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シナリオ詳細

<マナガルム戦記>森中の疫

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「はぁ、やっぱり駄目そうか」
 一人の壮年男性が溜息を吐いた。
「ええ、やっぱり川から変なにおいがしてます。
 飲み水にするのは難しそうです」
 そう言ったのは別の青年だ。
 幻想『レガド・イルシオン』がドゥネーヴ領。
 ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)が紆余曲折を経て領主代行を務めるようになったかの地。
 その領内を流れる河川の流域に存在するとある村、その村長邸にやや身分が高そうな者達が集っていた。
 彼らはこの河川の流域に点在する村々の村長たちである。
「うーむ、こうなったらやはり、ご領主様に対応をお願いした方が良いかのう」
 そう言ったのは老人だった。
「領主様がなんとかしてくれるか?」
「最近は領主代行のイレギュラーズの方になっておるし、恐らくはお願いすれば調査をしてくれるじゃろう」
 そう言って老人が締めくくる。
「よし、それならばお願いしてみるとしよう。お互いにそれでよろしいか?」
 壮年男性の言葉に青年や他の者達が頷いた。

 ――事の次第は数日前まで遡る。
 最初はほんの違和感だった。
 生活用水でもあるその河川から引いた水路に、小さな魚が浮かんでいたのだ。
 当初は他の村で漁から逃れて力尽いた魚たちであったり、上流から流れてきたものとほとんどの村々が考えた。
 それから数日のうちに腐り落ちたような植物が流れてくるようになり、川からは異臭が放れるようになった。
 村々が最も上流にある村へ文句を言いに行ったところで、その村でさえ悩まされていることが分かったのが、つい昨日の事だった。
 となれば、原因は村ではなく、水源かそこから村の中に入るまでのどこかということになる。


「これは……調査したほうがいいか」
 複数の陳情書を見て、マナガルムはふむ、と思案する。
 それらは同じ川の流域にある村から届いたものだった。
「生活用水が使えなくなっているとなれば、問題は大きい……仲間達も加えて調査するとしよう」
 少し考えたマナガルムは直ぐに依頼書を書き記しながら、その一方で連絡の取れそうな仲間へと手紙を書き記していく。

 それから数日後、直ぐに連絡が取れたウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)、クラリーチェ・カヴァッツァ (p3p000236)、アカツキ・アマギ(p3p008034)の3人を加えたマナガルムは件の村へと訪れていた。
「……うん、死んでるみたいだ」
 ウィリアムは今朝流れてきたという流木へと植物会話を試みると少し首を振った。
「死んでしまうにしても、こんなふうに腐って死んでしまうような年齢の木ではなさそうなのですが……」
 クラリーチェもそう呟いた。数年程度の若い木といった感じの雰囲気を持たせたその流木にクラリーチェも違和感を持ったようだった。
「これは森の中で何か起こってそうじゃ」
 そういうアカツキがちらりとマナガルムに視線を向ける。
「……他の5人が到着したら森に入ろう」
 少し考えた様子を見せたマナガルムの言葉に3人が頷き、今いる場所で分かりそうな情報を纏めるために動き出す。

GMコメント

お久しぶりのオープニングになります、春野紅葉です。こんばんは。

さて、そんなわけでドゥネーヴ領が一角で発生したこの事件を解決しましょう。

●オーダー
 何が起こっているかの探索および原因の切除、解決

●リプレイ開始時状況
皆様はリプレイ開始時にフィールドとなる泉に到着しています。
周囲には何らかの獣の足跡が存在しています。

●フィールド
 領内に存在する森林の奥、湧き水から生じた泉。
 泉の中央には半ば腐った樹木一本あり、爛れたような樹皮から樹液が泉に滴っています。
 どうやら川の臭い自体はこの樹液が理由のようです。

 その他、周囲の木々は泉の樹木にも同じような形跡が見られますが、中央の物よりははるかに軽微です。
 自然会話を駆使すると何らかの情報が得られると推定されます。

●エネミー
【???】
 謎の何かです。恐らくは生物です。
 ノーマル相応の敵と考えられます。

●攻略ヒント
探査に関しては「何を知りたいか」「それを知るためにどのスキルをどう使うのか」を重視すると良いと思われます。


●情報精度
 このシナリオの情報精度はDです。
 多くの情報が断片的です。不測の事態に備えて下さい。

  • <マナガルム戦記>森中の疫完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月31日 22時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費200RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
安寧を願う者
※参加確定済み※
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
シラス(p3p004421)
竜剣
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
※参加確定済み※
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
※参加確定済み※
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
※参加確定済み※
ガウス・アルキ・メデス(p3p008655)
翡翠の守人
インベルゲイン・浄院・義実(p3p009353)
破戒僧

リプレイ


 森の中に潜入して少し。
 目的地となる場所は静かなものだった。
 きらめく陽光はあたたかく、木々をくすぐる風こそ冷たいものの、景観としては良質な物といえる。
 ――泉の中央で腐り落ちんばかりのあの木が正常でさえあったならば。
「臭えな、嫌んなるぜ」
 シラス(p3p004421)は思わず首にしたマフラーを深くして、口元を覆う。
 無駄だと分かっていても生理的にせざるを得なかった。
(とはいえ、周囲にはこの泉と同じような場所は見つかってない……
 ということは、この惨状の原因も泉のそばからそう離れてない可能性が高い……)
 思考を重ねながら、事前の相談の通り、まとまっての行動をする予定だった。
「水はすべての命にとってかけがえのないもの。困ったことになりましたね」
 そういう『罪のアントニウム』クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)は、頭に浮かんでしまった最悪なシナリオを振り払うように首を振る。
「原因不明で終わらせたくは無い所だが……
 済まないが調査などについては殆ど門外漢でな、頼りにさせて貰うぞ」
 そう言うのは『黒狼領主』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)である。
「まかせるのじゃ! 黒狼調査隊結成! というわけでずいずい調査に行くのじゃ!」
 自らのハイセンスを尖らせ、声をかける『焔雀護』アカツキ・アマギ(p3p008034)は、クラリーチェ共々、泉の周囲に存在する木々に視線を向ける。
「これは……ひどいな」
 泉の中央と、漂ってくる強烈な臭いに驚いた様子を見せる『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)はそのまま視線を泉の付近に見える足跡を見る。
「こりゃ酷ぇ。毒……いや、酸か? あるいは……なんにしろ厄介だ。
 恐らくは外来の獣仕業だろうが……」
 そういう『翡翠の守人』ガウス・アルキ・メデス(p3p008655)もその視線をウィリアム同様に足跡に向ける。
「足跡があるという事は何らかの生物が関与していることは間違いないようだけど……
 見当たらないという事は、『この位置からは見えないどこか』に潜んでいるということだろうね」
 そう言うマルク・シリング(p3p001309)の手元にはいくつかの書物がある。
 この森や近辺に住まう生物の図鑑と、確認されたことのある記録の類だ。
「あぁ、でも足跡には色々と情報が詰まってる。これがあるだけでかなりのヒントだ」
「こんな状況で動物が水を飲みに来ることもないだろうし、
 足跡があるってことは、これが原因の物だろうね」
 ガウスの言葉に続けるように、シラスも頷きながら足跡に近づいた。
「蹄ではなさそうだ」
 そう言った『破戒僧』インベルゲイン・浄院・義実(p3p009353)の言葉にガウスは頷いた。
「あぁ。だが、かといってこれは哺乳類のような形状ではないな」
「というか、これは……」
 ぱっくりと開いた前に三本、後ろに一本の指と、掌底の少ないその独特の形状は――
「……鳥類、か?」
 シラスの言葉につなげるように言ったガウスは自らの言葉に自信を持つことがあまりできなかった。
 そうだとすれば、この鳥は尋常なサイズ感ではない。
 もちろん、この混沌大陸に置いては人よりでかい鳥など珍しくとも全くいないかと言われればそれも否定されるが。
「だとしたら、こっちの足跡の説明がつかない」
 そう言ってシラスの指さした先にあるのは、肉球だった。
「あぁ。そうだよな……これはどう見てもライオンだのなんだののやつだ」
 併用して発動させている人助けセンサーには反応が無い。
 特別な他の技能を併用すればもしかすると可能だったのかもしれないが、何の変哲もない動植物の言葉まで拾えるほど便利なものではない。
「二本足のライオン? 獣種とかの可能性もあるけど……でも一緒にいる鳥は?」
「獣種ってなると人災ってことか?」
 マナガルムはそんな3人の言葉を聞きながらも、自らのハイセンスの範囲をより強く意識していた。
 気にするは動物の足音や、或いは木々の揺れ。
 せめてものどこから来るかの判別だけはするべきという判断だった。

 3人が各々に推測を束ねていくその横では、幻想種の面々が植物への会話を試みていた。
「この地の自然よ。漂う魂よ。私は自然の声を聞くもの。死せる者の声を聴き、導くもの。
 この場所で何が起きたか、貴方達の見たもの全てを、私に教えてください」
 クラリーチェは深呼吸と共に、眼を閉じた。
 自らと自然を一つにするように、溶け込むように一体化して問いかける。
 それこそは幻想種の心得。
 同時、自らの在り方足る永遠の眠りの守護者としての使者との意思疎通する能力。
『……小さき友人よ。あれは恐ろしい』
 どこからか声がした。歳を重ねた様子を見せる。
 老木の類だろうか。
『痛い、痛いんだ、あれに当たると……葉っぱが!』
 揺蕩う意識に木々が答える。断片的な答えは明朗を得ず。
(流石に、あの様子も生きてるってことはないか……)
 泉の木に語り掛けたウィリアムは返答無きそれに首を振った。
『あいつは、突然やってきたんだ』
『突然、空から影が来たんだよ』
 問うた先は植物たち――ではなく、精霊達。
 名もなき精霊たちはウィリアムの言葉に答えてふわりと飛んでいる。
「植物さん植物さん、一体どんな奴が君達をこんな目に合わせたのじゃ?
 そしてこの足跡の主は一体どこへ行ったのかのう?」
 アカツキも普段あまり使わぬ自然との対話を試みる。
 ついでに発揮したハイセンスは主に超聴力だ。
『小さな友人! あいつはね、向こうの方から来たよ!』
『森の向こう、ずっとずっと向こう。西の山の方から来たって、他の木が言ってたよ!』
 ざわめく木々の答えが続いていく。


『――くる』
『来る!』
『帰ってくるよ!』
『お逃げなさい、小さな友人』
『助けて、小さな友人!』
『あいつが――帰ってくるよ!』
 木々が叫ぶ。悲鳴を上げて、怯えて、ざわめきたち、数少ない葉を散らす。
 ほぼ同時――ハイセンスを広げていたマナガルムの、ウィリアムの耳にそれが引っ掛かった。
 それは『音』
 大空を走る、羽ばたき。
「何か、来るぞ」
 マナガルムが声を上げた。
 ファミリアーの眼から空の上から木々を見ていたマルクの視界に、一瞬何かが映り――
「――ッ」
 共有が切れるほんの一瞬、身体が押しつぶされるような痛みを感じた。
 それとほぼ同時、ガウスはぽつりと言葉を紡ぐ。
「鳥の脚と、獅子の脚がある。それも『等間隔に』『一対ずつ』
 つまり、こいつには『二本ずつ獅子と鳥の脚がある』ってことだ。そんな生き物は――」
「まぁ、滅多にいないぜ。少なくとも、俺でも知ってるのはこいつぐらいだ」
『クゥゥォオオオ』
 美しき白い翼と、金色に輝く嘴、と鷲の頭と前足――獅子の肉体に尻尾。
「……グリフォンか」
 義実の呟きはさざめく木々の音を割るように周囲に嫌に響いた。
「痛々しいね。彼も同じように『ほとんど腐り落ちてる』」
 こちらと間合いを取る気高き獣を見据えてマルクは呟いた。
 その言葉通り、それの身体は所々が腐敗し、膿が流れ出ていた。
 とても正常などとはいえまい。
 何より、こちらを見据える獣らしきその瞳には強い怒りと憎しみが見受けられた。
 崩れたグリフォンの身体から落ちた膿が地面に落ちて、微かに大地を溶かした。
「……あれが今回の原因で間違いなさそうですね」
 クラリーチェが言うとほぼ同時、最速で動いたのはグリフォンだった。
 一瞬の屈伸運動後の刹那――真っすぐに。
 矢の如くすっ飛んだ獣は、その視界の中心にいたマルクへと突撃する。
 咄嗟の防御が微かに間に合わず、かすり傷がマルクを削り――その身にじゅう、と酸が散る。
「大丈夫だ! 落ち着いていこう。このメンバーならいつもどおりやれば、勝てない敵じゃない!」
 グリフォンを振り払い、受けた傷を確かめ、マルクは声を上げた。
 それとほとんど同時にシラスの全集中から放たれた深紅の光芒がグリフォンの腹部を貫いた。
 二度に渡る閃光がグリフォンの動きをひるませる。
 ウィリアムは深呼吸と共に空気中の魔素をより多く取り込み、魔術を行使する。
 それは母より直伝されし雷霆の魔法。
 真っすぐに放たれた槍はグリフォンの肉体、その無防備な個所を貫通すると同時、鮮やかに雷撃の花を咲かせた。
「オウオウオウ、ここをどなたの領地(ナワバリ)と心得てやがる野良野郎!!」
 自らの心を定め、宣戦を告げたガウスに、グリフォンがぎろりとその視線を向ける。
『クゥゥルゥ――ォォォォ』
 叫ぶように、グリフォンが微かに宙に浮かび上がる。
 踏み込みと同時、マナガルムは槍を放った。
 それは三日月のように僅かな弧を描いてグリフォンの傷口を貫いた。
 己が意志を反映して、鮮やかに輝く蒼銀の槍はグリフォンの傷から垂れた酸性の膿など意に介さない。
「汚物は消毒じゃー!!」
 陰と陽、右と左に刻まれた赤き刻印が鮮やかな光を放ち、熱を持つ。
 両手より収束した魔力は極大の炎球を生みだした。
 グリフォンを包み込んだ炎球は宛ら太陽の如く壮絶な輝きと共に、焼き払う。
 腐肉を焼く嫌な臭いが微かに漂った。
『クゥゥアァァ!!』
 燃え盛る火の粉を振り払うように、大地へと降りたグリフォンが叫ぶ。
 それを静かに見つめていたクラリーチェは静かに祈りを捧げていた。
 小さな鐘の音が鳴り響く。
 反響する音に籠められた魔力は大地へと浸透し、一斉にグリフォンを四方より包み込んだ。
 マルクはその様子を見つめながらやや後退すると、アムネジアワンドを大地へ突き立てた。
 超分析より導き出した酸性毒を大地から借り受けた魔力で浄化していく。
 未だ敵意を隠さぬグリフォンは土葬から這い出ると、舞い上がり、強く羽ばたいた。
 同時に放たれた羽が刃と化してガウスを中心とする円状に降り注ぐ。
「もういいだろ? 眠らせてやるよ」
 再度の全集中――シラスの眼光が傷だらけのグリフォンの胴部を再び焼き払う。
 続くように放たれたウィリアムの雷霆が、まったく同じ場所を貫けば、貫通した稲妻が反対側で花開く。
「徹底的に燃やしてやるのじゃ!」
 両手より放たれた業火がグリフォンの身体へと炸裂し、一つ目が痛々しい傷跡を焼き付け、二つ目が動いたグリフォンの首を焼き払う。
 続けるように横薙ぎに打ち込まれたのはガウスが握る顎刀・砕龍牙。
 邪龍の顎骨より作られたも言われる鈍器にも近き分厚く長い大太刀の横なぎに、抵抗力をも乗せた薙ぎ払いに、獣の頭部が大きく別方向を向いた。
 続けるように放たれたのはマルクの両手に握られるアムネジアワンドを通じて形成された木の槍。
 丸太をそのまま槍にしたようなそれがグリフォンを貫き、合わせるように動いていたマナガルムがグリフォンの正面から蒼銀月を叩き込む。
 鮮やかな銀の閃光がグリフォンの頭部を真っ二つに断ち割った。
 クラリーチェは最後の反撃を試みるグリフォンを、再び土へと還す。
 今度こそ、静かに眠れるように。


 戦いが終わったと言えど、それだけでは終わらない。
 ――というよりも、大地を汚染するかもしれないグリフォンをそのまま土葬していくわけにもいかなかった。
「……ふぅ、とりあえずはこれでよいかの」
 完全に灰へと還ったグリフォンだった物を見つめ、アカツキは一つ息を吐いた。
「突然変異でこの個体のみが毒素らしきものを備えたなら兎も角、他にもいる可能性はあります。
 継続調査を依頼しましょう」
「そうだね、それに『なぜ周囲を腐食させるような性質を得たのか』も調査はしたい」
 クラリーチェの言葉に頷いたのはマルクだ。
「あぁ、もちろんだ。それにこの件については記録しておかなくては」
 二人に頷きながら、マナガルムもこの件についてを脳内で整理していく。
「汚染された土は掘り起こしといたほうが良いだろう。
 ただまぁ……その汚染がどれぐらいの規模か分からないのは問題だな」
 ガウスは土の掘り起こしを考えつつ、問いかけた。
「泉に関しては……時間はかかるだろうけど、何とかなりそうだよ」
 精霊からの返答をそのまま口にするようにウィリアムは告げる。
「ありがとう」
「そうだな……あとは、巣とかがないか探した方が良さそうだ」
 シラスの言葉に頷いたイレギュラーズは、ちらりと中央の木を見た。
「もし巣があるのならば、あの木であろう」
 義実はそっと泉の木を指さす。
 最も被害の大きな泉の木。言い方を変えれば『最も長く毒に晒された場所』だ。

 8人が泉の周囲に行くと、木の上に確かにグリフォンの巣――だったであろうモノがあった。
 強烈な腐臭で鼻が曲がりそうなそこには、あまり文字にもしたくないような惨憺たる状況が広がっていた。
「……これも一緒に燃やしてやろう。せめてもの供養だ」
 誰がその言葉を口にしたのだろうか。
 少なくとも、その場にいた8人の誰もがそう思っていた。

――――――――
――――
――

 後日、マナガルムは一人、報告書をまとめてローレットに訪れていた。
 ついでに聞くべきことがあったからだ。
「……そうですね。毒の発生源足る対象が死んだ以上、ひとまずは問題は起こらないでしょう。
 追加の調査をなさるかどうかは、マナガルム様にお任せします。
 ドゥネーヴの領主代行たる貴方様がやりたいとおっしゃるのであれば、
 イレギュラーズでもある貴方の調査に協力しない理由もございません」
 マナガルムにローレットの応対を担当した人物は静かにそう返した。

成否

成功

MVP

アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護

状態異常

インベルゲイン・浄院・義実(p3p009353)[重傷]
破戒僧

あとがき

お疲れさまでした、イレギュラーズ。
無事に元凶の駆除を達成しました。
アフターケアもばっちりでした。
MVPはアフターケアの火葬を行なったアカツキさんへ。
ブツが残っていればそこから腐敗が伝播したことでしょう。

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