PandoraPartyProject

シナリオ詳細

令嬢のパンツ保全委員会

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●未明、偽装令嬢パンツによる令嬢漁獲高の不正パンツ水増しが発覚し公安パンツ課の捜査が――
「世界は……腐っている!!!!」
 流麗な黄金の金髪をした美しき美男子が仮の仮面をかぶり黄金の鉄の塊を纏い聖なる聖剣を天空に空高くかざした。
 一行でいきなりIQを下げて申し訳ない。ここからは標準語でお送りしよう。
「昨日パンツジャーナルで報じられた不正パンツ漁獲高水増し問題については、我々令嬢パンツ価値保全委員会の活動により発覚、公表されたものだが……これは氷山の一角、否パンツ山の一角に過ぎない!
 天然令嬢より収穫される令嬢パンツの価値を養殖令嬢や産地偽造令嬢の乱造によって低下させることなど断じて許すわけにはいかぬ。令嬢のパンツの不当な在庫抱えによる価値高騰や特需を狙った令嬢パンツ高額転売もまた断じて許せぬ!
 我々は令嬢パンツの価値を守る者!
 天然令嬢から誰でも収穫でき誰でも必ず1Gで買える令嬢パンツを守護する者!
 令嬢パンツ価値保全委員会である!!!!」
 安心してください。日本語ですよ。標準語です。
 令嬢パンツをかぶった金髪の美男子は聖剣令嬢カリバーを掲げたまま後光を発した。
「幻想パンツ界におけるレジェンド……パンツを通貨としパンツを交換しマーケットが開かれるたびパンツをあさり時には人のポストに詰め込み結果数百枚の令嬢パンツを保有する世界屈指の令嬢パンツユーザーでもある――ギルド『ローレット』の協力が得られた!
 今宵、不正令嬢パンツ業者を一掃するものである!!」
「「YEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEA!!!!」」
 同じく令嬢パンツをかぶった仮面の同志たちが一斉に掲げたパンツを振り回し、『令・嬢! 令・嬢!』と叫びだした。
 ここは令嬢パンツ価値保全委員会(Daughter Pants Value Conservation Committee)、略して『嬢パン会』!

●声に出したい日本語『令嬢パンツ価値保全委員会』
「――と、いうわけだ」
 一連の内容を実演込みで解説してくれた嬢パン会代表、パンツ被り崎湘南風太郎は両手を組んだGENDO STYLEでローレット酒場のテーブルについていた。
 そうここは幻想王都にあるというかのゆうめいなギルド・ローレットの事務所にして酒場。つまりあなたの拠点である。
 受付嬢的存在『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はこのくらいの変人なら慣れっこなのですと言わんばかりにフツーにテーブルに通しフツーにコーヒー出していた。
 変人には変人をぶつける主義のローレット。このくらいでは動じないのだ。
 たとえ相手が令嬢パンツを仮面みたいにかぶって額の所に『令』て書いてある奴だとしても。
「諸君らには、我々のスペシャルゲスト……いやパンツエキスパート……否、エキスパンティストとして我々の作戦の陣頭指揮を執っていただきたい。
 エキスパンティストである諸君らの働きに、必ずや我が同志たちは奮起することだろう」
 襲撃をかけるのは三つの施設。
 偽装令嬢によるパンツ製造を行う『ホープオジョウ工場』。
 令嬢パンツ在庫を溜め込み不当転売を画策する『オゼウバイヤーズ倉庫』。
 一般女性を令嬢化させた養殖令嬢パンツ不正販売を行う『パンツオブデスワ労働施設』。
 ここへ三つのチームに分かれ、エキスパンティストとして不埒なるやからを成敗するのだ!
「さあ、共にゆこうパンティストたちよ! 子供達が笑顔で令嬢パンツを売れる世界を、誰もが令嬢パンツを買える平和な世界を――守るために!!」

GMコメント

●オーダーですわ
 令嬢エキスパンティストとなって令嬢パンツの価値を不正に破壊する者たちを成敗するのです。するのですったらするのですわ。

●チーム分けですわ
 8人のチームを三つに分けるのですわ。
 普段どうかはさておき依頼を受けた今日のあなたは令嬢パンツのエキスパートつまりエキスパンティストですわ。
 令嬢パンツ価値保全委員会の同志たちを引き連れ工場や地下労働施設へと襲撃をかけるのですわ。

・ホープオジョウ工場
 品質の悪いパンツに令嬢パンツの札をはりつけ販売する悪徳業者の工場です。
 ホープオジョウの社長ババア院ひとみは婚期を逃しきった独身のババアだが世の令嬢たちが己の今期を奪ったと逆恨みしこの事業に手を染めたのですわ。
 スタッフたちは偽造パンツによるパンツシューターや工具を使って応戦してくるはずですわ。ぶっつぶすのですわ!

・パオゼウバイヤーズ倉庫
 この世に特需が起きるたび各地の在庫を買い占めては高額転売を行う商業道徳なきグループ。リーダーをもたぬグループですが来季の令嬢パンツ需要を見越して大量の令嬢パンツを倉庫に溜め込み悪徳武装警備員たちによって防御を固めています。
 しかしエキスパンティストの皆様を筆頭にしたパンティスト軍団の力があればきっと突破できますわ! とらわれの令嬢パンツたちを市場へと解放するのですわ! 令嬢パンツの自由を勝ち取るのですわ!

・パンツオブデスワ労働施設
 令嬢パンツが0Gで買えるのを良いことに一般の町娘に令嬢コスをさせ令嬢言葉を喋らせながら実ったパンツを収穫し続けるという悪徳パンツ労働施設ですわ。
 施設長であるパン槻ノーカン太は数々の女性に高利の借金を負わせパンツ工場での強制労働につかせている悪徳パンティストですわ。
 彼とそのスタッフたちを倒し、パンツに囚われし町娘たちを救出するのですわ!
 令嬢パンツは悲しみのためにあってはなりませんんわ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はPですわ。
 PPPのPはパンツのPですわ!

  • 令嬢のパンツ保全委員会完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月29日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)
うつろう恵み
リュグナー(p3p000614)
虚言の境界
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
箕島 つつじ(p3p008266)
砂原で咲う花
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
黒水・奈々美(p3p009198)
パープルハート
アリス・アド・アイトエム(p3p009742)
泡沫の胸

リプレイ

●令嬢のパンツ(哲学)
 鳥さえずる昼のカフェテラス。
 『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は椅子に腰掛け、束になった資料をテーブルに並べていく。
 コーヒータンブラーの蓋を親指で弾いて開けると、資料のひとつに指をおいた。
「恐らく一般的な内部構造を考えると……入口から入って、収穫の為の……実っ……」
 資料に蛍光ペンでラインマークされた『食べ頃パンツ』という単語を握りしめると、テーブルを掴んでオラァといってそれごとふん投げた。

「……実ったパンツって何だよッ……!! パンツって空を飛んでくるもんじゃないのかよ……!」
「ちがいます、よ?」
 飛んできたテーブルをヒュンッてかがみ回避する『うつろう恵み』フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)。両手にはカフェラテ。だが載せるべきテーブルはいま頭上を飛び越えていったところである。
 しゃーねーから適当な手すりのうえとかに置くと、みんな疲れてるんですねとつぶやいた。
 疲れてるからテーブルだって飛ぶし。
「此度の我は、エクスパンティストリュグナー!」
 『ぱんつコレクター』リュグナー(p3p000614)は全身パンツまみれのフルアーマーパンティストとなって身体が夏になるポーズをとっていた。
「不正パンティストどもよ! 貴様らには聞こえぬのか……そのぱんつの嘆く声が、世のパンツソムリエの断末魔が、ギルオス(ぱんつ)神の怒りがッ!
 ならば貴様らに教えてやろう……ぱんつを貶す行為が、何を呼ぶのかを!」
「聞こえるんです、か?」
 夏っていうか春なんだろうか。春先はこういうひとがよく出るって聞くけど。
「エキスパンティストって何……?」
 コーヒー両手に運んでた『パープルハート』黒水・奈々美(p3p009198)がすげえゲッソリした顔で眼鏡をズレさせていた。
 アンダーリムの眼鏡ってずれてるときが最高にエロいと思いませんか。
 ……失礼、いま急に本音にテキストを乗っ取られました。
「なに?」
「聞かれても困るであります」
 アイスコーヒーをストローでちゅーちゅーしていた『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)が、隣のテーブルからくるーって振り返った。あのスゲー位置の高い椅子でくるーって。
 そして足をひたすらじたばたさせたあとカウンター席に両手でしっかりつかまってつぅーって片足のつまさきをのばしようやーく足がついたところで再びスラッとしたポーズをとった。
「ねえ思うんでありますけどあの方ぱんつ使い捨てで脱ぎ捨ててらっしゃるのでありますか?」
「聞かれても困るんだけどぉ……!」
 ぷるぷる首を振る奈々美。
「というか、あ、あたし……一般的魔法少女のはずだったんだけどぉ……!
 ぱんつ保全委員会って……あ、あたしこれじゃあ変態みたいじゃないのぉ……。
 し、しばらくお外歩けないわ……うぅぅ……。
 あ、あのクソマスコット……! 奈々美にピッタリの仕事があるって……!
 か、帰ったらギタギタにしてやるぅ……呪ってやるぅ!」
「そうよね、子供達の笑顔は護りたい……けど、パンツ売買に手を染めることにはさせたくないわね!」
 『砂原で咲う花』箕島 つつじ(p3p008266)がキリッとした顔で、なんなら目に星をきらめかせて振り返った。
「言ってない!」
「……いや、市場価格破壊とか転売とか騙して強制労働とかは普通にとんでもない悪事やから止めに行くけどな」
「あ、うん。それは、うん」
 パンツと仲間(主にリュグナー)の圧で忘れかけてたけどそういやこれ偽造や転売の話だった。
「貴重なぱんつ……価値下げるの、良くない……」
 『蕾蜘蛛』アリス・アド・アイトエム(p3p009742)がよくお助けキャラが『話は聞かせて貰ったぜ』て言うときにとるポーズでテラスの出入り口によりかかっていた。
「おとこと馴れ合う気は……ない、けど……。
 ぱんつ、は……女の子の…尊厳……。守らなきゃ……」
「ああ。なれ合う必要は無い。俺たちが一致しているのは利益と、目的だけだ」
 『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が『お前を倒すのは俺だ』って言いながら助けてくれるライバルキャラみたいなポーズで出入り口に立っていた。
「ホープオジョウ工場……そこに令嬢達の希望など無く。
 令嬢パンツを名乗るはりぼてだけが立ち竦む、砂上の楼閣の如くに。
 こんなものがあるから、ヒトは狂ってしまうんだ
 俺の戦友(怪盗ぱんちゅ氏)も…ギルオス殿(多分濡れ衣)も……もう」
 ぎゅっと握りしめたパンツ。
 憎しみと悲しみと、そして焼け付く炎のような怒りに震える。
「全部焼こう、残らずだ」
 八人はザッと間隔狭めに直列に並ぶと、一斉にザッと右を見た。
「「行くぞ!」」

●ホープオジョウ工場
 混沌とした工場に、リュグナーが!
「右手の【令嬢のぱんつ】に想いを、右手の【令嬢のぱんつ】に信頼を、そして頭の【令嬢のぱんつ】に可能性を込め、渾身の【ぱんつ戦闘術】をおみまいしてやろう!」
 いまからやることを全部説明するという呪詛師みたいなことをいっているが、聞いてるパンツ工場作業員たちは全員頭上にハテナを浮かべていた。
「品質の悪いパンツに令嬢パンツの札を貼るなど、パンツコレクターとして許せぬ行為だ! そして言っておこう――」
 こうして突如現れたリュグナーもといパンツの妖怪は両手にパンツを振り回すその勢いで軽く浮遊しながら工場作業員たちに襲いかかった。
「令嬢の”ぱんつ”は平仮名だぁぁぁ!!」
 あ、いまの台詞伏線です。
「そうか、パンツは器……。そこにヒトの業が凝れば屍人の如くに……」
 なんか格好いいことを言いながら工場にスッと入ってくるアーマデル。
「って、しっかりしろ俺の常識! うっかり状況に飲まれかけたぞ! なぜパンツを握りしめているんだ俺!」
 自分を叱咤しながらパンツをびたーんって床にたたきつける。
 もちろんそのまま床にたたきつけたら生けないので一旦段ボールとかしいてからびたーんである。
「そっちは頼むぞ、奈々美殿」
「えぇ……!?」
 いきなり仕事をふられた奈々美。
「ここが変態達の巣なのね……」
 『この羞恥美味しいよぉ!』て叫んでたバンピアを掴んでしいた段ボールにびたーんってやると、奈々美は既に纏っていた魔法少女コスチュームをひらひらさせながらステッキをふりかざした。
「ま、魔法少女見参……! え、えーと……と、とにかく、許しません……!」
 といいつつ集中させた魔法を紫色の輝くハート型エネルギー弾にかえてシュート。
 突然現れた変態(主にリュグナー)の圧におされていた作業員の一人がグワーといって吹っ飛んだ。
『もっとえっちな技使って! こんな魔法じゃ取れ高ないよ! 再生数とチャンネル登録者数ほしくないの!?』
「一度も欲しいっていってないわ……! まって……チャンネル……!?」
 その話詳しくして! て段ボールに振り返る奈々美をよそに、工場の奥からひとりの女性が現れた。
 そう、工場長ババア院ひとみである。
「また若い女が私の野望を邪魔しに来たわね……返り討ちにしてあることないことSNSに晒してやるわ!」
「SNS……!?」
 あるの!? みたいな反応をする奈々美……を庇うようにスッと前へ出るアーマデル。
「ババア院ひとみ。今降参すれば、峰打ちで許してやろう」
「やかましいよ! アンタみたいな今すぐにでも合コンに行けそうな若者に用はないんだよ! ヤッチマイナァ!」
 作業員たちへ振り返る……と、作業員達は既にアーマデルがあのあれなんだっけ志半ばにして斃れた英霊が残した練の結晶が奏でる音色で命を削る程の努力を踏み躙られ偽りの聖女と誹られし者の怨嗟の刃的な軋り歌うその音は何処か物悲しく狂気にも似た不協和音を奏でられた。要するに全員ボッてされた。
 じゃらんって鎖剣を鳴らすアーマデル。
「安心しろ、峰打ちだ」
「どうやって!?」
「ババア院ひとみよ!」
 横からスゥってリュグナーがスライドインしてきた。
「貴様にも――まだ需要はある……かもしれない!
 ぱんつとは、それがぱんつである事に意味があるように、貴様も貴様であることに意味がある。
 他の令嬢を、そしてそのぱんつを陥れたとて、貴様は救われぬ。
 ――だが、貴様のぱんつにも価値はある! 他の令嬢のぱんつと同じように!」
 いきなりまくしたてた説得みたいなやつに、奈々美がげっそりとした顔をした。
「いや、流石に……その説得でほだされたり……」
「ヴォアアアアアアアアアアアア!」
 ババア院ひとみが号泣しながら膝から崩れ落ちた。
「効いてる……!?」

●パオゼウバイヤーズ倉庫
 悪徳転売組織オゼウバイヤーズ。その工場をまもる警備員たちは、今日もだらだらと時間を過ごしていた。
 サークルテーブルにトランプカードを放り、同じくテーブルを囲む男達が煙草をくわえたま舌打ちしてコインを積む。
 そんな工場の大型シャッターが勝手に開き始めたことで、警備員達は『仕事かよ』と悪態をついて武器をとった。
 開いたシャッターのむこうに立っていたのは、そう。
 ドレスを纏いマイクを手にした、フェリシアであった。
「とらわれのパンツをガードする力が、どんなに強くても……ずっと続く防御はない、です。この戦い、パンツを諦めて手放した方の負けです、よ」
 自分でも何言ってるんだろうって顔しながらそう語るフェリシア。
 そこに誰もツッコミをいれてくれないまま、エッダが猛烈な勢いで倉庫内へと突撃。
 どこからともなくジェット噴射で飛んできたメイドカチューシャを頭にオンすると、同じく飛んできた二連装ブースターみたいなのが左右にバカッと割れてグローブへ変形。
 同じくらいの勢いで走っていたエッダがジャンプしグローブへ同時に腕を突っ込むと、謎の後光がはじけてエッダはスーパーロボット系の姿勢をとった。
 でもって、くわえていた笛を吹き鳴らす。
「手を上げろ、パンツ官憲の者であります! 
 貴様らでありますか! ぱんつを不当に隠し持っている輩というのは!
 どこにぱんつを隠してあるのか暴き立てる。ほーれここかぁ? 隠していてもすぐわかるんでありますよぉ?」
 オラァっていいながら木箱を粉砕するエッダ。
 まき散らされた令嬢のパンツをつかみ取り、『クククこれだよこれぇ』とか言いながらにやついた。麻薬犬かな?
 そんなイカれたエッダに銃を向ける警備員達。しかしエッダはイカれてるだけあってぎろりとにらみ返した。
「まさか貴様ら穿いてたりしないでありますよなあ? 脱げオラッ!!」
「ヒイッ、パンツ強盗!」
「そこは痴漢じゃない、の?」
 ねこちゃんやうさぎちゃんをバックダンサーにして歌って踊っているフェリシア。
 つつじはそんな工場へふらーっと入ってくると、こきりこきりと拳を鳴らした。
 咄嗟に向けられた銃の発砲音――とほぼ同時にスウェー移動をかけたつつじは弾丸を回避。ジグザグな軌道を描いて相手に接近すると、弾があたらず混乱する警備員の腕を掴み上げ、がら空きになった腹へブローを打ち込んだ。 
 あまりの衝撃に吹き飛ばされ、テーブルを倒しトランプカードをまき散らしながら転がっていく警備員。
 今日イチ真面目な戦闘シーンをお見せしたのでこのシナリオは戦闘するシナリオだって証明されましたね。
「安心しいや、命まで奪うつもりはないで。奪うのは……パンツだけや」
 証明作業が終わった途端平常運行ですね。
 崩れた木箱から流れ出る令嬢のパンツを手に取り、つつじはため息をついた。
 心が折られつつも銃をむけ、叫ぶ警備員。
「パンツを……令嬢のパンツをどうするつもりだ!」
「正しく市場に返してやるまでや。
 もうあんたらは自由やで。
 行くべき場所に行って、自由を謳歌するんやで」
 優しくパンツに語りかけるつつじ。
 一方でフェリシアが優しく歩み寄った。
「こんな抑圧するようなことを、しても……歴戦のパンツソムリエは、一瞬でじゃあくな手段で流通したパンツだと見抜いて、しまうと思います、よ。
 正当な方法で得られるパンツに反応する存在なので……発覚したら最後、今回以上の騒動が起こる予感がします。くるえるパンティストは、終焉までしつこく追ってきますから、ね」
「くっ……!」
 いまのでどうやら警備員たちは論破されたらしい。あっ、論パンツされたらしい。
 武器を捨て、手をあげる警備員たち。
 これにて一件落着……と思って振り返ると、エッダがスカートをぐいぐいやりながら令嬢のパンツに足を通していた。木箱の影で。
「えっあっちがうのであります物陰に隠れて上から何枚か穿いてしまえばさすがにスカートの中までは臨検されないでありましょうあったまいーとか思ってないのであります一攫千金をねらったわけではないのであります!」
「あっ転売はしないけど盗んだものじゃないんでこれよかったら全部さしあげます」
 警備員の、スマイル。
 二度見する、エッダ。
「ほんとに?」
「ほんとに?」
「ほんとにでありますか?」
「ほんとにでありますよ?」
 つつじとフェリシアは、顔を見合わせた。

●パンツオブデスワ労働施設
「貴様、イレギュラーズか! それともフェミニストか!」
「私は――レズだッッッッッッッ!」
 はいここからメロイックなオープニングムービーが始まるので一緒に歌おう。
 じゃなくて。
 地下牢同施設パンツオブデスワに特攻(ブッコミ)をかけたウィズィニャラァムとアリス。
 二人のレディを迎え撃つべく施設長パン槻ノーカン太をはじめ町娘たちを強制労働につかせていた悪徳パンティストたちが迎え撃――。

「「スンマセッッシタァアアアッ!!」」
 顔ボッコボコにしたパン槻ノーカン太とスタッフ一同が天井から逆さに吊られたまま叫んだ。
 ぱしぱしと手を払うウィズィニャラァム。ここに至るまでの空白行に一万文字近い激闘があったんだと思っていただきたい。
「ホントは……このまま殺してしまいたい……けど、女の子の前……そんなこと……できない……。
 だから、こんなこと……二度としない……約束できる…?」
 アリスはといえばぶら下げたパン槻ノーカン太の顔を長い棒みたいなやつでつついた。直接触るのもイヤらしい。
 パン槻ノーカン太ほか一同は全力で反省し、ケーサツ的な人達が来るまで吊されることになった。
 いっぽー。
「驚かせてごめんね?
 あいつらは私達が倒したからもう大丈夫
 さあ、そんなお仕着せのドレスは脱いで……。
 君達には、もっと似合う未来があるんだから」
 振り返ると同時にイケメンオーラを全開にした。強制労働につかされ強制的に令嬢ドレスを着せられていた町娘たちが、目をハートにして一斉にドレスをバッて脱ぎ捨てた。
「「SUTEKI!!」」
「ね、ねぇ……よかったら、アリスたち…と……お茶、しない……?
 それで、今回のこと、忘れよう……? きっと、楽しい……えへへ……」
 レディたちを前にするとついついどもっちゃうアリスだが、自分のほっぺをぺちぺちやってから改めてイケメンフェイスを作って振り返った。
「さあ……おいで……」
「「IKIMASU!!」」
 同じく目をハートにしてドレスばってやる町娘達。
 戦闘が一行で終わった理由、おわかりいただけただろうか。そうこのシーンのためである。

 ウィズィニャラァムとアリスはこのあとカフェで素朴でしかし清らかな町娘たちとたわむれた後ナイトプールに繰り出して両手に町娘状態でカメラに向かってピースしたのだった。
 そうピース。パンツの平和はまもられたのだ!
 めでたしめでたしである!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 続いてのニュースです。オゼウバイヤーズ工場より押収された品は『令嬢のパンツ』であり反応が8くらいあがる『令嬢の”ぱんつ”』のパチモンであることが判明しました。
 専門家によると「全部あわせて0Gだね!」とのことです。
 続いてのニュース、幻想動物園ではラッコの赤ちゃんが――

PAGETOPPAGEBOTTOM