シナリオ詳細
森食い尽くす暴食の鹿
オープニング
●大切な樹を喪いし少女
鬱蒼としつつも豊かな緑に包まれていた森はすっかり消滅し、空の蒼が寒々しいほどにはっきりと見える。樹々は樹皮をことごとく食い荒らされ、幹の途中から先を喪って無惨な姿を晒していた。地面には、その先であろう幹と枝が、やはり樹皮を食い荒らされて転がっている。
その光景を目の当たりにした年若い幻想種パメラは、必死になって森だった場所を駆けていった。この先には、病で死別した母親がパメラの誕生を祝って植えてくれた樹があるのだ。幼い頃から共に育ってきた樹の無事を、パメラは祈る。
――だが、現実は無情だった。
パメラにとって大切な樹もまた、他の樹々と同様に無惨な姿となっていた。
「う、うっ……ああああああっ……」
広々とした、かつて森だった場所にパメラの慟哭が響く。母が遺してくれた大切な樹が、長年の親友のように共に在り続けてきた大切な樹が、喪われたのだ。
喪失感で空いた心の隙間に、大切な樹を奪われた悲哀と悔恨が、遅れて大切な樹を奪った者への憤怒と憎悪が流れ込んでくる。
ドクン……! パメラは心を濁流のように押し流してしまいそうな衝動を感じた。流れに身を委ねろと、その衝動はパメラの精神に囁きかけてくる。
(ダメ……流されちゃダメ……!)
だが、その衝動にゾッとするものを感じたパメラは、心を強く持って耐えきった。もしパメラがこの衝動に耐えられなければ、パメラは魔に堕ちていただろう。
●幻想種達からの依頼
パメラは魔に堕ちることは免れたが、大切な樹を奪った者を許すことは出来なかった。幸い、犯人はすぐに見つかった。
鹿の怪王種、『暴食双角』グラトニーディールだ。
パメラは大切な樹の復讐のため、森への被害に憤りその拡大を恐れた他の幻想種と共に討伐に向かう。しかし皆返り討ちに遭ってしまい、病床での療養を余儀なくされてしまった。
「悔しい……! 悔しい……!」
涙を流しながら、パメラはうわごとのようにつぶやく。他の幻想種達とて、想いは似たようなものだった。大切な森を散々に荒らされた上、手も足も出なかったのだ。
だが、悔しがってばかりもいられない。グラトニーディールをどうにかしなければ、迷宮森林が広範囲にわたって丸裸にされてしまうだろう。
ならばイレギュラーズを頼るしかないと、彼らはローレットに依頼を出した。
「そんなわけでですね、深緑の迷宮森林で、森を今なお丸裸にしつつあるグラトニーディールを討伐して欲しいんです」
目の前に集まったイレギュラーズ達に、『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)が告げる。相手が怪王種とあってか、勘蔵の表情は普段より厳しい。
依頼についての説明は進み、やがてグラトニーディールと戦闘する際の注意点に入った。
「実際に戦った幻想種の方達によると、注意すべき点は三つです」
まず、巨大な角。これで突き飛ばされて戦闘不能に陥った者が、大半だと言う。
そして、蹄による蹴り。これも角ほどではないが、威力は大きい。
最後に、強靱な生命力から来る再生能力。生半可な傷は、すぐに元どおりになってしまう。
「――なかなか厄介そうな敵ですが、迷宮森林を守るためにも、大切なものを奪われた少女の心を慰めるためにも、どうかグラトニーディールの討伐を成功させて下さい。
よろしくお願いします」
話をそう締めくくると、勘蔵はイレギュラーズ達に向け深く頭を下げた。
- 森食い尽くす暴食の鹿完了
- GM名緑城雄山
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年04月26日 22時15分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●緑失いし森にて
「ここは、元は長閑な場所だったはずなのに……」
変わり果てた姿となった迷宮森林の姿に、レン(p3p009673)は絶句した。森林の樹々は一本残らず幹の途中から先を喪い、葉や樹皮を残らず食い尽くされている。食い残しと思われる、樹皮を喪い途中で分かたれた幹が虚しく、大地から生えているか地に転がり落ちているのみであり、晴れ晴れとした青空はむしろ痛々しいくらいであった。
イレギュラーズ達は迷宮森林の樹々を食害する怪王種、『暴食双角』グラトニーディールの討伐依頼を受けて、ここに訪れていた。予め状況を聞いていても、現実の光景を目の当たりにすればその衝撃は大きい。
「鹿は農業的には害獣だというが、怪王種となると文字通りだな……」
『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)も、呆気にとられるしかなかった。
だが、呆然としてばかりはいられない。放っておけば、ますます事態は悪化することだろう。それを食い止めるために、イレギュラーズ達はここにいるのだ。イレギュラーズ達はすぐに、この事態を引き起こした犯人、『暴食双角』グラトニーディールの捜索に移った。
(――ヒトの記憶は移ろい易い。日々、新たな記憶に流され、古い記憶は視覚以外の情報を少しずつ削り落とし色褪せ、最後には記憶自体が曖昧になる。
それを少しでも長く留めておくのが『想い出の品』。共に育ってきた樹となれば、思い入れもひとしおだろう)
捜索の最中、アーマデルは依頼人の一人である幻想種の少女、パメラのことを思い出していた。『暴食双角』グラトニーディールに大切な樹々を食害された幻想種達の中でも、母の形見であり幼い頃から共に育って来た樹を食害されたと言うパメラへの同情は大きかった。
(大切なものを奪われるのは悲しいよね。何もできなかった無力感……僕にも覚えがある。この気持ちを引き継ぐ以上、絶対に倒してやろう!)
『HOSHOKU-SHA』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)は、混沌に来る直前に密猟者によって子と孫を喪っている。けっきょくムスティスラーフは混沌に召喚されることで命拾いをしたが、子や孫を救えなかった無力感は胸の底に残り続けた。
それだけに、ムスティスラーフにはパメラの感情が痛いほどよくわかる。胸の内でメラメラと、戦意を燃やしていた。
グラトニーディールへの戦意を燃やしているのは、ムスティスラーフだけではない。『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)も同様だ。
(『暴食双角』グラトニーディール……精霊の一枝に連なる者として、見過ごすわけにはいきません)
サルヴェナーズは、パメラの話を聞いた際に沈痛な表情を見せ、深く同情していた。広大な迷宮森林を丸裸にしかねない怪王種となれば、そもそもグラトニーディールを放っておくことは出来なかったのはもちろんだが、サルヴェナーズはそれ以上にパメラ達の件を哀れに想い討伐に参加していた。
パメラの件を聞き沈んだ様子を見せたサルヴェナーズとは対照的に、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)は「その復讐、手伝わせてもらうわよ!」と意気込みながらグラトニーディール討伐に名乗りを上げていた。
そのイナリは、上空から広域を俯瞰するような第二の視点から、グラトニーディールを探していた。以前の迷宮森林ならともかく、既に青空が見える迷宮森林であれば空からの捜索は容易であり、程なくしてグラトニーディールは発見された。
「見つけたわ! 行くわよ!」
意気揚々と、イナリは仲間達に告げた。
イナリの誘導に従って進んだイレギュラーズ達は、程なくしてグラトニーディールと遭遇する。
「ふむふむ、立派な角を持つ鹿よな! 角の立派さなら小生も負けはせぬが……などといってもいられない。
明らか、化生のたぐいとしか思えぬ大きさだ。ならば討伐も致し方ない。
本来、山の鹿狩りの季節は卯月の末に終わっているとはいえ――もはや季節外れなどと言ってるようなものでもなかろう。」
その角を目にした『神仕紺龙』葛籠 檻(p3p009493)は感嘆の声を漏らし、己も角を持つ身として、対抗心を抱いた。だが、角以上にグラトニーディールの巨体は檻の目を引いた。角を除いて二メートルと言う巨躯を持つ檻だったが、グラトニーディールの全高はその倍以上の五メートルはある。鹿、と言うには明らかに異常な大きさだった。
「鹿の怪王種……鹿が変異したにしては巨大すぎませんか……? これが、滅びのアークの力……?」
怪王種と戦うのは今回が初めてであるレンは、グラトニーディールの巨大さに目を剥いた。ただの鹿をこうも巨大に変容させた滅びのアークの力に、レンは驚愕するしかない。しかし、驚愕してばかりもいられない。このグラトニーディールは、討伐に出た幻想種達を返り討ちに遭わせているのだ。
気をつけないと、自分達も同じ目に遭いかねない。レンは緊張から、ゴクリと唾を飲み込んだ。
(この鹿が自然の存在であったなら、これも摂理とも言えたでしょうに……彼自身が悪い訳ではありません、けれど、除かねばなりません。
この深緑の森で反転した母が犯した罪、そして、それに身を委ねようとしてしまった私自身の罪を滅ぼす為に、私も力を揮って見せましょう)
『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)はそう意を固めつつ、持てる限りの力を魔力へと換え、自身の身体中に漲らせていた。
●攻撃すること能わず
「……潰す」
凍てつくような、冷淡な視線を向けていた『闇の雪幻蝶』アーウィン・ドースティン(p3p008577)が、最初にグラトニーディールに仕掛けた。瞬く間にグラトニーディールとの距離を詰め肉薄すると、フェイントを交えつつグラトニーディールに殴りかかる。
アーウィンの攻撃は、ぱっと見はあまりグラトニーディールにダメージを与えているようには見えなかった。しかし、アーウィンの攻撃の主眼は、自身がグラトニーディールの生命力を削ることではない。グラトニーディールが自由に動けないように牽制し、仲間達が効果的にグラトニーディールを攻撃出来るように繋げることにこそ、その意味はあった。
(動きを止めて下さって、助かります――行きますよ)
アーウィンが仕掛けたことでグラトニーディールの動きが止まれば、エルシアとしてはそれだけグラトニーディールを狙いやすくなる。身体中に漲る魔力を余さず費やして、エルシアは一条の熱線を放った。それはかつて対峙した、魔に堕ちた母の力。
膨大な魔力が収束された熱線は、グラトニーディールに命中するや、瞬く間にその巨体を穿ち、体内に深々と食い込んだ。グラトニーディールの身体は溢れる生命力によってその穴を塞がんとするが、エルシアの熱線の威力が余程であったのか、傷の修復は遅々として進まない。
「貴方の回復性能が高いか、それとも私が息切れするのが早いか……勝負!
その身体、切って切って、切り裂いて、グラム何円の美味しいジビエにしてあげるわ!」
イナリはグラトニーディールから十メートル弱離れた所まで突進しつつ、殺人剣の極意を瞬時その身に宿す。そして『御柱ブレード』に異界の炎神迦具土の炎を纏わせると、縦に横に、斬りつけるように振るった。縦横無尽に振るわれた刀身からは、剣閃の形となった炎が飛んでグラトニーディールの身体に次々と命中し、その皮と肉をジュウ、と焼き、焦がしていく。
(――暗殺者の毒からは、逃げられはしない!)
グラトニーディールとの距離を詰めたアーマデルは、『蛇鞭剣ウヌクエルハイア』を鞭の如く振るい、斬りつけた。アーマデルがグラトニーディールに刻んだ傷は浅く、その巨体からすれば微細な程度にしか見えなかったが、アーマデルの本命は斬撃でグラトニーディールにダメージを負わせることではない。
突如、グラトニーディールがガクガクと身体を痙攣させ、呼吸を荒くした。『蛇鞭剣ウヌクエルハイア』に塗られていた、敵を死へと導く毒がグラトニーディールの生命を蝕み始めたのだ。
グラトニーディールは反撃に出ようとするが、まともに動けない。イナリの放った剣閃を象った炎の圧がグラトニーディールを押し込め、動きを封じていたのだ。
「イレギュラーズにすら恐れられる一撃、喰らえ!」
地上から三メートル弱の高さに浮遊しているムスティスラーフは、大きく口を開いた。その前に、緑色の光が収束していく。収束しきった緑の光は、極太の光線となって放たれ、グラトニーディールの巨体を穿ち、貫通する。本来はここでグラトニーディールの傷が次第に塞がっていくはずなのだが、その兆候は全く見えない。ムスティスラーフの放った緑の光によって、グラトニーディールの再生能力が阻害されているからだ。
「出し惜しみはしません――最初から、全力です」
レンはその手にしている漆黒の立方体に、魔力を籠めていく。魔力が満ちた立方体からは、不可視の魔力弾が放たれた。不可視故かグラトニーディールは魔力弾を回避できず、突然襲ってきた衝撃に困惑したようにキョロキョロと周囲を見回した。
「サルヴェナーズ・ザラスシュティ、貴方のお相手を致しましょう」
グラトニーディールの目の前に立ったサルヴェナーズは、名乗りを上げてグラトニーディールの敵意を引き付けにかかる。その試みは成功し、グラトニーディールの殺意の篭もった視線が、ギロリとサルヴェナーズの方へと向いた。
「さて、覚悟なされよ? もっとも、怪王種の肉など貪ったところで美味しくはなさそうだがな。小生の爪に、神の威光に貫かれると良い」
檻は、グラトニーディールの上から鋼の雨を降らせた。巨体の上から降り注ぐ鋼の雨はことごとくグラトニーディールに突き刺さり、赤い血をだらだらと流させていった。
●新しく芽生えしもの
イレギュラーズ達の猛攻の前に、グラトニーディールはすぐさま満身創痍に陥った。イレギュラーズ達の攻撃が熾烈であったことに加えて、これまでどんな傷を受けても癒やしてきた再生能力が封じられたのが痛手だった。いくらグラトニーディールが強靱な生命力を誇ろうとも、毒に蝕まれつつ攻撃を受け続ける一方ではいつかは力尽きるのは明白である。
グラトニーディールはこの状況を脱しようとしたが、果たせないでいた。前後をアーウィンとサルヴェナーズに挟まれた上、サルヴェナーズを突破しようとしてもイナリによって動きをほとんど封じられている。辛うじてイナリの攻撃の隙を縫い、サルヴェナーズに角を叩き付け、深手を負わせたのが為し得た精一杯の抵抗だった。
ここまで来て逃がしてはならないと、アーウィンが慎重にグラトニーディールの後方を塞ぎつつ、囮となる攻撃を繰り出して仲間が攻撃する隙を作る。そこにエルシアの魔力が収束した熱線、イナリの放つ剣閃の形をした炎、アーマデルの万死の一撃、ムスティスラーフの吐き出す緑の光の柱、レンの持つ立方体から放たれる不可視の魔力、サルヴェナーズの計算され尽くした連続攻撃、檻が降らせる鋼の雨が集中すれば、ついにグラトニーディールの生命力は尽きた。ガクリと膝が折れると同時に、グラトニーディールは地面に横倒しになって死んだ。
アーウィンの身体に付着したグラトニーディールの血が、煌めく光の粒となりながら儚く消えていく。
(――パメラ達の思いや頑張りが、少しでも報われますように)
消えゆく光の粒を見つめながら、アーウィンはそう願った。
(彼が、再び自然の円環の理の中に戻ってゆけるよう……)
エルシアは、そう願いながら角を切り取った後のグラトニーディールの死体に触れた。エルシアの生命力を注がれたグラトニーディールの死体は、瞬く間に生い茂る草に覆い隠されていった。
(次の生では、どうか、平和に幸福に生きることが出来るように)
グラトニーディールも、望んで怪王種になったのではないだろう。ならば――と、サルヴェナーズはグラトニーディールが緑に覆われる様子をジッと見つめながら、グラトニーディールの来世での幸福な生を願う。
アーマデルは、根も完全にやられたのだろうかと食害された樹を見て回った。そして、食害された樹の根元に微かながら若芽が生えているのを確認する。ひこばえだ。
確かに、食害された樹の幹は途中で寸断され、樹皮はことごとく食い尽くされた。だが、グラトニーディールが食害したのはあくまで樹皮と葉にしか過ぎなかった。時間はそれこそ十年単位となるだろうが、このひこばえが無事に育っていけば、一帯は再び以前と同様に緑に包まれることになるだろう。
(『元の木』の姿ではないかもしれないが……)
それでも、これを知れば幻想種達の心はきっと慰められるだろう。アーマデルはそう信じた。
その後イレギュラーズ達は、討伐の証明としてグラトニーディールの角を携えて、パメラや幻想種達の見舞いに向かった。
「グラトニーディールは僕達が倒してきたよ。もしやり場のない怒りを抱えているなら、これにぶつけるといいさ」
それと、これが君にとって朗報になるかどうかはわからないけど……」
「パメラ様の大切な樹がどれかはわからなかったのですが、グラトニーディールに食害された樹にひこばえが生えているのを確認しました。
ですから、パメラ様の樹も完全には死んでいなくて、同じようにひこばえを生やしている可能性があります」
ムスティスラーフとレンが、グラトニーディールの討伐完了とパメラの樹からひこばえが生えている可能性を告げる。
「――ほんと、ですか!?」
二人の話を聞いたパメラは顔に期待と喜びの色を浮かべながら病床から立ち上がろうとするが、まだ弱っているのかぐらりと体勢を崩した。
「おっと……まだ養生は必要であろう。今は汝の樹が生きていることを信じて、動けるようになるのを待つがよい」
「そうよ。樹の方もきっと、すくすくと育ちながらパメラさんを待っててくれるはずよ」
そのパメラをすかさず檻が支えて、養生に専念するのを勧める。イナリも、檻に同調した。
「少しでも早く大切な樹に会えるように、僕も力を貸すよ」
自分の大切なものはもう取り戻せないけれど、パメラが大切な樹と再開出来れば嬉しい。そう思いながら、ムスティスラーフは癒やしをパメラに施した。
パメラ以外の幻想種達も、グラトニーディールの討伐完了と食害された樹からのひこばえ発芽の報を聞かされると、大いに喜びイレギュラーズ達に感謝を述べた。
――後日、イレギュラーズ達の元にパメラからの礼状が届いた。そこにはグラトニーディール討伐についての礼と共に、パメラの大切な樹にもひこばえが生えていたこと、元の姿ではなくなってしまったけれどこのひこばえの成長と共に生きていくつもりだと言う旨が記されていた。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
シナリオへのご参加、ありがとうございました。迷宮森林の樹々を食い荒らす怪王種『グラトニーディール』は討伐され、これ以上の被害は食い止められました。食害された森林は、時間はかかるでしょうがいつかかつてのような姿を取り戻すことでしょう。
MVPは、グラトニーディールの行動の大半を封じ込めたイナリさんにお送りします。
それでは、お疲れ様でした!
GMコメント
こんにちは。緑城雄山です。鹿の食害はこの日本でも問題になっていますが、混沌の怪王種となればさらにすさまじいようです。
さて、今回はこのグラトニーディールを討伐して被害の拡大を防ぎ、パメラの復讐を果たして下さいますようお願いします。
●成功条件
『暴食双角』グラトニーディールの討伐
●失敗条件
『暴食双角』グラトニーディールを取り逃がす
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●ロケーション
迷宮森林の、かつて森だった場所。時間は昼間、天候は晴天。
途中で幹を折られた木が邪魔であるため、中距離以遠からの遠距離攻撃は射程に応じて命中ペナルティーが入ります。
●初期配置
イレギュラーズは一カ所に固まっているものとし、グラトニーディールとは最低40メートルの距離があるものとします
●『暴食双角』グラトニーディール
全高5メートルほどの鹿の怪王種です。パメラの大切な樹をはじめ、迷宮森林の樹々を貪欲な食欲のままに食害しています。
能力傾向としては、高攻撃力、高生命力。他もそこそこ高くなっています。
再生能力が強いため、脚などの部位を潰したとしてもすぐに回復してしまいます。部位を潰すよりも、とにかく傷を負わせて再生能力の元になる生命力自体を削り取る戦い方をお勧めします。
・攻撃手段など
角 物至単 【邪道】【乱れ】
突進 物超単 【移】【弱点】【飛】【体勢不利】
蹄 物至単 【邪道】
鳴き声 神自域 【弱点】【呪い】 攻撃力自体は他より低いです
再生能力(高)
●怪王種(アロンゲノム)とは
進行した滅びのアークによって世界に蔓延った現象のひとつです。
生物が突然変異的に高い戦闘力や知能を有し、それを周辺固体へ浸食させていきます。
いわゆる動物版の反転現象といわれ、ローレット・イレギュラーズの宿敵のひとつとなりました。
●パメラ
幻想種の少女。今回の依頼人の一人です。
グラトニーディールに大切な樹を食われ、反転しかけましたが耐えました。その後、大切な樹の復讐のために他の幻想種達と共にグラトニーディールに挑みましたが返り討ちに遭い、今は病床にあります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております。
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