PandoraPartyProject

シナリオ詳細

いつものおしごと

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●スタンドアローン
「あら、丁度良かったわ。今すぐ仕事に入れるかしら」
 カフェの一角で『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)が言う。

「今日はちっちゃい依頼が入ってるのです。興味あったらどうぞなのです!」
 ギルドの建物でユリーカが言う。

「やあ、急に呼び出してごめんね。君にピッタリの仕事があったからさ」
 裏路地で『黒猫の』ショウ(p3n000005)が言う。

 これは、あなただけの依頼。
 あなたが受けた、ひとつの依頼。

GMコメント

 ようこそ、混沌の日常風景へ。
 あなたのキャラクターはどんな方ですか?
 モンスターと戦うのが得意な方でしょうか。それとも暗殺が得意? 盗みや誘惑が得意な方でしょうか。

 これはローレットの一員として働くキャラクター(PC)の日常的な風景を描いた半日常シナリオです。
 といっても無節操はよろしくないので、以下の条件や注意事項をよくお読みになってご参加ください。
 あっ、相談掲示板はギルド近くのカフェスペースとして開放しますので、自分の武器やバトルスタイルを自慢しながらだらっと交流する場としてお使いください。

【リプレイで描く風景】
 当シナリオでは『PC単独でローレットの仕事を受けた際の出来事』を描きます。
 以下の内から仕事内容を選択して、どんな風に遂行するかをプレイングに書いてください。
 これは『成功条件を満たすための戦術構築』ではなく『PCがどんな活躍をするかのリクエスト文章』みたいなものなので、普段の力を抜いてラフな感じでお書きください。マークとか全力攻撃とかスキル名とか書かなくてもいいってことだね。
 絶対じゃありませんが、できればどのパターンの依頼を受けたかはプレイングに書いて置いて頂けると間違いリスクを減らせて助かります。

●甲:要人暗殺
 サーカスに絡む幻想蜂起事件。騒動の裏で密売や横領といった大きな罪を働いた者がいました。
 そこそこの黄金持ちですが、彼の罪は『匿名希望の貴族様』の知るところとなり、誰にも知られずこの世から消え去ることを望まれました。
 この要人を暗殺して下さい。
 要人が一人でいるところをこっそいと襲うのか。ボディーガードを倒して仕留めるのか。それとも誘惑や詐術を使って人知れぬうちに殺すのか。
 メタですが偶然にもPCの個性や主要スキルにあった環境の依頼ですので、都合の良いタイミングを作って実行しましょう。

●乙:モンスター退治
 一人でも対応可能な弱いモンスターが発生しました。
 それは群体なのか一個体なのか。虫っぽいのか獣っぽいのか。ともかく人に害をなすモンスターのようです。
 言ってみれば害獣駆除。現場に入り、モンスターと戦いましょう。勿論これはPC一人でこなすことのできる難易度。かっこうよく個性豊かに戦ってあげてください。

●丙:アイテムゲット
 ある場所にあるアイテムをゲットして持ち帰りましょう。
 勿論これはPC一人に任された依頼です。10人いないとムリそうな戦闘や、協力しないとムリそうな複雑な作戦がいらないスタンドプレイです。
 さて、アイテムはどこにあるのでしょうか? 小さなダンジョンの中? 貴族のお屋敷? それとも要人が常に持ち歩いているのでしょうか?
 罠を乗り越えた先に、もしくはこっそり忍び込んだベッドサイドに。
 鮮やかにアイテムを奪っていきましょう。

【注意事項】
 ある意味、シナリオの前提をPLが自由に決められるためいくつかの注意事項がございます。
・混沌世界のドン(知らないけど)みたいな人を急に殺す依頼はできません。多分一人でこなせませんし、この依頼でカバーできません。
・大貴族や王のような重要NPCには絡めません。無理ではないのですが、システムセキュリティ上のリスクが強すぎるため事前に回避させて頂いております。
・報酬は一緒です。急に一人だけ多額のゴールドや経験値を獲得したり、すごい装備やスキルや石油王を獲得するようなプレイングを書かないって私信じてる。
・その他、混沌世界の設定や情勢に反していそうなもの、どこかに突っ込んだ話すぎて触れづらいもの、特殊事例すぎてよその何かに抵触しそうなもの……などはそっと省きます。
・仮にこういったプレイングだった場合、こちらでご用意したベクトルの似てるいい具合の依頼をこなしている風景に差し替えてお届けする予定です。

●判定について
 今回はPCのかっこいいところを描くのが主題にして全てなので、殆どの判定はほぼほぼ成功します。今回限りのクリティカルだと思ってください。
 ただしよほど万能すぎたり無敵すぎたりした場合はそっと調整することがあります。

【アドリブ度(強)】
 シナリオの性質上、PCひとりでお話を回すためアドリブが多く発生します。
 どうしてもアドリブされるの嫌だなって方は『アドリブNG』と書いていただければ、こう、なんというか、なんとかします。
 『アドリブ歓迎』って書いて頂けると単純に嬉しいです。

  • いつものおしごと完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年06月17日 21時00分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

フニクリ=フニクラ(p3p000270)
歪んだ杓子定規
Lumilia=Sherwood(p3p000381)
渡鈴鳥
エリーザベト・ブライトクロイツ(p3p001083)
薔薇の
ジョセフ・ハイマン(p3p002258)
異端審問官
セレネ(p3p002267)
Blue Moon
赤羽・大地(p3p004151)
彼岸と此岸の魔術師
沁入 礼拝(p3p005251)
足女
秋田 瑞穂(p3p005420)
田の神
紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
真打
トト・ドゥンケル(p3p005461)
骨じゃない方

リプレイ

●『砕き、狩る者/放浪の刀』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
 狐の耳がついた、銀髪の少女。
 港倉庫の木箱の影で、静かに身を潜めていた。
 腰には刀がふたふり。方や一般的な刀だが、もう一方はこの世のものとは思えない程に機械感の強い外装をしていた。
 様子をうかがっているのは木箱の先。煙草をくわえて何者かを待つロングコートの男だ。
 よろしくない薬物の密売を行なう裏業者と、そのパイプ役の仲介人。
 二人が合流するタイミングを、アレンツァーは待っていた。
 足音。話し声。アタッシュケースを開く音。
 それだけで全てを察したアレンツァーは、その場から大胆にも跳躍した。
 木箱を飛び越え、空中で縦回転をかけたアレンツァーは着地と同時に来訪者である仲介人を切りつけた。
「ぐあっ……!」
 慌てて銃を抜く仲介人。発砲までの動きと射線を予測して回避すると、第二の斬撃で首を切り落とした。
 ごとりと落ちた首。倉庫の入り口に立ったアレンツァーをすり抜けるようにして外へ逃げ出す密売人。対して、アレンツァーは腰のホルダーから取り出した小さなメダルを親指で弾いた。
 回転して飛んだメダルは20メートル離れた密売人の後頭部を直撃。転倒する。
 たったの一瞬で距離をつめたアレンツァーは、密売人の足に刀を突き立てた。
「だ、誰だ……何が目的で……」
「生憎アンタらに名乗る名などなくてな、消えてもらう」
 どこか律儀に質問に答えて、アレンツァーは刀を再び振り上げた。

●『異端審問官』ジョセフ・ハイマン(p3p002258)
「あるところに、とある女がいました」
 安楽椅子に腰掛け、本を開く男。
「男には唯一心休まるひと時があった。それは若く美しい愛人との逢瀬。誰にも知られず、立場を忘れ、ただの男と女として、秘密の場所で一夜を過ごす」
 脱ぎ散らかされた服。
 縄の軋む音。
「あるところに、とある女がいました」
 息の漏れる音。
 暖炉の炎。
「歳を重ねるにつれ、女は独りで過ごす夜が増えていった。彼女は悟った。燃え上がるような恋は終わった。移り気な愛は別の女の元へ。男は飽きたのだ。一方的に、自分勝手に」
 折れる薪。
「だから彼女は躊躇しなかった。めっきり減った逢瀬の日を、秘密の愛の巣を、仮面の暗殺者へ譲り渡すことを」
 閉じられる本。
 それはある女の日記帳だった。
「自分の因果が分かったかな?」
 男は。
 仮面の男は軋むほどの角度で首を傾げて見せた。
 テーブルには四肢を拘束された男が張り付いている。
 男は。
 ジョセフはトランクをテーブルの縁に置くと、中からとても言葉では言い表わせないような道具を次々と取り出し、並べていった。
「あぁ、欲深き不届き者、不誠実な裏切り者。それは如何なる表情か?恐怖か。絶望か。憤怒か。うふ、うふふふ……くひっ。私はそこに彩りを加えよう。苦痛を。そして快楽を!」
 猿ぐつわごしの悲鳴があがった。
「先ずは鞭打ちか。爪か、皮でも剥がすか。ペンチもいいぞ。便利だ。ユニークなワニのペンチだってある!」
 ジョセフの楽しい夜は、まだ始まったばかりだ。

●『足女』沁入 礼拝(p3p005251)
 ある貴族の男がいた。
 手癖の悪さが評判な彼に、美女が言い寄ることは珍しくない。相応の金を握らせればギブアンドテイクが成立すると、本人も納得しての遊びである。
 その日も美女が言い寄ってきた。
「ねぇ貴方様、寝台に飾る花は御入用かしら」
 花のようにしな垂れる姿は美しく、とくに目を引いたのは根元の茎。艶やかで細く、しかし神のささやきがごとく感じるくるぶしや踵のおうとつ。
 触れればひんやりと冷たく、洗った絹のようにやわらかくよい香りがした。
 男は夢中になって美女を愛でていた。
 どんな経緯があったのか、恐らくこのときの男は覚えてもいないだろう。
 気づけば床に這うようにして、椅子に腰掛けた美女の足に後頭部を踏まれていた。
 小さくしかししっかりとした親指が、首の後ろを掴む。
 なぜだかその瞬間に、男は最大の官能を覚えた。
 と同時に、生命の終わりを知った。
「あ、ああ」
 祈るように上げた頭が灰色に染まっていく。
「大丈夫ですよ。きっとこれが一番の終わりです。さようなら、愛しい貴方」
 美女は……礼拝は祈るように瞑目した。
 男が灰のように散り、くずれていく。
(私、人が好きなのです。こうして、欲望に忠実で己の業のままに振舞う様子を愛しく思う様に作られているのです。だから、本当は悲しい、悲しいのです。でも、そう、望まれたら応えてしまうのが被造物の宿命でもございます)
 窓辺にたちカーテンを開ければ、既に朝だった。
「ああ……」
 絨毯を、足の親指が掴んだ。

●『金狐』秋田 瑞穂(p3p005420)
 実る稲穂の色に似て、狐神瑞穂は長い金髪を振り払った。
 立は岩の上。取り囲み牙を剥く化けイタチの群れ。
「イタチどもよ、わしが来たからには悪戯の日々も終いじゃ」
 大きく開いた目が光ったかと思うと、瑞穂の身体は神々しい狐に変じていた。
 岩より飛んだ瑞穂はイタチの一匹をかみ殺すと、眼力による呪術で周囲のイタチを次々と抹殺していった。
 泡を吹いて倒れるイタチ。かなわぬ動物だと察した彼らは逃げ出すが、瑞穂は逃がすものかと追いかける。 
「偶には野生に帰るのも楽しいのう」
 瑞穂は血の散った頬をそのままに、夕闇に染まる山中で高く高く吠えた。

 夜が明け。
 畑仕事をしに出た村人は山側から歩き来たる黄金色の影に思わず息を呑んだ。
 血にまみれた親指を舐め、吐き捨てる美女の様。
 片手には赤く美しい花を束にして持っていた。
 その姿に思わず両手を合わせた彼が、もしかしたらこの世界最初の信仰者であったのかもしれない。
 美女瑞穂は花束を村人に抱えさせると、この花には毒があるので害獣を避けられるという知恵を授けた。
 すれ違い、ひらひらと手を振って去りゆく瑞穂。
 駆けつけた村人たちがその姿に息を呑み、瑞穂の足を止める者はなかった。
「そうじゃ」
 瑞穂はくるりと反転し、指を天に、そして自らに向けた。
「わしを信仰してみてはどうじゃ。作物がよく実るぞ」
 村人たちが万歳三唱で受け入れたのは、言うまでも無いことである。

●『骨じゃない方』トト・ドゥンケル(p3p005461)
「first blood! yeee!」
「うるさい!」
 少年と骸骨がローレットから受けた依頼は森に巣くうモンスター退治だった。
 『モーク』と呼ばれる黒いサルのようなモンスターは木の枝で作った粗末な武器を手に彼を取り囲み、大きな円を描いている。
「こいつらが平穏に暮らす無辜の民を傷つけるのなら何処まででも探し出して全て潰してやる。だからな、頭蓋。協力しろ!」
 ファイティングポーズをとる少年。
 宙に浮く頭蓋骨はカタカタと笑った後、反転して背中を守るように目を光らせた。
 正面より飛びかかるモーク。
 小枝の突きをかわし、殴りつける。
 側面より飛びかかるモーク。
 顔面を掴み、振り回して反対側へ投げる。
 飛びかからんとしたモークと激突し、転がっていく。
 目の前に倒れたモークを派手に踏みつけ、息を吐く。
 腕で汗をぬぐうと、少年は再び身構えた。
「朝までにケリをつけるぞ、頭蓋!」

●『薔薇の』エリーザベト・ブライトクロイツ(p3p001083)
 革の鞄を背負い直し、村の入り口に立つ冒険者エリーザベト。
 夜中家畜が喰われるという事件の調査をローレット経由で引き受け、現地まで足を運んだ次第である。
「まずは情報収集、かな」
 エリーザベトは鞄を開いて、いくつかの冒険道具を取り出した。
 ちゃんとした調査能力や基礎知識を持たぬ村人にとっては正体不明の化け物でも、モンスターに関する基礎知識と段階を踏んで情報をたどるすべがあれば化け物の影を踏むこともできる。
「うん、おっけおっけ。ドバーグ・ゴブリンかな」
 花椿の品種が多様なように、ひとくちにゴブリンといっても種類がある。知識のない者はひとくくりにしてしまうし、それで困ることはないが……。
「相手が分かれば対策もとれるはず」
 エリーザベトは枯れ草を纏い家畜小屋裏に潜んだ。
 襲われる規模と頻度、そして特定したモンスター種から次に襲撃するであろうサイクルを割り出したのだ。
 彼女の予想通り、三匹連れで現われたのは灰色のゴブリンである。
「――用心棒のお出まし、だッ!」
 小屋に入ったゴブリンたちを確認すると、エリーザベトは入り口を塞ぐように飛び込んだ。
 咄嗟に身構えるゴブリンだが、金属箔で光を絞ったカンテラに思わず目を覆う。彼らが陽光を本能的に恐れることを知識として知っていたのだ。
 薄目で突撃してくる相手をひらりとかわし、抜いた剣を鋭く放つエリーザベト。短剣二刀流。
 三対一の差など、もはや関係なかった。
 ――翌朝。無事に仕事を終え報酬を受け取り、いつものように村を去る。冒険者エリーザベトの、日常である。

●『私は考える葦ではありえない』フニクリ=フニクラ(p3p000270)
 転がる大岩、迫る。細い通路を走り、フニクリはカウボーイハットを押さえ叫んだ。
「どこが学者っぽい仕事だ……!」
 経緯はシンプル。学深きフニクリに目をつけた依頼者からある杯の獲得を求められたのだ。謎多き遺跡に眠る杯はその謎を解ける者のみが得られるという。
 途中からあやしいなと思ったが、カウボーイハットと鞭を渡された所で確信に変わった。
「あの依頼者……学者をトレジャーハンターと勘違いしている……」
 なんの影響だ、とまでは言うまい。
 実際フニクリの前に立ちはだかったいくつもの仕掛けは、学ある者にしか解けないものばかりだった。
 例えば透明な細い床とか、祈りの言葉をたどるように足場を選ばないと抜ける床とか、しつこい客引きとか、カラオケ100点で開く扉とか、ダンスゲームとか、叩いて被ってじゃんけんぽんとか……。
「学者関係ないっ!」
 ヘルメットを相手(ガーディアンゴーレム)に叩き付け、フニクリは叫んだ。
 確かに学者関係なかった。
 テレビシリーズワンクールはあったかという冒険を終え、へとへとでたどり着いたのは黄金だらけの部屋。
 誘惑に負けず杯を手に入れよというお題をサクッとクリアしたその瞬間、遺跡は激震と共に崩れ始めた。
 なんか尊いことを言おうとする祖霊をパンチで散らし、フニクリは必死で遺跡から飛び出した。
 崖よりジャンプするフニクリ。
 背後で起こる謎の大爆発。
「もう遺跡調査はこりごりだ……っ!」

●『自称、あくまで本の虫』赤羽・大地(p3p004151)
「『俺達』だけでの仕事は珍しいな、『赤羽』?」
「それよりモ、『大地』。簡単な仕事だと思っテ、下手を踏むんじゃねぇゾ?」
「そうなったら、お前ごと地獄に引きずり込むさ」
「おオ、怖い怖イ」
 色の混ざった長髪。小脇に抱えた本。
 大地あるいは赤羽は、おどろおどろしい屋敷の前に立っていた。
「埃っぽい……。誰も居ない割には、よく、荒らされなかったな」
「来るとしたら『俺達』みてぇにローレットの仕事か何かで来るカ……元々ここに居る『普通じゃねぇヤツ』くらイ、だロ」
 屋敷を探索するうち、ある存在に気がついた。
 自分を影から観察する霊魂たちである。
 大地はため息をついて、そばにいる霊魂へと語りかけた。
「急に邪魔したのは悪かったナ。けド、俺達はちょっト、必要な物を取りに来ただけなのサ」
「決して、貴方達の眠りを、妨げたい訳じゃない。信用、してくれるだろうか?」
 霊魂の気配が遠のいた。と同時に、探していた隠し書庫の場所を発見した。
「目的の物がちゃんとあったのは、良かったけど」
「他の本モ、気になるんだナ?」
「けど、全部はとても持って帰れないし」
「じゃア、気の済むまで読んでいけばいいんじゃねぇカ? 勝手に持ってくのはローレットの体面的にも、不味いだろうしナ。依頼人モ、刻限は厳しく言ってなかったシ」
「お前にしてはいい考えだ」

●『白き渡鳥』Lumilia=Sherwood(p3p000381)
 たき火の炎。
 長く伸びる影ふたつ。
 翼がついた影が、かたわらの小さな影に目を向けた。
 経緯を遡ることしばらく。子供の捜索を依頼されたLumiliaは村近くの森へと入っていった。
 森には魔物が住むとされ、村人たちも滅多に近づくことはないという。
 Lumiliaは無事に子供の見つけたものの、子供を狙う魔物との戦いへと突入し、翼を負傷してしまったのだった。
 子供を抱えて空を飛ぶには難しく、Lumiliaは徒歩で森を出ることにしたのだが……。
 子供の足に付き合っての進行は遅く、森中で日も陰り、獣の気配まで近くなっていった。
 やむなくたき火を起こして獣を遠ざけ、朝を待つことにしたのだった。
「……」
 沈黙ながらも、子供が小さく震えている。
 闇夜を恐れるは人の情。Lumiliaはせめてもと子供を抱き寄せ、ゆっくりと頭を撫でた。
 自身が不安で無いといえば嘘になる。だが今は、腕の中の小さな存在を守るべく、気丈に振る舞わねば……。
 そうしているうち、遠い昔を思い出した。
 不安で眠れぬ夜、師は自分にどうしてくれていたのだったか。
 Lumiliaは思い出をなぞるように、子供の背や頭を撫でた。

 明くる朝、怪我の癒えたLumiliaは木々の天井を抜け、森の上空へと飛び出した。
 獲物を逃がすまいと飛び出してくる魔物にも、もはや囮はしない。
 腕に子供を抱えたまま、Lumiliaは魔術の歌をうたった。
 放たれた氷の鎖が魔物を縛り、森へと落下させていく。
 Lumiliaは頷き、子供をしっかりと抱えて森を離れていった。

●『blue Moon』セレネ(p3p002267)
 幸せのネコ。
 オッドアイの白猫はそう呼ばれ飼い主に愛されていた。だがある日、噂を真に受けた夜盗にネコが浚われてしまったという。
「幸せは自分の手でつかむもの、猫に頼ろうなんて許せません!」
 セレネは依頼を引き受け、義理人情の炎を燃やして飛び出したのだった。
 セレネの調査方法は独特だ。
 自らもネコの姿となり、町の裏路地や屋根の上や、陰ひなたに隠れた野良猫たちに聞き込み調査をして回るのだ。
『その噂なら聞いたことがあるぜ。下水道の先に住むファルジって男さ』
 野良猫のボスが語る情報を元に下水道へと乗り込んだセレネ。
 そこで見たものは、動物が檻に閉じ込められた地下の帝国であった。
 とらわれた動物たちはみな幸せのオウムや幸せのネズミ。飼い主を幸せにして褒められたペットたちばかりだった。
『奴は他人の幸せを奪って自分のものにしようとしているのさ。そんなことは無駄だって分かっているはずなのにな』
 ニヒルに語るオウムさん。セレネはもう一つの想いを胸に、戦いを始めたのだった。
「幸せのペットたちは、自身が幸せになってこそ価値のあるもの。飼い主さんのお膝の上が、幸せになれる場所なのです……!」
 動物たちを逃がし、混乱するファルジの前に立ちはだかるセレネ。
 ファルジの繰り出すナイフを、セレネは次々と打ち払っていく。
「あなたも、自分の幸せを自分で探すんです!」
 セレネの一撃は相手のナイフを飛ばし、失意で膝を突かせたのだった。

 ペットたちはセレネにお礼を言って、それぞれの家に帰っていった。
 セレネもまた『幸せのネコ』を飼い主へと返した。
「猫さんにとっての幸せは、大好きな人のお膝の上ですよね」
 幸せそうに抱き合う姿に、セレネはほっと息をついたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 十人十色の依頼風景、いかがだったでしょうか。
 次は皆で協力して挑む依頼で、お待ちしております。

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