シナリオ詳細
<フィンブルの春>『傭兵』の矜持
オープニング
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「最近の傭兵ってどーなってんの?」
ギルド『ローレット』近くの酒場の席にて、一人の女性冒険者――イレギュラーズがジョッキを片手に問題提起した。
それはここしばらく幻想を騒がせている奴隷問題。……発端となっている悪徳貴族や奴隷商人に組する、いわゆる『チンピラ傭兵』の件である。
奴隷――人身売買はどう考えても『悪』であるので、金のためなら人攫いやらを平気で行うチンピラ傭兵が「本物の傭兵――ラサ傭兵商会連合の評判を著しく傷つけている」と彼女は強く語る。
……そして、その意見に賛同する者が多数挙手し、酒の席ながら真面目な話し合いが行われた。
後日、多数の冒険者が署名した要望書『可能な限り賊まがいの(いわゆるチンピラ)傭兵の排除・根絶を目指す』運動――
まずは足掛かりとして「チンピラ傭兵のアジトを捜索して潰す依頼を『ローレット』直々に出してもらえないか」という物がギルドに提出された。
それは「正当性があるもの」として即日受理され、ギルドお墨付きの依頼となり、依頼書が『ローレット』のクエストボードに貼り出される運びになったのだった――。
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「――と、いうわけでですね、今回は『チンピラ傭兵退治』なのですよ」
ギルド『ローレット』、依頼募集に集まった冒険者――イレギュラーズに『新米情報屋』のユリーカ・ユリカ(p3n000003)が説明を始めた。
「正確にはチンピラ傭兵グループを殲滅、あるいは捕縛してほしいのです。無力化したのちに捕縛のほうが望ましいですかね。チンピラ傭兵同士、横の繋がりもあるでしょうし」
そのままユリーカはふんす! と鼻息を荒くして説明を続ける。
「まあ今回はチンピラ傭兵根絶の足掛かりなのです。幻想の奴隷騒動でそういった賊まがいの傭兵はわんさか確認されましたので根絶は正直難しいのです……地道にプチプチ潰していくしかないですねー」
ユリーカは「一歩ずつ頑張っていきましょう」と、グッと拳を握って見せる。
「賊まがいの傭兵の情報は例の騒動で大量に寄せられていますので、こちらで適当な傭兵グループを選定しておきました。アジトの場所は判明しています。イレギュラーズの皆さんはそこを奇襲してください。強襲になっても構いません」
またユリーカは「あ、それから~」と注意事項を付け加える。
「チンピラにしても、あまりにも雑魚過ぎる傭兵では意味が無いので敵はそこそこ強いのを選びました。一応気を付けてくださいね。それではよろしくお願いするのです!」
- <フィンブルの春>『傭兵』の矜持完了
- GM名とりる
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年04月29日 22時46分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
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悪徳貴族や奴隷商人と繋がりを持ち、奴隷にする為の人攫いを主に行っている傭兵グループ――
そのアジトにイレギュラーズが奇襲を仕掛けようとしていた……。
現在は乾いた山岳地帯の高所にて、傭兵のアジトが遠目に見える位置に待機中。
「アタシは殺し合いが嫌い」
『新兵達の姉御』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)が夜空の下で言う。
星々の見えぬ生憎の曇天……だが奇襲には適しているだろう。そして彼女は続ける。
「けれど傭兵のみんなは好きだよ……彼らはどんな恐ろしい時でも『プロ』って誇りの為に傭兵としていつだって凛々しかった」
ミルヴィはギリギリと奥歯を噛み締め、硬く拳を握る。
「そんな皆が血と努力で守ってきた傭兵ってブランドをこんな盗賊と変わりゃしない連中の為に傷つけられるなんて!」
何の矜持も持たぬチンピラ傭兵……放っておく事など出来はしない。
ブランドやプライドだけの問題だけではない。彼らの行いは明らかな悪行。奴隷……人身売買の根本を絶つ必要がある。
(今回の囮と夜襲作戦……出来るだけ誰も殺したくない)
ミルヴィが真に求めるのは“不殺”を貫き通せるだけの圧倒的な力――だがまだ彼女は道半ばだ。
今回の依頼としても奴隷売買に加担する傭兵グループ、その横に繋がる情報を得る為、可能な限り生かしての捕縛が望ましい。
(何事も一言では全てを現す事は出来ない、そういう事なのだろう。傭兵にしろ、別の何かにしても)
『純なる気配』アレフ(p3p000794)――普段は背中に光で構成された六枚の翼(※飛行不可)を持つ彼。
しかしそれは夜闇にとても目立つので今宵は収納している。
(……最も、実行する前に多少なりとも思考をすべきだったろうとは思うが)
「相手のアジトの位置が解っているなら、後は此方からそこに赴けば良い」
(問題はそこからどう展開をさせていくかだろうが――どうも、女性陣に案がある様子なのでね。私はその手並みを拝見させて貰うとするよ)
思案していたアレフ――容姿端麗で長身且つ細身ながら引き締まった身体つきの青年――は、夜襲の準備を整える女性陣へ目をやる。
偽名:司書を名乗る……『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)。
鮮やかな薄紫色の長いツインテール髪に宝石のような赤い瞳の美少女(成人)。その心情――
矜持のない行動は成果で洗い流せる
ただまぁ、結実さえできなければ
流されてしまうのは――
始めましょう
「神がそれを望まれる」
『シュピーゲル』DexM001型 7810番機 SpiegelⅡ(p3p001649)は風下に陣取って待機中。
(作戦通り、上手く見張りを無力化出来ましたら光源潰しのご協力をしましょう)
その際にはギフトの【霊子妖精】を使用する予定である。
(プランB――強襲に移り変わっても同様の処置です)
「しかし……エナジードリンク『ソウルフィーバー500mL缶』……Dr.も飲んでいましたが暗視効果まであるとは……」
(これがシュピ達の世界にあれば戦術的効果は如何程に)
究極のエナジードリンクの効果に、シュピーゲルは驚いた様子(でも飲み過ぎには注意!)。
『希うアザラシ』レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)。
「大切な人と会えなくなるのは凄く悲しくてつらいっきゅ。グリュックで知ってるっきゅ。だからお仕置きっきゅ!」
レーゲンは別れの悲しみや痛みをよく知っている為、人攫いの傭兵相手には憤怒である。
「傭兵の品位を落とす行い、断固として許す訳にはいきませんね。今後、この様な輩が再びでないように徹底的に懲らしめます」
同じく憤りを見せる『断ち斬りの』蓮杖 綾姫(p3p008658)。艶やかな長いストレート髪の可憐な少女。
事前に現場付近の砂や植物の汁を体に擦り付け臭い対策をする。正直な所はやりたくない様だが(乙女なので)。
また、目薬・ナイトゲイザーを使用し、片目を閉じて暗順応させておく。
天を突く様な一本角の美女、『Dramaturgy』月錆 牧(p3p008765)はその冷淡な瞳を――遠目に見える灯り……傭兵達へ向けている。
悲しみ・憎しみ・怨念が宿る彼女の刀は今宵、悪党を滅するのか……それとも……。
「……人って血の繋がりとか関係なく、誰かと一緒に平穏に暮らすの幸せの一つだと思うのです」
腰から下に狼の半身を持つ大地の精霊種・ケンタウロスの人と馬の部分が両方とも狼になった外見の『記憶が沈殿した獣』新妻 始希(p3p009609)。
「人攫いや人身売買する子はころ……転がしてお仕置きしましょうか。サンタクロースでも黒いのはそうしますし、お仕置きをプレゼント!」
(自由を奪うどろぼうさん! みたいな感じで)
●
ミルヴィは行動開始前に【ファミリアー】、ねずみのカットを連絡用にイーリンへ渡す。
イーリンは各装備を革ベルト等で身体にしっかりと固定して音が出ないように。
それと付近の砂を全身に浴びて出来るだけ匂いを消し、布で口を塞いでおく。
彼女は【暗視】【忍び足】【気配遮断(弱)】にて隠密行動。
また、【モンスター知識】により可能な限りヘルハウンドへの対処を。
アレフはスキル【暗視】にて暗闇に対応しつつ、【超聴力】により周囲の音を警戒。
(何か解る様な事があるのなら仲間に知らせよう)
レーゲン……見張りの傭兵がテントの四方を囲んでおり、囮が引き寄せ難いと感じた。
ゆえに奇襲が失敗した際や、囮役が見張り全員を誘き寄せられなかった場合を想定し、囮役のミルヴィとは反対方向に潜伏。
なお、事前に【ぴかぴかシャボンスプレー】で身体を清潔にして、ヘルハウンドの嗅覚への対処とする。
始希も同様に【ぴかぴかシャボンスプレー】を使用してヘルハウンド対策。
ギフトで足音を消し【暗視】にて視界確保。レーゲンと同じ場所で待機。
***
見張りの傭兵を釣り出す囮役のミルヴィは慎重に行動。【ファミリアー】の視界からも周りに予定外の人影がないか注視。
牧は【ナイトゲイザー】を使用して視界を確保し、囮役のミルヴィを視界内に入れたまま【忍び足】にて気配を殺しながら移動。後に続く。
敵テントを挟んで反対方向に居る始希も【忍び足】で移動。、ヘルハウンドを【行々】の射程範囲に収め、待機。
ヘルハウンドの動きに最大警戒、こちらに近づくようなら一度止まって【気配遮断】。
イーリンは、ミルヴィが仕掛ける前にテントと見張りの中間地点に布陣。タイミングを見計らって――合図を送る。
そして――囮作戦開始!
「た、助けて!」
ミルヴィが賊や獣に追われた体の女を装い、見張り達の前に姿を現した。
わざと着衣を乱れさせ、また自分から藪に突っ込んだような引っ掻き傷を作り、慌て怯え必死に助けを求める様に懇願。
スキル【清楚!!!】により【性的魅力】【誘惑】【儚き花】の効果を得る。
その上で彼女のギフト【リリスの眼】のファイアを思わせる美しい瞳で視線が合った相手を魅了し――見張りの男達を誘惑する様に立ち振る舞う。
所々露出させたミルヴィの艶めかしい張りのある褐色の肌……それに見張りの男達は吸い寄せられる……。
「なんだコイツ? 追剥にでも遭ったか?」
「へへ、いいじゃねぇか。嬢ちゃん、俺達が“優しく”してやるよ」
「かなりの上物だな。楽しめそうだ」
「親方は今寝てっから、まずは俺達だけで味見しようぜ」
……等と、男達は下卑た表情を浮かべて会話。本来なら怪しまれる所だが、スキルとギフトの効果によって男達の違和感を蒸発させている。
バフが掛かったミルヴィの蠱惑的な魅力……スタイル抜群の彼女の肉体に見張りの男達が群がる……。
ヘルハウンドにも多少効いたのか、吠える等はしなかった。
***
今の所ミルヴィのスキル効果によりヘルハウンドに動きは無いが――
綾姫はもしもの場合に備え【ブラックドッグ】を準備。奇襲バレを防ぐ。
ミルヴィは好機と見て、イーリンに襲撃のタイミングを知らせ、彼女も出来るだけテントから引き離したら見張りとヘルハウンド達を【メナス・ルーヤ】にて一気に叩く……!
「――この情熱と律動で、もっと激しく踊りましょ?」
美しい肢体を躍動させ見せつける様に舞いながら妖しい剣舞と視線で相手の気を引く妖しの剣は鋭くも流血を拒否し、誘われた獲物の意識のみを鮮やかに刈り取る――。
それにより――見張りの傭兵達は全員昏倒。残るはヘルハウンド……!
「センパイ! 離れてるやつお願いっ!」
ミルヴィの声を聞いたイーリンはヘルハウンドに【近未来観測】からの【カリブルヌス・改】を使用。
――髪は紫苑へ、精気は幽世へ。瞳だけが紅玉の輝きを湛え、光の尾を引く。数多の業は後ろ髪を引き、彼女の膝を折らんとする。
それでもと構えた魔力塊を剣とし貫けば――溢れる紫の燐光が、彼女の足跡を残すばかり。
アレフも攻撃に参加。行動不能にする程度にはダメージを与える。
「数の優位はどの様な状況になっても厄介だからな」
レーゲン、【ファミリアー】にて梟を召還し、上空より囮作戦の様子を確認。
状況を始希へ【ハイテレパス】の念話で連絡、奇襲が始まったら「GO」と伝える。
【夜想】と【行進曲】により、可能な限り【不殺】攻撃……!
牧は一人に全て任せるのはリスクが高いと判断。見張りの傭兵は全員ミルヴィが昏倒させたが、念の為アレフ同様、行動不能程度にダメージを与える。
だが彼女にとってヘルハウンドはただの獣……人命とは違う。致死レベルのダメージを与え、その後【鬼眼判官】にて確認。
(吼えられてはまずいので)
始希も【行々】・ボディプレスでヘルハウンドに攻撃。
……以上でイレギュラーズは見張りの傭兵とヘルハウンドの無力化を完了。
次はテントを襲撃――故にシュピーゲルは人型機動兵器に乗り込み、戦闘態勢へ移行。
シュピーゲル……無垢な容姿の少女の肉体を内部へ組み込む様に3m級人型機動兵器の装甲が展開。
装甲、展開 ――スクリプト、オーバーライド――
戦闘機動構築開始 ――システムセットアップ――
動作正常 ――ステータスグリーン――
「いくよSpiegel」
――……『Jawohl(了解)』
セットアップシークエンス完了。無垢な少女は禍々しい装甲を纏う――。
その後、シュピーゲルは戦闘中、常に【ルーンシールド】と【マギ・ペンタグラム】の効果が持続するように使用。
●
見張りの傭兵やヘルハウンドの排除に成功、敵本陣のテントへ奇襲が可能に。……まだ気づかれていない。
「皆さん、範囲攻撃はお構い無く。シュピの装甲はちょっとやそっとの攻撃は無効化しますゆえ」
言ったのは装甲を纏ったシュピーゲル。
そこで綾姫は――
(ある程度離れた位置からテントに向け範囲攻撃の雨を降らせましょう。これでテント内の傭兵をある程度削れるかと。……参ります)
【励起・黒蓮】を使用、攻撃集中の上でテントのド真ん中へ鋼華機剣『黒蓮』による唐竹割を叩き込む!
綾姫が本来持つ異能から零れ落ちた欠片。目覚めぬ剣の身動ぎ。
本来は刀剣類の持つ逸話や異能、封じられた神秘を解放する異能。
劣化したそれは機剣『黒蓮』の機能を超過駆動させる事による極大斬撃のみが発現する――。
――その強力な一撃にて、敵のテントは見事崩壊。
(一応殺さないよう気を付けましたが……消し飛んでも仕方ないかなとは思いますかね)
「何事だ!?」と、傭兵のリーダー、及び熟練傭兵……それと何とか攻撃を免れた雑魚傭兵数名が姿を現した。
大半の雑魚傭兵は【励起・黒蓮】によってノックアウトされたらしい。
「では、始めるとしよう。お前達がこの困難を乗り越えるか、それとも私達が貴様らを叩き伏せるか――」
アレフは【神気閃光】にて雑魚傭兵へ攻撃開始。神聖の光は邪悪を裁く……!
次の攻撃は【ファントムレイザー】、リーダーへ絶対不可視の刃で斬り付ける。それが合図となり、他のイレギュラーズも攻撃開始。
その後アレフは周囲の光源を破壊。こちらは【暗視】があるので一方的に有利な状況を生み出せる。
「鏖殺許可は下りませんでしたが、手加減はあまりできませんので悪しからず」
シュピーゲルはレヴィアン・セイバーの切っ先を敵へ向ける。
「抵抗した場合の処置としましては手足の一本や二本は覚悟をして頂きたく」
イーリンはミルヴィと連携しつつ、熟練傭兵を相手取る。
既にイレギュラーズに有利な状況だが、絶対的な優位を確立する為【近未来観測】後に【マギウス・シオン・アル・アジフ】を発動――。
魔力蓄積体質のイーリンが全魔力を火種に、魔書内の全術式を平行励起する。
――その身は魔力で燃え盛り、瞳だけが煌々と輝く。
人の身も、過去も焼け落ちる。嗚呼、彼女が行く――その感情の名さえ、まだ知らぬまま。
更に次の攻撃にて【カリブルヌス・改】にて薙ぎ払う全力攻撃! 大ダメージを受けた熟練傭兵は膝を突く。
以後、イーリンは弱った敵へ【紫苑の魔眼・紅蒼】で【不殺】【必殺】。
ミルヴィは傭兵のリーダーを相手に交戦。【メナス・ルーヤ】による近接戦。曲刀・【黄金の暁】ファル・カマルを振るう。
その後も曲刀と刀が何度も激しく打ち合う。……辛うじてイレギュラーズとやり合っているのは傭兵リーダーのみだった。他は防戦一方。
レーゲン、【夜想】にて雑魚傭兵を纏めて攻撃。
綾姫は光源を【ブラックドッグ】で破壊しつつ、【エネミーサーチ】により敵の位置を把握。
乱戦状態なので【チェインライトニング】の【識別】を放ち、攻撃。
その後は【励起・黒蓮】を発動。レーゲンの【夜想】で戦意を失った敵へ「逃げれば背中から真っ二つにします」と脅しをかける。
牧は【斬神空波】で敵陣深くまで突き入り、【戦鬼暴風陣】にて周囲を破壊の渦に巻き込み、暴れ回る。ついでに残る照明等も破壊。
(熟練の傭兵は大型の武器を使うか)
相手が熟練傭兵の際にはわざと先手を取らせ、全力防御・回避重視で交戦。
敵の動きをよく観察し、【烟波縹渺】の斬撃を見舞い、反撃。
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傭兵リーダーと交戦中のミルヴィは【カジノ・ロワイヤル】の後に【ロザ・ムーナ】を繰り出す。
「砂蠍や鴉達と変わりゃしない! はっきりしない分それ以下サ! アンタ達は!」
激情に身を任せながらもその剣の切っ先は確実にリーダーを捕えた。
続いてレーゲン。戦闘も終盤……傷付いた仲間達を【幻想曲】にて回復。
「レーさん登場! レーさんがいる限りヒーラーとして誰も倒れさせないっきゅ!」
綾姫はリーダーが好きに動かぬよう抑え。常に二人・三人で交戦出来る様に位置取りと、仲間への声掛けを続ける。
場面に応じて二種の剣を持ち替えつつ、「必要であればいつでも【励起・黒蓮】を叩き込める」という振りを見せ牽制・プレッシャーを与えた。
牧……他は兎も角、リーダーは多くの情報を持っている筈なので生け捕りにしなければならない。
ミルヴィや綾姫と共に、【烟波縹渺】を放って攻めながら、敵の防御タイミングを探る……。
(片手の刀より、わたしの両手持ち刀の方がより強い衝撃を出せる筈――)
敵が振るう刀の刀身へ、自身の腕力を活かし、渾身の力で『破秀滅吉』を振るい、重い斬撃を叩き付ける。
その衝撃に怯む傭兵リーダー。隙と見た牧は【組技】にて捕縛を狙うが、それは拳銃による射撃で防がれた。
始希は暗闇に紛れ、適正な距離を図りつつ、残る雑魚傭兵へ【神気閃光】の攻撃を見舞う。
(攻撃のタイミングは他の仲間に合わせて、先走らない様にだけ気を付けておくよ。足並みを揃えるのは大事だからね)
アレフも仲間と連携し、【神気閃光】を撃ち放つ。……これにより、傭兵リーダー以外の敵は戦闘不能に追い込んだ。
「傭兵もどきにしてはそこそこ強い――が、それだけだ」
そこで――シュピーゲル。傭兵リーダーに対し、【オーバーザリミット】発動。
「コード:VOB(ヴァンガード・オーバー・ブレイド)」
『Warnung(警告)。Unbekannt Einheit(不明ユニット)の接続を確認。ナノユニットの異常放出発生。機体維持に深刻な障害。直ちに使用を停止シテクダサイ』
「音速を超えた鉄パイプは鉄板すら易々と切り裂くそうですよ。神へのお祈りは済ませましたか?」
ノイズ交じりの電子音声は無視しつつ、レヴィアン・セイバーの切っ先を突きつけ、一気に距離を詰める。
「日頃の行いが良ければ死にませんからご安心を」
鋭い斬撃を見舞い、それを受けた傭兵リーダーはようやく戦闘不能となった。
イーリンは一応逃走の可能性を考慮し、髪と眼を光らせ、チンピラ傭兵達に歯を見せて脅す。
「覚悟が足りてないわね?」
牧はリーダーを拘束し、部下にも降参を促した。
「此処で降れば、命の保証をお約束しましょう。武器を捨てなさい」
(奴隷商売が割に合わぬと解らせられれば幸い)
……その後、捕縛を終えた後、情報を吐かせる為にアレフが軽く尋問。
「一番先に情報を教えた者は私から罪が軽くなる様に口添えしてやっても構わんが?」
(嘘はつくなよ、私の目は嘘を暴く)
こうしてイレギュラーズの活躍により、チンピラ傭兵は全員お縄となった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
無事、チンピラ傭兵はボコボコにされて捕まりました。
GMコメント
皆さまこんにちは。新人GMのとりるです。アフターアクションありがとうございます!
チンピラ傭兵をボコボコにしたい(意訳)とのことで、このようなシナリオをご用意しました。
■依頼達成条件
チンピラ傭兵グループの殲滅、または捕縛(情報を吐かせるため、無力化しての捕縛が望ましい)。
■フィールド
場所は幻想某所。ラサ傭兵商会連合との国境付近。
乾いた山岳地帯の開けた場所にチンピラ傭兵グループのアジトがあります。
山岳といっても地面は平地です。大小の岩山が立ち並んだ隙間にアジトがある感じになります。
開けた場所に大きなテントがあり、その周囲を見張りの傭兵と、ヘルハウンド数匹が囲んで警戒しています。
この見張り達をどうにかして速やかに片付けられない場合奇襲は失敗、強襲へ移行します。
その場合はテントの中の傭兵達もすぐに出てきますのでご注意!
備考:天候は晴れ。奇襲・強襲を仕掛ける時間はお任せです。
■敵(外)
・傭兵(見張り・雑魚)×4
槍と弓で武装。夜間はたいまつを持つ。
・ヘルハウンド×2
使役された狼型の魔獣。攻撃手段は爪による斬撃や、牙による噛み付き。雑魚傭兵より強い。
当然ながら嗅覚・聴覚に優れる。
■敵(テント内)
・傭兵(雑魚)×8
剣や弓で武装。単体の戦力としてはイレギュラーズに遠く及ばないがリーダーの統率により、多少苦戦する可能性もある。
・傭兵(熟練)×2
熟練の傭兵。一人は戦槌、もう一人は大剣で武装。戦闘能力はイレギュラーズ一人と同等以下。
・傭兵(リーダー)×1
チンピラ傭兵グループのリーダー。刀と拳銃で武装。戦闘能力はイレギュラーズ二人と同等程度。
■※その他
チンピラ傭兵は『偽のブレイブメダリオン』を所持している模様。
ゆえにチンピラ傭兵は『偽勇者』に該当し、討伐や捕縛することで『功績をあげた』とみなされ、ブレイブメダリオンを与えられる。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●ブレイブメダリオン
このシナリオ成功時参加者全員にブレイブメダリオンが配られます。
ゴールド、ミスリル、アダマンタイトとメダルごとにランクがあり、
それぞれゴールド=1p、ミスリル=2p、アダマンタイト=5pとして扱われブレイブメダリオンランキングにて総ポイント数が掲示されます。
このメダルはPC間で譲渡可能です。
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