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シナリオ詳細

べネクトトライアスロン ~脱げば脱ぐほど早くなる~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●脱げば脱ぐほど早くなる
 デデンデンデデン――というBGMと共に海からゆっくりと頭を出し、浜へと歩いて上陸してくるすずな (p3p005307)。
 2020年もっとも濡れた女と言われる彼女の姿はバリバリのマイクロビキニであった。
 ここは鉄帝の北に位置する不凍港べネクト――のちょっと脇に作られた年末限定特設遠泳場である。
 いくら不凍港つっても年末のグレート寒いこの季節。まともな気合いじゃ凍え死ぬこと必至の海からこんな布抵抗の少ない格好で現れたのはどういうわけか?
 それはひとえに。
 ――鉄帝べネクトトライアスロン!

 暗い部屋でパイプ椅子に座り、ひとりライトを浴びるすずな(マイクロビキニ)。
「これはただの勝負ではありません。プライドを賭けた……いわば殺し合いです」

 時を同じくして丸太のイカダの上で仁王立ちし、木のオールを二刀流スタイルで振り上げるリディア・T・レオンハート (p3p008325)。
 2020年もっともマグロを釣り上げた女といわれる彼女の姿はバキバキのマイクロビキニであった。
「鉄帝トライアスロンは水泳、ボート、マラソンの三つを順番にこなす年末の栄えあるスポーツ。私たちはこの戦いに……賭けているのです!」

 また時を同じくして丸太を肩に担いで黙々と走る夜式・十七号 (p3p008363)。
 2020年最も水着をイイネされた女として知られる彼女の格好はそうもちろんマイクロビキニであった。
「この海は精霊によって守られた海。鉄帝の港が氷に閉ざされぬよう、毎年こうして祈願の儀式を行のだ。精霊が愛する者は、冬の寒さに負けない者。海に飛び込むときも、イカダを漕き風を浴びる時も、丸太を担ぎ走る時も……寒さに負けないこの儀式正装を纏って挑むことが肝要」
 まっすぐ明日を見つめる彼女たちの目に狂いはない。
 回言 世界 (p3p007315)――2020年もっとも境界図書館にもぐりまくった境界マスターと知られる世界はあろうことかビキニパンツ&タンクトップ姿だった。
 水着コンテストでもTシャツ短パンで挑んだ彼(彼女?)の、かつてない貴重な露出シーンである。事務所から怒られるギリギリであった。
「マイクロビキニこそが最高の正装といわれる鉄帝べネクトトライアスロン……。
 だが俺はあえてこのタンクトップで挑む。不利を押して勝ち取る勝利こそが、俺のプライドを満たす……」
 誰もが燃える炎の目で、いま……スタート地点へと集まっていく。
 開始の銃声が、いま――!

GMコメント

 年末の奇祭へようこそ。
 べネクトで毎年末に行われる奇祭鉄帝べネクトトライアスロンは『水泳、ボート、マラソン』の三連続種目からなる競技である。
 はじめは祭りの参加者がいないからって数合わせで依頼された世界たちだがべネクトの精霊に軽くとりつかれたことでやる気マックスとなり、自分の出せる限界の露出度で冬の海へと挑むこととなったのだ!
 彼らの運命やいかに!

■しちゅえーしょん?
 こいつはレースシナリオです。PCは全員がライバル同士であり、仲間達をしりぞけ最速ゴールを目指します。
 このレースでは以下のルールを守って参加してください。
・キャラ的に(もしくは事務所的に)可能な限り最大の露出度で挑む
・馬にのったり船にのったりといった乗り物、ないし飛行等によるショートカットや加速を使わない
・仲間への妨害は自由。最悪ぶちのめしても可。

 レースにはPCたち以外に10~20人程度の鉄帝民が参加しており、皆マイクロビキニやビキニパンツで今から12月の海に飛び込む気満々です。
 過酷耐性があってもめっちゃ寒いと思いますが気合いで耐えてください。
 あと念のため、『凍気無効』では寒さをしのげないものとします。

■レース
・水泳パート
 まず参加者全員で海へ勢いよく飛び込みます。
 決められたコースを通ってイカダゾーンへと到達するまでの水泳レースです。ある意味一番シンプルです。

・イカダパート
 丸太でできたイカダにのり、木のオールを使って決められたコースを進みます。
 イカダとオールは専用のものを使用し、時折イカダどうしがぶつかり合って格闘戦に発展したり魔法や気合い球(気合いで出る何かのアレ)での射撃戦が勃発することもあります。
 ライバルからの妨害に注意しつつ派手に乗り越えましょう。

・マラソンパート
 上陸したらイカダを破壊し、一本の丸太を担いでゴールまで走ります。
 丸太の重みと精霊パワーもあるのでどんだけ機動力やなんかが高くても速度は大体一定になります……が、このレースに込める気合いや情熱が高ければ高いほどスピードがあがるといいます。
 プレイングにはレースに本気な心情や台詞を書き付けてブースト効果としましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度は肌色です。
 肌色成分が多いこと以外よくわかんないけど、わかる必要ってあるのか? 彼女たちの水着がいま見れることだけがわかっていればいい。力があふれる。もうなんにも怖くない。

  • べネクトトライアスロン ~脱げば脱ぐほど早くなる~完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月14日 22時01分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

八田 悠(p3p000687)
あなたの世界
すずな(p3p005307)
信ず刄
※参加確定済み※
紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
真打
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
※参加確定済み※
長谷部 朋子(p3p008321)
蛮族令嬢
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
※参加確定済み※
夜式・十七号(p3p008363)
蒼き燕
※参加確定済み※
ノニ・W・フォーゲル(p3p009408)
趣味は秘密

リプレイ

●精霊のいたずら
 赤い翼のデザインされた缶を手に取り、『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)はプルタブをカシュと開いた。
 アメリカンカラーのマイクロビキニを冬の風に晒し、腰に手を当てエナドリに口をつける。ごっ、ごっ、と重く力強い喉の上下が続いて、やがて空っぽになった缶をぐしゃりと握りつぶした。
「勝利が私を呼んでいる……そして身体が、夏になる!」
「夏?」
 『血雨斬り』すずな(p3p005307)は自分とリディアが妙な黒ベルトだらけになったさまを想像して二度見した。
 そう2020年最も濡らされた女ことみずなは黒ベルトだらけの服……じゃなくてマイクロビキニで海岸に立っていた。
「何ですかもう、こんな真冬にどうして……。
 うう……恥ずかしいし寒いし泳ぎたくないんですけど!
 でも体が勝手に! おのれベネクトの精霊……!」
 その横では当日早速かるたにされた女『倶利伽羅剣』夜式・十七号(p3p008363)がぼんやり虚空を見つめている。黒いマイクロビキニが体型も相まって大変なことになっていたが、
(どうしてこうなったかだと? 考えるな、感じろ。考えたら負けだ。何に負けるんだ。
 ともあれ、リラックスする為に音楽でも演奏するか聴くかだな)
 いい音楽はないかなとヘッドホンをかぶる十七号。そして聞こえてくる鉄帝音頭(スラッシュメタルバージョン)。
「うそだろう……?」

「さ、さささ寒ぅっ!?!? おいおいおいこんな真冬に海水浴だなんて正気か!?そもそもオレ刀なんですけど!? は? なんだって? マイクロビキニ着てトライアスロンしろ? 嘘だろ?」
 『戦神護剣』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)は小刻みに震えながら刀っていうか本体を胸に抱いていた。いうまでもなく深いブルーのマイクロビキニである。肩掛けようのひもを胸元に通すのと違ってなんか新しいフェチズムに目覚めそうなスタイルだが、当人はそれどころではないらしい。
「…………」
 そんな中、ひとりだけ普通にしている『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)。
(鉄帝に我が名を轟かせる千載一遇の好機、なんとしても優勝してみせる……)
 そして優勝するには脱げば脱ぐほどいいらしいが実際どのくら脱げばいいのかなと思って振り返ると、『大体全裸』ノニ・W・フォーゲル(p3p009408)がバスローブ姿で立っていた。ワイングラスを片手でくーるくーるしていた。
 今言わないと一生機会がなさそうだからいうけど、ノニってフルネームで書くと真ん中で(・W・)がこっち見つめてくるよね。ほらいまも!
「安心してください」
 ノニはワイングラスの中身(ぶどうじゅーす)を飲み干すと、後ろにぽいって放り投げた。
「これは海に真摯に立ち向かう祈願の儀式。そして書いてありますね、なんか上の方にほら、『~脱げば脱ぐほど早くなる~』と。
 ――さすれば!」
 バスローブに手をかけたかと思うと一瞬でそれを脱ぎ捨て。

 おめでとう
 ノニ は ノニZ へと 進化 した。

「当然のこと正装で参りましょう。対戦者の皆々様、どうぞよろしくお願いいたします!」
 直角に頭を下げるノニZ。都合良く前を通り過ぎるエンジェルいわし。
「繊維など惰弱。布地は甘え」
 その一方で、『あなたの世界』八田 悠(p3p000687)は魔法で作り出した水を身体に纏った。透明な水である。
 都合良く目の前を通り過ぎるパカダクラ。
「真の強者は角度と自然、そして運命を味方にするものさ
 僕の夏がどうだったか、知っているだろう?」
「ほう……これは気が合いそうだ」
「一緒にするな?」
 振り返り、にらみ合うノニZと悠Z。都合良く目の前を通り過ぎるワタリオサシミの群れ。
 そんなイカれた連中が跳梁跋扈するなかに、『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)はいた。
「苦節数ヶ月……ここしばらくあたしは、自分の力に限界を感じていた」
「だからあたしは道を模索した。どうすれば強くなるか、ただそれだけを一心に鍛え続けて……ついに一つの悟りを得たよ。
 ――強さとは! 反応だと!!」
 バッと脱ぎ捨てたシャツ。空に飛び上がった『暴力』と書かれたTシャツが舞い、マイクロビキニの朋子が現れた。
 マイクロビキニネアンデルタール女子高生(MBNTJK)の誕生である。
「この勝負……勝つ!」

●鉄帝寒中水泳
 ビキパン一丁の係員が拳銃を空に向け、『レディ』と叫んだ。
 ゴーの合図と共に響いた銃声が、海岸に並ぶ全裸一歩手前(一部完全裸)の男女を走らせた。
「くおおおッ……! 寒い! 凍える! だがしかし、諦めてはなるものか!
 離脱すればそこで不名誉は免れない。故に上位の座は譲らんーー!!」
 美しいフォームから繰り出される飛び込みとドルフィンキックによってまずトップに躍り出たのは十七号
 やがて水面へ顔を出し、クロールスタイルでスピードに乗り始めた。
「いきなり地獄じゃあないですか。くっ、しかしやるからには全身全霊で!
 負けませんよ、犬掻きでぶっちぎってあげましょう……!」
 その横に並ぶのは高速犬かきをするすずな。
 水泳はフォームで七割早くなると言われ肉体動作でいえば十七号が圧倒していたにも関わらずこの僅差。
「やはりこのレース、ただのレースではない……!」
「水着コンテストの時のようには行きませんよ!」
 その一方。
「ぐおあああああああ!? おっ、お、泳げな……沈っ……!」
 盾をビート板代わりにしたアレンツァーが頭の上にこう、なんていうの、ほっかむりみたくして刀を水平に保持して死んでも海面につけてなるものかっていうフォームで泳いでいた。盾に浮力があることについてはもはや検証する気すら起きない怪現象である。
「もう嫌だ! 刀を海で泳がせるとか意味がわからん! 帰りたい! あったかいわがやに!」
(こんな季節に水泳とかマジで死にかねない。というかそれ以前に実は全然泳ぎが得意じゃないという衝撃の真実があるんだがべネクトの精霊の力すげぇな。そんな俺でも普通に泳げるなんて……犬かきだけど)
 その横というか後ろを黙々と泳ぐ世界。
(しかし何故だ、皆との差が開いていく。特に……)
「うおおおおおおおおおおおおお!」
 朋子の盛大なバタフライを見よ。
 ネアンデルタール女子高生という既に特盛り牛丼みたいな属性に更にマイクロビキニという属性を盛ったネオ朋子は大地たちを悠々と追い抜き、トップへと躍り出――。
「おっと失礼!」
 リディアが後方からもんのすげー勢いで投石。
 ネオ朋子は『はうあ』といって沈んでいった。
「どんな手を使っても勝って見せます。つまり、主要なライバルをすべて再起不能にすれば私の勝ちです!」
 フフフフフと笑いながら朋子の横を抜け――ようとした瞬間。
「死ぬかァ!」
 ネオ朋子が復活した。
「馬鹿な! 完全に意識を刈り取ったはず!」
「その台詞、今から負ける悪役のそれだね」
 オフィーリア的な動きですいーって横につけてくる悠Z。
 都合良く前方水面をはねる海鯛焼き。
「この戦いは大精霊ベネクトによって支配されたもの。実力が勝敗を決めるわけじゃないのさ。つまごぼぼぼぼぼぼぼ」
 潜水していく悠。
「寒中水泳、最高!」
 あっれこのひと上がってこないな――って思ってたら代わりにノニZがバタフライで水面から飛び上がってきた。
 都合良く前方を横切る海鳥。
「おっと視聴者の皆さん誤解なさらないでください。私は衣服を纏いたくないタイプの裸族。裸を晒すことに性的興奮を覚えるタイプの方々とは異なる純粋なる獣でございますだから防犯ブザーはやめてください!」
 ブィーンって両腕をありえねー速度で回転させありえない速度で海面を突っ走っていくノニZ。前方を都合良く横切るサメ。
 コースは折り返し地点へと到達し、ついにイカダゾーンへ!

●鉄帝イカダレース
 案外死ななかったランキング1位、アレンツァー。
「やだやだやだ!!! 行きたくないでござる! 行きたくないでござる!
 拙者刀でござる!!! 刀に海水は錆びるし朽ちるし天敵なんだぞぉ!?」
 わかってんのかコラァと社会へ出ることを拒み続けるニートみたいな剣幕でイカダにしがみつくアレンツァー。
(温室育ちの俺に神風魂もなにもないんだよなぁ……こいつもとい俺は何を言っているんだまったく。というか激戦区に入ったせいで攻撃が飛んできて痛いんだが)
 世界はその横をオールをつかってすいすい抜いていく……はずだったが。
『トモコ、暴力とマイクロビキニはいいぞ』
「ひゃっはーーーーーーーーーー!」
 MBNTJKの称号を得たネオ朋子はジェット噴射で謎加速するイカダの上でオールを二連打。
 大地たちの横をすり抜けるとカッという白背景のシルエットとなり次の瞬間七十七ヒットした大地達のイカダがぶっ壊れた。
「グワーーーーーーーーーー!?」
 主に悲鳴を上げるアレンツァー。
 そう、このイカダレースは妨害あり私闘あり最悪死んでもかまわんぞでおなじみのデスレースなのだ!
「二天一流で有名な剣豪も、巌流島での決闘ではオールを使ってますからね!
 故に! このオールは実質刀といっても間違いありません!
 刀があれば百人力! 私の独壇場ですよ!」
「いいやそれはどうみでも刀ではない! 刀ではないというに――強っ!」
 すずなが『オールも棒状だし実質剣』とかいう剣モナドを振りかざして十七号へと殴りかかる。しまいにゃトラックまで『ハンドルを両手で握って振り回すから実質剣』とか言い出しそうな剣幕であった。
「うおおおっ――邪ァ魔ッ、だぁーー!!」
 十七号は籠手(奪われたドレッドもまさかマイクロビキニのオールを受けることになるとは生前夢にも思わなかろう)でオールを弾くと、腰から下げた刀を鋭く抜刀。すずなの腰紐をスパッと切り裂いていく。
「はっ、なんてことを!?」
 咄嗟に腰をおさえてかがみ込むすずな。
「追ってくるなよ。追ってこようものなら……濡らして凍らす!」

 戦いはまた別の場所でも巻き起こっていた。
「だいたい全裸ってなんですか全裸って!PPPは全年齢対象の健全なゲームです!成敗!」
 リディアが対リヴァイアサン戦にて聖剣騎士団の中で自分だけ必殺技なかったなと思って編み出した奥義レオンハートストライクオールスペシャルを猛烈な勢いでたたき込んでいく。
 それを次々跳ね上がる水の弾ではじき返す悠Z。都合良く飛び上がるイカ。
「白い息と弾ける珠の汗とかも良いよね。漕ぐオールが絶妙な位置を動き続け、あらゆる揺れと合わさって芸術的になる筈さ」
 リディアの攻撃をはじき返す上にその揺れを楽しむ余裕すら見せる始末。
 そしてそんな彼女たちの隙を突くように間をすり抜けていったのが……そう、ノニZである!
「読むのです、風を、皆様の『呼吸』を、『思考』を、攻撃のタイミングを!
 肌で感じることについては、皆様より熟練している自信がありますよ」
 ソコダァ! と叫びながらイカダをサーフボードのように乗りこなし、謎に発生した波によってまたもトップに躍り出る! 都合良く手前を通過する車海老地獄大車輪!
 そしてそう、レースはついに最終盤。
 マラソンコースへと上陸していくのだ!

●鉄帝丸太マラソン
 丸太を担ぎ、黒いビキニを着たすずなをご想像頂きたい。
「ここまで羞恥に耐えて頑張ってきたのです、負けるのは何か嫌だ……!
 特にびしょ濡れわんこ呼ばわりした色欲刀には負けられません……!
 絶対に抜いてやります、私は濡れてなんかねーんですよ!!!!」
 その執念たるやすさまじく、これまでの評判すべてを振り切り人生をやり直す勢いであった。丸太ビキニだけど。
「レースの賞金は出ない? 知らん。
 勝っても記録が残る? それこそ名誉だ。
 妨害でボロボロになる? 這ってでもゴールしろ。
 上位にいられなかったら? その時点で負けだ。
 故に! 私は! 全力で勝つッ!!!」
 そんなすずなと並び立ちトップ争いをしているのが十七号である。
 イカダをトップで通過したノニZを二人がかりで蹴倒した後、すずなと十七号はその恵まれたボディ(?)を駆使してトップ集団にしがみつき、後続の選手達を丸太で適時ぶん殴っていた。
 そんな二人へ――。
「すううずうううなあああ!!!
 かああなあああぎいいい!!!」
 腰に丸太を抱えて城の門でも突き破らんばかりの突進をしかけるアレンツァー。
「来ましたね色欲刀!」
「トップの座はわたさん!」
 振り込まれる丸太。跳躍による回避。
 アレンツァーから注がれる殺気めいたものに、二人はぶるりと肩をふるわせた。
「このオレが海水に晒されあまつさえ水没した恨み……ここで晴らす!!」

(……明日から数日間は筋肉痛に悩まされそうだ。帰る時湿布でも買っておくか)
 いつもの調子でマラソンする世界。
 その横を、リディアが猛烈な速度で追い抜いていった。
「世界さん! 恨みはありませんがここでリタイアしていただきます!
 届け! 秘技・丸太一本流! そのタンクトップ絶対に剥ぎ取ってやるストラァァァイク!!」
 追い抜いた直後にターンしてからの丸太スイング。
 大地は咄嗟のことに丸太を盾にしてそれを防御した。
「……ふ、受けましたか。だが第二の丸太があなたを襲うまで!」
 あちこちで丸太と丸太、プライドとプライドがぶつかり合う。
 そんな中を、全裸の二人が駆け抜けた。
「領主として民に誇れる姿を魅せ付けるんだよ!
 我が身に恥じるものは無し! 疚しさにて隠す者よ! 道を開けるがよい!」
 全力のスプリントで他参加者たちをはねのけていく悠Z。都合良くさす光。
 その横で同じスピードを出すのはネオ朋子。
「丸太一本なんぼのもんじゃーい!! こちとら花のJKでネアンデルタールやぞ、優勝するのはあたしじゃー!!」
 オラァといって叩きつける丸太を、悠は丸太によって相殺した。
 そんな二人の上を飛び越えるノニZ。都合良くさしこむ光。
 ノニは振り返り、歯を見せてキラリと笑った。
「優勝はこの私が頂きます。
 このレース、私が勝ってこそ、最速を証明してこそ意味がある!
 即ち、脱衣の合理性を!ここに証明いたしましょう!」
 ふははははといいながら走り抜けるノニZ。ゴールテープは目前――というところで、彼の後頭部に丸太が激突した。
 ゲフウといって転倒するノニの上を、朋子がすべてを振り切って飛び越えた。
「覚醒したネアンデルタールに打倒される最強の全裸……ふふ、美しいね」
 その姿に微笑む悠Z。都合よく通り過ぎるドスコイマンモスの群れ。
 ヨッシャーといいながら丸太を両手で担ぎ上げゴールテープをきった朋子のマイクロビキニは、つい三秒前にちぎれてどっかに飛んでいった。
 都合良く手前をなびく、テープ。

成否

成功

MVP

長谷部 朋子(p3p008321)
蛮族令嬢

状態異常

なし

あとがき

 ――これにてベネクトトライアスロンを終了します。また来年!

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