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シナリオ詳細

<FarbeReise>トラップの多い料理店

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●レッツ・パーリィ!
 ブオォと燃え上がる火を見つめながら、砂漠の精霊ともいわれるジンが笑みをみせた。
「フッフッフッ……お客様はいつ来てくれるかなぁ」
 血のように赤く染まる鍋はグツグツと音を立てて煮込まれ、ジンはミンチにして丸めた肉を鍋に投げ込んだ。
「美味しい料理には適度な運動が必要だからねぇ……クックックッ」
 ベルが鳴り、侵入者が来たことを知らせる。
「いやぁ、ようこそ! ジャハンナムへ! 今日のおすすめは羊肉団子の煮込み、ダウードバシャだよ!」
 キッチンから離れたジンは、疲れ切った顔のイレギュラーズ達を前に両手を広げて歓迎の意を示した。
 敵意を感じられないジン相手に困惑した表情のイレギュラーズとヨーシャンクス相手にジンは話を続ける。
「おやぁ? ダウ―ドバシャをご存じない? それもったいない! うちのはレーズンの入った肉団子を使っていてトマトもいいものを使っているから美味しいよ」
 キッチンの奥からはトマトの煮えたいい匂いがしてきた。
 羊肉の団子というと想像しづらいかもしれないが、トマトでしっかり煮込まれているため臭みやしつこさはなく、
 噛めば肉汁がじゅわぁっと広がりレーズンがアクセントとなって味変を起こしてくれる。
 団子も一口サイズであることが多く煮込みハンバーグよりもミートボールの方が近いものだ。
「そうそう、もちろんコース料理だから安心してくれたまえ、前菜は新鮮な玉ねぎ、キュウリ、パクチーを使ったサラダ・バラディも用意してあるよ。ほらほら、突っ立ってないで席について数百年ぶりのお客様なんだからさ!」
 とっても気さくなコックといわんばかりの様子のジンに毒気を抜かれたイレギュラーズ達は空腹もあって素直にテーブル席に着いたのである。

●美味しいお宝
ー数時間前ー
「今回の案内人はオレッチ、ヨーシャンクス・ルメスだぜ」
 ルメスの民と名乗る褐色肌の少年が元気に挨拶をしてくる。
「知っての通り、『赤犬』ディルクの旦那がいう通り、遺跡探索はローレットに任せるのが一番ということになったというわけだ」
 ザントマンの一件などで目覚ましい成果を上げているローレットに傭兵商会連合の幹部が一同期待しているのだ。
「今回探索する遺跡なんだけどさ、ちょっと風変わりでな、料理屋らしいんだよ」
 ローレットのイレギュラーズたちは頭上に沢山の?が浮かんでいる様な表情をしている。
「遺跡の入り口にある文字を解読する限り、奥はレストランらしいんだけどさ……探索に行った奴らはトラップにやられて逃げてきたってわけ。侵入者を料理するという店かもしれねぇし、そこでちょいと一緒に行こうってお誘いさ!」
 『トラップのある料理店』なんだか、どこかで聞いたことのある響きしかない。
「矢が飛んできたり、岩が転がってきたりといろんなトラップがあったとはいっているが最後まで行った奴は今のところはいねぇし、お宝が料理だったらきっとうまいに決まっている! だからさぁ、一緒にいってくれよぉ~!?」
 最後は涙目になりながら縋り付いてくるヨーシャンクに犬っぽさを感じたイレギュラーズたちは迷っていた。
 

GMコメント

こんここーん♪
橘真斗です。
アドベンチャーと料理を楽しんでもらうためにのシナリオを作成いたしました。

料理は簡単なコース料理が提供されて、
前菜……たまねぎ、紫玉ねぎ、パクチーを使い、レモンやバジルで味付けされた『サラダ・バラディ』
スープ……モロヘイヤがたっぷり入ったトマトと玉ねぎスープ『ムルキーヤ』
メイン……レーズン入りの羊肉団子をトマトで煮込んだ『ダウードバシャ』
デザート……砂糖をたっぷり使ったミルクプリン『メハラビア』

●アドリブ・アドベンチャー・システムを使っています。
転がってくる岩や、くし刺しになる落とし穴などのトラップを華麗に回避してください。
トラップの内容も皆さんが思いつく限りなんでもありです!
火責め、水攻め、崩れる足場などなど……。
それらをアドリブで考えて華麗にクリアしていきます。プレイングで書けば自動成功するので、一安心です。
もちろん、ヨーシャンク君も一緒なので彼も守ってくださいね!

ヨーシャンク君が仕掛けを踏むことは多いかもしれませんが、許してくださいね。

●敵情報補足
ボスとして、光輝く鳥であるベンヌが1体遠距離から炎を飛ばしてきます。
副ボスとしてミノタウロスが4体、両手斧を使った完全パワー前のめりタイプです。
ザコとして、毒蛇が10体。噛まれると【BS】毒や【BS】麻痺を受けるので注意しましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <FarbeReise>トラップの多い料理店完了
  • GM名橘真斗
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月31日 22時12分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
志屍 瑠璃(p3p000416)
遺言代行業
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
ギンコ・キュービ(p3p007811)
天使の選別
笹木 花丸(p3p008689)
堅牢彩華
チヨ・ケンコーランド(p3p009158)
元気なBBA

リプレイ

●いざ、美食を求めて!
「レストランの遺跡ぃ? いや遺跡のレストランか」
 FalbeReiseってのは訳の分かんねぇ場所だな……テーマパークかっての。
「おい、! ショーシャンク! 俺のそばから離れるんじゃねぇぞ?」
 『盗賊ゴブリン』キドー(p3p000244)は入り口から、飛び出る槍のトラップを解除してから警戒している。
「わ、わかってるよ。けど、俺の名前はヨーシャンクス! 間違えないで欲しいぜ」
 ぷぅと頬を膨らませ名前を訂正して詰めよるヨーシャンクスをキドーはなだめた。
「へいへい……とにかく、変なスイッチだけは触れんなよ」
 スイッチに触れる触れない関係なく動いているものもあり、テーマパークというキドーの突っ込みもさもありなんといった様子だ。
「うわー、ペンデュラムが何枚も動いて進路をふさいでいやがる! タイミングを計って進まねぇとだな!」
 振り子上に動く刃に『砂風をまといしもの』ギンコ・キュービ(p3p007811)は警戒しながら、突き進む。
 しかし、途中から突風が吹いてバランスが崩れそうになるのを刃と刃の間で、ブルーブラッド特有の尻尾も使ってバランスをとって耐えきった。
「ここまで客を拒むトラップがあるというのは、どうなんだろうね? 食前の運動と考えれば悪くない趣向ではあるけどね」
 ギンコに続き、『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)もタイミングを見極めながら、
楽し気に歩んでいく。
 多少のスリルも食事へのスパイスといった様子だ。
「ったく、これで半端なメシだ去られたら黙っちゃいねぇぞ」
「オレッチもうまい料理か宝があって欲しいぜ」
 『アートルムバリスタ』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)がペンデュラムと突風で仕込まれた通路にため息をつく。
「メルクの民を傷つけたらアニキに申し訳たたねぇし、ここは力技でいくか」
 揺れるペンデュラムの釣り下げている鎖をアニキと慕うディルクの魔剣『黒犬』のレプリカで斬りつけて落としていく。
「テーマパークにお似合いのメンバーだな、頼りがいがあるぜ」
 キド-がぼやきながらヨーシャンクスを連れて遺跡の奥へと進んでいくのだった。

●ラサの危険なダンジョン
「おっ! 宝箱! お宝じゃーん!」
「待ってください、火薬のにおいがします」
 捜索して部屋に合った宝箱に近づこうとするヨーシャンクスを『遺言代筆業』志屍 瑠璃(p3p000416)が止めて足元に転がっていた手ごろな石をヒュッと宝箱に投げつけた。
 宝箱に石がぶつかると爆発して粉々になる。
「こんな仕掛けまであるなんて、本当に料理屋が奥にあるのかも怪しくなってくるわね」
 『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)は他に部屋に何もないか確認していると、ガタンと壁が回転してエルスの姿が消えた。
「ホッホッホッ、こういうのは『だんじょん』というより忍者屋敷じゃのぅ」
「ここで行き止まりだから、先に行くしか無いようだね。ほんとメシマズだったら怒るよ!」
 のほほんと気楽な『元気なBBA』チヨ・ケンコーランド(p3p009158)ではあったが、トラップだらけの遺跡に『おかわり百杯』笹木 花丸(p3p008689)はプンプンと怒りをあらわにしている。
 その怒りをぶつけんばかりとエルスが消えた回転した扉を強固な拳で砕いた。
 壁の先は煙突のように空洞が上下に広がっている。
「エルスさんはしたに降りた……落ちたのでしょうか?」
『下にいるわよー、気を付けて下りた方がいいわよー』
 暗がりでの下から聞こえる声に花丸が下を覗いて確認すると、エルスの姿と煙突状の空洞のところどころに鋭い刃が生えていて、シャレコウベと目が合った。
「本当に何なのこの遺跡!?」
 見たものを仲間に話、ゆっくり花丸が下ろしていこうという話をしていく。
「ところどころにやりがあるのじゃな? このくらいの幅なから駆け下りたほうが早そうじゃ!」
 チヨの言葉に何をいいだすのかと思った一同だが、空洞を壁走りに用に駆け下り生えている刃をアクロバットな動きで回避していく姿を見て唖然とした。
「この遺跡もたいがいですが、頼もしいメンバーに囲まれているのが救いね」
 瑠璃は花丸やチヨの存在に感謝しつつ、この先も何とかなるのではと希望を抱き美味しい料理にたどり着けることを祈る。
 まだまだ、遺跡の深さはわからないがこのメンバーであれば大丈夫だと不思議な安心感がわいてきていた。

●水没トラップ
 空洞を降りてきた一同が見つけたのは案内看板である。
 ヨーシャンクスが描かれたモノを手帳を見ながら解読した。
「ええっと……『やぁやぁ、お疲れ! 中間ポイントだよ。もう少し頑張って!』と書いてあるぜ」
 気さくな雰囲気ではあるものの、その言い回しが逆にイレギュラーズ達の気力を削っていく。
「遊んでやがるな。気に入らねぇ……」
 キドーがケッと唾を吐き捨てるが、花丸とルカは闘志を燃やした。
「激おこプンプン丸だよ! これはもう、トラップも壁もぶち壊して進むしかないね!」
「気があうな、俺もこっからは強引にぶち進む方向に賛成だ」
 ハイタッチを交わした二人を先頭に今までよりも早く一同は進んでいく。
 転がってきた岩を砕き、落ちてくる天井を力任せに抑え込んで部屋を抜け、クネクネと曲がる迷路のような通路の壁を破壊してながら突き進んだ。
「楽っちゃらくだが、どうなんだかなぁ……さて、この部屋はどうやって進むんだ?」
 高い天井にいくつもの窓のような穴の空いた広いホールのような部屋へたどり一同は着き、また行き詰る。
 中央には不思議な像があり、柱が何本か立っている部屋だ。
 上の階にあったような移動手段がどこかにあるのではと、壁などをチェックする。
 しかし、像も動くことはなく特に怪しいところはないようだ。
「頼もしくっていいじゃんか」
 キドーのボヤキにヨーシャンクスが探索をしているとカチッと足元からイヤな音がした。
「おい! 絶対動くなよ! 動くんじゃねぇぞ!」
「わ、わかってるって」
 キドーが近づき、罠の解除をしようとヨーシャンクスの足元に近づき、罠を解除しようとしたとき、埃が立ったのかヨーシャンクスの鼻をくすぐり、くしゃみを誘った。
「ふえっくしょぃ!」
 くしゃみと共にヨーシャンクスは足を上げてしまい、ゴゴゴゴと大きな音がホール内に響きだし、天井の穴という穴から水が滝のように流れてきてホールの足元から水がたまり、水位がどんどんと上がっていく。
「くそっ、だから動くなって言っただろ! 水の量が多すぎる、早くどこかに排水するものがあるはずだ」
 悪態をつくキドーに花丸が飛行して水上へ、浮かぶと柱に両足を付けて踏ん張る。
「花丸! 反転パァァァァンチッ!」
 柱を蹴った勢いをつけてホールの中央にある像を砕くとその中が空洞となっており、全員はウォータースライダーのように下に流されていく。
「やっぱりテーマパークじゃねぇぇかぁぁぁぁ~」
 最後に流されるキドーの声が水と共に消えていった。

●こんなこともあろうかと!
 ずぶ濡れのウォータースライダーを抜けてきて、イレギュラーズ達の疲労は限界に近かった。
「まったく、困ったわね」
 ぴったりと服がその豊満なボディにまとわりついていることを気にすることなくエルスがつぶやくが、困るのは男性陣の方である。
「エルスさん、男がヤーな目で見てるからちゃんと隠したほうがいいぜ?」
「でも、このままだと風邪をひいてしまうな」
 ギンコの注意を受けるエルスのそばで、クシュンとマルベートがカワイイくしゃみをした。
「そんなときこそ、わ し じゃ よ!」
 チヨがドドンという効果音が似合いそうなドアップでマルベートの前に姿を見せる。
 背中に背負ったドラム缶を床に置くと、なんとどこからともなくお湯を入れ始めたのだ。
「見張りを交代しながら、服を乾かして湯につかるといいのじゃ。体の芯からたたまるぞい」
「これが噂に聞く五右衛門風呂というやつですね」
 瑠璃が突如用意された風呂に驚くも、確かにずぶ濡れでいい気持ちはしなかった。
 この部屋には異音や異臭はないので、安全でもあるため湯舟で温まるのも悪くはない。
「『れでぃーふぁーすと』ということで、女子たちからじゃな、服は火を焚いて干しておけば乾くじゃろう」
 世話好きのお母さんのような手際でチヨが火を起こして服を干す場所を確保していった。
 男どもはその部屋の外の通路から先のトラップがないかの確認と解除をしながら進んでく。
 濡れネズミのままだが、じっとしているよりかはまだましだ。
「あれがゴールのようだぜ。よかったぁ……」
 ヨーシャンクスが明かりの見える通路の先から見下ろせば、崖を石で作られた橋で渡った先にレストランのような建物がようやく見える。
 ゴールはすぐそこだが、服を乾かしてから行こうと男達は頷き、女性たちとの交代を待つのだった。

●最後の守護者
 イレギュラーズたちが一休みをして準備を整え、気持ちを切り替えて螺旋階段を下っていくと開けた洞窟のような場所に目の前には石橋、その先には不釣り合いなレストランの明かりが見える。
「明らかに怪しいよなぁ……」
 ギンコが周囲を見張っていると、瑠璃がある声を聞きつける。
「鳥の鳴き声……上から」
 イレギュラーズ達が上を見上げると地下でありながら太陽のようなまぶしい光が視界を包んだ。
 目くらましを食らった状況で、攻撃を警戒するために固まったイレギュラーズ達の前には光る鳥でもあるベンヌとどこから現れたのかミノタウロスと毒蛇が石橋を通せんぼするように立ちはだかった。
「まぁ、最後はそうなるよな……だが、こっちの方が得意ってもんだ。いくぜ! 野郎ども!」
 ルカが雄たけびを上げれば、ベンヌをはじめミノタウロスや、毒蛇たちの動きに怯みがみえる。
「ザコは花丸ちゃんにお任せ! 牛と鳥は頼んだよ!」
 毒蛇を半分をひきつけ紅蓮の炎に包まれた拳で倒していく。
「わしも蛇くらいなら何とかするかのぅ」
 鋭い手刀で一刀両断をしていくチヨも加わり、ミノタウロスへの突破口まで開かれた。
「ずぶ濡れにもされてきたけど、これもラサの為……この空腹の為……!」
 エルスが封蝋の指輪を鎌に変え、溶けることのない氷のペンデュラムと共に、ミノタウロスへと斬りかかる。
 斬りつけられたミノタウロスの一体が恍惚とした表情をしながら倒れていった。
 仲間のミノタウロスが一撃で屠られミノタウロス達が怯むも、イレギュラーズ達の勢いは止まらない。
「この後の料理が待っているとは言え、少々空腹だ、ウェルダンで焼かせ貰おうかな?」
 マルベートが罪人を燃やすほどの業火でミノタウロスの1体を包み込んでいる隙にラサがその一体をむさぼり喰らう大顎を繰り出した。
「さすがは牛、なかなかの味わいだ」
 ルカの攻撃で食い散らかされた肉片をマルベートが食べながら次の敵へと狙いを定める。
 だが、ベンヌが火炎を放ちミノタウロスへの接近を防いだ。
「あの攻撃はやっかいだぜ、こいつで火炎攻撃を封じているうちに誰か頼んだぞ!」
 キドーがベンヌに対して、封印攻撃を仕掛けていくとベンヌは炎を放つことができなくなり、飛行してからの突撃をしかけてくる。
「分かりました! お任せください!」
 毒蛇の数が減っているところをみて瑠璃が奥州筆頭が不動明王に捧げた瞳の代わりに得た魔眼の力にて、突進してくるベンヌを睨みつけた。
 睨みつけられたベンヌは目や口などから血を吹き出して、地面に墜落する。
「ここまで来たら最後の追い込みだぜ! 忍法、精神吸収の術!」
 弱っているベンヌの動きをさらに制限するかのようにギンコが術をかけて行動力を奪っていく。
 その後、瞬く間にベンヌが倒されると光体の中から、色宝が出てきた。
「色宝を持っていたのね……ふふふ、意外な見つかり者があってよかったわ」
 エルスはラサのためになる秘宝を手に入れたことに笑顔を浮かべる。
 さぁ、あとは料理を楽しむだけだ。

●最高のディナーを貴方に
 本当にレストランがあったことにもイレギュラーズ達は驚いたが、店主が砂漠の精霊ともいわれるジンであることがもっと驚きであった。
「美味い飯に冷たいワイン……こいつぁ、かなり熟成されているな」
「ハッハッハッ、まぁざっと数百年モノだからね!」
 ワインの味に舌鼓を打つルカにジンはウィンクを飛ばした。
「この味なら……花丸ちゃんも許しちゃうよ。激おこでぶん殴ろうと思ったんだかね!」
「それはごめんよ。でも、僕としては普通にお店をやりたかったんだけど段々とモンスターが住み着いたりしてきてねぇ……ただ料理を食べてもらいたいだけなのに討伐されかけたこともあったから奥に奥にいったらこの通りさ。おかげで君たちが400年ぶりのお客様だね!」
 カラ元気さが見えるジンの姿にイレギュラーズ達は各々に思うことが見つかる。
「この味を伝えるべく、私に料理を教えていただけないでしょうか?」
「あっ、私も教えてもらいたいわ……ラサ独特のメニューだもの」
 瑠璃とエルスが料理を習いたいとジンに近づく。
「俺からもメシ代変わりだ。美味かったぜ!」
 キドーも持ってきていた秘蔵の【巨大酒樽】稲荷酒造・桃源郷 をテーブルへと置いた。
「400年ぶりに合ったのが君たちで本当によかったよ、僕は幸せなジンだなぁ……」
 おいおいと泣き始めるジンをなだめながらイレギュラーズ達は最高の料理と共に最高の思い出を作る。
 遺跡の本当の宝はこの思い出なのかもしれないと誰もが感じていた。
 

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

冒険ありがとうございました。
遺跡探索から料理を味わい、敵も倒すとモリモリな内容でしたが皆さんの楽しいプレイングがよかったです。
素敵なひと時をありがとうございました。
またのご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。

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