再現性東京2010：病の影差す

オープニング

●再現性東京2010：病の影差す
　練達の一区画に存在する『再現性東京』。
　更にその一区画である『希望ヶ浜』地域も一つの街であり、学校や警察署、工場や公園など……棲まう人々が極々普通に生活出来るような施設が建てられている。
　……そんな施設の一つ、『希望ヶ浜』地域の端っこ辺り。
　人々の病を治すための病院があったのだが……何故かは分からないが潰れてしまい、今となっては『病院の姿が朽ちた』建物と化している。
　……そんな病院の中から、深夜、丑三つ時に聞こえてくるのは。
『うぅぅ……たす……けてぇ……』
『苦しい……くるしぃぃ……』
　……そんな亡者の呻き声。
　真実かどうかは分からないが、その様な声を聞いたという噂話は瞬く間に希望ヶ浜地域にも広まっていく。
　そして。
『ねぇ、こーんな話し聞いた事ある？　街の境界線にある病院から、死んだ女の子の悲鳴が聞こえるって……』
『あー、聞いた事あるー。何だろうねー、怖いけど……面白そうかなー？』
『でしょでしょ！　もうすぐ皆卒業だしさー、折角だしみんなで一緒に行こーよ！！』
『おもしろそー！　行く行くーー！！』
　……と、そんな会話を交わしているのは、希望ヶ浜地域の高校に通う女子高生たち。
　もうすぐ卒業の高校三年生たちは、そんな噂話を思い出作りと勘違いし、深夜の病院へと行こうしていた……。

●
「あ、おーいみんなー！！　こっちこっちー！！」
　イレギュラーズの集まる『カフェ・ローレット』にて、綾敷・なじみが気さくに君へ声を掛け、ちょっと人気の無い方へと誘う。
　こういう時は、決まって依頼の話だと理解為ている君達は、仕方ないなぁ……と、それについていく。
　そしてみんなが集まった所で、改めて。
「えーっとね、今日皆に集まって貰ったのはさ、また怪談話に誘われた女子高生たちがいてね、それを助けてきて欲しいって訳なんだ」
　と言いつつ、彼女がその手に取りだしたのは、寂れた病院の外観。
　2階建ての、いわゆる地方病院の様なこじんまりとした病院だが、建物の周りに蔦が絡みつき、不気味な雰囲気がとても漂っている。
　……そんな病院に何故女子高生が……という事はあるが。
「どうやら最近、この廃病院の中に『悪性怪異：夜妖＜ヨル＞』が現れちゃったみたいなんだ。そしてこの夜妖達は、苦しみの声を上げる事で、無防備に近づいてきた人を食らおうと言う魂胆の様なんだよね」
「そんな苦しみの声が最近この希望ヶ浜に噂話として流れる様になって、それを面白可笑しく受け取った女子高生達が、深夜の刻に潜入してみよう……って発展してきちゃったみたいなんだ」
「このままだと、無防備な女子高生達が夜妖達に喰らわれるだけになっちゃう。そこにみんなの出番、って訳なんだよ1」
　そしてなじみは。
「夜妖達を倒せば、取りあえずの危険もなくなるし、声が聞こえなくなれば噂話も自然と立ち消えになると思う。だからこそ今の内に対処しておくのが重要なんだ。宜しく頼むね！」
　と、ニコッとイレギュラーズ達に微笑むのであった。

参加者 : 8 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（8人）

リプレイ

●亡きし声
　練達の一区画『再現性東京』の『希望ヶ浜』地域。
　ここには様々な施設があり、そこに棲まう人々がごくごく普通に生活出来るような施設が多く建てられている。
　そんな施設の一つ……人々の健康を守るはずの施設である『病院』に、死に苦しみ続ける夜妖達が現れた……という依頼を受けたイレギュラーズ。
「本物が出る場所に肝試しとは、なかなか面倒なことをしてくれるね……」
「そうだな。廃病院で肝試しとは……怖い物知らず……というよりは、現実に何か起こると思っていないのだろうな」
「ああ、今回の仕事は廃病院に湧き出る夜妖を倒す事、と……そして間の悪いことに、学生達が肝試しに来ているらしいな……」
　『特異運命座標』レべリオ（p3p009385）と『艶武神楽』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル（p3p008017）の言葉に、『仁義桜紋』亘理 義弘（p3p000398）が肩をすくめて、空を見上げる。
　そんな義弘の言葉に、同じく溜息を吐くのは『神は許さなくても私が許そう』白夜 希（p3p009099）と『鏡面の妖怪』水月・鏡禍（p3p008354）、『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈（p3p002831）の三人も。
「ん……希望ヶ浜の子って、好奇心旺盛というか……後先顧みぬというか……」
「そうですね、ありがちな怪談、といった感じでしょうか？　それ故に人は惹かれやすいというのも、話される側だった僕にはわかるのが難しいところですが」
「ああ、し好奇心が殺すのは猫だけではない、という事だな。年頃故の無謀とでも言うべきか……やれやれだ」
　イレギュラーズ達がぼやく通り、今回の廃病院には近くの高校の女子高生達が、怖い物見たさでやってくる、とのなじみの言葉。
「これが怖いもの見たさ、ってやつか。私にはその考えがわっかんねーな」
　と『全国大会優勝』影縫・纏（p3p009426）が小首を傾げ、それに『テスト対策中』糸色 月夜（p3p009451）も。
「ああ……同じ高校生として情けねぇ……噂好きのバカな女子高生なンてありふれたもンだが、実際に確かめに行くバカはもっと救えねェ」
「そうだよな。何事もなく平穏な生活が送れているならそれで充分幸せだろ？　自分から必要でもないのに危険な場所に脚を伸ばすなんて正気とは思えないな……私と代わってほしい……なんてな」
　苦笑する纏、そして鏡禍が。
「……まぁ、夜妖というのも、最初は仲間意識がありましたけど、ここまで見慣れてくると『やりすぎ厳禁ですよ！』という気持ちになって来ますね……ともあれ、さっくりと退治していきたいところですね」
　と、仲間達を促すと。
「ま、いっか……来ちゃったものは仕方ない……依頼だ、助けよう……」
「そうだな。今日は運が良かったが、次回はもう誰も助けにこねーかもしれねェのによ。ヒーローのまねごとなンざゴメンだぜ」
　希がうんざりとした風に言い、月夜も軽く舌打ちしながら吐き捨てる。
　そしてブレンダと義弘も。
「何も知らずにいた方が幸せだったろうが……仕方ねえな」
「そうだな……勿論、死なせる訳にもいかねえ。ここは俺達の事を隠さにゃならないから厄介だが……対処するとしよう」
　それに纏、レベリオも。
「ま、どんな事情だろうと、私のやる事に変わりは無いな。夜妖は滅ぼす。危険に飛び込もうとする奴がいようといまいと関係無い。それで守れるものがあることを、私は知って居る。噂話は噂話、何も出なかった……そんな退屈なエンディングが私は大好きだからよ」
「そうだな。一度怖い目に逢った方が良いかもしれないが、これも仕事だ。けが人が出る前にさっさと済ませるようにしよう」
　と、各々の覚悟を決めると共に、イレギュラーズ達は潰れし廃病院へと急ぐのであった。

●刺激する事
　そしてイレギュラーズ達は、廃病院の入口に到着。
「さて、と……取りあえず女子高生は、と……」
　周りを見渡すレベリオ……すると。
『あはは！　こっわいわねー！』
『そうねー。でもまー、大丈夫でしょ！』
　こんな怖い場所なのに、友人達と笑い合うその精神はすさまじい……の一言。
　いや、彼女達からすれば、友人達と居るからこそ気が大きくなっている、と言える。
　そんな女子高生達の声に汰磨羈が。
「どうやら中に居る様だな……しかし臆さぬ彼女達はすごいものだな」
「ああ。取りあえず速効で女子高生達の対応をするとしようか」
　汰磨羈とレベリオの言葉に義弘が。
「俺はヤクザだからよ、脅かしてやりゃいいとも思ったが、娘らのその後の行動が解らなくなるからよ」
「そうか、解った。ではここから先は御主の出番だな。私は見つからぬ位置からサポートするので、よろしく頼む」
「了解だ」
　とレベリオが頷き、汰磨羈はレベリオを背負い急行。
　受付に居た女子高生達の下へ、入口から突入すると共に。
「君達、そこで何をしている！」
　と、強い口調で言い放つ。
『え！？　な、何々！？』
『お、驚いたぁ……もう、何なのよー！！』
　と、不平不満の声を上げる女子高生達。
　彼女の前に立つレベリオの服装は、取りあえずどこかで借りてきた警備服と警備棒。簡単に言えば……警備員の格好。
「俺はこの病院の管理を請け負っている警備会社の者だ。君達の様に怪談話だとかで勝手に不法侵入してくる者達が最近多くてな、俺の会社で請け負っているんだ」
『えー。何それー。だって廃病院なんでしょー？　もう捨てられた所なんでしょー？』
「だから君達の様な人がたくさん来ていて困っているのだ。さぁ、帰った帰った！　……帰らなきゃ、君達の就職や進学に響く事になるぞ？　管理権限の下、君達を不法侵入として、逮捕する事も出来るぞ！」
　敢えて強い口調で言い放つレベリオ。
『あー、もう……仕方ないなぁ……。つまらないなぁー……』
『でもさぁ、進学に響くとか、それは困るしぃ……ねぇ』
　等と言いながら、互いに相談し……ぶーぶー言いながら、帰路へとつく。
　……そんな女子高生達の後ろ姿に、ブレンダが。
「しかし肝試し、というのもよくわからんな……何か出てきたら斬ればいいだけだろうに」
　と、失望の溜息を吐くと、それに希と鏡禍が。
「取りあえず、女子高生達が戻ってくる前に、分担して敵を始末しないと……もし、どこかから来たら、力尽くで引き離すしかない、かな」
「そうですね……」
　そして……女子高生達に、隠れていた汰磨羈と、彼女の黒猫で追跡。
　勿論レベリオは入口で警備するように立つ事で……入口から女子高生達が入らないように待機。
　汰磨羈とレベリオが女子高生の追跡をしている中、他のイレギュラーズ達が次々と潜入。
　取りあえず受付に足を踏み入れ、鏡禍がエネミーサーチを発動。
「明らかに敵意を感じますね……まぁ、この中に居る事は解っていますから、当然ですけれど」
　……そして侵入したイレギュラーズ達は、まずはカンテラの灯りを灯し、各々の超聴力と聞き耳を立てて侵攻。すると……ウゥゥ、と呻き声を上げながら、姿を現わす夜妖達。
　目の当たりにした月夜は、取りあえず霊魂疎通を使い、ここで何があったのかを訪ねてみるが……。
『ウグゥゥゥ……』
　と苦悶の言葉を上げる。
　そんな夜妖達の声へ月夜は。
「……まァ、想像に難くねェ状況だがなァ……殺られたンだろ？　だまされたかヤブ医者によ。ま……運がなかったな。中途半端に生きてねェでよ、せいぜい俺の餌になって、今度こそちゃんと死ね。言いたい事があるなら聴いてやる。叶えてやるかは、俺様次第だがなァ！」
　と辛辣に言い放つ月夜。
「取りあえず、まずはこの者達を全て仕留めるとしよう」
　と義弘が前進し、敵の真っ正面へ。
「さぁ、それじゃ行くぞ。躊躇している暇はねえ」
　と義弘が、スーサイドブラックの一撃をまずは放つと、それに連携する様にブレンダも修羅媛の狂詩曲にて、小剣を投擲し、目前の敵へ怒りを付与する。
　そして、月夜が。
「俺は戦闘と食事を同一にしている化け物だ、吸血鬼っつーなァ。例えヨルどもが、血液なンざ無くても関係ねェ。喰わせてもらうぜその命」
　と、血蛭が敵へとくっつかせる。
　そして、後衛の希と纏二人は、仲間達の後ろから神気閃光と、マジックミサイルをそれぞれ放つ事で敵陣を攻撃。
　一方夜妖のアンデッド達は……。
『ウゥゥ……！！』
　全く人語を解さず、老婆と脚を引き摺る男のアンデッド二体が、イレギュラーズに向けて前へ前へと進み、その首に手を掛け締め付ける窒息の攻撃。
　更にもう一方の敵は、不安定な足元ながらも杖をぐるんぐるんと振り回して反抗してくる。
　……でも、夜妖二体に対して、イレギュラーズは６人。
　容赦なく早々に仕留めることで、まずは受付近くを早々にクリアリングする。
　そして、受付の脇には、二階と地下に伸びる階段を発見。
「良し。それじゃァ俺達は二階だな。診察室がある一回が怪しいと思うからよォ、そっちも注意してくれよなァ」
「ええ、わかりました」
　月夜に鏡禍が頷き、そこからは二手に分かれるイレギュラーズ。
　地下へと向かったブレンダ、月夜、纏の三人は、所謂霊安室に向けて進む。
　扉を開くと、うち捨てられたベッドが並ぶ空間。
　……そして、その空間に。
『アアアアア……！！』
　と、絶叫と共に、ベッドの鉄パイプを持って、次々と襲い掛かる夜妖が４人。
「来たな……！」
　と素早くブレンダが声を上げ、纏を背にして対峙。
　仕掛けてくる敵の攻撃を、左へ、右へと躱しつつ。
「面倒な手合いだが、搦手ばかりではなぁ！」
　と言い捨てながら、敵の恨み言の呪い声に対して愛女神の交響曲でバッドステータスを副行動で吹き飛ばしながら、戦乙女の輪舞曲にて斬り捨てる。
　更には月夜も、攻撃してきた敵へ。
「後悔して死ね、オマエなンざ俺に喰う価値もねェ。ただ無様に臓物を撒き散らしておけ」
　と月夜が無慈悲な言葉と共に血蛭を放つ。
　そして、射線確保出来れば魔砲を放ち、まとめて襲い掛かる敵を、次々と仕留めていく。
　攻撃の音が、１階の方、さらには外の方まで響いてくる……勿論それに気付いた汰磨羈とレベリオ。
　……そして、どうやら帰り道に着いていた女子高生達も。
『……ねぇ、あの音……何かやっぱ病院内で起こってなーい？』
『そうだよねぇ……でも、あの警備員の人、怖そうだしぃ……』
『うん。それじゃー……そうだ、窓から見る分にはいいんじゃね？』
『ん、警備員一人だし、逆から回り込めば万事解決じゃん！　遠くを回り込めば、ＯＫでしょー！』
　……まだまだ好奇心は失っていない様で、どうにかして近づけないかを画策する。
　勿論、黒猫と共に追跡していた汰磨羈にも、その話が聞こえてくるわけで。
「……皆、どうやら女子高生達がまた行こうと画策している様だ。裏口の方にも警戒を向けてくれ」
　とaPhone経由し、仲間達に伝達。
　その伝達を受けて、１Ｆのイレギュラーズ達は、まずは１Ｆ制覇を目指して進む。
　……そうすると、診察室やスキャン室の辺りから続々と、夜妖達が出現。
「みんな……こっちだよ」
　と鏡禍が名乗り口上で敵陣を惹きつけ、近づいてきた敵を義弘が戦鬼暴風陣で攻撃。
　そして希もカンテラを翳して、敵を光の視界に収めつつ攻撃。
　……と、その光の中に、白衣を着た夜妖も発見。
「やっぱり医者はここにいたか。ボスが早々に出てくるとは……楽でいい」
　と義弘は低く笑う。
　それに医者は。
『ククク……！！』
　かろうじて人語で笑い、その手のメスを投げ放つ。
　そんな敵の投擲に希が。
「医者、じゃない、夜妖か……メスは投げるものじゃない……ヤブ医者め」
　と辛辣に告げつつ、仲間を死神の指で回復。
　加えて鏡禍もバックハンドブロウで、前に出てきた夜妖へ渾身の一撃を放つ。
　そして、そんなイレギュラーズ達の攻撃の振動が２階にも響き……それに誘われるよう、２階の夜妖達も、ゆっくり、ゆっくりと降りてくる。
　……そして、段々と近づく女子高生と、それをマークする汰磨羈。
　女子高生達が裏手の方へ回り込み、扉に入ろうとした所で……割り込むレベリオと、汰磨羈。
『キャァア！！』
　突然割り込まれて、叫び声を上げる彼女達。
　一度ならず、二度驚かされ……もう精神的にはかなり弱々しくなっていた様で、その場に座り込んでしまう。
　完全に気持ちを砕かれ、その場に座り込んだ彼女達を汰磨羈とレベリオが守護。
　そして、霊安室で戦っていた仲間達も、地下の夜妖を全て倒し……２階から来る夜妖達を強襲。
　……そして医者の夜妖は。
「オマエが原因かは知らんが、ここでさっさと倒させてもらう！」
　と、ブレンダが叫び注意を惹きつけつつ、義弘、鏡禍、纏が軸になり猛襲し……医者を仕留める。
　そして、医者を仕留めた後に残る夜妖は、イレギュラーズ達が前後をそれぞれ包囲。
　纏がマジックミサイルに、ブレンダの愛女神の交響曲、そして義弘の戦鬼暴風陣が次々と決まり……全ての夜妖が崩れ墜ちて行った。

●安らぎを与え
　そして……全ての夜妖達を倒し切ったイレギュラーズ。
「ふぅ……」
　静かに息を吐く、鏡禍。
　そして視線を、病院の入口の窓に向ける……と、彼の姿は、そこには映っていない。
　それに鏡禍は。
「そうですね……なんだかんだ言っても、僕もやっぱり夜妖と同族意識は抜けきらないんですよね……」
　と、少し寂しげに笑う。
　……その一方で、舞い戻ってきてしまった女子高生達は、レベリオの前で。
『うっ……うぇぇーーーん……！！』
『な、何なのよぉ……こんなの、聞いてないわよぉ……！！』
　と、わんわんと泣き喚き、座り込んでいた。
　……そんな女子高生達へ、しゃがんで視線を合わせるようにしながら。
「まぁ、生きてて良かったじゃねェか……俺達が来なければ、そのまま死んでたはずだぜェ？」
「そうだぞ。君達、思いで作りもいいが、許可無く入ったら不法侵入だぞ？　この警備員が言わなかったか？」
　月夜と汰磨羈の諫める言葉に対し、彼女は。
『い、言われたけどぉ……でもぉ、こんな怖い目に逢うだなんて、知らないわよぉ……！！』
『そうよそうよぉ！！　ぐすっ……ひ、酷いよぉ……』
　堰を切ったように泣き続ける女子高生達。
　そんな女子高生達へ、更に月夜はニヤリ、と笑いながら。
「まぁ、アンタ達がどこの高校の小娘かしらねェが、噂好きも大概にしろよ？　軽率に深淵に近づくな。これは忠告だ……！」
　と、思いっきりびびらせるように宣言、そしてブレンダが。
「……取りあえず、ここは立ち入り禁止だ。さぁ、帰ろう」
　手を差し出して、彼女達を誘導し……帰らせる。
　……そんな彼女達の後ろ姿を見送りながら、汰磨羈が。
「全く、傍迷惑極まれりだな……ここはＢ級ホラー話が元にでもなったのか？」
　首を傾げると。
「……どうだろう？　とにかく……再現性東京で、色々と夜妖が出て居るみたいだし……噂話から作り上げられた存在……なのかも？」
「そうだな……噂話がある限り、夜妖が現れ続けるのかもしれないな……それを一つ一つ対処していく他に無い、という事だな」
　希と汰磨羈の会話に、周りの仲間達も溜息一つ。
　ともあれ、女子高生達は五体満足で返せたので、後は……この廃病院の後始末。
「取りあえず、もう一度回るか。何もなければ、それでお仕舞いだ」
「そうだな……」
　義弘に纏も頷き、そしてイレギュラーズは再度廃病院を確認。
　他に、特に夜妖が姿を現わさない事を確認し、帰路へとつくのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

再現性東京シナリオ参加いただき、ありがとうございます！
今回は女子高生の足手まといが居るという構成でしたが、彼女達のマークがしっかりしていたので……精神的にトラウマは受けたかもですが、一応無事だった様です。
彼女達の様な子がこれから先も居るとなると……なかなか頭が痛い話ですね……
。
何にせよ、子供の無邪気さが命に触らない様、これからもよろしくお願いします……！