PandoraPartyProject

シナリオ詳細

知ってる? 美味しいキノコ専門店があるんだってさ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●デーヴィド・コックスのお誘い
 今日はビール日和だ。熱い風にお日様の光を感じる。イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)はお気に入りの水筒を揺らし、目を細めた。
(まだ、喉は渇かないけど、今からすんごく楽しみ! 中身は何かな?)
 今日の為にと下宿先の奥さんが持たせてくれたのだ。イーハトーヴは幸福を感じ、頬を緩ませる。
(この水筒のお陰でぐんぐん歩けちゃう)
 水筒が揺れるたびに美味しそうで優しい音が鳴る。
(良い音だねぇ、でっかい水たまりに飛び込んだ気がする!)
 イーハトーヴは誰もいない道でぴょんと飛び、くるりと回った。
「ちょっと!? 突然、危ないじゃないの!」
 イーハトーヴ作のぬいぐるみ。うさぎのオフィーリアがびっくりする。
「え? うん、オフィーリア、今日はとっても良い天気だね」
 にっこりイーハトーヴ。
「……そうね、昨日、雨だったのが嘘みたい」
「うん。俺、晴れで嬉しい! わぁ~本当に気持ちがいいなぁ! 晴れてると心がぽかぽかしてぐ~っと元気が出るね! あ、デーヴィド! おーい。こっちだよ!」
 イーハトーヴは大きく手を振る。
「あっ、アーケイディアンさん!」
 デーヴィド・コックスが子犬のように駆けてくる。
「デーヴィド、今日はキノコ専門店に誘ってくれてありがとう! 俺、ずっと行ってみたかったから、ワクワクでいつもより早く起きちゃった! 朝ごはんも早めに食べて準備万端だよ」
「いえいえ、来てくれてありがとうございます。ふふ、嬉しいですね。実は私もです!」
 優しい笑みを浮かべるデーヴィド。ワクワクが伝わってくる。
「一緒、嬉しい。朝ごはん、何食べたの?」
「え? ええとですね……フレンチトーストとコーヒーにしました」
「わ、軽めで美味しそう!」
「そうなんです、今日の為に備えてきました。アーケイディアンさんの朝ごはんはなんですか?」
「俺は卵かけごはん! 美味しかった!」
「それは最高なのではないでしょうか!」
「うん、最高だったよ! 卵が新鮮でとろっとろだった!」
「わぁ……いいですね。私も食べたくなります」
「へへ、俺も!」
 テンションMAXのデーヴィドとイーハトーヴ。立ち止まってそのままずっとお喋りしそうな雰囲気。
「こら、二人とも! 早く行かない遅れちゃうでしょう!」
 オフィーリアが叫んだ。
「あっ、そうだった! オフィーリア、ありがとう!」
 イーハトーヴはのんびりと笑う。
「あの……オフィーリアさんは何を伝えてくれたのですか?」
 デーヴィドがハッとし、イーハトーヴに話しかけた。
「んっ、早く行かないと遅れちゃうって」
「!! あ、そうでした! オフィーリアさん、ありがとうございます」
 デーヴィドが深々と頭を下げれば、オフィーリアがくすりと笑う。
「どういたしまして。でも、ほら、早く行かないと」
 
 ●良かった、どうにか間に合ったよ
「えっえっ!? 凄いです。アーケイディアンさん、可愛い感じのお店ですね!」
 興奮するデーヴィド。この店は全室、個室なのだ。
「うん、可愛い。それに、急にお腹空いてきちゃった!」
「そうですね、何から頼みましょうか!」
 メニュー表をめくるデーヴィド。メニュー表をそっと覗き込むイーハトーヴ。気が付いたデーヴィドが見やすいようにメニュー表を広げる。
 
 『きのこラーメン。きのこチーズ餃子。キノコたっぷり鍋。きのこの熱々ステーキ。きのこの炊き込みご飯。きのこのチーズケーキ』

「どうしよう、沢山あって悩んじゃう! あ、飲み物も色々あるんだね。せっかくだから、昼間から飲んじゃう!」
 ドリンクを眺め、嬉しそうに笑うイーハトーヴ。お酒も色々揃っている。デーヴィドは悩みすぎて無意識に変な顔をしている。
「ど、ど、どうしましょう……」
「ふふ、悩むのも楽しいね! この時間がすんごく贅沢! ね、デーヴィドも良かったら飲まない?」

GMコメント

 青砥です。今回は幻想に出来たキノコ専門店に行きましょーーー!!! アフターアクションでいただいた内容を元に作っておりますぞい、いぇい♪ 日常シナリオなのでお気軽にご参加ください!! 

●目的
 幻想に出来たキノコ専門店を存分に楽しむ。参加者同士の交流、あるいは独立してのご参加、いずれの参加も大歓迎なのです!! 待ってますYO!

●場所
 キノコ専門店『きのこのUMAMI』
 カラフルで可愛い店。全室、個室。看板メニューは6種類です。ドリンク、アルコールの提供があります。

 ①きのこラーメン・・・四種のきのこがもりもり入った塩ラーメン。スープがキラキラ透き通ってます。小盛なので二杯はイケる!!

 ②きのこチーズ餃子・・・焼き餃子。サイコロチビチビきのこと癖のないチーズが美味い。もちもちの皮に羽根つき餃子。酢かタバスコで食べてみてください。一皿4ツ入り。

 ③キノコたっぷり鍋・・・五種のきのこが入った甘辛しょうゆベースの熱々鍋。ショウガがアクセント。豆腐、鶏肉、油揚げ、ウインナーソーセージが入っている。〆にきしめん、チーズリゾット、ラーメン、うどん、雑炊に出来ます。え、お腹空いてくるわ。

 ④きのこの熱々ステーキ・・・肉厚のしいたけに塩コショウとバター、醤油で味付けした最高の一品。傘の中に凝縮されたスープが……う、これは一滴も零せないッ!

 ➄きのこの炊き込みご飯・・・待って、これが美味しくないわけがない。なんだぁ~~~~~!!! たくあんが入ってるぞ~~~、美味い!!

 ⑥きのこのチーズケーキ・・・え、どんな味よ。え、あっ……ふわりときのこの風味!? え、えっ……違和感なしでむしろ、濃厚なのに爽やか~~~!!! あれ、もうない? すみませーん! もう、一切れいただけますか?
 
【注意】上記以外にも注文することが出来ます。その場合、食べたいキノコ料理を明記ください。

●デーヴィド・コックスについて
 イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)さんの関係者となり、駆け出し執政官補佐。食べ物を美味しそうに頬張ります!! 素直で良い子です。

【詳細】
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/5428
 https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/1641

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 知ってる? 美味しいキノコ専門店があるんだってさ!完了
  • GM名青砥文佳
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年05月25日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
黒須 桜花(p3p000248)
黒傘の君
リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って
薫・アイラ(p3p008443)
CAOL ILA
神薙 焔(p3p009384)
特異運命座標
天閖 紫紡(p3p009821)
要黙美舞姫(黙ってれば美人)

リプレイ

●縁のUTAGE
 怖い、怖い、戦闘は怖い。空はこんなにも晴れているのに。
「今回も募集していたのに行けなかったですっ」
 鉄扇を見つめ、大きな溜息をつくのは『要黙美舞姫(黙ってれば美人)』天閖 紫紡(p3p009821)。
「でも」
 どんな時でも腹は減る。
「気分転換ですっ! あれ、あそこにいるのは先輩方?」
 蝶の翅をぱたぱたする紫紡。
「毒キノコっぽいオブジェ!」
 『秋の約束』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)がうさぎのぬいぐるみ、オフィーリアを両手で抱きしめ、目を輝かせている。
「可愛いデスネ! こういうのは夢可愛い、というんでしたっけ?」
 『無敵鉄板暴牛』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が言う。
「うん、ゆめかわだよ! こんな素敵で可愛いお店で食べたら、ごはんもお酒ももーっと美味しくなりそう!」
 喜ぶイーハトーヴ。
「私ももーっと美味しくなりそうに一票よぉ。冷えたエール、ニホンシュは冷でも熱燗でも、ああワインにシャンパン、何にでも合う……!」
 『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が喉を鳴らす。
「あれ? どうしたの、オフィーリア? ああ、そっか!」
 にっと笑うイーハトーヴ。柔らかな視線が紫紡に注がれる。
「こんにちは、紫紡!」
 イーハトーヴがゆっくりとオフィーリアの手を振る。
「イ、イーハトーヴさん、こんにちはっ! その子、カワイイですねっ!」
「うん! あっ、オフィーリアが……うさぎのこの子がね、ありがとうだってさ。紫紡も俺達と一緒にどうかな?」
「ご一緒させて欲しいですっ」
 顔を真っ赤にし、ぶんぶんと両手を振る。
「紫紡ちゃんともお話しできて今日は素敵な日!」
 嬉しそうに笑うアーリア。紫紡は緊張気味に頷く。
「天閖様、ボクも嬉しくてどんどん食べちゃいます!」
 リュカシスが金色の瞳を向け、ワーっと両手を上げた。

「騒がしいな」
 『黒傘の君』黒須 桜花(p3p000248)がくつくつと笑う。久しぶりの依頼はとても賑やかだ。カラフルきのこのテーブル、壁紙はきのこ。
「皆さん、来たようですの」
 『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)がそわそわする。
「どれも美味しそうね、迷うなあ」
 『特異運命座標』神薙 焔(p3p009384)が燃えるような赤毛を揺らし、デーヴィドとメニューを見つめ、「選べないなら全部イっちゃえばいいわよね」と叫ぶ。
「わたしは、きくらげにしますの! 陸産物で、ありながら、くらげの名を、持つ……そのお手並み、拝見しにきましたの」
 笑うノリア。すぐに扉が開き、きのこの被り物をした店員と紫紡、イーハトーヴ、アーリア、リュカシスが見える。
「きくらげ料理をお願いしますの!」
 ノリアが叫べば、「メニューの上から下までぜーんぶ! お願いします!」とリュカシスが叫び、焔が「最高よ」と笑う。

 隣の個室では『CAOL ILA』薫・アイラ(p3p008443)がエノキそっくりのテーブルを眺めている。
「内装にもこだわりがありますのね」
 優雅に白ワインを楽しんでいれば、きのこの面を付けた店員が鉄板を運ぶ。肉厚のきのこからしゅわーっと湯気が上がり、輝くオリーブオイル。
「熱々ステーキです」
「素敵ですわ。あの……何か一つのものを極めるという事は大変な苦労と熱意の賜物でしょう。感服いたします」
 嬉しそうに頭を下げる店員に薫は上品に微笑み、分厚いステーキを口に運ぶ。
「至極、佳いですわ」
 噛む度にきのこの旨味が溢れていく。無意識に息を吐き、ワイングラスに手を伸ばした。トパーズ色の妖艶なナッツの香り。さざ波のように薄い唇に触れる、滑らかで官能的な味わい。素晴らしきマリアージュに目を細めた。
「我が儘ついでにもう一品お願い致します。バゲットに椎茸を載せ、軽く塩胡椒。その上にチーズを載せて、オーブンで焼き上げて頂けませんかしら」
 薫は別の白ワインを頼み、静かに微笑む。

「全部、きのこ料理だなんてびっくりですねっ」
 紫紡が呟けば、「圧巻だね」とイーハトーヴが答え、顔を赤らめる紫紡。
「ノリアちゃんのきくらげラー油炒めよぉ」
 皿を置くアーリア。
「これがきくらげですの!」
 ノリアがくわっと目を見開く。
「ごま油の香りが食欲をそそりますね」
 前のめりのリュカシス。ふと、デーヴィドと目が合う。
「アッ、ご挨拶がまだでした。デーヴィドサン、はじめまして。オールドワンのリュカシスと申します! 今日はたくさん食べましょうネ!」
 盛大なお辞儀に慌ててデーヴィドが頭を下げ、「リュカシスさん、皆さん初めまして。デーヴィドと申します。今日は皆さんと楽しい時間を過ごすことが出来て嬉しいです」
 一人一人の目を見つめる。
「そろそろ、乾杯するか?」
 グレープフルーツサワーを持つ桜花。
「大人な響きですの!」
 ジンジャーエールを持つノリア。
「そうね、大人じゃないけどあたしも参加するわよ」
 オレンジジュースを持つ焔。
「俺はアーリアチョイスのすっきりジンソーダ!」
 イーハトーヴがアーリアを見つめ笑う。
「私は勿論、エール!」
 アーリアはサイダーのグラスをそわそわと持つリュカシスとジンソーダを持ったデーヴィド、レモンチェッロを持った紫紡に笑顔を向ける。
「いくわよぉ、素敵な機会に」
 アーリアの乾杯に合わせ、皆がそれぞれのグラスにあった乾杯を行う。
「これで皆友達よぉ!」
 アーリアは笑い、ノリアはきくらげラー油炒めを頬張り、しわしわしょんもり顔となる。
「かなり固くて、似てることは似てるかな、くらいですの……」
「干しくらげに味が似ているからきくらげだものね……ウインナーコーヒーみたいに紛らわしい名前よね」
 焔がノリアの肩を叩き、「まっ、美味しいから食べましょ!」と笑う。
「ええ。ちょっぴり、残念ですけれど……でも、これはこれで、こりころして、おいしいですの!」

「オーブン焼きと白ワインです」
 店員の言葉に薫が微笑む。とろとろのチーズと椎茸がバゲットを覆う。
「幸福が具現化したようですわ」
 具材が落ちぬよう慎重に食べていく。
「椎茸の旨味がバゲットに吸われて至高の一品と存じます」
 薫は言い、白ワインを味わう。ライムイエローが淡い輝きを放つ。
「こちらもまた、素晴らしいワインで御座います」
 清らかな乙女のように爽やかで繊細な味わい。

「お昼に飲むお酒って、何だか贅沢! ねえ、餃子、誰かシェアしない?」
 笑うイーハトーヴ。
「賛成ねぇ!」
 アーリアが言い、リュカシスが「へへッ、イーさんの餃子もらい!」と餃子をバクリ。
「酢にぴったりです! でも、物凄く熱いデスネ!」
 リュカシスが涙目でもう一つ。
「仲間達とご飯の卓を囲めることの喜びといったらありませんね!」
 ぱーっと笑うリュカシス。
「わ、俺も食べなきゃ!」
「私も!」
 アーリアおススメの酢+胡椒をつけた餃子をぱっと一口で食べ、震え上がった。
「美味しい……でも、熱っ……火傷……! あ~、もちもち生地もキノコの食感もチーズも正義! これは、うまみだねぇ……!」
「はぁ、美味しいわぁ! け、けど……口が……! 美味しそうってすぐ口に入れて熱さに悶絶するのよねぇ……そこ、笑わないでよぉ!」
 アーリアがニヤニヤ顔の桜花に叫びつつ、タバスコチーズ餃子を食べ、「美味し……あつぃわぁ!」と騒ぐ。桜花は何食わぬ顔でステーキをパクり。
「……んっ、美味しすぎて変な声が出たな。天閖、これは美味いぞ」
「い、頂きます! 美味しっ……うわっ、あっつ?! 美味しっ……! 熱いのに手が止まりませんっ」
 涙目で紫紡がステーキを頬張り、チーズ餃子ももぐっと。
「んむっ、おつまみにぴったりですねっ」
 真っ赤な顔で紫紡は二杯目の生ビールをゴクリ。
「きのこが大好きなので猫舌だったの忘れてましたっ……皆さんも是非っ」
「いただきますの……あっ、しいたけのうま味が口のなかで踊りますの」
 驚くノリア。
「美味すぎる、チーズ餃子だからタバスコと相性ばっちしで酒が進んで困るな……焔もステーキを召し上がれ」
 サワーを飲みほす桜花。
「ありがとう、かわりにサイコロステーキもどうぞ」
 餃子を食べながら焔が皿を置く。
「サンキューな。うん、食べやすくて美味しいぞ! あ、こっちのステーキは肉厚で一口はきついかもしれないがスープをこぼさないためにも一気に食べるのがいいかもな」
 桜花は言い、「ラーメンも頂こうかね」と小さめの容器にラーメンを取り分けていく。
「んっ、あつぅ……ステーキも熱いけど美味しいわよ! 塩ラーメンもきのこの食感が良いしあっさりだからどんどんイケちゃうわ!」
 もぐもぐはふはふ。焔は真っ赤な顔で笑う。
「塩ラーメンってこんなに美味しいんだな」
 桜花が目を細める。
「本当にキノコのうまみだーーー!!! ラーメン美味しいです!」
 リュカシスがきのこと麺をもぐもぐしながら、ステーキに目を輝かせる。
「エヘヘ、きのこの熱々ステーキとっても楽しみだったんだ。あ~美味しいネ、好きな味です!」
 唸るリュカシス。
「酢だけで食べると素材の味が楽しめて飽きが来ないのよ、何個でも食べれちゃうわね!」
 美味しそうな顔で四皿目の餃子を食べきる焔。
「きのこってこんなに味があってそれぞれ美味しいんだね」
 にこにこのイーハトーヴ。
「沢庵がアクセントになって全然、飽きないですっ」
 ぽりぽりの嵐。汗を掻きながら炊き込みご飯を食べる紫紡。
「たくあん入りの炊き込みご飯、とっても最高です!」
 リュカシスが笑い、焔とノリアが美味しそうな顔で炊き込みご飯をもりもり。
「オフィーリア、皆が楽しいと本当に嬉しいな」
 オフィーリアに耳打ちするイーハトーヴ。
「俺にも炊き込みご飯ちょうだい! デーヴィドもどうかな?」
「いただきます!」
 笑い合うイーハトーヴとデーヴィド。お供はピーチウーロン。
「エールと白ワインの次は辛口のニホンシュ! ステーキとマリネで優勝しちゃうのよぉ!」
 アーリアの言葉に反応するリュカシス。
「店員サン、すみません! 注文とおかわりお願いします!」

 小ぶりのキノコたっぷり鍋が二つ、静かにぐつぐつ。
「紫紡ちゃん、一緒に飲みましょー!」
 陽気なアーリア。アルコールに染まり、複雑な色を成した髪がとても奇麗だと紫紡は思った。
「はい、わー……染みますねっ……」
(お酒飲んだのいつ以来だったかな)
 紫紡はアーリアと辛口のニホンシュをゆっくりと味わい、合間にマリネを食べ、アーリアは熱々のステーキを食べ、「美味しいけど!」と涙目で叫んだ。
「良い感じだから、お鍋取り分けるね」
「イーさん、ボクも手伝います」
 イーハトーヴとリュカシスが取り分け、皆でもぐもぐ。
「生姜入りだからかな、心と身体に染み渡るね。これはもう、お酒のおかわりも頼むしか!」
 頬を染めたイーハトーヴがしゅわしゅわのスパークリングワインを頼んだ。
「あの、先輩方! 私、まだ依頼も全然こなせてなくて、もしよかったら皆さんの最初の依頼のお話とか聞かせてくれませんか?」
 勇気を出す紫紡。緊張は幸福の微睡みに消えていった。
「わたしは陸と海での、食文化のちがい、特に水のなかでは、とけてしまって、ほとんど、お目にかからなかった、あまいお菓子……たとえば、チョコのおいしさや、火の扱いかたを知りましたの。逆に、陸のものの、塩味は、わたしは、海の水に、なれてましたから、ほとんど、感じることが、できませんでしたの」
 ハッとするノリア。
「最初のほうではなくて、ほんとうの最初の依頼も、話したほうが、いいでしょうか……?」
「出来ればお願いしたいですっ」
「……わたしは、なにかを殺すのは、食べるときと、食べられそうなときだけだとばかり、おもってましたから薬草が手に入らない、というだけの理由で、ゴブリンを殺すという依頼に、びっくりしましたの」
「戦闘依頼だったのですねっ、凄いですっ!」
「いえ、わたしは裏方にまわってゴブリンを誘いだしましたの」
「戦わずに……?」
 目から鱗。そういう役割もあるんだ。
「ええ……あの、わたしは、いまでも、殺すなら、食べてしまわないと、もったいないとおもうので……ここの料理、あまさず、いただきますの」
 ノリアは微笑み、鍋のおかわりする。
「俺はね、初依頼で、ある子のお洋服を探しにお買い物に行ったんだけど、その子とは今も仲良しでね、それにその時も、アーリアとノリアにお世話になったんだよ。幸せなご縁を沢山紡いでいるうちに、今日に辿り着いた気持ち! だから、紫紡もこの世界で、素敵な出会いがいっぱいあったらいいな」
 イーハトーヴの言葉に心がぽかぽか。
「私も最初、戦闘は怖くて最初のお仕事は虫採りだったわぁ。でも、幻想で暴動が起きて、戦わなきゃいけなくなって……そうそう、その時は桜花ちゃんも一緒だったわねぇ」
 桜花に視線を向け、また話し出すアーリア。
「あの頃は必死だったけど、少しは先輩らしくなれてきたのかしら、なぁんて。イーハトーヴくんの初めてや、紫紡ちゃんの初めてがとっても楽しい思い出になる手助けが出来たら嬉しいわぁ」
 アーリアの言葉に目を細めるイーハトーヴと紫紡。
「桜花ちゃんはどんな依頼だったのかしら?」
 生ビールを飲む桜花に声をかける。
「俺の依頼は、風土病の薬草を取る依頼だったな。まあ、栽培や採取を禁止されていた薬草だったから、こっそりとだけどな……」
 あの時の仲間と依頼に思いを馳せながら桜花は続ける。
「アーリアと共闘したこともあったな。暴動が起きて、民衆を鎮めるために暴動のリーダーと選ばれた数人との闘い……あのときは相手も強くてとにかく必死だったな。なんとか勝てたが……あいつらも、元気だといいが」
 頷くアーリア。紫紡はどきどきしながら話を聞いていた。強い相手に立ち向かったんだ。
「で、どうだったんだ?」
 皆の話を嬉しそうに聞くリュカシスを真っすぐ見つめる桜花。
「ボクの最初の頃の依頼は、その、力不足なのに猪突猛進しすぎたなあ、とか仲間のみなさんのおかげで無事に帰ってこられたというか、そういう話ばかりで……」
 色んな感情が押し寄せ、ぼっと恥ずかしくなるリュカシス。トリュフのどんぶりTKG(たまごかけごはん)と炊き込みご飯を注文し、豪快に口の中に。
「アー、美味しいナ! で、でも……そうやって経験を積んでどうにか、成長するのかなあと思ったりします」
 小声のリュカシス。紫紡はしっかりと頷く。
「最初はみんな同じ気持ちだったんだ……助けられながらも、少しずつ進んで行けばいいんですねっ……!」
 ああ、何て心強いのだろう。

 それから──鍋の〆をそれぞれ食べていく。
「あー……迷って結局、全部食べたが、後悔はないな」
 桜花が腹を撫で笑う。
「うどんも良かったわね。うーん、別腹でキノコのあとの軽いキノコもいいわよね……」
 考え込む焔。
「TKGのお醤油を使って……蒸し焼きにした大きなキノコにバター醤油をちょっと、っていうのもありだし、串焼きキノコに岩塩だけってのもお酒に合いそうだけど……あっ! あたしは未成年だから飲まないわよ?」
 焔はデーヴィドを見た。
「え、あ、はい! あの……焔さんのメニューを聞いたらタケノコを七輪で焼くのもいいなぁって思いました」
「ちょっと、此処でタケノコの話はしない!」
 焔は笑いながら料理を追加しまた、皆で味わう。

●〆は○○!
 薫は最後にデザートをお願いする。きのこのチーズケーキとは何か。
「まるで想像がつきませんもの。此方には、やはりお紅茶がよろしいですかしら?」
 店員に尋ねていると扉が控えめに叩かれる。
「何方様で御座いますか?」
「イーハトーヴだよ。これから俺達もデザートを頼むんだけど一緒にいただいても良いかな?」
「是非ともお願い致します」
「チーズケーキとも、薫とも、早速素敵な出会いを果たしちゃった! あ、店員さん、お友達のお土産に、テイクアウトもお願いしたいな」
 
 全員が合流する。チーズケーキと一緒に甘口の白ワインを楽しむ者もいれば、マイルドな紅茶『ルフナ』を楽しむ者、迷いつつ食後酒だけを選ぶ者もいる。
「お腹も心も大満足ねぇ! 薫さんもどうかしらぁ?」
 夜に似たブランデーを満喫するアーリア。薫が頷く。
「チーズケーキおかわりです」
 紅茶を飲み、叫ぶリュカシス。
「私もおかわりお願いしますっ」
 紫紡は怖いもの見たさで頼んだつもりがぺろっと食べてしまった。
「きのこの風味がチーズケーキを邪魔するわけでもなく、調和とは驚きでございますの」
 薫は紅茶を飲み、イーハトーヴとアーリアを見つめ、「皆様との出逢い感謝致します」
 微笑み、ブランデーをいただく。
「嬉しいなあ。ねっね、不思議な組み合わせなのにこれが正解って感じだね」
 甘口ワインを飲み、笑うイーハトーヴ。紅茶を飲み、談笑するノリア、桜花、デーヴィド。
「これがきのこのチーズケーキ……」
 焔はケーキをゆるりと味わい、紅茶をそっと口に含んだ。

「チーズケーキとっても美味しかったです! キノコのスイーツは他にもありますか?」
「きのこの杏仁豆腐がございます」
 リュカシスに店員が微笑む。その言葉にわっとリュカシスは喜び、何人かのイレギュラーズの胃が好奇心で僅かに膨らむ。幸福な宴はまだ、終わらないようだ。

成否

成功

MVP

天閖 紫紡(p3p009821)
要黙美舞姫(黙ってれば美人)

状態異常

なし

あとがき

 ご参加いただきありがとうございました!! あの! このリプレイ、めっちゃお腹すきません???
くっ!! お酒をいただきながら青砥もきのこ料理を皆さんと食べたかった!!! なんで、いないんだろ? あっ、皆様!! 素敵な思い出になりましたか? うんうん、なったに違いありません!!!(酔っぱらってるのかな?)
 最後にMVPは話題提供をしてくださった貴女に贈ります。ありがとうございました!!

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