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シナリオ詳細

ザ・ケイオス・アニマルパークからの招待状

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●第壱混沌動物園からのPR

――フェッ、フェッ、フェ~、パカァ~♪ 集まれ、良い子たち♪
 集まれ、混沌動物たち♪ ざ・けいおす・あにまるぱ~く♪

           ――ザ・ケイオス・アニマルパークのTV・CM

●第壱混沌動物園からの招待状
「突然ですが、夜乃 幻 (p3p000824)さん達、四名のイレギュラーズは、ザ・ケイオス・アニマルパーク(第壱混沌動物園とも呼ばれています)からのご招待に当選致しました。よって、四名には招待状をお渡ししますので、存分に楽しまれて来てくださいね」
 幻達がローレットに召集されると、情報屋の『鉄騎学者』ロゼッタ・ライヘンバッハ(p3n000165)から唐突な当選のお知らせを受けてしまった。

「あらら? 有難いのですが、どういうお話で御座いますか? もしよろしければ、当選の経緯の解説をお願い致します」
 幻は嬉しさで舞い踊りたい反面、怪しい招待状であるか否かをまずは確認したい。
「はい。実は先日、ローレットの情報屋達がその動物園に呼ばれてPR活動を手伝った訳です。それでそのお礼にと招待状まで頂きました。先方のご要望では、友好の印としてイレギュラーズに招待状をお渡ししたいそうなのですが……。
 さて、問題はどなたに招待状を渡すのかですが、その件についてギルド長と相談しました。その結果、くじ引きで幻さん達四名が当選したというお話です」

 なるほど、どうやら胡散臭い話ではない様でひとまずは安堵の表情となる幻。
 実は、幻達も何処かへ遠足に行く予定を考えていたので千載一遇とも言える。

「ふむふむ、ザ・ケイオス・アニマルパークなのですか……。ところで、どういう動物園なのです? それとその動物園、都会にあるのかどうかが、メイはシティガールとして気になるのですよ!」
 メイ=ルゥ (p3p007582)は招待状を注意深く読むと元気に質問をした。
 彼女としてもぜひ確認を取りたい事項にロゼッタが笑顔で回答する。
「『鉄帝』の首都郊外にある大きな動物園です。そうですね、郊外の長閑な場所ですので、都会からは少し離れるかもしれませんね。そして動物園の名称の通り、混沌世界中の珍しい動物が集まっている事で著名な動物園です。テレビのコマーシャルで宣伝もやっていますから、知っている人も多いかもしれません」

「……ザ・ケイオス・アニマルパーク、だよね……? うん……僕も以前に……テレビで観たような……。そうそう……毎月、イベントをやっているよね……? 今月は……どんなのかな……?」
 グレイル・テンペスタ (p3p001964)がロゼッタの話に相槌を打ちながらも訊いてみる。
 毎月、イベント満載の動物園なので、今月は今月でめぼしい行事が何かしらあるはずだ。
「今月は主に四つのイベントがあります。バードショー、動物ライド、ふれあい広場、考古学展の四つですね。どのイベントにも混沌世界の目玉となる動物達が登場しますから、どれでもおススメですよ。迷っちゃうと思いますから、皆さんの方でも相談されてはいかがでしょうか?」

「へぇ~、そこの動物園、そんなに色んな楽しいイベントだらけなのか? なぁ、昼飯はどうなるんだ? オレ、腹が減ったら見学ができなくなるかもしれないぜ。そもそも、ラーメンとかカレーはあるのか?」
 清水 洸汰 (p3p000845)が知りたい所はやはり飯も食わねば戦が出来ないという事だ。
 楽しいイベント目白押しの戦場では満タンまで美味しいランチの補給が必要である。
「はい、もちろん、フードコートがありますね。フードコートの方も各国自慢の料理が沢山あるらしいですよ。今月は月替わりで四種類のランチがあります。カレーセット、ケバブサンドセット、お子様セット、ラーメンセットの四種類だそうですね」

 ロゼッタの話を聞く限りイベントもランチも間違いなく満喫出来る動物園だろう。
 ぜひ今回の動物園見学の機会にでも四名で親睦を深めてはいかがだろうか。

GMコメント

●目標
 動物園の見学をおもいっきり楽しむ。
 動物園で仲間と交流を深める。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ロケーション
『鉄帝』の首都郊外に位置する動物園が今回の物語の舞台です。
 動物園の名称は「ザ・ケイオス・アニマルパーク」(第壱混沌動物園)です。
 その名称の通り、園内には混沌世界中に生息する様々な動物達が多数います。
 今月の当園は4つのイベントを賑やかに開催しています。
 また、園内にあるフードコートの飲食物は美味しいと評判です。

●イベント
 以下、4種類のイベントが開催されています。

・バードショー
 鳥類コーナーの広場では、飼育員が鳥達を飛ばしています。
 肩や手に乗る鳥達ですので、皆さんも参加して鳥達と遊べます。
 うち1種類が『海洋』に生息するブルーウミネコ(青いウミネコ)です。
 もう1種類が『豊穣』に生息するオニキジ(鬼の角が生えたキジ)です。

・動物ライド
 パカダクラ小屋の広場では、動物ライドが出来ます。
 小さいパカダクラから大きいパガダクラまでいてお好きなのに騎乗出来ます。
 うち1種類が『傭兵』に生息するファイア・パガダクラ(赤いパガダクラ)です。
 ゴリパンジーの方は誘えば一緒にパガダクラに騎乗してくれます。
 うち1種類が『深緑』に生息するリーフ・ゴリパンジー(緑のゴリパンジー)です。

・ふれあい広場
 小動物コーナーの広場では、動物達とのふれあいが体験出来ます。
 うち1種類が『幻想』に生息するイエローキャビット(黄色い猫と兎が合体した動物)です。
 もう1種類が『天義』に生息するエンゼルラット(天使の輪と翼が生えた鼠)です。
 存分にもふもふしてあげましょう。餌もあげられます。

・考古学展
 研究コーナーの広場では、考古学の展示会があります。
『鉄帝』と『練達』の共同研究によって再現された絶滅種の動物達がいます。
 うち1種類が『鉄帝』に生息していたダイナウルフ(恐竜と狼が合体した動物)です。
 もう1種類が『練達』に生息していた古代ガメゾウ(亀の甲羅がある象)です。
 再現された希少種ですので硝子越しからの見学のみとなります。

●フードコート
 下記にある4種類のランチメニューで食事する事が出来ます。
 どのメニューもソフトドリンク飲み放題です。
 コーヒーと紅茶はホットもコールドも各種好みも選べます。
 プリン、アイス、ケーキ、ゼリー等のデザートもあります。
 クッキー、チョコ、ポップコーン等のお菓子もあります。

・Aランチ カレーセット
『豊穣』のヒカリコマチ米のご飯と『海洋』のシーフードカレーのセットです。
 甘口から辛口まで選べます。

・Bランチ ケバブサンドセット
『傭兵』の鶏肉あるいは牛肉のケバブと『深緑』のサラダのセットです。
 甘口から辛口まで選べます。

・Cランチ お子様セット
『幻想』のハンバーグ、スパゲッティ、プリンと『天義』のコーンスープのセットです。
 大人も食べられます。(量の調整が出来ます)

・Dランチ ラーメンセット
『練達』の老舗のラーメンと『鉄帝』豚の餃子のセットです。
 味は、醤油、味噌、塩、豚骨、豚骨醤油から選べます。
 さらに好みで甘口から辛口まで選べます。

●GMより
 EXリクシナでのご指名ありがとうございます、GMのヤガ・ガラスです。
 イベントは少しずつ回っても、どれかに絞り込んでも、どちらでもOKです。
 さらにフードコートでのお食事も楽しめます。
 皆さんにとって、思い出に残る動物園見学の交流会になるといいですね。

  • ザ・ケイオス・アニマルパークからの招待状完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年09月20日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
グレイル・テンペスタ(p3p001964)
青混じる氷狼
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール

リプレイ

●入園
 珍奇な混沌動物と千客の万来でザ・ケイオス・アニマルパークは今朝も賑わっている。
 当園から友好の招待状を受けた特異運命座標の四名が晴れやかな雰囲気で入園する。

「わーい! 動物園なのですよ! 折角、ご招待してもらったので、皆さんといっぱい遊んで行くのですよ」
『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)が元気いっぱいに門を潜り皆の先頭を歩く。
「僕達はなんて幸運なんでしょう! あのザ・ケイオス・アニマルパークからの招待状がくじ引きで当たるだなんて! 今日は思いっきり皆様と楽しみましょう!」
『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)も何時になく嬉々としている。門を潜ると入場券をなくさないように皆の分を一まとめに預かる。
「……先日、心当たりのない急な呼び出しがあって……ちょっと驚いたけど……動物園からの招待状の話……だったよね……。……僕みたいな獣種が……動物園……ちょっと微妙な感じだけど……折角だから……楽しもうかな……」
『青混じる氷狼』グレイル・テンペスタ(p3p001964)も門を潜り動物園の喧騒の中をにこやかに歩き出す。
「うーん、パンフレットとにらめっこしても行き先に迷っちゃうけど……。ユメ、グレイル、メイ! 行きたいとこあれば、オレも勿論付き合うぜ。今日を皆で楽しい日にしような!」
『理想のにーちゃん』清水 洸汰(p3p000845)が門で四人分のパンフレットを配布して貰ったようだ。皆に配り分けて、まずはベンチで作戦会議である。

●バードショー
 鳥類の広場では飼育員が鳥達を大空に放つと自らの両肩に着地させていた。
 グレイルもブルーウミネコを自らの手の上に乗せようと積極的にチャレンジする。

「……ふぅむ、難しいね……。でも、鳥を手に乗せるって……あまり経験できないことだよね……」
 グレイルの試行錯誤とは対照的に幻はブルーウミネコを自らの手に楽々と乗せていた。
「鳩を扱う要領で御座いますね。では、飛ばしてみましょうか」
 幻が大空に海猫を放つと円を描いた後にまた彼女の右手に軽やかに着地した。
「おやおや、なかなか高く滑空したもので御座います。青い鳥を扱う作品に絡めた奇術で使えそうですね。僕も青々とした美麗なブルーウミネコを飼ってみましょうか」
「……へぇ……流石に上手いものだね……。……ちょっと教えてくれる……?」
「はい、コツはですね……」
 グレイルが助力を仰ぐと幻は奇術の要領で扱っていたやり方を教えてあげた。
 次第にグレイルも上手く大空へ放つ事が出来た。
 思えば、『海洋』には幾度も仕事で出向いたが、ブルーウミネコと戯れる気楽な状況はあまりなかったものである。

 広場の他方ではメイがブルーウミネコとオニキジの両方を追い駆け回していた。
「待て、待てーなのですよ!」
 愉快に鬼ごっこをするメイと鳥達を眺めていた洸汰が途中から鬼として加わる。
「面白そうだな? オレも混ぜてくれ? 待て、待てー!」
 やがて二人が二羽をそれぞれ捕獲するのだが……。
 奇術の縄抜けのようにするりと手元を抜けて大空へ羽ばたいて行ってしまった。
「おー! 鳥さん賢いのですよ」
「へぇー、サバイバルスキルってやつだな!?」
 メイと洸汰は蒼空で飛翔する二羽に対して大声で手を振って見送った。

●動物ライド
 パガダクラ小屋の広場では赤々としたパガダクラの群れが放し飼いにされていた。
 洸汰達も早速ファイア・パガダクラに騎乗してみる。

「いやぁー、最高だぜ。実はオレ、特に気になっていたんだよな、動物ライド!」
 洸汰は巨体の紅きパガダクラに騎乗してゆったりと散歩の風情を味わう。
 彼の背後では幼いリーフ・ゴリパンジーが洸汰の腰に手を回して密着している。
「……やっぱり……乗ると景色が変わって見えるね……」
 隣ではグレイルが別の紅きパガダクラに騎乗しながら情緒ある散歩をしている。
「フェ~、パカ~!」
「フェフェ、パカ~!」
 突如、二人が騎乗している各パガダクラが火炎を噴いて吠え出した。
 この様子には思わず二人も爆笑してしまった。
「今日は連れてこなかったけど、うちにもパカダクラの『パカお』が居るんだよな。白くって、モフモフで、『ふええ』って鳴き方すんの! ……この光景、パカおに見られたら、ヤキモチやかれちゃうかなー?」
 洸汰が半ば照れた表情でそんな雑談をする。
 一方でグレイルは頷きながらも、獣人である自身の将来の事を考えていたようだ。
「……僕もきっと……いずれ人を乗せることがあるだろうし……。……乗っている側の感覚………覚えておかないとね……」

 広場のレース場ではメイと幻が勇ましくも参加の列に並んでいた。
「折角なので競争するですよ! だれが一番速いのか勝負なのですよ!!」
 メイが正々堂々と申し出ると幻が不敵の笑みを浮かべて応じる。
「左様ですか、競争で御座いますね? リーフ・ゴリパンジーの速度も凄いことを見せつけてやりましょう!」
 特異運命座標チームからはメイと幻が代表選手である。
 では、位置について、よ~い、どん!!
「行っけぇ~なのですよ! 赤くて辛そうなパガダクラさん、トップを取るのですよ!!」
 レース開始早々、メイ選手とその紅きパガダクラがトップを独走する。
「風を感じますね! 速い! 速いです! リーフ・ゴリパンジー!」
 そこに幻選手が放った緑色のゴリパンジーが全速力で追い駆けて追い抜く。
 やがてゴール間際でメイ選手のパガダクラが猛烈に火炎を噴いてぶっ飛んだ。
 決着はラストスパートで火炎加速をしたメイ選手が優勝。幻選手は惜しくも二位だった。
「フフフ、地元でブイブイ言わせていた(パガダクラさんに乗るのが初めてという事実は内緒なのですよ)メイの騎乗テクニックをお見せしたのでした!」
 優勝インタビューに答えるメイの傍らで幻はゴリパンジーに野菜の餌を与えていた。
「結果がどうあれ、お礼のご褒美を差し上げましょう。ふふ、お食べなさいな。よく頑張りましたね」

●昼食
 フードコートでは各国自慢の多彩なメニューが並んでいる。
 四人は丁度四人掛けの席を発見するとそこを昼食の拠点とした。

「美味しいご飯に楽しい団欒はセットじゃなくっちゃな! 皆は何にしたー?」
 洸汰はお子様セットをどかんと大盛りサイズで購入したようだ。
 ハンバーグ、スパゲッティ、コーンスープ、プリン、何れも子供向けでは既にない。
 大人が大人買いをして大食いする為のお子様セットである。
 勿論、サイドで頼んだオレンジジュースも特大サイズだ。

「あら? 洸汰様もCランチで御座いますか? 僕の方は辛めですね」
 幻も洸汰と同様だが量は普通でその分辛みを増して貰ったようだ。
「んー、このピリ辛がたまりません」
 辛めソースのハンバーグ、明太子味のスパゲッティ、コンソメ唐辛子スープまでは如何にも辛党が好きそうだ。その上、プリンまで甘辛なのが辛党ファンの心をくすぐる。

「……ケバブって……初めて食べるんだけど……これ……中々いけるね……」
 グレイルは脂の乗ったぷるぷる鶏肉とシャキシャキサラダをサンドしたケバブを食す。
 ケバブには甘口タレが絡められているので味も見事な程にマイルドである。
 これなら辛い物が苦手な彼でも十分に楽しんで食事が出来る。

「まずメイはカレーセットを頂くのですね。う~ん、程よい激辛のシーフードカレーにヒカリコマチ米のもちもち感はよく合うのですよ!」
 カレーライスが一瞬で平らげられた。
「続いてはケバブセットを楽しむのですね。おおっ、激辛タレが牛肉とサラダのサンドでハーモニーなのですね!」
 ケバブも即行でぺろりと消えた。
「デザートはラーメンセットなのですよ。激辛餃子に激辛豚骨醤油の麺にスープ、これぞ辛さ尽くしの絶品なのですよ!」
 ラーメンと餃子も瞬間的に完食したようだ。
 メイが辛さに強い事は周知の事実だが、この量は多いのでは……?
「メイはお昼いつもこれくらい食べるので大丈夫なのですよ」

 さて、それぞれが食事を終えたようで次のイベントへ移動となる。
「お腹いっぱいになったら胸もいっぱい! さー、今日はまだまだこれからだぜー!」
 洸汰が先頭に立ってパンフ片手に歩き出そうとすると。
「あ、行く前にアイスも買って食べ歩きするですよ。甘い物は別腹なので問題ないのですよ!」
 メイがアイスを売店で購入したいそうなので、出発前に皆でアイスを標準装備した。
 では改めて、アイスでも食べ歩きながら動物園の見学を続けよう。

●ふれあい広場
 小動物広場では皆さんお待ちかねのもふもふタイムである。
 四人は飼育員からそれぞれ小動物を優しく受け取って愛でてみた。

「イエローキャビットに、エンゼルラット……。さっきのパカダクラとかと違って、ちっちゃくって、だけど、ふあふあのぬくぬくだー」
 洸汰はイエローキャビットの頭を静かに優しく撫でるとごろごろと懐かれた。
 エンゼルラットの方は抱っこしてあげると嬉しそうに小声で鳴いていた。

「まぁ、イエローキャビットもエンゼルラットもなんて可愛らしいんでしょう! どちらかなんて選べません!」
 ある意味で究極の選択を迫られた幻は二匹同時にもふもふする事にした。
「どちらももふもふして天国に昇天致します! ああ、どちらの手触りも違って、どちらの毛並みも素晴らしい! ずっとここにいたいです」
 それら小動物の感触はもはや極楽浄土にいるようだ。
 幻は日々の疲れやストレスが一気に消し飛んでしまった。

「ふぁっ……ふうぁぁぁぁぁぁ!? か、可愛いモフモフがいっぱいなのですよ。いいんですか? いっぱいモフモフしちゃってもいいんですか?」
 メイは黄色の猫兎が屯する集会場に足をそっと踏み入れる。
 飼育員よりはキャビット達の許可を取って優しく抱き締めてみた。
「ふへへへへへ、イエローキャビットちゃんに抱き着いちゃたのですよ! 可愛い、可愛い、お持ち帰りしたいのですよー。ふわぁぁぁぁぁぁ」
 メイもキャビット達も相互に抱き合って夢心地である。

「……その……僕って見た目がこうだから……怖がらせちゃいけないし……ね……?」
 グレイルは自身が白狼の獣人である事からもふもふに対してやや遠慮気味だ。
 しかし大丈夫、こういう時こそギフト(ヒーリングテリトリー)の出番である。
 キャビット達もラット達も癒しを求めて集まって来た。
「……わ、いっぱい来ちゃった……どうしよう……?」
 無論、もふるのが最善策であろう。

●考古学展
 研究広場では考古学展が開催されていた。
 硝子越しから展示場に居るダイナウルフと古代ガメゾウが見学出来る。

「はぇー……。メイは難しい事良く分からないですけど、すごい動物さんなのですね!」
 メイは硝子に顔を押し付けてマジマジと真剣な眼差しで古代動物達を見学する。
 展示パネルでは古代動物達の学術的な説明があるがいまいち難解なようだ。
「どれどれ? オレにも見せてくれよ? へぇー、古代の時代にはこんな動物もいたのか? また一つ物知りになったぜ!」
 洸汰もメイと競って硝子越しに顔を押し付けながらの見学だ。
 子供の世界で動物博士はカッコいい事なので展示パネルの解説もちゃんと読んでおいた。

「……これって……どうやって再現されたのかな……? ……ウルフとは名前にあるけど……僕とは……結構違いがあるね……」
 グレイルは興味深そうにダイナウルフを見学していた。『ウルフ』という名称に強い好奇心を覚えたそうだ。
「これらの動物は『練達』の遺伝子工学と『鉄帝』の機械工学の技術によって再現された絶滅種のレプリカですよ。『ウルフ』とありますが、分類上は狼よりも恐竜に近いですね」
 展示場にいた博士がグレイルの疑問に丁寧に答えてくれた。
 確かに、白狼獣人のグレイルと違ってダイナウルフは蜥蜴に似た狼の姿でもある。
「なるほどで御座います……。狼に見える蜥蜴、あるいは蜥蜴に見える狼。そんな生き物は奇術の錯視トリックにも使えるかもしれませんね……」
 幻は博士の解説に耳を傾けながら心の中でメモを取っていた。
 次回の公演は錯視ネタが良いかもしれないと密かに構想していた。

 全てのイベントを回り終わった四人は解散前に冷たいお茶でも飲みながら談笑する。
 本日の感想を互いに述べながら、一日がもっと長くならないものかと惜しんでいた。

 了

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

シナリオ参加ありがとうございました。
動物園での交流会は楽しんで頂けたでしょうか。
皆さんにとって楽しいひと時であったのならば誠に幸いです。

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