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シナリオ詳細

街道の除雪作業。人足募集

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●街道の除雪作業。人足募集

『北方のゼシュテル鉄帝国からやってくる寒波の影響により
 アーベンロート領へと至る街道の一部が、雪で埋まってしまいました。
 交易路としても利用されているので、取引にも影響が出始めています。
 どうか、街道の除雪作業にご協力をおねがいします。

 期限:3日
 待遇:報酬に加え、除雪作業期間中は、三食つきの宿(温泉あり)を用意。


                      宿場町ルズベリー
                      商工会一同            』


●銀世界、銀の壁
 救世主の候補として期待される特異運命座標《イレギュラーズ》たちだが、皆が皆、戦闘のプロというわけではない。
 争いを好まず、戦いに身をおかないながらも、できる限りのことをやりたく思っている者もいるのだ。
 そういう点で、『ただの除雪作業』という話は敷居の低い依頼であった。

 水銀によって外気の高さを測る利器あらば、-5℃を示すであろう寒気の中。
 ルズベリー商工会が調達した馬車によって到着した、特異運命座標《イレギュラーズ》が一行である。
 上をみると、雲ひとつない蒼い空が広がっている。
 日差しは、銀世界の銀色に反射してまばゆい。
 風がふいて粉雪が舞い上がる。舞って、蒼い向こう側へと消えていく。
 消えた先はアーベンロート領か。さらにその先のゼシュテルか。
 寒気がピリリと体表を刺してくる。刺されたことで、緊張感が増す。気持ちが引き締まる。
 引き締まったところで、下を見る。
 3mの雪の壁が眉にせまる。
 眉がない者にとっては、視界を埋め尽くすと例えよう。
 なので、逃避するように、もう一度上を見て、蒼穹を愉しむ。
 嗚呼、蒼くて美しい空だ。……

 かくて、依頼を受けて出発した特異運命座標《イレギュラーズ》たちであったが、待っていたのは、3mの白い壁である。
 3mの白い壁が、盛り上がって丘となって向こう側まで続いているのだ!

GMコメント

 Celloskiiです。
 以下、詳細。

●目的
 成功条件:除雪作業を行い、丘(1km先)まで馬車が通れる道をひらく。
 失敗条件:期限3日の間に除雪が完了しなかった場合

●状況
 戦うには十分な広さがあります。
 非戦スキルの天気予報により、快晴が続くことは確定しています
 宿泊によりHPとAPが200ずつ回復します。
 凄まじい持久戦です。

●エネミー
雪の壁(幅5m、奥行き1km、高さ3m)
 A:
 ・凍ったコボルトが出てくる      後述、コボルトが場に現れます
 ・凍ったスライムが出てくる      後述、スライムが場に現れます
 ・凍ったゾンビが出てくる       後述、ゾンビが場に現れます
 ・これ以外にも・・・

 P:
 ・ただの雪    通常スキル以外にも非戦など工夫次第で効率的にダメージを与えることができます。
 ・自然物     自然物です。基本的に何もしません。
          非ダメージ時にアクティブスキルを使用する場合があります。

コボルト
 死んでます

スライム
 最初から【氷漬】【呪縛】【停滞】状態です。
 強さは、イレギュラーズの1/10程度です。

ゾンビ
 最初から【氷漬】【呪縛】【停滞】状態です。
 強さは、イレギュラーズの1/2程度です。


●ギルドローレットからの補助品
 ・塹壕用の長柄スコップ
  硬い雪もなんのその。

 ・ライブ感あふれる長柄スコップ
  血痕が見えますが気のせいです。

 ・アルミ角スコップ
  雪かき向きです

 ・お花のスコップ
  ガーデニング用の小型のかわいいやつです

 ・手打鍛造スコップ
  刃先の焼き入れに、職人の業前を感じます。

 ・軍用スコップ
  軽量で携行しやすい小型で多機能のスコップです

 ・魔法のスコップ
  妖しげな呪文が刻まれ、神攻に優れます。

 ・逆手スコップ
  玄人向けです

  • 街道の除雪作業。人足募集完了
  • GM名Celloskii
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年02月01日 20時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

エンヴィ=グレノール(p3p000051)
ふわふわな嫉妬心
サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
ユウヒ アシガラ(p3p000953)
英雄の刀鍛冶
オクト=S=ゾディアックス(p3p001101)
紅蓮の毒蠍
クレイス(p3p001313)
ポンコツ筋肉
エリク・チャペック(p3p001595)
へっぽこタンク
ユズ(p3p001745)
狼の娘
鵜殿 修理亮(p3p004349)
薪割り侍

リプレイ

●チキチキ除雪作業大会、開会式
 青色の空、白色の雲。練達のマイク。
 マイクである。
 特異運命座標が到着し、馬車を降りると宿場街ルズベリーの商工会らしき人々が集まっていた。
 一人、司会っぽいのが、練達製のマイクと羊皮紙を持っていて『選手入場!』と言った。

「それがし、これほどの雪を見るのは初めてにござる……いや、武者震いが致しますのう!」
 『薪割り侍』鵜殿 修理亮(p3p004349)。
 寒さゆえか本当に武者震いなのかは当人しか知らないだろう、震えを抱えし武者!
 手には塹壕用の長柄スコップを握っているうう!
「初仕事! 初仲間! 初氷点下! 雪初体験! マーと一緒に雪の中を駆け回りたい」
 おおっと! 『狼の娘』ユズ(p3p001745)選手、武者と対照的だ!
 得物はお花のスコップ! 銀色の狼を連れてきている! この状況を楽しんでいるぅああ!?
「雪は遊ぶ分には良いですが、生活がかかっていると大変ですー」
 『動けるタンク』エリク・チャペック(p3p001595)!
 マイペースな感じでやってきた! 3mの雪の壁に怖気が無いのか!?
「驚きの白さ。とか冗談言っている場合ではないですねぃ」
 しかも、まだまだ余裕があるぞー! 得物はアルミ角スコップをチョイスしている! シンプルに攻めてきたーー!
「ふふふふっ。雪中行軍かっ! 楽しくなってき――え。違う? そ、そうか」
 雪を掘るために今日はきた!
 『紅蓮の毒蠍』オクト=S=ゾディアックス(p3p001101)だ!
「元軍人の私が、完璧なる除雪術を披露してやろう! ふふん!」
 露骨なアピールだァァァ! 武器も軍人を露骨にアピールする軍用スコップ! 愛でて良しの逸品だ!
「三日かけての雪かき……こういうお仕事もあるのね……」
 スカートに気を付けて、ふよふよとやってきたのは、『ふわふわな嫉妬心』エンヴィ=グレノール(p3p000051)選手。
「雪かきなんて、殆どした事無いけれど……皆に教えてもらいながら、頑張るわ」
 選んだもの魔法のスコップ! 神秘を帯びた得物! これは勝負の行方が分からない!
「さーて、気張って雪かきして温泉で一杯としゃれこむかね」
 『英雄の刀鍛冶』ユウヒ アシガラ(p3p000953)の目的は、われわれルズベリーの温泉!
 それしかない! ここに見参! 玄人用の一番ネタっぽい逆手スコップと、本物さん向けな手打鍛造スコップを握っているぞー! 職人そのものだ!
 暗殺者のごとく! いつの間に居たのか!? 『隠名の妖精鎌』サイズ(p3p000319)だああ!
 オクト選手と同様に、軍用スコップを選んでいるうううう! 食べて良しの逸品だああああ!!!
「さてと仕事しますか……無一文は勘弁だ」
 人は金で動き、金でつながることを理解している! 我々ルズベリー商工会は心より感動を申し上げるものです!
「固い雪が相手でもマッスルパワーでガンガンいきますヨ!!」
 身長2m以上! 体重150kgくらい! 『ポンコツ筋肉』クレイス(p3p001313)がやる気を出してきた! ライブ感あふれる長柄スコップ! 殺る気満々だあ!

 ここで、宿場街ルズベリーの治安悪化事情に精通している、『警邏長』リカード・ビリンガム氏にお越しいただきました。
『ビリンガムさん、この除雪作業については?』
『いやー、わかりませんね』
『ありがとうございました』
 以上8名による、宿場街ルズベリー主催! チキチキ除雪作業大会の開会です!
『『『わーわーわー!』』』

 隅っこで勝手に盛り上がっていた商工会の目的は、特異運命座標《イレギュラーズ》の顔と名前を一致させることが目的だったらしい。
 満足したのか、希望を託して去った。
 一応、「アイテムを貸してほしい」と交渉した結果の物品だけが残っている。
 ユウヒが交渉したものは、モノがモノだけにルズベリー商工会の会長、石工ギルドの長まで出てきて、うーんうーんと悩んだ末、「やってみよう」という言質までこぎつけた。
 あとは、ただただ、3mの雪の壁だけが立ちふさがっている。
 雪壁は道をゆずる景色もなく立ち尽くすのみ。
「……っくしょおい! あ、ドーモ。鵜殿でござる」
 修理亮は、自然物に対して、古き記の作法をおこなう。


●一日目
 特異運命座標《イレギュラーズ》は作業にとりかかった。
 これは超持久戦ともいえる状況。
 作戦は、1日ごとの作業目標を決定し、全体の三分の一を目指して掘り進む段取りである。
 上側をやる者と下をやる者でわかれる。
「ユズ やる!」
 ユズは白銀の狼《マー》に騎乗し、助走をつけて近場の岩を蹴って跳躍した。
 3mの雪壁の上に着地せり。
 着地した刹那、ズボッと下へ埋まった。
「足に板を付ければ雪の上も歩けそうだけれど……基本は飛びながらの方が良さそうね」
 エンヴィはふよふよと飛行し、埋まったユズを引っ張り上げた。
 下を掘っていた面々の前に、白銀の狼《マー》が雪壁を突き破って顔を出す。出したかと思えばするりと自力で抜け出す。
「ユズ しっぱいしっぱい」
 てへへと笑ったあと、エンヴィにたのんで、そーっとのせて貰うことにした。
 サイズが扱う軍用スコップの先に、コツンと何かがぶつかった。
「ん……?」
 こういうときは、自分自身である大鎌を使うと決していた。
 サイズは鎌が本体である。
 収穫するがごとく大鎌一閃。崩れた雪の先から――
「……!?」
 モロっとコボルトが出てきた。
 2匹。
 犬の頭に毛むくじゃらな身体の、半人半獣の小躯の生き物である。
 2匹のうち1匹は、オクトのお腹の部分に倒れてきた。
「実戦は久し振りだなぁっ! よぉし、やってや――やあああ! おわ!?」
 オクトはたちまち距離をとった。おわって変な声が出た。
 手で口を隠し、サスペンスのように、ふはっと息を吐く。
「し、死んでる……」
 コボルトは動かない。
 一方、サイズに倒れ込んできたコボルトの方は、回避していた。
「仕方ねェさ。冬は厳しい」
 ユウヒは手を止めて頷いた。
 ユウヒはなんまんだぶさまと、コボルトの凍死体を片付けた。
 クレイスは、肉弾パワーでガンガン掘り進む。筋肉がうなる。
「雪かき スキヤキ 腰砕き~」
 途中で、コボルトが出てきたが、それごと砕いている。
 彼の掘ったあとには、変な肉片のようなものがミキシングされている。
 ライブ感あふれるスコップに付着している血痕のようなものが、広がっている気がした。
「何だかカースドな感ジですが、まさかのレジェンドだったりしませんかネ?」
 コボルトミキシングによって、妖刀のごとき趣を増したが、まあ、気のせいだろう。
「オッと、あとでまとめて地面に埋メてしまいマしょう」
 と言う横で、エリクが角スコップで処理した。
「さすがに、これでカマクラは作れませんからねぃ」
 エリクの役割は、仲間の砕いた雪を左右に退けることである。使えない雪の処理も役割だ。
 カースドカマクラ、カースド雪だるまとなって襲いかかられたら困るのだ。
 修理亮はクレイスと横ならびで、前衛を請け負う。
「それがし、しかしこういうのは得意にござる」
 戦闘に用いるような大上段――薪割りのごとき風流にござる。雪壁も木っ端微塵なれば。
 ふと、目の前にゾンビが現れた。
「ドーモ、鵜殿でござる」
『ドーモ、凍死体です。アンブッシュは一回まで』
 思わず挨拶を交わす。
 修理亮は横から雪を取って、ゾンビをまた埋める。
『襤褸は着てても心はにしき~~~』
「だめでござった!」
 雪中から手を伸ばしてくるゾンビ。
 エンヴィが動く。
 超聴覚で魔物を探知して味方に知らせようと考えていたが、かのゾンビは微動にしていなかったとあやしまれる。
 しかして、聴覚は確かに働いた。
 先手。銃身の先から放つ魔弾の術式。術式の魔弾はゾンビの頭部を吹っ飛ばした。クリティカルである。
『襤褸は着てても心はにし……』
「錦……?」
 順調に掘り進む。
 向こう側に向かって。
 オクトのサバイバル知識。サイズの自然知識。飛行によって上を崩すエンヴィ。同じく上を崩すユズ。
 クレイスの肉弾パワー。エリクのサポート。持久力に優れる修理亮。
 ユウヒは、ルズベリー商工会のサポートのもと、最終兵器を準備中なので無難な行動にとどまる。
 自然物に対する知識。壁が3mあることに対しての策。対魔物用の技術の中でも気力を消耗しないもの。
 すべてが順調に働き、前倒しペースと見積もられた。
 時々、エリクがつくったカマクラで休む。
 休んだら再開。
 日が沈む時分にはノルマを達成し、雪だるまを作る余裕まであった。
 雪玉をつくって雪合戦を興じる。雪で戯れたのち、疲れた身体を休めるべく宿へと帰る。


●二日目
 想定外の事態が発生した。
 意外! それは、雪の硬化!
 雪が降ると、雪は一日目はかき氷のごとし。かき氷も溶ければ水となる。
 水は隙間を埋める。
 低気温でまた固まると、氷になるからだ。
「くっ! 私がこんなところでっ!」
 オクトをはじめ、硬めのスコップを選んだ者が、果敢に白亜の壁へと立ち向かう。
 ここで、サイズが夜の内にスコップを修理していた点が有効に働いた。
「良かった。通用しなくなると、依頼に支障をきたしそうだからね」
 鉄製など、研磨できるものは研磨し、グリップは締め直す、あるいは別のものに交換。
 結果、スコップの先端が、硬化した雪にも食い込んだ。
 一日目よりはスピードダウンだが、致命的なほどではない。
「!? スライム」
 凍ったスライムがモロっと出てきた。
 遠術――サイズがあつかうならば、斬撃を付与する術と形容できる――で割っておく。
 前方でクレイスが肉弾パワーで掘り進んでいる際に、ついでにスライムも殺っている。
 スライムミキシング雪は、エリクが角スコップで運んでいく。
「オーガ……!?」
 ある地点でエンヴィが言った。
 超聴覚が捉えた、コボルト、スライム、ゾンビ以外の存在。
 音が反響して巨体と察せられ、可能性がある存在は――幻想ならばオーガだ。
「オーガ? ユズ しってる! でっかい! つよい!」
「え? 雪中からオーガ!? ひ、ひえー!」
 ユズはよろこぶ。修理亮は武者震いが止まらない!
 雪の壁の中から、3m近くあろうオーガが窓破りのごとく飛びだしてきた。
「オーク!? くっ殺……なんだオーガか」
 オクトはゼシュテル鉄帝国の出身だ。オーガなんぞより屈強な連中を知っている。
 面々を見渡し、倒せると判断す。
「雪かきなのに、冒険みたいになってきたですねぃ!」
 エリクの盾がオーガの向こうずねを打つ。
 ふらついたオーガが、エリクを捕らえんとして手を伸ばしてきた。
「行動不能者が出ては作戦も温泉も台無シです。安全第一でイき――逝かせてくれよう粛々と」
 クレイスが逆にオーガの手をつかんだ。
 眼光を赤色に。何かキャラが変わってるのは、ライブ感あふれるスコップを使い続け、ミキシングなどの贄を捧げ続けたせいだろう。
 クレイス(狂)とオーガの手四つの力比べが始まった。
 修理亮は武者震いをしながらも、名乗りを上げる。
「遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ!
 我こそは武蔵国は橘樹郡に響き聞こえし薪割りの士、その名も鵜殿修理亮藤原長茂!
 我と思わん者は、いざ参れ!」
 この声によって、オーガの目は修理亮へ向く。
 銃声が二つ。
 後衛へと位置を取ったオクトとエンヴィが、すかさずオーガを撃ち、硝煙をくゆらせる。
「マー!」
 ユズはマーに騎乗して、雪壁の上を走り、オーガを翻弄しながら蹴る殴るなどの暴行をくわえる。
「ちょいやっさ!」
 ユウヒは、手打ち鍛造スコップを握りこんだ拳で、オーガの腹部を打つ。
「ゾンビとか鎌で斬りたくないですが……オーガなら」
 サイズの斬撃が――収穫するような斬撃が、オーガの首の動脈を狙って斬り進む。
 突如として現れたオーガであったが、戦いは一方的に特異運命座標が優勢だった。
 オーガの豪腕が場を薙いでくることもあったが、クレイス(狂)と修理亮は存外にタフである。
 エリクがオーガの胸部を剣で貫き、剣の柄をシールドバッシュで押し込む。
 オクトの鉛玉がエリクの剣を打って、剣をより深くに押し込む。これが心の臓を貫いた。
 ほぼ同時にエンヴィの弾丸がオーガのこめかみを貫く。
 また、ユズがぶん殴る。サイズの斬撃が頭部を収穫。頭部はぽーんと向こう側に飛んでいった。
 かくて、上からも下からも、致命的な攻撃が集中し、オーガはあっさり絶命した。

「これは、間に合わないですねぃ」
 エリクが言った。
 絶望が広がった。
 夜になっても、ノルマの3/4地点。今日はもう少し頑張れば達成できるだろう。
 二日目の雪を甘く見たわけではない。ないが、三日目の雪壁は、もっと防御を高めていると怪しまれた。
 三日目にさしかかろうとした時間で、ルズベリー商工会の使いがやってきた。
「これを使え! 特異運命座標《イレギュラーズ》!」
 絶望を象徴する白亜の壁。
 立ち向かう特異運命座標に託される、小市民たちの想い。
 それは『魔術蒸気機関パワーショベル小型』であった。
 南部の練達に近い『とある村』から、北のアーベントロート領に運ばれる予定だった品を、借りることに成功したらしい。資金潤沢なルズベリーだからこそだ。
「勝ったな」
 とオクトがつぶやく。
「ああ……」
 とクレイス(狂)が言った。
 二日目から夜にかけ、三日目へ至る。
 ユズとマーのコンビネーションがさえる。
 クレイス(狂)のライブ感あふれるスコップと筋肉がうなる。
 修理亮の掘り進む持久力もうなる。
 エンヴィは空中戦。雪をめくったら、上向きに顔を出しているゾンビが出てきて変な声が出た。
 オクトとエリクが雪を脇に固め、スコップの故障には、サイズが応急処置でおぎなう。
 ユウヒが「ある~日~ 雪のなか~ クマさんが~ ゆきかき~」と呑気な唄を歌いながらパワーショベルでゴリゴリ行く。
 やがて――三日目の昼には、丘の上に立っていた。


●宿場街ルズベリー 温泉宿
 カポーンと音が鳴ったような気がした。
 サイズは性別の概念がないため、どちらへ行くか窮したが、男女無と3つあった点に、この町のスキのなさを感じた。
「独り占めみたいですね」
 ふ~と嘆息。本体である鎌をしっかり洗える。気後れじみたものもさっぱり忘れて、疲れを癒やす。
 女湯。
「温泉なんて何時ぶりだろうかっ。あぁ~~~」
 と、オクトは湯船の中でとろけた。
「……オクトさん、本当良いスタイルしてるわ……妬ましいわ」
 エンヴィは尾っぽをぺちぺちさせながら、ぶくぶくと顔半分を湯船に沈ませる。
 どことは言わないがオクトの特定部位は、湯船に浮いているのだから、そういう感想も出てくるものだ。
「ユズ 女風呂でロマン!」
 誰の入れ知恵か、混浴はロマンだと「大人の男の人達」が言ってたことを真に受けたユズ。きゃっきゃとロマンを堪能す。マーも一緒だ。広い風呂は気分が高揚する。
 男湯。
「大きナお風呂に大はしャぎ! 飛び込んじゃッたりしますヨ!!」
 クレイスは狂化が解けて、いつもどおりに戻っていた。ワーイ! と大きな湯船に飛び込んだ。
 ざぶん。
「男、修理亮、いざ参る!」
 ざぶん!
「あー、たまらんでござる」
 修理亮は箱根の湯を思い出しながら嘆息した。
「身体の芯まで温まる、というのもあながち比喩ではないですねぃ」
 エリクが浸かっていると、外のほうで荷馬車の喧噪が聞えてくる。昼も夜も商人は大変そうだと感じた。
「雪は遊ぶ分には良いですが、生活がかかっていると大変ですー」
 三日前と同じ感想がふと出てきた。
「雪景色に露天風呂とくりゃあ、お盆を浮かべてお酒を一献と決まってるってぇもんよ」
 ユウヒは湯船に盆を浮かべて一杯やっている。
 酒で内から、温泉で外から暖まる。かくべつな境地、喉の奥から熱気を帯びた息がのぼってくる。
「かは~。んまい」
 温泉、水滑らかにして、凝脂を洗う。
 この後は暖炉の部屋で、豪華な料理が待っている。
 野天に雪がチラチラと降りゆく景。
 冬はまだまだ深い。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 Celloskiiです。
 OPに書いてない雪の硬化は、ほぼ演出です。
 パワーショベルを借りられるかどうかの判定は、交渉系の補正無しで、かなり厳しめでした。
 お疲れ様でした。

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