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シナリオ詳細

春のスープ食材釣り 海洋チャリティに参加しよう!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●春の海洋チャリティに向けて
 春麗らかな『海洋』首都郊外では今年もチャリティ・イベントが開催される。
 郊外に居る貧民街の人々が飢えに困窮する事なく春季を過ごせる為でもある。

「ふむふむ。今回のテーマは『スープ』だね? よし、ヒアリングでもしてみよう!」
『リスの冒険家』リース・ウォルナッツ(p3n000114)が所属する隊商は今春も海洋チャリティへ参加する意向である。彼女は主催者から業者向けの小冊子を受け取ると貧民街へ聞き取り調査に出向くのであった。

「皆さん、こんにちは! 私はリスのキャラバンのリースだよ! 春に開催予定の海洋チャリティの件で質問してもいいかな? 皆さんはどんなスープがお好き?」
 貧民街に憩う公園にて井戸端会議をして居る主婦達と遊戯中である子供達を発見。
 リースは下手な御託を述べるよりターゲットから率直な意見を募集した。

「そうねぇ。貧民街の皆が元気になるスープであれば何でも構わないわよ」
「私は栄養が豊富なスープがいいですね。特に子供達にも飲ませる訳ですから」
 リースは主婦達から市井の声を反映するべく細やかにメモを取る。
 一方、子供達自身は如何なるスープを所望して居る事だろうか。
「うぅん、春だから飲める季節のスープがいいかな?」
「ぼく、ロブスターのスープがのみたい!」
 と或る幼子が好物の「ロブスター」を提案すると皆で其の話に便乗する。
 現在は春漁の季節だが貧民街では旬のロブスターが滅多に食べられない。

「うんうん、いいよ。ロブスターのビスクだね! うちの隊商が担当するよ!」
 リースは満場一致の回答を得られると満面の笑みで皆に礼を述べた。
 さて、問題と成るロブスターだが如何に仕入れるのが最良の方法だろうか……。

●ネオ・ロブスター釣りでビスクを作ろう!
「あれ? ハルアさんかな? 今回も丁度良い所で会ったね! リスのキャラバンから新しい依頼があるんだけれど、もしよかったら相談してもいいかな?」
 リースがローレットを訪問すると、依頼掲示板の前で募集リストと睨めっこをして居る『仲間がいるから』ハルア・フィーン(p3p007983)と遭遇した。

「おや、リースかな? 久しぶりだね? 先日は貯蔵食品の依頼お疲れ! もしかして、今回も前回みたいな『美味しい』依頼だったりするかな?」
 ハルアとしては先ず其の件は重点的に確認を取りたい所存である。
 果たして今回も見事に依頼を達成すると『美味しい』ご褒美があるのだろうか。

「うん、勿論、『美味しい』依頼な事は確実! 今回の依頼は食材釣りだよ! 近日中に『海洋』の貧民街の方でチャリティ・イベントが開催されるんだ! 其処でうちの隊商も出店参加する予定だけれど……。食材のネオ・ロブスター(ネオ・フロンティア・ロブスター)という魔物を捕獲するのが難儀だから手を借りたいんだよね!」
 リースはチャリティの趣旨と貧民街での聞き取り調査をハルアに詳しく報告した。
 そして捕獲対象であるネオ・ロブスターの釣り場や戦闘力も抜かりなく解説する。

「ふぅん? 春になると『海洋』首都郊外の海岸や海域で釣れるんだね、そのロブスター? 要するに、釣り場に分かれてネオ・ロブスターを撃破した後はドロップアイテムとして捕獲して来ればいいのかな?」
 解説を咀嚼したハルアが彼女風に復唱するとリースは首を縦に振って頷いた。
 なお食材の袋、釣り道具、水着等はリスのキャラバンから貸与が可能である。

「調理はイベント当日のぶっつけ本番になるけれど、それは私に任せて大丈夫! イレギュラーズ側の当日の仕事はロブスタービスクの味見と一般参加者への配給だけだよ! よかったら、釣り日もイベント当日もどちらもよろしくお願いするよ!」
「ふふ、今回もやはりその流れになるよね! 釣りもイベントもボクにまかせよ!」
 リースが参加者募集に向けて特異運命座標の面々に改めて一礼をする。
 ハルアは涎を垂らしながらも狩人の如く眼光が鋭利に輝いて居た。

GMコメント

●注意事項
 当依頼は「リス獣人族の冬越え 貯蔵食品の味見祭り開催!」の「アフターアクション」から発生したシナリオです。
 ハルア・フィーン(p3p007983)さんからの提案でした。
 前回のシナリオに参加された方も不参加だった方も大歓迎です。
 なお、今回の参加にあたり前回のシナリオは必読ではありません。
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4569 (←前回のシナリオです)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●目標
 以下の2つの条件を達成する。
 1.ネオ・ロブスターを撃破して可能な限り捕獲する。
 2.海洋チャリティに出店参加する。

●ロケーション
『海洋』首都郊外から行ける海岸と海域が今回の戦闘舞台です。
 ネオ・ロブスターの釣り場は3か所あります。
 釣り場の3か所は特色毎に離れて居ます。お好きな釣り場でどうぞ。
(班分けを推奨しますが、全ての釣り場に人数を割り当てなくても良いです)
 以下、釣り場の解説です。

 1.海岸
 白い砂浜が広がる海岸から釣り上げます。
 ネオ・ロブスターは砂浜にも浅瀬にも居ますが、数は少ないです。
 砂浜の地面は動き辛い為BS「足止」があります。

 2.船上
 隊商からクルーザーを借りる或いは自身の船で海上から釣り上げます。
 海上からはネオ・ロブスターがまあまあ釣れます。
 足場が悪く揺れる海上戦と成りますのでBS「乱れ」が起こります。

 3.海中
 海岸か船上からダイビングして海中でネオ・ロブスターを捕まえます。
 海中には多数のネオ・ロブスターが居ますので多めに捕獲出来る事でしょう。
 海中は寒い為、常時BS「凍結」と成ります。
 なお海中は「水中行動」等のスキル或いはアイテムが必要です。

 参考:「漁業」のスキルが有ると各釣り場で「捕獲」にプラス補正が掛かります。
 参考2:「水着着衣」は動き易い為「ステータス」にプラス補正が掛かります。

●敵
 以下、全ての釣り場に出現する魔物を解説します。
(釣り場毎に出現頻度は違いますが敵の種類は同じです)

 ネオ・ロブスター(近接タイプ)×??体
『海洋』首都郊外海域に居るロブスター系の魔物です。
 色は赤く、動物のロブスターより一回り程度大きいです。
 特技は水中戦で陸戦にも対応出来る上に飛び跳ねます。
 戦闘方法は以下。
・鋏攻撃(A):
 両手の鋏で打撃或いは斬撃攻撃をします。物近単ダメージ。連。
・鋏無双(A):
 両手の鋏で激しい格闘をします。物自範ダメージ。識別。BS麻痺。ブレイク。
・水中戦術(P):「水中行動」が得意な上にBS「凍結」無効。

 ネオ・ロブスター(射撃タイプ)×??体
 上記近接タイプの射撃版です。色は青く、能力は同程度です。
 戦闘方法は以下。
・鋏ブーメラン(A):
 両手の鋏をブーメランにして投擲攻撃をします。物中単ダメージ。必中。
・必殺の鋏ブーメラン(A):
 両手の鋏で必殺の投擲攻撃をします。物遠範ダメージ。識別。弱点。必殺。
・水中戦術(P):「水中行動」が得意な上にBS「凍結」無効。

 ネオ・ロブスター(神秘タイプ)×??体
 上記近接タイプの神秘版です。色は白く、能力は同程度です。
 戦闘方法は以下。
・魔法の鋏(A):
 両手の鋏で神秘攻撃をします。神中単ダメージ。BSショック。
・魔法の舞(A):
 神秘的な舞で仲間の攻撃力、命中、回避を若干上昇。神自域。識別。
・水中戦術(P):「水中行動」が得意な上にBS「凍結」無効。

●味方NPC
『リスの冒険家』リース・ウォルナッツ(p3n000114)が冒険に同行します。
 班分けされる際には、いずれかの班に入れて下さると助かります。
 リースは「アイテム使い」である為、回復アイテム等で支援が出来ます。

●GMより
 春と云えばロブスターの春漁の季節ですね。今回は釣りゲーム風です。
 魔物を沢山倒して、食材と成る「アイテム集め」をお願いします。
 戦闘後は、是非チャリティでロブスタービスクを味わいましょう。

  • 春のスープ食材釣り 海洋チャリティに参加しよう!完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月18日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド
メイメイ・ルー(p3p004460)
約束の力
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
アウレリア=ネモピレマ(p3p009214)
大海に浮かぶ月
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

リプレイ

●海岸
 春爛漫の日光が淡く輝く白き砂浜では蒼穹を映した様な漣の音調が響き渡る。
 ロブスター釣りと云う期待に胸を膨らませて特異運命座標の女子二人が現れた。
「今日は天気も良いし、釣りには最高ですね! 水着も用意してきましたが、どうですか?」
『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)はフリフリでヒラヒラのワインレッドツーピース水着を可愛らしく着こなして釣りに挑戦する。小柄でまな板しかも美脚な彼女のボディラインを綺麗に表したフェミニンな水着である。
「わぁ……水着、素敵です。わたしも動きやすいよう、水着で参りました。ま、まだちょっと、肌寒いです、が……」
 一方の『あたたかい笑顔』メイメイ・ルー(p3p004460)はクリームソーダを彷彿とさせるパレオを着込んでの参戦。水着のスカート部分では結構ミニな所が美脚を露にするが、微風に吹かれると縮こまってしまう。
「いえいえ、メイメイさんの方こそ美味しそうな水着で似合っていますね! さて、肝心のロブスターですが、海岸に全然いないんですけれど!?」
 広々とした砂浜を眺めてココロが困惑して居るとメイメイが小鳥を蒼空へ飛翔させる。
「では頑張って、ロブスターを見つけて下さい、ね。春の……滋味たっぷりなスープで、たくさんのひとに、楽しんでもらえるために、元気になってもらえるように。じゅるるる……ああ、ロブスター……」
 メイメイは五感が繋がるファミリアーを駆使して上空から海岸全体を俯瞰する。
 ロブスターと云う獲物の美味しい予感に両耳をぴくつかせると思わず涎が垂れた。

 数分後、メイメイの小鳥が海岸の大きな岩陰で屯して居るロブスターを発見。
「岩陰に罠を設置しましょう。やっぱり生け捕りの方が鮮度高くて美味しいと思うので」
 ココロは樽に小海老を入れた脱出不能の罠を手際良く仕掛けた。
 ロブスターらが罠に嵌り藻掻く所でココロが神気の術で仕留めに掛かるが……。
「めぇ……! そこに、ロブスターが……!?」
 跳躍したロブスターが奇襲に出るが、メイメイは青き血の本能で難なく回避。
 だが岩陰の奥に居た増援も加勢すると近接型が無双攻撃を繰り広げた。
「ハサミにびびってなんていられないわ。ファイト! ららら~♪」
「ふぅ、びっくり、しました。ココロさま、ありがとうございます」
 ココロの声帯から発せられた澄み渡る天使の鎮魂歌が斬撃の傷跡を癒した。
 他方で白亜の神秘型ロブスターは魔性の舞を踊りながら友軍を鼓舞する。
「それならば、わたしも対抗してダンスです。わたしだって踊っていきたい!」
 ココロが死を誘う舞踏を魅惑的に踊るとロブスター達が同士討ちを始める。
「犬の妖精さま、あの踊っているロブスター、仕留めて下さい!」
 妖精遣いのメイメイが召喚した黒妖犬が勇敢な牙を剥いて敵を打ち破る。
 其処にココロが加減した掌底を打ち放ちロブスターを慈悲深く撃沈させた。
「不殺にするのはもちろん、お届けに鮮度を高くしていきたいからですね」
 其の後、二人は仲良く共闘しがなら岩陰に居た限りを捕獲するのであった。

●船上
 ロブスター釣り日和の大海原で出張店舗船ステラビアンカII号が豪快に波を切る。
 商業小型船に搭乗する特異運命座標の数名は船上からロブスターを釣り上げる様だ。
「海中ならいざ知らず、船上でねこが負ける道理などなし。船の揺れだの魔物の麻痺攻撃だの、私には通用しないのです。古来より船乗りの相棒はねこと、相場が決まっているのですから。ただし、今回は私こそが船乗りなのです!」
 船首に立つ『めいど・あ・ふぁいあ』クーア・ミューゼル(p3p003529)が向かい風を爽快に切る。
 一方で『若木』秋宮・史之(p3p002233)は船中の座席で『リスの冒険家』リース・ウォルナッツ(p3n000114)と歓談して居た。
「はじめまして、リースさん。よろしくね。いっしょに海洋のためにがんばろうね。俺、リースさんの回復支援が頼もしいよ。期待してるね?」
「うん、よろしく! こちらこそはじめましてだよ、史之さん! 私も史之さんを頼りにしているからね! 回復は任せて!」

 絶好の釣り場に辿り着くと海上で出張店舗船ステラビアンカII号が停船した。
 船上班の三人は、史之が調理した特製の撒き餌を海中へばら撒く。
「さて、すこしでも多くロブスターを釣り上げなくちゃね。まずは細かく切ったニシンを投げよう。ロブスターは肉食だしね」
 其の後は三人で大仕掛けの漁網を海中へ投げ入れた。
「釣りをちまちまやるのは性に合わないから投網をばさあー、といこう!」
 そして数分も経たない内に大量のロブスターが餌に釣られて漁網に絡まる。
 史之が音頭を取りながら皆で海中から重々しい網を引っ張り上げた。
「引き上げるよ、そーれ! ……いざ、勝負! 掛かって来い、ロブスター共!!」
 船上の漁網には皆の想像以上の数のロブスターが群がって居た。
 史之が怒鳴って挑発すると赤、青、白の各型が彼を強襲する。
「痛たた……。じゃあ、まとめて倒すよ」
 史之は妖刀不知火を抜刀すると魔物を屠る狩人の如き乱撃で一刀両断する。
 波で揺れる船上を跳躍しながら史之は巧みな刀捌きでロブスターを相手取る。

「掛かったのですね!? 飛んで火に入るなんとやらなのです!」
 クーアも漁網の一端を引っ張り上げるとロブスターの群れと対面した。
 網に絡んで動作が覚束ない魔物らを雷光の奔流で焼いて仕留めた。
「ん? あらら、数が……増えているのですか!?」
 ネオ・ロブスターは跳躍力も高い為、海中から船上へ跋扈して来た。
 鋏を鋭利に輝かせてクーアの萌えメイド服の豊満な胸部を妖しく切り刻む。
「ふにゃあ~!? えっちなのは、だめなのですよ!!」
 まさか其の侭、脱がされる訳にもいかずクーアも必死の反撃に出た。
「空はねこの領分でありませんが、ロブスターの領分では猶更ないはずなのです!」
 エロロブスターを蒼空高くへ蹴り上げるとクーア自らも猫脚力で飛躍する。
 中空に舞う焦げ猫は即死宣告するかの如く獲物を船上へ墜として粉砕した。

「リースさん、無事かな?」
「きゃあ~! 史之さん、助けて!」
 網に絡む一群を駆逐した史之が増援隊から袋叩きにされるリースを救助する。
 リースに肩代わりして増援の群れを引き受けた史之は一対多で死闘を演じた。
「リースさんは逃げて! 俺がやるから!」
 敵勢の麻痺や電気を伴う連撃を喰らいながらも史之は懸命に刀を振り続ける。
 防御技術に長けた彼は無双の防御攻勢を構えると敵陣を斬り裁いた。
「はぁ、はぁ……。リースさんは……無事だね?」
「本当にありがとう史之さん! すごい怪我だね! 今、お薬を付けるからね!」
 多勢に無勢の悪戦苦闘で運命の欠片も散った史之の生傷をリースが治療する。
 彼の激闘結果のお陰で船上班は大量のロブスターを捕獲出来た事に感謝したい。

●海中
 小型船二艘に搭乗する特異運命座標の数名は海中に潜りロブスターを漁る様だ。
 出張店舗船ステラビアンカII号の船長である『Meteora Barista』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が力強く舵を切りながら座席に居るリースと歓談する。
「航海は楽しんでいるかな、リースさん。仕事を一緒にするのは昨秋以来か。久しぶりに水着を着てみたけれど、あなたは初めて見るのかな。どうだい?」
 モカは褐色のナイスバディと調和する純白のビキニを着込んで船を操縦する。
「でんじゃー?」のビキニコンセプトである為か、水着から溢れる巨乳が零れそう。
「そうだね、しばらくぶりだね。またモカさんと仕事でご一緒出来て嬉しいよ! うん、船も素敵だし、水着もセクシーでカッコいいね!」
 勿論、リースはモカと云う頼もしい仕事仲間に本日も期待して居る。

 船が釣り場で停船すると海中班は潜る準備をしながら賑やかに歓談して居た。
「いいねぇロブスター、アタシが生まれたすぐの頃は潜ってしまえばすぐに見つかるご馳走だったもんさ、時代は変わったねぇ……。とにかくお腹すかせて美味しい物を待っている子供達がいるのさ、今日は腕の振るいどころさね!」
『大海に浮かぶ月』アウレリア=ネモピレマ(p3p009214)が羽織るパーカーを脱ぐと下に着て居る子供用の水色ビキニ姿に包まれた小躯が露と成る。
「アタシ水着って着た事ないから新鮮だねぇ、それにしても肌こんなにでるものなのかい? お腹冷やしたりしないか心配だねぇ、水から上がったら皆身体をちゃんと温めるんだよ!」
「そうじゃな。我らを待って居る子らの為にも今日は頑張るのじゃ。慈善事業、良き事じゃ。では……一肌脱ぐとしようかの。うむ、お主も身体には気を付けるのじゃよ」
『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)もウィンドブレーカーを脱衣すると其の下には水陸両用の祭司服を着込んで居た。

 モカが操縦する船に続くもう一艘の小型船が海上を優雅に航海する。
 船長である『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は釣り場に辿り着くとモカの船と並べて自身の船を停船させた。
「ロブスターのビスクか……ご馳走に相応しい食材に、誰でも食べやすく栄養も摂りやすい調理法って感じで、いいね! 美味しいものを食べると幸せになれるよな。そのために……今日はロブスター捕獲、頑張るぞ!」
 準備万端な彼は耐冷性能付きの戦闘用ダイビングスーツに其の精悍な身を包んで居る。

 暖かな春の日差しが輝く海中の深層へクレマァダが鮮やかに遊泳する。
 オルカの音波探知を駆使して周囲を走査しながら獲物位置の詳細把握を試みる。
(ロブスターは穴を掘ってそこに潜んでいるものじゃから、海底なぞ入れ食いじゃろ?)
 クレマァダはロブスターの大群が海中の巣穴に屯して居る様を難なく発見した。
 付近で捜索中のモカ達に『先ずは我が掻き出す。しばし皆下がれ』と指示を出す。
 魔物らが油断して居る遠方に向けて深海を夢想する海神の呪い歌をお見舞いした。
(ふふ、良い具合に多数を巻き込んだのう? 付与や距離攻撃が厄介じゃからのう)
 愚かにも魔物共はオルカ祭司の術中に嵌り魅了状態と成ると仲間割れで荒れ狂った。
 一方で正気且つ元気なロブスターは鋏のブーメラン攻撃でクレマァダを狙撃する。
(わわっ!? ……しかし鋏脚を投げるというのはもう、何じゃ、ロブスターなのかそれ……?)
 流石に敵地の中心地だけあり反撃に出る魔物も多い中、増援も集結する。
 敵勢の陣形を破壊して体勢不利に追い込むべくクレマァダは果敢に追撃を放つ。

(神威、限定再演。限界突破。我の絶海拳奥義、海嘯をとくと喰らうのじゃ!)

 クレマァダの眼光は黄金色に煌めきながら身体能力が実力を超えて拡張される。
 海竜を象るコン=モスカ武術の秘技を両手で構えると波濤魔術を奔流させた。

 絶海拳の波動激流がロブスターの巣穴と陣形を悉く破壊すると友軍が突撃開始。
(クレマァダさん、突破口をありがとう。さて、私も仕事をするか)
 蒼き彗星の如き速度で遊泳するモカが体勢を崩されたロブスターを狙い撃つ。
 流星流格闘術・簡易ノ型を構えたモカは無数の残影を纏い重厚な拳を連打した。
(よし、まずまずの撃破だ。リースさんから借りた網に入れて船に持ち帰ろう)
 船に戻ったモカは途中で休憩を挟みながらリース達と軽食を共にした様だ。

 魔物群と奮闘するモカの付近ではイズマが鋼花闘装の魔法双剣で暴れ回る。
(うん、この数を上手く巻き込めたなら……次は一網打尽で仕掛けるぞ)
 イズマは鋏攻撃を凌ぎながらも輝く双剣で乱撃を繰り広げて無双する。
 多数のロブスターを撃破すると預かって居た漁網を広げて残骸を回収した。
(まあ、まずはこんなもんかな。この網、捕獲して引き揚げるのに便利だな)
 イズマは撃ち漏らしが鋏で網を切らない様にトドメを刺してから捕獲に勤しむ。

 アウレリアは魔物らと拳、剣戟、魔法撃を交わす三人の回復支援に傾注する。
(海水は染みるからねえ、怪我をしたらかわいそうさね)
 彼女の善意等いざ知らず魔物達は死角を突いて多方面から襲撃を仕掛ける。
 回復の光を灯すフットワークの軽さが敵増援から目立ったのかもしれない。
(おやまあ、たくさんいるねぇ!? 呪い歌で蹴散らせるかねぇ?)
 鋏の無双、投擲、魔法撃に対して鎬を削るアウレリアから運命の欠片が散る。
 欠片の光が弾けると共に真の姿ネモピレマの姿と成ると巨乳も弾け飛んだ。
「あらまあ!? み、水着が……まずいねぇ!」
 ボンキュッボンなお姉さん姿のネモピレマに子供ビキニは艶美で悩ましい。
 ロブスターが非情にも水着すら奪う所で波動の拳が茶番を打ち砕く。
(早く逃げるのじゃ! 水着を奪われてはならん!)
(すまないねぇ。この場は任せるよ!)
 撤退と成ったが彼女の回復支援のお陰で仲間達に脱落者は出なかった。
 残ったクレマァダは絶海拳を振り翳して破廉恥なロブスター共を成敗する。
(おっと、殻からも出汁が出る故丹念に拾うのじゃ!)

 敵地のど真ん中で多数を撃破したイズマとモカが回収作業に励んで居た。
(今日は大漁に違いないな。さあどんどん捕るぞ!)
 イズマが漁網一杯に残骸を詰め込む傍らでモカが残党を追い回す。
(こら、待て、逃さないぞ! ……よし、大きいのを仕留めたな)
 限界超え迄粘った二人が大漁の網を抱えて海中から脱出する正に其の時。
 各方面の穴場から続々と湧き出る増援が離脱中の二人を猛撃で追跡する。
(えっ、すごい数? というか、もう網に入らない! モカさん、ここは逃げるぞ?)
(了解。それぞれの船に分かれて逃げようか? 網は何としても死守するぞ!)
 結局、逃げ切れたものの、網を護りながらの逃避行動中に運命の欠片は手放した。
 だが、二人の粘り強い奮闘がロブスターの大量捕獲と云う良き結果に繋がった。

●当日
 海洋チャリティ当日、リース達の店頭は外観が華やいで居た。
 史之が美麗な海洋花と際立つ看板で装飾を担当したのである。
 店前で色彩鮮明な三種類のロブスターの殻も並ぶと本格派の薫りがする。
「さて、ロブスタービスクは調理完了だよ。皆、各鍋の味見をよろしくね? 大盛りも出すし、ギフトで冷たいドリンクも出すから。今日を楽しい日にしていこう」
 料理愛好家の史之が有志を統率して以下の熱い鍋を店頭に提供した。
 バター味が引き立つビスク。コンソメ割の飲み易い薄味ビスク。
 ガーリックソテー付きで異国情緒があるジャンバラヤもある。
「うん、流石は史之さん! どれも最高に美味しいよ!」
 リースも三種類のビスクを試食すると本日イベントの盛況を祈った。

「ところで、お酒の類は持って来たのでしょうか? ロブスターおつまみは美味だと思うのですが?」
 本日のクーアは味見専門だが、酒類の手配も隊商に頼んだそうだ。
 其処にモカが特注の造酒瓶を抱えて現れるとクーアに一杯注いであげる。
「無論、酒はある。私も調理は手伝ったが、やはりビスクに酒もなくてはな?」
 クーアとモカは造酒で乾杯をするとビスクをつまみにしながら酒盛りを始めた。
 勿論、此れはチャリティである為、二人は酒も合わせて成人に配って回った。

 クレマァダは味見も兼ねて店頭で食レポを開催する。
「ビスクのキモは風味と舌触り! 殻が刺さるどころかダマも論外じゃぞ! お主がそれを食べ慣れていない者でも……。いやだからこそ、本当に美味しいものを食して貰いたいではないか!」
 バター風味のビスクを味わいレポートしながらも今度はグリッシーニを取り出す。
 観衆に美味しい食べ方を教え乍ら自らも海の幸に舌鼓して居た。
「パンに染み込んだスープの味は最高じゃ。美味しいか? ……うん、そうか」

 メイメイも嬉々としてコンソメ風味を味見して食レポをする。
「ふふ、この味見の瞬間を、待っていたのです。香りも良くて、ロブスターの旨味がぎゅっと詰まってて……。いくらでもいただけてしまいそう、です。これだけ、美味しければ、振る舞いがいもあります、から」
 メイメイはエア太鼓判をポンと押すと観衆にビスクのカップを分け与える。
 老人や子供連れと云う列に並ぶのが難儀な人々には小鍋ごと運んで配給に回った。

 アウレリアの方は試食そっちのけで配給活動を手伝って居た。
 彼女のママ適性が遺憾なく発揮されて会場も隊商も大助かりである。
「せっかくのごちそう、たんと召し上がって良く味わうんだよ! なあに、礼なんていらないさ!」

 店頭の配給列が乱れる時はイズマが整列の対応係である。
「ここから渡すから、こっちに並んでね。皆に少しでも早くスープを行き渡らせたいから、協力をお願いするよ?」
 長蛇の列で退屈した子供達には鋏付きのビスクのカップを渡して食べ方も教える。
「スープを食べるときは、いただきます。美味しく食べ終えたら、ごちそうさま」

 皆で協力してスープの配給に取り組んだお陰で会場には充分に行き渡った様だ。
 ココロは海辺の会場らしい水着姿で笑顔を欠かさずに温かなスープを配り続けた。
 そして皆の笑顔も絶やさない様に温かなメッセージと共に貧民達を励ます。

――食べ物と水には困らないのがネオ・フロンティアの良いところ。大変なこと多いけど、明日も頑張っていきましょう!

 了

成否

成功

MVP

アウレリア=ネモピレマ(p3p009214)
大海に浮かぶ月

状態異常

なし

あとがき

シナリオ参加ありがとうございました。
久しぶりのリスのキャラバンのシナリオでしたが、楽しんで頂けたら幸いです。
皆さんがロブスタービスクでスープチャリティに参戦する諸活動が微笑ましかったです。

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