PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ビブリオの魔物

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「ねえ、お兄ちゃん。これがパパが隠していたすごい本かな?」
「そうだね、開いてみよう。どんな秘密がかくれているのかな?」
 その日、父の経営する図書館で固く入室禁止を強いられていた地下書庫の鍵が開いていた。
 好奇心の強い小さな冒険家の兄弟は、そのタブーを破って地下に降り、禁忌の書物(たからもの)を見つけてしまったのだ。
 『稀覯本』。そうプレートに書かれた棚の本を取り出す。
 ひとつ、地下書庫には入ってはいけない。
 ひとつ、地下書庫の本は開いてはならない。
 彼らは父親に強くその約束をさせられていた。何故開いてはいけないのか? その理由はきいたことはない。それが仇になったのだろう。
 その約束は彼らを守るためであったというのに。
 少年たちは本を開いてしまった。
 はじめてみるその書物はとても不思議な文様が描かれていた。少年たちは夢中でその本の頁を繰る。
 頁を繰る指先が赤黒く変色していく。彼らは気づかない。
 文様を見る瞳が大きく膨れ上がり飛び出し爛々と輝く金になる。彼らは気づかない。
 兄弟の体が大きく膨らんでいく。彼らは気づかない。
 その体に押されて、おいてあったカンテラが倒れ、明かりが消える。彼らは気づかない。
 まくら闇でも書物の文様は読み取れるから。
 
「お前たち、何をしているんだ」

 背後から声がかかる。兄弟は振り向く。

 ――あ あ 。 な ん だ か  美 味 し そう な  もの が  き た ぞ。


「君たちは、今暇かい? ちょっと緊急の依頼があるんだ」
 『黒猫の』ショウ(p3n000005)が隣に髭の紳士を連れ、君たちに話しかける。
「彼は魔術書も含む図書館を経営する、ハイデガー氏。今回の依頼人だよ」
「紹介に預かったハイデガーです。私の息子たちが、本に取り込まれてしまったのです」
 ハイデガー氏は状況を説明する。それによると、その日地下書庫の鍵をかけ忘れてでかけてしまって、折り悪くそれを発見した彼の息子である兄弟が冒険と称して書庫に入ってしまったのだ。
 それだけなら救いはあった。しかし彼らは目ざとく稀覯本の文字を見つけてしまった。
 稀覯本の書架。それはめったに見られないような特殊な魔術書を収めている書架だ。問題ないものなら良いのだが、中にはとびきりに危険なものも存在している。
「私がなぜ、開いてはいけないのか説明を怠ったのが、悪かったのです」
 彼の息子たちが開いたものは、読むものを魔獣に変えてしまうという危険なもの。
 開くだけなら大丈夫だ。しかしじっくりとその書物に描かれている文様を眺めてしまったら、その対象を魔物に変えてしまう。それだけならまだしも、思考でさえも操り、自分が本当に『人を食う魔物』と信じてしまうのだ。
 ハイデガー氏は兄弟から命からがら逃げ出し、書庫に鍵をかけ、兄弟を閉じ込めている。
「元にもどすには、件の本を見つけ壊すことです。……たしかにその本は大切なものです。ですが息子二人の生命に変えることはできません」
「というわけだよ、君たちにお願いしていいかな?」
 ショウは情報の書かれたメモを君たちに渡した。

GMコメント

鉄瓶ぬめぬめです。
 今回は魔物になってしまった兄弟を助けてもらう依頼になります。

 成功条件は兄弟の生還

 
 ロケーション
 ハイデガー図書館の地下書庫です。
 暗いです。明かりは用意してください。
 広さは20m×20m程度。レンジにはお気をつけください。
 また、書架と書架の間は戦闘も考えると2人程度しか並べません。

 稀覯本書架は8個あります。その中に、彼ら兄弟を魔物にした本がありますので見つけてください。

 魔物の本
 黒い皮の表紙です。禍々しい雰囲気があります。
 とはいえ、ここは図書館。同じような本がたくさんあります。
 壊してもいい本はこの魔物の本だけです。適当に壊したら怒られます。どれもが貴重な書物です。
 また、制限時間は90ターン。それを超えると兄弟は本当に魔物になってしまい、討伐することになるので失敗です。

 探し方のルール
 まず、書架番号1~8をお選び、プレイングに記載ください。お一人様につき4つまで選ぶことができます。
 ただし、魔物との戦闘をする方は探すことができません。
 適当に探したら1/100の確率(1d100)で見つかります。
 書物に対する知識、スキルなどがあれば、確率はあがります。(最大確率1/10まで)
 探し方を工夫していたら更にみつかりやすくなります。
 見つけるためには1ターン必要です。見つからなかった場合はもう一度1ターンかけて探します。
 その選んだ書架にないのがわかるのは7ターンです。見つからなかった場合は別の番号の書架を探してください。
 (探す順番を8>1>5>4のように優先順もかいてください)
 本の並び方に規則性はありません。
 PC同士で同じ書架がかぶった場合、そこになければ、3ターンでないことが判明します。

 本を3回間違えるとリビングワード(魔物本に触発された本のモンスター)が1体現れます。
 リビングワードは2人くらいの方が集中攻撃すれば1~2ターンで倒せる程度の強さですが、戦闘が発生するたびに、調べることのできる書架の数が-1されます。(優先順位が一番後の書架を探すことができなくなります)

 てきさん
 魔物になった兄弟が2人、書庫内を徘徊しています。書架の本が見つかりそうになると邪魔をしてきます。
 殺してしまったら、そのまま死んでしまいますが、不殺で戦闘不能にすることは可能です。
 攻撃内容は、眠らせてしまって動けなくしたり(BS麻痺相当)狂気状態にしたり、混乱させたりするBSを含む攻撃をしてきます。
 攻撃力自体はそれほどでもないので、押さえ役をつけるといいかもしれません。(但しその人は本をさがすことができません)
 
 リビングワード
 3回間違えたら出てきます。攻撃力はそれほど高くはないので、耐えながら探すというやりかたもあると思います。でも倒されないようご注意くださいね!
 こちらも担当をつけるといいかもしれませんが担当する場合は書架を探すことはできません。

 以上いろいろ変なギミック満載ですが、ぜひパズル感覚で楽しんでいただければ嬉しく思います。
 相談期間の意味と複雑さでハードとさせていただきます。

  • ビブリオの魔物Lv:2以上完了
  • GM名鉄瓶ぬめぬめ
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2018年04月25日 21時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

スウェン・アルバート(p3p000005)
最速願望
ボルカノ=マルゴット(p3p001688)
ぽやぽや竜人
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
赤羽・大地(p3p004151)
彼岸と此岸の魔術師
アニエル=トレボール=ザインノーン(p3p004377)
解き明かす者
シラス(p3p004421)
超える者
Svipul(p3p004738)
放亡
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ

リプレイ


 カツンカツンと靴音をたて、書庫に向かう石の階段を降りていく。カンテラの淡い光が揺れた。
「魔本、ふむ。魔本なぁ……。幼気な子供を食い物にしようとするものは、例え書物であろうとも許されることでないよ」
 『放亡』Svipul(p3p004738)が、隣にいるペアの相手、『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)に声をかける。
「せやなあ、お姉ちゃん……じゃなくてSipulちゃんのいうとおりやと思う」
「……お姉ちゃん……はっ」
「どうしたん?」
「いやなんでもない」
 その言葉に感じ入るものがあったのかSipulはブーケを守ることを心に誓う。
「稀覯本の書架、か……正直、心が騒ぐ、が。それより、今は兄弟達の一大事だ。子供等ニ、罪はねェ」
 罪なき子を喰らウ、魔物の本ハ、いくら本好きの俺達でも放っておけないナと、書物に対しては一家言を持つ『自称、あくまで本の虫』赤羽・大地(p3p004151)が頷きながら闘志を燃やす。
「というか、父親がキチンと話をしてなかった、ってのも個人的にオコっすよ」
 ぷりぷりとしながら、『最速願望』スウェン・アルバート(p3p000005)が答える
「でもまあ、父親が助けたいって言うんなら、やり直しがきくんで、まあ、あとで小突いて小言のひとつもあとで言うっスかね。頭ごなしに禁止されたら子供にゃ何が悪いのかわからないッス。だから諭し見守る義務ってもんがあるって」
「そうだナ。そのとおりだ。俺もソウ思ウ」
「得意分野ではあるが、この世界の稀覯本というと話は変わるか」
 ひとりごちるは、『特異運命座標』アニエル=トレボール=ザインノーン(p3p004377)。
 ――しかし、この程度の事件を解決できないようでは私の存在意義に関わる。彼女にとっては『事件解決』という命題は自らのレゾンデートルでもある。此の中でもっとも解決を強く思うのは彼女であるのかもしれない。
(あーあ、オッサンが逃げそびれて食い殺されていたら、兄弟を退治するだけで楽に片付いたんだろうね)
 彼女に聞かれてしまったら「それは事件解決ではなく事件拡大だ」と言われてしまいそうなことを、『特異運命座標』シラス(p3p004421)は思う。
(ま、とはいえ、仕事の手は抜かないけどさ、あーあー、かったるいなあ)
 シラスはハイデガーから預かった書庫の鍵を指先でくるくる回したあと、鍵穴に差し込みぐるりと回す。かちゃりとドアを開ければ古い本の匂いが香る。
「子供の好奇心とはなんとやらーであるな。いや、猫だったかな? まあ助けることができるならばっちりたすけてみせるの!」
 『ぽやぽや竜人』ボルカノ=マルゴット(p3p001688)はやる気いっぱいだ。一方バディの『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)は顎に手をあて難しい顔をしている。
「どうかしたのであるか?」
「あ、いえ、埃の多寡でどの当たりにいるのかは予測がつくとおもったのですが、随分ときれいに掃除がなされていると思いまして」
 そも、何故鍵が開けられていたのか。それはハイデガーが掃除をするために入室したからである。図書館である以上稀覯本の閲覧も魔術師などから依頼をうけることがある。また埃をかぶったままであると本が痛みやすくもなるため、どちらの理由としても定期的な清掃が必要になってくるからだ。
「まあ、他にも捜索の手がかりは用意しています」
 
「じゃあ、探索といこウ。霊魂的なものは、いないようだナ」
 少しだけ寂しそうに大地が呟くが、ならば自分の目でこの稀覯本の山を探せばいい。それはそれで心が跳ねるほど嬉しくもある。
 彼らは周囲をカンテラを掲げ見渡す。とりあえずその光が届く範疇に『怪物』はいない。
「うわ、怖、暗。書庫ってみんなこんななん?」
 ブーケが大げさに怯える。

 稀覯本の書架は入り口から少しスペースがあり横に二列、縦に四列並んでいる形だ。なるほど。戦闘はし辛いのは致し方ないといったところか。
「兄弟と戦うのであれば、この当たりまでおびき寄せるのがいいでしょうね。書架の近くで戦ってしまえば他の本が傷つくかもしれません」
 寛治は冷静に状況を分析する。
「魔術の素養はからきしですが、成果を出すのがプロフェッショナルですから」
「見つけたら、ここまでおびき寄せて皆も呼び寄せる! そういうプランだよね」
 シラスの確認に寛治はそのとおりですと答えた。

 ペアはスウェンと大地が1番のプレート、アニエルとシラスが3番のプレート、ブーケとSipulが5番のプレート、ボルカノと寛治が7番のプレートから探索をはじめることになる。
 彼らは各々担当のプレートに向かう。

 一番手前のスウェンと大地が書架の両端から探索を始める。
 その最中、書架にたいしてスウェンは警戒を高め、大地は黒い禍々しい表紙を探る。ない。それらしき本もない。

「エマージェンシーであるー!へるぷへるぷ!」
 奥側に向かっていたボルカノ寛治ペア、ブーケSipulペアから、兄弟を見つけたとの叫び声が上がった。
 アニエルとシラスは直ぐに入り口近くのスペースにまで戻る。
「4人とも、本ヲ、傷つけないようニ、きをつけテ」
 大地が心配そうに声をかけた。
「わかっているのであるー! 今、引っ張り出しているのであるー!」
「こんなん罰ゲームやん! 暗いとこ照らしたらバケモンおるって! 聞いてたけどきいてないわ!」
 4人が慌てて入口前に迎えば、その後をのそりと化け物の兄弟が追いかけてくる。
「おいし そう おい し そう」
「ごは ん いっぱい」
 異形化した兄弟は餌につられいとも単純にそこに近づいてくる。
「ふむ、緑の目の君、準備はいいかな?」
 Sipulが怯える相棒に聞く。
「もうキモ据えるしかないやん?」
「ならばよし」
 体内のギアを切り替えたSipulは長い脚を撓らせ、目の前の兄に攻撃をしかける。
「こういうのは得意ではありませんが」
 寛治は紳士用の傘を開き防御に集中する。
 ボルカノはその巨躯を活かした格闘で応戦する。ブーケは怖さごと蹴り飛ばすかのように、蹴戦での対応に入る。
 一方、弟に対してはスウェンと大地、シラスとアニエルが対応する。
 ペア毎に挟み込むように配置を調整し、いの一番にうごいたスウェンが蹴り技で牽制している間に大地が遠距離術式でダメージを与える。不殺を有していないからこそ、慎重に重要な臓器のあるような部分は避けるように打ち込む。幸い巨大化していることもあり、当てることができる部分も増えているのが救いだ。
 前衛にでたシラスは威嚇術を重ねていく。護身術アプリケーションを呼び出したアニエルは最も効果的なポイントを狙い攻撃を続ける。
 彼らの戦闘はこうして幕を開けた。
「おいし い の、てい こう する」
「なら、 ころ そう こ ろし て くお う」
 相対する兄弟の攻撃はそれほどの火力ではない。とは言え、彼らの攻撃のひとつひとつが厄介なバッドステータスを付与してくるものなのだ。
 混乱した仲間が味方には攻撃しないものの、不殺が付いていない攻撃をしたり、魔物の攻撃力より高い最大火力を味方にぶつけ回復に手を取られてしまうなど、戦場は常に乱れて混線したものになってしまう。
 BS回復ができるものがひとり、体力回復できるものがひとり、それはこの状況においてかなりの苦戦を敷く結果になる。
 20ターンがすぎる。兄弟は多少はダメージを受けているとは言え健在だ。此方は満身創痍である。
 戦闘が長時間に及べば、その分魔力も、体力も、戦闘に必要なリソースは回復というリソースがすくなければ少ないほどに枯渇していくものなのだ。
 最初に兄弟を相手取るという作戦も悪くはない。しかしその戦闘において人員というリソースが減った場合はどうなるであろうか?
 序盤の戦闘にリソースを裂きすぎてはいないだろうか?
 兎にも角にも彼らはその時間の経過でまず片方を落とすことに目標を切り替える。
 そして30ターン目。危うくはあったが、シラスの威嚇術が兄を戦闘不能にする。それと引き換えにこちらの陣営は
スウェンが戦闘不能になっている。またアニエルもパンドラを消費している。
 1体は残った。ここが分水嶺になる。このまま戦って落ちるものがいれば、探索に支障が出る。
 彼らは時計をみつめ、あと10ターン戦闘を続行することに決める。
 35ターン目。彼らは弟も戦闘不能にすることに成功するが、引き換えにパンドラを使用していたアニエルが戦闘不能になる。
 残る探索者は大地、シラス、ブーケ、Sipul、ボルカノ、寛治の6人である。
 チームを再編成する余裕はない。彼らは決めたままのチームで行動を開始する。一番やっかいだと思われる兄弟は現在は沈黙している。

 まずは大地が1番プレートを探す。資料検索の技能も相まって、此の書架にはないことが判明する。とは言え戦闘を担当するものがいない以上、自らが戦うしかない。リビングワードらしき本を引き出す前に気づいたこともあり、戦闘する必要があった、回数は2回で済んだ。
 自らにヒールを施し、次の書架に向かった。

 シラスは3番のプレートを探る。もともと提示されていたように本の並びに規則性はない。シリーズとしての集まりはないとは言えないが、シリーズ物を選んだという確証はない。埃についても前述したようにきれいなものだ。
「ああ、もううっとおしいな!」
 噛み付くリビングワードを何とか撃退するも、残り体力はギリギリだ。次にライドワードと戦えばそこで戦闘不能になるだろう。
 すれ違った大地に一度ヒールをもらったが、ヒールの弾数も残りわずかなのはわかっている。次にもらえることはないだろう。
 それでもシラスは4番の書架に向かう。3度間違えた。リビングワードが現れる。コレでゲームオーバーか。シラスはそう思うが、だからこそ、だからこそ、刺し違えてもこのリビングワードを倒さなければならないと思う。もしコレが他の書架の者に向かったらそれこそ大惨事だ。それだけは自分のプライドにかけて許せない。かっこ悪いじゃん!
 シラスは残りの力でもって、リビングワードとの相打ちという形で戦闘不能になった。
 
 ブーケとSipulは5番の書架を最初と最後から目を凝らして探索する。
痕跡を探すがそこにはないように見える。ブーケとSipulがほぼ肩を合わせるほどの距離まで近づいた所でリビングワードが現れる。
Sipulはブーケに「ここは任せて貴公は次の書架を」と促す。自分の残りのリソースは心もとないがそうも言ってはいられない。さっさと倒し、姉とよんでくれたブーケの元に向かわねば、と思う。
 そんなブーケは気丈にも頷き一人で6番書庫に向かう。
 そうだ、それでいい。

 寛治とボルカノは、寛治の指示により7番プレートの子供の目線の高さを探る。
 カンテラなどは特にみつからない。目にとまるような特徴のある本を探索するが、それらしき本はない。
 この書架にはないだろうと寛治が当たりをつけようとしたところ、ボルカノがふいに触った本がリビングワードとなる。
「おおっと! こっちもまかせるであるよー、新田殿は次の……」
「あったでーーー!!!」
 その瞬間ブーケが本の発見を大声で告げた。
 弾かれたように顔をあげた寛治が6番書架の方をみれば、ブーケが両手で本を持ち上げている。彼の足元をみれば転がったカンテラが落ちている。
「ビンゴはあちらでしたか……ブーケ様は決してその本を開かぬよう」
「言われんでもそんなこわいこと、ようせんわ!」
 寛治の注意にブーケは首を横にぶんぶんとふる。真っ黒なその本は不気味なオーラを漂わせているかのようだった。

「ともあれ、リビングワードはすべて倒してしまいましょう」

 あとはもう簡単な仕事だ。リビングワードを倒しきった彼らは魔本を持つブーケの元に集う。
「いくら貴重でも物騒すぎるのであるな!」
ボルカノがむん。丸太のような腕であっという間に本を真ん中から切り裂いて、紙切れにしてしまう。
「あ、もったいなイ、いや、わかっテる、けど。すこしだけ解読したかっタっておもって……いないシ……」
 大地が引き裂かれる本をみて、とっても、とっても悲しそうな顔をした。


 魔本が引き裂かれたあとは、兄弟は多少怪我は残って入るが元の姿にもどることはできた。
 ハイデガーは彼らイレギュラーズに何度も何度も礼をして、この好奇心の強すぎる兄弟に何故勝手に本を開けてはいけないのかを説明することを彼らに誓った。
「まあ、好奇心っていうのはしかたないから、あんま怒らんといたってな」
 ブーケの言葉にハイデガーは少しだけバツの悪い顔をしたのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

皆様おつかれでした。
正解の書架は6番でした。状況が状況ですので、みなさんが書架に届くのかドキドキしました。
優先順3番目移行に配置していたのであれば、戦闘回数もあり探索不可能で終わることもあったのです。
探索順における配分も上手く、ギリギリでそれなり以上の損害はありましたが成功でございます。

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