイレギュラーズ達に有利な相手。
 勿論エルフの村の自警団達が、確りと村の火を消して廻っているから……そんな安心と共に、オーク退治だけに集中。
 戦闘開始から数十分と、かなり時間は掛かったものの……村を包囲する70体ものオーク達は、イレギュラーズ達の手により、全てが葬り去られていくのであった。

●命の恩人に願う
 ……そして、全てのオークを倒した後。
 村の周りには、彼らの死体が大量に積み重なり……正しく死屍累々な状況。
「……うーん、よくオークの肉って豚肉に似ているって聞くけど本当なのかしら……ちょっと興味が……」
 とルルリがその死体にちょっと興味を持ってしまうが。
「いやいや、食べない方がいーぜ? あんまり良いもの食べてねーだろうし」
「え? ……まぁ、確かにそうですね……今回は遠慮しておきましょう」
 とルージュとルルリが会話している横で、ネコモが。
「それじゃ、ミコトちゃんをムカ栄に行く……前に、後片付けするニャー。お世話になった街が落ち着かないと、ミコトちゃんも安心して帰れないだろうしニャー」
 と言うと共に、早速走り周り、村の状況確認と、復興のお手伝い。
 ……そして、大方村の修理が終わった所で、村人達が避難していた所へ。
 周りの村人達に優しい声を掛けつつ……ミコトに対しては。
「本当、良く頑張ったな」
 とベネディクトが優しく声を掛ける。
『あ、あの……えっと……本当に私、戻れるのでしょうか?』
 その言葉は嬉しさ半分……悲しさ半分と言った所か。
 優しくしてくれた村の人達……一時だけだったとは言え、その優しさに情が湧き起こらない訳も無い。
 そんなミコトに、壱狐とツルギが。
「そうですね……ミコトさんも別れの挨拶も必要でしょう。時間は有効活用しましょう。私達、もうちょっと村を治すのに時間が掛かると思いますから、その間は村の人達と、ちゃんと話をしてみて下さい」
「そうだな……心の整理が付いたら私まで言ってくれ。俺は希望が浜の教師だ……君をちゃんと連れ帰ろう」
 二人の言葉にぺこり、と頭を下げて……優しくしてくれた村の人達の下へと急ぐ彼女。
 ……彼女が心の整理が出来るまで村を治し……最後には、村人達に背中を押されて送り出される彼女。
 そんな彼女の眦からは、幾つもの涙が零れ落ちていった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

きうりん(p3x008356)[死亡]
わるいこ

あとがき

ミコトの救出作戦に参加戴き、本当にありがとうございました!
ミコトの心の整理をつける時間を設けてくれたお陰手、彼女も心置きなく元の世界に戻れたことでしょう。

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