シナリオ詳細
【天牢】再演・天使事件
オープニング
●いざ、崩壊の刻
天義聖都フォン・ルーベルグ。天の御心、寵愛を一身に受ける(と、当事者達は信じて疑わない)この都市にも夜は平等に訪れる。
そして、輝かしき主とて全ての罪に万能な対応が出来るわけではない。
闇に落ちたナーベンリーベ聖堂、大司教の執務室は闇の中に僅かな光を宿し、大司教と、彼が呼びつけた騎士鎧の男を映し出していた。
彼は、先日この教区で『謎の面々』によって命を絶たれた聖騎士達の後釜として赴任してきた男であり、そして良くも悪くも汚れを知らない人物でもある。
「我々はあなた方の『同胞』の死をおおいに悼んでおります。然るに、公認として訪れたあなたに神を奉ずる心があり、正義を重んずる矜持があらばこそ、我々の篤き信仰にもご理解いただける筈と、そう思っております……つきましては」
大司教、ゼト・ファーネリアは指を鳴らし合図をする。影から現れたのはフードに身を包んだうら若き少年と、その手が大儀そうに持ち上げた、少なくない金銭。
「こちらを弔いとあなた方との友好の証と致しましょう。私はこの教区の騎士の方々と『懇意にして』おりますので、出来ればあなたにも」
「断る、と言ったらどうする、ゼト大司教猊下」
騎士は最後まで言わせず、鋭い視線で大司教を貫いた。
有無を言わせぬ視線に少年は手許の金銭を取り落としかけたが、さすがにそれだけは避けた。
「その少年が『慰み者』でしたか。それとも、『囲い者』を此方に? 何れにせよ、我々を相手に汚職の交渉とは我々も、天義の騎士の権威も地に落ちたものだ……吐き気がする」
「何を……貴様、何処まで知っている?!」
ゼト大司教は騎士の言葉に動揺を隠せず、数歩後ずさる。
それに呼応するようにフードを被った少年――と、似通った格好の少年数名が闇から姿を現し、何も言わせず騎士へと次々に簡易魔術を叩き込む。明らかに殺意が籠もっている。騎士といえど、無傷とはいくまい。
「馬脚を顕すのが早かったようだな、大司教猊下? 私が断ること前提で来て、訳知り顔で君達の悪事を詳らかにしようというのだ。何の策も無く来るとでも思ったのか? そして、次があるなら忠告しておくが――」
「面会者の名前は確認しておくべきだったな」、と騎士は笑った。その両脇には、数名の、明らかに天義外の者達が侍っている。
「私はキシュア・エルム。君達が私の前任に殺させたキリム・エルムの兄だと言えば、理解できるか? それとも殺した部外者のことなど忘れてしまったかな?」
「な、あ、ああ……?!」
「そして、ああ、そう言えば言い忘れていた。外を見たまえ、君達」
キリムという名前に馴染みはなかったが、事情を聞けば話は別だ。大司教が驚愕に唇を震わせるより、少年達が悲鳴を上げた方が早かった。
「あれは、『天使』……?!」
「馬鹿な、『慰み者』は全員奴らに奪われた筈、何故新たにそんなものが生まれたのだ?」
そう、外には『遠巻きに見て天使としか思えぬ者が立っている』。嘗て解決された事件に沿うならば、あれは『慰み者』の魂の成れの果て。再び現れるなど計算に合わぬ。動揺を示した彼等のもとに、女性の声が混じった。
「奴ら、奴らですか。あなた方の見たその手合いには――私も混じっておりましたか?」
キシュアの傍らに立つ異邦の者は、フードを上げ、恭しくスカートをつまんで挨拶をしてみせた。
その女性の名を、ローレットに関わった者なら知る筈だ。
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)。ナーベンリーベ聖堂の腐敗を憂慮し、この事態のさらなる打開を望んだ者である。
●諸事情
キシュア・エルムから依頼が入ったのは密会の数日前、そしてナーベンリーベ聖堂孤児院の襲撃事件から数週間後のことである。
襲撃事件については遂に明らかにはされず、しかしキシュアは弟が犠牲になったことを、ローレットの雄志によって運び込まれた亡骸にて理解した。
調べれば調べるほどに闇が深く、そしてその闇を引っかき回そうとすれば軽々に命を落とす。こうなると、対処出来る人間は限られた。そして、並ならぬ努力の末に彼は聖堂教区騎士への後釜を任されるに至ったのである。併せてイレギュラーズの依頼を放ち、護衛と『天使』の偽装のために呼び出すとは。
リュティスはその出来事を思い出してクスリと笑むが、目の前の少年達が殺意を向けてくるなら話は別だ。隣人に花をちらつかせ、部外者にナイフを突き立てるような隣人は不要だ。
だからこそ、彼等はここで撃退する。
――以て首脳機能とその他機能を奪われ、キシュアの独断ながら天義の正義に基づき執行された罰は、成功すれば確実に、ナーベンリーベ聖堂は終わりを迎えるだろう。
- 【天牢】再演・天使事件完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年09月29日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●善の緞帳、闇の澱
「HAHAHA、くせぇ、くせえなぁ! あんまりくさいんで鼻がひん曲がりそうだぜ、コイツぁゴミ溜め生まれの生臭坊主の臭いに違いねえ!」
「この国では不正義寄りのねこなのですが。……善良な天義の人が掲げる正義とやらを踏み躙るのは、誠意をそうするのと同じで許せないのです」
『大地に刻む拳』郷田 貴道(p3p000401)と『生まれたてのマヴ=マギア』クーア・ミューゼル(p3p003529)はナーベンリーベの面々と騎士・キシュアとの間に割って入る格好で間合いを詰め、先手とばかりに攻勢に入る。相互にカバーすべく固まっていたのは好都合とクーアの神気閃光が放たれ、貴道はステップを刻み大司教へ迫る。仕込みグローブとただの拳、明らかに不利なのは後者だが、間合いを詰めた司教との諸撃を制したのは素手の貴道。
「貴様等、大司教に弓引く愚を知らぬとでもか?!」
「人々を守るのが使命である方々の腐敗を、見過ごす訳にはいきません。私腹を肥やすために権力を振るった報い、今受けるとよいでしょう」
「……はは。計算違いだったろう、ゼト大司教猊下。私よりも彼等の方が、あなた方への敵意が露わな様だぞ?」
杖を構えた司教の訴えを、『黒狼の従者』リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)は正面から切って捨てる。狼狽に声を詰まらせた一同を笑うのは、他ならぬ襲撃側の首魁であるキシュア・エルムその人だ。
彼の依頼をうけたイレギュラーズの中で、最もこの依頼で正義「らしからぬ」者は、と言えば仲間達はクーアを示すかも知れない。悪という意味ではなく、非正義という形で。
が、彼女は(少なくともこの国では)善性の方が強く顕れている。スタンスはどうあれ、「善性の輩」として振る舞っていることは確かだ。彼女自身の気持ちの問題なのかも知れないが。
「徒に路頭に迷って死ぬのと、得体の知れぬ神を奉ずる塵溜めに引き込まれるのとを放置するほど我等は孤児らを見捨ててはいまい。彼奴等を正しく使ってやるのもまた、慈悲だ」
「神に懺悔する時間くらいは与えて差し上げましょう。尤も、洗いざらい吐き出してなおあなた方は救われないでしょうし――」
「天使が迎えに来ておりますので」、と続けたリュティスの言葉に誘われて正面入り口に視線を向けた大司教達が見たものは、今まさに司祭達と対峙する「天使」と思しき者達の姿であった。
「…………」
地を蹴り、中空へと躍り出た「天使」は柔らかい笑みを湛え、ふわりと着地する。火の粉を纏って降り立った姿は神聖を感じさせる光を放ち、広げたままの翼は今にも飛び立とうとするかのようで、笑みは遠巻きに見れば違和感を覚えぬ程度。
頭部に光輪を持つ姿を、見まごうことなど出来よう筈も無い。
「馬鹿な……この期に及んで天使など現れるわけが……!」
「皆さんご注目ー☆ 天使様の再臨でーす!! 今から汚職に塗れた皆さんを全員浄化しちゃいまーす!」
動揺する聖職者に向かって、『可愛いもの好き』しにゃこ(p3p008456)が大声で彼等を煽り立てる。天使の存在に動揺している彼等は、供回りがいる事実の奇妙さに気づけない。ただ、自分たちを害する相手として打倒すべきだ、とは理解できたらしい。
「ドウシテ、ボクタチヲコロシタノ?」
翼を広げた天使――こと、『白獅子剛剣』リゲル=アークライト(p3p000442)はカタコトで聖職者達へ問い掛け、火炎弾を次々と落していく。
着弾地点より前進し、彼を真っ先に消すべく動いた司祭の拳が淡く光って唸りを上げる。内部に徹すように叩き込むべく突き出された拳はしかし、『フォークロア』スカル=ガイスト(p3p008248)の振り上げた手が受け止め、じりと靴底を僅かに削るのみに留まった。
「ここを通すわけにはいかない」
漆黒の装いに身を包んだ彼の声は、さながら闇から放たれた宣告のようにも聞こえるか。
前衛に回った司祭は続けざまに前進し、悪目立ちした格好のしにゃこへと向かう。そんな彼等を僅かに止めたのは、『放火犯』アカツキ・アマギ(p3p008034)の放った雷撃。
「妾の炎も上手く使えたようじゃの、先手を打てたようでなによりじゃ」
リゲルの動作に合わせて蠢いた火の粉も彼女のギフトによるものだ。そして今用いている能力も、敢えて目立つたぐいのものを優先して使用している。しにゃこが声を張り上げたのも、目立つため。リゲルが可能な限り「天使」に寄せて己をアピールしているのも然り。彼のギフトは適用範囲が広がればそれだけ体力を消費するというのに、だ。
全ては天義の奉ずる神に二心を持つ者を炙り出さんが為。一連のナーベンリーベの悪徳に浴した者を根絶やしにするための行為なのである。
前衛に立つ司祭達を支援し、リゲルを討つ為術士達が彼目掛け単発術式で飽和攻撃を仕掛けんとする。が、その杖持つ手を射貫いた影がひとつ。
「神を信じていても一部の人間は穢れた手のまま……ふふっ、滑稽だわ」
物陰から魔銃を構えた『宵闇の聖女』アマリア オルコット(p3p005451)は、慌てふためく術士達の姿に笑みをこぼす。総じて負傷は深くはないが、それでも夜闇に紛れて撃たれれば動揺もしよう。
暴れ回るばかりが戦いではない。静寂に身を隠し狙いを定めるのも、また戦いである。
「オトナタチハドウシテ、ボクタチノミライヲ、ウバッタノ……?」
リゲルが天使に偽装し、司祭達を追い込むかのように言葉を紡ぐ。わざとらしい、といえばその通りだろう。が、混乱の渦中にある彼等がその違和感に気付くのは至難の業だ。
「Hey、天使に怖じ気づいたか? ミー達の信仰はその程度ってことだな、HAHAHA!!」
「『彼』に頭を垂れて己の不正義を詫びても遅いだろうがね。大司教、諦める気は?」
貴道の猛攻、キシュアの背後から襲いかかるリュティスの呪術、そしてクーアの撒き散らす炎。執務室の混乱は少なくはない。が、大司教は一喝し、司教達へと治癒術式を展開する。
「彼奴が本物かどうか、天使かどうかなど問題ではない。ナーベンリーベを揺るがす者は、等しく不正義である」
「御意に」
「騎士にありて神威を疑う者に裁きあれかし」
「裁きあれかし」
大司教と司教達は声を揃え、己の狂気を明確に示す。
彼等はこの瞬間、否、それより前から――天義にあってはならぬ者となった。
●正義の名に於いて
「こちとら天義のアレやコレやで苦労させられてるんだ、余計な面倒ごと増やすってんなら、ズタズタの挽肉にするしかねえよなぁ、HAHAHA!」
「痴れ者が……!」
貴道はナックルブレード持ちの司教と凄絶な打撃戦を展開する。10秒あたりの打撃数がどれほどに達したかなど数えるべくもなく、両者の身をどれ程の傷が覆ったかなど今更考えるまでもない。
が、鎖帷子と間接を覆う装具で身を固めた司教より、ただ肉体を筋肉の鎧で覆った貴道の方が、傷が遙かに少ない。治癒を織り込み済みとしても、なお。
上下左右に揺さぶりをかける拳の軌道は、ナックルブレードを避け、或いは刃の腹を叩いて動きを鈍らせる。両者に差があるとすれば、刃という不純物を抱え、敵を殴ることより無惨に切り刻むことを優先して思考した聖職者の浅知恵にこそある。
「貴道さんが前衛を止めてくれるなら楽ができていいのです」
「貴様等の浅知恵など我々とて承知の上だ。不信心者に裁きを!」
クーアの泰然とした声に対し、司教のひとりは杖を構え炎を放つ。愚かだ、とクーアは思った。身を焦がす炎は確かにそれなりだったろう。研鑽を積んだそれなのだろう。だが、自分とは致命的に『覚悟』のほどが違う。
先手を打って放たれた『夢魔の焔』はより強く司教を灼き、しかし痛覚以上に愉悦の色を濃く顕す。その異常に動揺する暇は、彼等に与えられはしないが。
「不信心を指弾する前に、自分達が為してきたことを顧みることは出来ないのでしょうか。……出来ていれば、こうはならなかったですね」
「私一人、この者達の一人も打倒出来ず、逃げ道を失って抗う力も此方の治癒に至らぬのだからな。大司教猊下、貴方の信じるナーベンリーベの正義も然して高尚なものではないのだな?」
キシュアの挑発を受けたゼトの表情は、執念だけで人を殺せそうなほどに引きつり歪んでいた。それでも淡々と術式を組み立て、配下達を倒されぬようにと全霊を尽くす姿は感動すら覚える。……既に2人、前衛と後衛が一人ずつイレギュラーズに倒されてはいるのだが。
「私は貴様等の跋扈を許さぬ。私の同胞(はらから)も、偽物の天使には屈しない」
「HAHAHA、それは無理な相談だぜ大司教サマ! あの天使はミーの知ってる限りで一番信心深いからな! 天使だけに!」
「せいぜい足掻くといい。堕ちた権威に縋って抵抗するか、自身の過ちを潔く認め投降するか。まだ選ぶ余地はあるぞ」
「抜かせ、この異端が!」
スカルの勧告混じりの挑発は、遠距離術式と接近戦による波状攻撃が掻き消さんとする。聖堂側の被害はそこそこ、イレギュラーズ達の被害は若干の戦闘不能者を抱えつつも順当なレベルに収まっている。
「如何に恐ろしくとも退かぬ覚悟、多いに結構なコトじゃ。じゃが、天使に弓を引いてまで護りたい正義や道理というものは果たしてどれほど価値があるものかのう?」
アカツキの放った炎が後衛の術士をまた一人灼き落す。すでに息絶えているのが明らかな屍は、しかし他の聖職者に顧みられる事すら無い。使えぬ者は要らぬと言うことか、それともそんな余裕も無いのか。
「まがい物の天使に与える慈悲などあるものか! 我等は何度だろうと立ち上が」
「ダメダヨ」
膝をつきつつ、それでも抗すべく立ち上がった司教の一人はしかし、至近距離でリゲルが放った一撃にてその命脈を絶ちきられた。頭部の光輪の輝きに紛れ振るわれた剣は、立ち上がる気力ごと断ち切る必殺のそれだ。もしその光輪に惑わされず本質を見た者が『真に信仰に篤い者』であったなら、その剣技にみえた面影に平伏したやも知れぬ。
「くそ、こんなところで殺されたくなんて」
「だめです! ここは通しません! 通すと後であの鬼メイドに叱られるので!!」
司教達はナーベンリーベに対する篤い崇敬を持っているが、さりとて命を捧げられるほどの洗脳に達す者は多くない。
その心理を突かれれば、そしてその信仰の元を叩かれれば驚くほど脆い。背を向け逃げようとする者を、しにゃこは見逃さない。リュティス達のいる執務室に割って入られでもすれば、それこそ最悪だと言わんばかりに。……しにゃこが恐れているのは仲間の危機もだが、リュティスに折檻を受ける可能性も、かも知れない。
「ニゲルナンテ、ズルイヨ。ボクタチハニゲルコトスラユルサレナカッタノニ」
リゲルはカタコトを止めず、慈悲のない攻め手で逃げに転じた者、弱り切った者達を確実に断罪していく。仮面の奥に潜む目を親しい者が見ればなんと言ったか。
「何で……なんでこんな」
「お前達の正義とやらを俺は知らない。俺(ヒーロー)は自分の掲げた正義にしか興味がないのでな」
ボロボロになり、絶望を顔に貼り付けた司祭をスカルは見下ろす。無関心な視線と、振り上げられた得物。
「だが、高潔な正義とやらに食い潰される程度にはお前達が『正しくなかった』だけだ」
ガスン、とパイルドライバーの激突音が響き渡る。
それきり、広場には静寂が支配する。
「キシュアさん、この方を貴方達に引き渡す必要は?」
「……必要無い。これは俺の独断によるものなのでな」
クーアの問い掛けに、キシュアは静かに首を振る。
自分でトドメを、とか、首を引き渡して手柄に、などは彼は考えない。極めて冷静に、最大打撃を与える選択肢を選び取る。
「君達が殺すべきだ。君達がキリムと共に露わにした闇だ」
「ふ、巫山戯るな! 私はまだ貴様等に屈するつもりは無い! 聖なる御心は何度でも」
「……子を、キリム様を、多くの信仰を足蹴にした貴方に御心を理解する日は来ないでしょう」
満身創痍でありながら自らを治癒し、不屈の精神で抗おうとするゼトの姿は高潔ですらあったのだろう。だが、その根本原理が腐りきった思想にあらば、それはただの生き汚さでしかない。
だからその死を誘うのは、黒死蝶の羽ばたきひとつで十分だ。
「俺に神の遣いは荷が重かったかも知れない。子供は、神の遣いにもなれただろう、この国を背負えただろう……救えなかったことが、ただ辛い」
「でも、次はありませんよ? しにゃ達が未来を救ったんです!」
「違いない。正義とやらがこの聖堂をすり潰した後、正しい道が敷かれるならそれも悪くない」
「神は全てを見ておられます。この後に何が起きるのか……ゾクゾクしますね♪」
宵闇に紛れ、広場襲撃に向かった4人はナーベンリーベを去る。しにゃこはリュティス達への合流を進言したが、それは直後、執務室から零れ落ちた腐った果実が不要であることを証明する。
……正義の形がなんであれ、この夜、ひとつの不徳が天義から潰えたのは事実である。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
MVPは……いや本当にこれ実に迷うところですが、戦場Aの前衛の足止めや打撃力と効率面を加味して剛田さんに。ぶっちゃけ一人でも足止めいなかったら瓦解も已むなしな敵戦力だったので。
それに限らず、概ねいい感じに戦っていたと思います。天使のスキルの再現までするのかーみたいな驚きもありました。
GMコメント
というわけで、本来2話で終わってその後は流れになるはずだった【天牢】3話が生えました。
(アフターアクションは「調査」だったのですが、そもそも調査するまでもないレベルでアレなので……)
●今までのあらすじ(読まなくても問題ありません)
天義・ナーベンリーベ聖堂にて、大司教が『天使』を模した某かに殺される事件が発生。ローレット・イレギュラーズの活躍により撃退されたが、その魂の素体は聖堂の聖職者未満の孤児達であることが判明(【天牢】平和の価値はただ地に堕ちて)。その際居合わせた(元部外者の)司祭、キリム(キリム・エルム)がイレギュラーズに当該孤児、通称『慰み者』の救出とそれを阻止するであろう下位聖職者、通称『囲い者』の抹殺を依頼。救出作戦の最中、聖堂と通じていた騎士達によりキリムは殺害される。首のみはイレギュラーズにより回収され、キリムを送り出した天義主流派に返却された(【天牢】白の融点)。
●何が起きているのか(OP補足・成功条件)
殺害された騎士の後釜としてキリムの兄キシュアがナーベンリーベの教区に潜り込むため同行し、聖堂関係者からの汚職の取引に際し積極関与している者達の断罪を行うのが今回の依頼内容(大司教・好戦的な『囲い者』の抹殺)。
併せて、イレギュラーズから『天使』を模した者を選出して『天使事件』を再現し、以て反抗勢力の戦意を徹底的に潰す(オプション)。
オプション含めて成功した場合、ナーベンリーベ聖堂の体制は崩壊、天義主流派による手入れが入る事になります。
●失敗条件
キシュア・エルムの死亡
●戦場(時間帯:夜)
・戦場A:大司教執務室(推奨~3人。リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)さん参加時、こちらに固定)
キシュアと共に乗り込んだ体で、ゼト大司教と『囲い者』司教3名(計4)を相手取ります。
戦闘区域は執務室(40m四方)+外部廊下等(幅3m×結構な長さ)。廊下を使用する際、一人立ち塞がることでブロック扱いになります。
前回依頼との相違点として『囲い者』は助祭→司祭~司教にランクアップしているので能力値の向上があります。
ゼト大司教は強力な回復スキルに能率30、充填(中)持ちで指揮系スキルもつかいこなすヒーラー&バッファーです。精神無効を持ち、体力も抵抗もそこそこ。
司祭達は前衛後衛が各2。得物は仕込み刃つきのグローブと杖。前衛は【出血】【恍惚】つきのスキルや【スプラッシュ2】【追撃50】【ブレイク】【必殺】つきの乱打技を使ってきます。
後衛はBS回復やダメージ系BSを与える神中範スキルを使用します。
・戦場B:聖堂正面広場(推奨5~人)
聖堂内に増援が行くのを防ぐために派手にドンパチする方。範囲系や【スピーカーボム】などの騒ぎを起こすのに適したスキルがあるとよいです。
加えて、『天使』の再現のためにスカイウェザーor鳥系ブルーブラッド(外見年齢子供~青年。羽根を出して問題ない方)が居るとなおよいです。
いない場合、最悪「こんなこともあろうかと」などで羽根を偽装してもそうそうバレやしません。
敵は助祭~司祭クラスの『囲い者』が7名ほど。前衛3、後衛4の構成。BSの付与はあまりありませんが、【必殺】をきっちり叩き込んできます。
全体的に神攻・EXF高め。
●キシュア・エルム
身の上については上記の通り。
頑健で傷の多い騎士鎧に身を纏った、歴戦の騎士然とした男。
HP、防技高め、【覇道の精神】【精神無効】持ち。攻撃スキルはリーガルブレード他。
特になにもなければ庇う・ブロック等に徹する。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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