PandoraPartyProject

シナリオ詳細

偽物サンタをやっつけろ!!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●さぁ大変だ!!
 クリスマスのために七面鳥を育てていたマイクの家では出荷の準備に追われていた。
 愛情込めて育てた七面鳥たち。
 ホロリとした肉はあっさりだけど旨味がギュッと詰まっていて、毎年予約してくれるお客さんもいるほどだ。今年出荷する七面鳥たちは、もうすでに半分以上予約されている。
 餌をやるのもあと僅か。
 出荷前は普段よりも良い物を食べさせるのが恒例なので、マイクが持っているバケツの中も普段より良い餌が入っている。
「おはようみんな!」
 きっと嬉しそうに食べてくれるに違いない。そう思いながらドアを開けたマイクが見たものは、七面鳥を抱きかかえた五人のサンタ。正確には、サンタの恰好をした怪しい男たち。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「カゥ、カゥ、カゥ!」
 マイクと怪しいサンタたちの間に沈黙が奔る。それを破ったのはサンタが抱きかかえているメスの七面鳥だった。
 マイクを見て鳴くその姿は、まるで助けてと言っているようだ。
「……うちの子たちに何しとんじゃー!!!」
 餌の入ったバケツを放り投げ、近くにあった農フォークを片手に襲いかかるマイク。
 幼いころから農業と七面鳥飼育に携わって来た御年62歳。まだまだ若い者には負けない筋力と機動力だ。
 だが敵は5人。マイク一人ではどう頑張って二人しか捕まえられない。
 出番だイレギュラーズ!
 夢を与える所かマイクが愛情込めて育てた、楽しみに待っている人たちがいる七面鳥を盗もうとする偽物サンタをやっつけろ!!

●さぁみんなで捕まえろ!
「クリスマスってわくわくの塊だよね……」
 珍しくフェリーチェが真面目な表情で皆を見ている。
「そんなワクワクのクリスマス前に、夢と希望をくれるはずのサンタの恰好をした不届き者が現れたの」
 いつにない強い意志を秘めた眼差しに、ごくりとつばを飲み込んだのは誰か。
「今すぐ行って、マイクさん手伝って偽物サンタをやっつけよう。で、七面鳥食べよう」
「本音はそこか」
 通りすがりのカストルに突っ込まれ、フェリーチェは胸を張る。
「だって一年に一度のご馳走だよ!? 偽者サンタに奪われるなんて許せないし、七面鳥食べてみたい!!」
 キャンキャン吠えるフェリーチェに苦笑しながら、カストルは件の本を開くのだった。

NMコメント

 クリスマスだ! 七面鳥だ!! サンタの恰好をした強盗だ!!!
 そんなわけで強盗達を倒して七面鳥を助け出しましょう!!

●敵
 サンタの恰好をした強盗団。五人組。
 こっそり忍び込んでこっそり逃げ出すのが得意なので戦闘は不得意。と言うか戦えない。
そのくせコミカル仕様で無駄に回避と耐久は高い。
 一人はマイクが抑えてくれるので、一人につき偽物サンタを一人倒しましょう!

●助けに行く村人Aことマイク。
 農業と牧場で体を鍛える62歳。中々マッチョなナイスガイ。
 農フォークを振り回す姿は素人じゃない。

●本日のヒロイン。
 メスの七面鳥。出荷前。
 無事に連れ戻せたら、マイクが七面鳥ご馳走してくれる。
 大丈夫、ご馳走になるのはヒロインじゃないはず……!!

●その他。
 ノリと勢いのコメディです。
 敵もノリノリで相手してくれます。
 楽しくクリスマスを迎えよう!!!!

  • 偽物サンタをやっつけろ!!完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月30日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
蒼剣の秘書
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
アンジェリカ(p3p009116)
緋い月の

リプレイ

●最初からクライマックス
「ぎゃー!! お助けー!!!!」
 叫ぶ偽物サンタ、抱きしめる『黒武護』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)。
「怖いことなんてないよー」
 うふふふ。なんてハートをまき散らすムスティスラーフの横では、偽物サンタのぽよぽよお腹に食いつく『狐です』長月・イナリ(p3p008096)。
「今日のご馳走は活きが良いのね」
 厚めの服越しだからそこまで痛くはないはずだけど、何だこのカオス。
「……どうします?」
「とりあえず、止めましょうか」
 『緋い月の』アンジェリカ(p3p009116)に見上げられ、『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)は苦笑しながら仲間を止めに行くのだった。

「これは、かなりしっかりめのお説教が! 必要なのだわ!!!」
 ぷんすか怒る華蓮の横でイナリとサンタ姿のアンジェリカがこくこくと頷く。
「皆の楽しみを奪おうとする彼等を見過ごすことなど出来ませんからね。微力ではありますが、私も皆さんと一緒にマークさんの力になりましょうか」
「サンタの恰好で盗みを働くなんて、悪い人達ですね。聖ニコラオスに対する冒涜ね……お仕置きです!」
「お仕置きは僕に任せて!」
 そんな三人とは違う意味でテンションが高いムスティスラーフ。
 今日の彼の気持ちは「サンタ! 大好き! 抱きたいし抱かれたい!」だから仕方ない。
「サンタさんを、抱く、ですか?」
 きょとんと眼を瞬かせるアンジェリカ。今日の彼女は善いサンタさんなのだ!
 だけどムスティスラーフの言葉通りなら、アンジェリカサンタはムスティスラーフにぎゅってされるのだろうか。
「大丈夫。ムスティスラーフさんはアンジェリカちゃんには害はないのだわ」
「ムスティスラーフさんの恋愛対象は男性だから、サンタさんでもアンジェリカさんは対象外なのね」
 ポツリと呟かれたイナリの言葉にアンジェリカの動きが止まる。
 幼い少女姿の齢800を超える吸血種、とは見た目だけの話。アンジェリカの本当の姿は鈴木 学と言う名前の、三十代前半の男性なのだ!
 召喚前は男性であることは公言しているアンジェリカだが、ムスティスラーフが知らないのか、見た目が幼女だから興味がないのか、ムスティスラーフの興味は偽物サンタたちだけに向かっているのが幸いと言うべきか。
「偽物でも格好は僕の好みだからね。機動力もそうだけど男である限り僕から逃げられないよ!」
 ぱちん! と可愛くウインクするムスティスラーフ。
 今だけは姿が可愛い女の子で良かったと思う鈴木 学だった。
「それじゃ、サンタを美味しく頂きに、じゃなくて七面鳥を取り戻しに行こうか!」
「えぇ!」
「はい!」
「行きましょう」
 本日の囚われのヒロイン(七面鳥)を助けるために、善いサンタたちが動き出すのだった。

●優しいママの愛
 バサバサと翼を動かし偽物サンタを追いかける華蓮。その姿は凛々しくも可憐な戦乙女のよう。ただし追いかけられる側から見たら恐怖しかないが。
 全力疾走で逃げる相手に、軍馬のような速度で追いかけてくる乙女。
 見た目が可憐でも、七面鳥泥棒と言う後ろめたいこともあって恐怖しかない偽物サンタ。必死の形相で逃げている。
「こうなったら……!」
 諦める様子のない偽物サンタに、華蓮の手からサンタを捕縛すべく氷塊が放たれる。
「ひぃ!」
「あっ……! こら逃げるんじゃない! じゃないのだわ……避けるなー!!」
「ひぃぃぃ!」
「ちょっと人目のある方向に逃げないで! サンタさんがそんなんじゃ子供達が悲しむのだわよ!」
 無茶を言う華蓮の気迫に負けたのか、びしびしと当たる氷塊がいたいのか、偽物サンタが足を止めた。訂正、腰が抜けてへたりこんでいるようだ。
「やっと諦めたのね。もう……! ちゃんと泥棒なら泥棒らしい恰好をして欲しいのだわ……!」
 ぷんぷん怒りながら、華蓮は逃げられないように偽物サンタをロープで縛るのだった。

●キュートな善いサンタさん
「悪しきサンタさん、貴方達の悪行も其処までですっ! 善なるサンタ、アンジェリカが、貴方達に聖なるホーリーパワーで正義の鉄槌を下してあげましょう!」
 びしぃ! と偽物サンタに向かった指を突き付けるアンジェリカ。
 幼い見た目に似合わぬキリリとしたその表情と口上に偽物サンタも油断せずにアンジェリカを見る。が
「……えっと、自分で言ってて少し……いえ、かなり恥ずかしいのですが……。ノリで言ってみるモノではありませんね」
 恥ずかしそうに頬を赤く染めて髪を指に巻き付けるアンジェリカ。可愛い。
「そもそも聖なるホーリーパワーとは……」
 うごうごと一人悩むアンジェリア。なぜか偽物サンタもきゅんとしている。大丈夫か色々。
「コホン。ここからは真面目にいきましょうか。どうかご覚悟を」
 その様子を見て大きく咳払いをして場を仕切りなおすと、アンジェリカは容赦なく偽物サンタに向かってホーリーパワーで正義の鉄槌を下すのだった。

●まる被りお狐様
 ヒロイン(七面鳥)を抱きかかえた偽物サンタと対峙するのはイナリ。
「いくら泥棒と言っても、可哀想だから殺すのは無しね。ただ、御仕置なんだから散々に痛い目にあってもらうけど!」
 言うなり目を輝かせて偽物サンタとの距離を詰めると、偽物サンタもすぐに走り出す。どうやらこの男が主犯格のようだ。
「逃がさないわ!」
 殺さないように槍の棒部分で偽物サンタをフルスイングするイナリ。中々良い感じに入ったが、残念ながらあの山の向こうまで飛ばすことは出来なかった……。
 そしてヒロイン(七面鳥)は痛みで偽物サンタの力が緩んだのを見てこれ幸いと逃げ出している。
「中々しぶといわね」
「ふざけんな!」
「ふざけてなんていないわ。さっさと降参すれば良かったけど、もう遅い。偽物サンタに、善いサンタからのプレゼントタイムよ」
 にっ。と唇を持ち上げるイナリを偽物サンタが警戒する。
「メリークリスマス」
 それは血まみれのサンタからの贈り物。
 舞うようだった足取りが深く、重くなる。身を屈め、四足で獣のように動く。
 そして、目を輝かせて偽物サンタを見る獣は二体。
「ふふふふ、聖夜はやっぱり活きの良い人を食べないとね……。頂きます!」
 同時に地面を蹴ったイナリたちは、偽物サンタのお腹に齧り付いた。

●サンタさんは食前の運動
 るんるん気分で偽物サンタの下へ向かうムスティスラーフ。
 本当は大むっち砲で一網打尽にしたかったけど、捕らわれのヒロイン(七面鳥)にも当たってしまうから。と自重したのだ。代わりに手分けしての対応となったのだが……。
「さぁ、僕に身を委ねてごらん!」
 低空飛行で一直線に偽物サンタの下へと向かうと、両手を広げて抱きしめようとする。
「いやだぁ!」
 不穏な物を感じ取ったのか、逃げる偽物サンタは必死だ。
「遠慮しなくで良いんだよ!」
 だがムスティスラーフはさくっと距離を詰めると偽物サンタを抱きしめる。抱きしめる。腰を撫でながら抱きしめる。
「ぎあぁぁぁぁぁ!!!」
 ねっとり暖かな抱擁に悲鳴が上がるが気にしない!
「僕に捕まった君はとってもラッキーだよ! 僕とイイコトもできるしね!」
 服越しに感じる偽物サンタの温もりにムスティスラーフはうっとり。
「ハグに加えてサービスでキスもしてあげちゃう! ほら、お得な感じがしてきたよね?」
「助けてママー!!!」
 ママと叫ばれ別の場所で別の偽物サンタを縛っていた華蓮が顔を上げたが、気のせいかと縛る作業を再開する。
「こっち側は良いよ。君にも喜んで貰えると思うんだ」
 うっとりと偽物サンタを見つめると、ムスティスラーフはそのまま偽物サンタを人気のない場所に連れて行くのだった。
 その後は、聞かないほうが幸せだよ……。

●本日のヒロイン
「今日は助かった。有難う」
「良いのよ。人助けも大事なことだもの」
 にっこり微笑む華蓮の横では、彼女にお説教をされて反省する四人の偽物サンタ。あれ、偽物サンタ五人いなかったっけ?
 ママのお説教は、偽物サンタたちの心に響いた。
「全員に! お説教が! 必要なのだわ! そこに正座なさい!」
 捕えた偽物サンタたちを正座させると、華蓮はママらしく四人を見る。
「良いかしら? こういうのはただ金銭的に価値のあるものを盗んだ……というだけでは済まないのだわよ! どこかのご家庭のクリスマスを笑顔で彩る筈だった七面鳥で、そしてマイクさんにとってはただの商品ではきっと無かったのだわ!」
 甘やかすだけがママではない。
 そう語る華蓮のお説教は苛烈だった。だが、そこには愛もある。
「何で買うんじゃなくて盗もうとなんてしたのだわ……困っているなら相談なさい」
「ママ……」
 四人は改心した。ママの愛で。

「さぁ、私自慢の丸焼きだ」
 豪快に一羽丸々オーブンで焼いた七面鳥は美味しかった。
 あっさりだけどホロホロで、ワインにもよく合う。
「まさか、この鳥さっきの……?」
「いや、あの子ならさっきからお嬢ちゃんを突いているぞ?」
 ついつい助け出した七面鳥の美味しくなった姿を想像したアンジェリカは、それを察したヒロインに突かれていた。
「あ痛っ!? 謝りますから突っつくのはやめてくださいっ!?」
 賑やかな横で、偽物サンタたちにも七面鳥を分ける華蓮。その優しさに彼らは泣いている。まあ、食べた後に然るべき場所に連行されるのだけど。
「ほら、マイクさんにちゃんとお礼だわよ!」
「有難う……!」
 泣き笑い、様々な感情が入り混じる中、ムスティスラーフはマイクの下に行こうとして――華蓮に引っ張られるのだった。
「それじゃぁ、後はお願いしますね」
「あぁ、有難うな!」
 にこやかに別れを交わすマイクと華蓮たち。
 偽物サンタたちも改心したし、この後犯した罪の分だけマイクの下で働くという。
 約一名を除き、これで素敵なクリスマスを迎えられそうだ。

成否

成功

状態異常

なし

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