シナリオ詳細
ふんわり甘いパン作り
完了
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オープニング
●この世界はバレンタイン
2月に入ると、女性たちはそわそわし始める。
今年はどこのチョコに買おうか。それとも自分で作る?
自分用にちょっとお高めの買っちゃおうかな。あげるのは……手作りって言いたいけど不器用だからやっぱり市販ので。
そう言えば、今年はパン屋でバレンタインやるみたいだよ。
え、なにそれどういう事?
用意してあるパン生地に、好きなクリーム包んで好きにデコレーションして焼くんだって。
バレンタインのチョコ作ってみたいけど、チョコ作りは恥ずかしい人向けみたい。
へぇ、面白そうだね。どこのパン屋?
賑やかに話す二人が見に行ったのは木目を生かした素朴な雰囲気のパン屋。
ドアを開けるとふんわりパンの焼ける良い匂い。
「いらっしゃい。今月のお勧めはチョコ系よ」
ふんわり柔らかな女性が笑いながらお勧めを教えてくれる。
「バレンタインのパン作り? えぇ、今らからでも出来ますよ」
用意してある生地に好きなクリームや餡、フィリングを包んで、好きにデコレーションして焼く。
焼き立てを食べるも良し。持ち帰って、チョコを渡すには恥ずかしい、思いを寄せる人にパン作ってみたんだ。と渡すも良し。
勿論奥で今もパンを焼く店主が焼いたパンを食べるのも良し。
ふんわり甘いパンに囲まれて、のんびりした一時を過ごしてみては?
●あなたの過ごし方
「もうすぐグラオクローネでしょ? この世界ではバレンタインっていうんだけど、パン屋さんでチョコ作りはどうかな?」
小さく首を傾げると、フェリーチェは焼き立てパンについて話し始めた。
焼き立てのパンを割れば、中のチョコクリームがトロリととろける。
ふかふかのパンとトロリとしたクリームを一緒の頬張ればその美味しさに自然と笑みが零れる。
包む系じゃなくて混ぜ込んだ奴も良いし、甘いの苦手な人には手作り総菜パンをプレゼントしたら色んな意味でびっくりされるかもしれない。
「私は包む系作ってみるんだ。焼いてる間はココアとパンでのんびりする予定だよ」
ただフェリーチェが焼き立てパン食べたいだけじゃないのか? と思ったが、焼き立てパンの魅力は強かった。
- ふんわり甘いパン作り完了
- NM名ゆーき
- 種別ラリー(LN)
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年02月24日 18時10分
- 章数1章
- 総採用数7人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
それは、雨紅にとって初めてだらけの事だった。
初めての、大切な人に甘いチョコレートを渡すイベント。
大切な人と言われて思い浮かぶのは、雨紅の舞で笑顔になった人達か、それとも――。
ほろ苦くなった胸の内を振り払うように赤い唇が笑みを浮かべる。
「本日はパン作りをしたいな、と。自分で出来たてを食べてみたいです」
ふんわりと甘く優しい味のパンは食べた人を笑顔にしてくれる。そんなパンを、雨紅も作ってみたかった。
「パン作りは初めて?」
「初です。食べることは多かったですが。ええ、なので、うまくいくか不安で、でもそれ以上にワクワクしてるんです」
店員の言葉に仮面の奥の赤い目がキラキラと輝く。
「なら大丈夫。美味しいパンを作るコツは、作る時に楽しむことだから」
初めてのパン作りはワクワクとドキドキ。
中に入れるのはチョコクリームと板状のチョコ。食べた時にパキパキした食感も楽しみたい。
見た目はテディベア型のチョコをイメージして、クマの頭みたいな形に。
「可愛いバランスにするのは難しいですね」
雨紅の目の前にはふっくら焼けた、だけど目と目が離れて愛嬌のある顔立ちになったクマチョコパン。
「でも、調理の苦労も楽しさも知ることが出来たと思います。あと、できたてのパンの美味しさも」
早速焼き立てを齧ると、ふんわり軽い食感ととろりと蕩けるチョコクリームに頬が緩む。
パキパキ食感は、もう少し冷めてからのお楽しみ。
成否
成功
第1章 第2節
「パンだ! 私パン大好きだよー!」
灰色の目を輝かせてアリアが並んでいるパンを見る。
ふっくらつやつや。どれも私を食べてと訴えているが、アリアは決死の思いでそれを振り払う。今日の目的はパンを作ることなのだから!
「美味しく出来たらび……あの子の分も作って持って行きたいなあ」
ログハウスで待っているあの子は、アリアが焼いたパンを見せたらどんな表情をするだろうか。
「作るのはクロワッサン! 中にチョコレートの芯を入れたものが大好きなんだ!」
アリアの大好きを沢山乗せて、クロワッサン生地でチョコレートの芯を巻いて行く。
くるくるくるくる。大好きの数だけ増えていくチョコクロワッサン。
ビターにミルク、ホワイトイチゴ。
鉄板の上に乗せた生地の上に溶き卵を塗って
「で~きた!」
あとは熟練の技にお任せだ!
開けたオーブンから漂う良い香りに、アリアはついうっとり。
「う~んいい香り! パンの香りってお腹空いてくるよね!」
お腹が鳴ったのは少し恥ずかしいけど、美味しい物を目の前にしているから仕方ない。
焼けたら少し冷まして、一個味見という名のつまみ食い!
「う~ん、オイシイ!」
会心の出来だと頷くと、早速持って帰って一緒に食べるためにラッピング。
「えへへ、楽しみだなあ」
笑って食べてくれるかな。おいしいって言ってくれると嬉しいな。
二人並んで笑顔で食べる光景を想像しながら、もう一つ味見で食べるアリアだった。
成否
成功
第1章 第3節
ドアを開ければベルの音と共に広がるパンの香り。
「わぁ、いい香り……」
前髪に隠れて見えないけれど、きっとドゥーの瞳はアメジストのようにキラキラしているに違いない。
木製テーブルの上に並んだパンはどれもふんわり良い匂い。
「凄く、ワクワクする。俺もパンを作ってみようかな」
最近は料理の腕も上がったし、きっと上手に出来るはず。
「中にいれるの、いっぱいだ」
餡子やクリーム系もあるけど、ドゥーが選んだのはチョコ。選んだ理由はシンプルに美味しそうだと思ったから。
だけどそれは大事な理由。美味しいものを食べたいという思いは、人を動かすとても強い力なのだから。
作り方は中にチョコを包むだけ。だからこそ生地とチョコのバランスで好みが出る。
生地は少し甘めにして、中に仕込むのはビターチョコにしてみようかな?
オレンジピールなんかも一緒に仕込んでみるといいかも。
組み合わせを考え材料を包むドゥーの口元は、柔らかな笑みを描いていた。
まあるく丸めたチョコパンは、オレンジピールやナッツも入って食べて美味しく楽しい仕上がり。
味見をしたら、友達に渡すためにラッピング用の袋に入れて貰う。
(誰かに作ったものを振る舞えるのは嬉しいな)
帰ったらパンに合うお茶を用意して、友達と一緒にバレンタインのお茶会なんて良いかもしれない。
パン作りにお茶会に、友達の笑顔と出来ることが増える喜びいっぱいの甘い時間が過ごせそうだ。
成否
成功
第1章 第4節
美月は燃えていた。
「ぱん? を作れると聞いたのじゃ! ふかふかでウマウマなパンを妾もつくろうぞ!」
目指すはふかウマ! パン職人美月の腕が鳴る!
パン職人美月の仕事は中身の選定から始まる。
「ここは無難にちょこれぇと……いや、あんこも……かすたぁども捨てがたいのう」
目の前にはつやつやのクリームたち。どれも美月を魅了して止まない。
「……店主よ。生地をこう……小分けにして小さなパンをいろんな味でつくりたいのじゃが……ありかのう?」
勿論可能だ。色んな味が楽しめて、大人から子供まで大喜びだろう。
OKを貰った美月は、嬉々としてチョコレート、餡子、カスタードの三色パンを作り始めた。
使い込まれたオーブンをそっと覗き込む美月。彼女の紅玉と青玉の瞳はオーブンの中でふっくら膨らんでいくパンに夢中だ。
「ふわふわの甘い香りがたまらんのう……。お茶でも飲んでのんびり待つのじゃ」
ドキドキそわそわ。焼きあがるまで何度もオーブンを覗き込む美月だった。
狐色に焼きあがったパン。それを前に美月は悩んでいた。
会心の出来だ。誰かに見て欲しいけど、自分で食べたい。
悩み悩んだ美月だったが、焼き立てパンの香りには勝てなかった。
「た、食べるのじゃ……! あげようかな〜とかちょっと思ったが! 妾はふかふかを頬張るぞ……!」
まだ熱を持ったパンに嚙り付けば、ふんわりパン生地と中身の織り成す至福の瞬間。これぞふかウマ!
成否
成功
第1章 第5節
「バレンタインは女性から男性へチョコを渡す日だけど、グラオクローネは違うの?」
小さく首を傾げるフェリーチェにリゲルは頷く。
「グラオクローネは性別関係なく大切な人にチョコを渡す日だね」
だからリゲルは大切な家族へグラオクローネらしいパンを作るつもりだ。
まず生地作り。
時間がかかるのを承知の上で生地を捏ねる段階から。その時半分にココアを加えると茶色い生地の出来上がり。
一次発酵後に白と茶の生地二つをツイストして縞模様にすればそれだけでお洒落に。
「フェリーチェは、包む系のパンとは何を作るんだい?」
「私はチョコクリーム包んだよ!」
一次発酵済みの生地を使ったフェリーチェは二次発酵中。
「中身がはみ出したりしないのだろうか、心配だな」
クリームがはみ出ているので大惨事の可能性は高かった。
予想通り大惨事となったフェリーチェを慰めつつ、リゲルもパンを焼いて仕上げに。
パンを溶かしたチョコでコーティングし、真っ白な粉砂糖を振って雪に見立てる。その上からアラザンやカラフルなチョコを散らせば冬景色のイルミネーションの様。
「この季節のライトアップは幻想的で良いものだな」
白い雪の中、大切な人たちと見た様々なライトアップを思い浮かべるリゲルだった。
試食用に作ったパンに嚙り付けば、ふんわり甘くてケーキのよう。
「焼きたてパンの魅力は格別だな」
これならきっと、ポテトとノーラも満開の笑顔になるに違いない。
成否
成功
第1章 第6節
「BREAD!!!」
目を輝かせて高らかに声を響かせ両の手を広げると、日澄は早速用意されたパン生地を持ち上げる。
ふに。
一次発酵を終えたパン生地は柔らかく、日澄の手の動きに合わせてその形を変える。
「よ〜しよし、我が腕によりをかけて捏ねくり回したあま〜いチョコのちぎりパンで、ここに味蕾のアルカディアを作ろうではないか!!」
伸ばした生地にチョコクリームをたっぷりと。クリームがはみ出ないようにしっかり包んで型に入れて二次発酵と焼成。
待っている間、お茶を飲みながら日澄は遠くを見つめる。
「そういえば、「パン作ったことあるよ!」なんて言って、「え?パンツ食ったことあるの?!」なんて聞き返されたことあったっけな……。パンを食らう度に思い出すほろ苦黒歴史だな」
思わず苦笑してしまう日澄だが、思春期にあれは辛かった。ちょっとだけだけど。
ほろ苦い思い出をお茶で流し込むと、日澄はふっくら焼きあがったちぎりチョコパンを型から外して網に乗せる。
実はこのちぎりチョコパン、隠し味(?)に日澄のなけなしのゴールドが1枚だけ入っているのだ。ただどれに入っているかは日澄も分からない。
取り立てて大切な人がいなくとも、バレンタインはきっと誰にでも優しくなれる愛の日。ちぎりチョコパンが冷めたらここにいる人たちに配るつもりだ。
さて、どのパンにゴールドが入っているのか……。ここにいる皆様をわくわくさせちゃおう!!
成否
成功
第1章 第7節
零は真剣に悩んでいた。
パン屋でバレンタイン。そうなると外せないのはチョコ系のパン。
(チョココロネとか、菓子パンも良いよな……。でも売り出すとか仕入れ値とかそっち方面で考えると、躊躇うようになって正直辛い。気軽に食べたい……)
混沌ではフランスパンの人で親しまれている零は、最近フランスパン以外のパンも売り出せるように頑張っている。記念すべき第一号はクリームパンだ!
「というかパン屋だよな、ならなんかパン習えない? 理想を言うなら複数種」
目標はクリームパン以外のパンを覚える。売上を伸ばすために!
凄く、切実な問題だった。
そんなわけで急遽店主の一日弟子となった零は、パン生地の材料を図りながら覚えたいパンの種類を上げていく。
「折角だしメロンパンとかコロネとか……!」
零が食べたいのもあるけど、メロンパンやコルネは応用が利く。中に入れるクリームは勿論、生地はレーズンやチョコチップを等でアレンジできるのでバレンタインにも最適だ。
零は恋人に焼き立てを食べて貰いたいので、当日には難しいかもしれないがそれは仕方ない。少し遅くなっても、美味しく出来たパンを食べて貰えたら幸せだから。
その後、零の恋人の話をしながらメロンパン、コロネ、ついでにハムタマロールを習った零だったが、時間が足りなくなったのでツナマヨロールは自力でファイト!
零は「メロンパン」「コロネ」「ハムタマロール」の作り方を覚えた!
成否
成功
第1章 第8節
美味しい焼き立てパンを食べて幸せいっぱい笑顔いっぱい。
ふんわり柔らかくて香ばしいパンは、食べた人を幸せに出来る魔法がかかっているのだから。
さぁ、あなたも美味しいパンを食べませんか?
NMコメント
もうすぐグラオクローネですね!
チョコ作りと思わせてパン作りです!! 焼き立てあつあつウマー!
●目的
・パン作り。
自分だけのオリジナルパンを作りましょう!
パン生地も一次発酵まで済み。クリームや餡、フィリング、デコレーションに使うものも準備済み。
後は好みで楽しもう!!(焼くのは店主が他のパンと一緒に焼いてくれます)
え、やりすぎた場合? 責任持って食べるんだよ?
上手に出来て持ち帰りたい場合はラッピング用の袋もあります。
渡されたあの人はどんな表情するのかなぁ。
・店主が作ったパンを食べる。
店主が作ったパンと飲み物でのんびりしましょう。
もくもくとパンを食べるも良し。フェリーチェ相手にパンを語るも良し。好きな人について惚気ても良いのよ?
好みのパンと飲み物を選びましょう!
●その他
犯人は焼き立てパンの香りに負けたと供述している。
皆さんも、焼き立てパンの香りに負けよう。。ではなく美味しく楽しいパンを堪能してください。
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