PandoraPartyProject

シナリオ詳細

夜空に咲く花

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●あなただけの夜に咲く花
 もふん。もふもふ。
「お前達、暑いよ……」
 梅雨も明けた夏は暑い。
 そこにもっふもふの毛玉がくっ付いてきたらなおさらのこと。
「まぁ、あれに比べたらマシか……」
 暑さに耐えかねて自分の周りの温度を下げる魔法を使ったシルバなど、涼を求める春先に増えた毛玉――角ウサギたちに群がられて身動きが取れなくなっている。
「先生。どうせ魔法使うなら家中に使ってください。このままだと暑さで死ぬ」
 窓を全開にしているとは言え部屋の中は暑い。
 ウサギたちはへばっているし、シルバとフェリキスも暑さに限界を迎えそうだ。
 氷を入れたお茶もすっかりぬるくなっている。
 そう言えば、そろそろ夏祭りが行われる時期だ。
 夏祭り、と言っても夕方から夜にかけて近くの村の人たちが有志でご馳走を作り、みんなでそれを食べて花火を見るだけのなんともアットホームなものだ。
「今年も夏祭りはここで花火を見るだけですか?」
 シルバは森から離れられないので、それに付き合ってフェリキスも、弟子入りしてからずっとこの家から花火を見るだけだ。村で行われている夏祭りには氷と交換してご馳走を分けてもらうだけ。
「あー……。忘れてた。
 みんなを呼んで、ここでぱーっと騒がない?」
 シルバの言う「みんな」とは村の人達ではない。そう、イレギュラーズの事だ。
「良いですけど、夜とは言え暑いですよ?」
「うん。だから氷をいっぱい並べて涼を取ろう!」
 家の周りに氷を沢山並べれば、確かに涼しいだろう。
 ウサギたちも元気になるに違いない。
「ついでに夏のお願いもしたいしね……」
 ふふ。と遠くを見るシルバに、フェリキスは苦笑する。
「彼らなら引き受けてくれますよ。でもまぁ……まずは森の夏祭りですね。お祭りならご馳走用意しないと」
 後は氷を置く場所や座る場所などを考え始めたフェリキスを見て、シルバは手紙を書き始める。
 勿論、イレギュラーズへの招待状だ。
 暑い夏の夜に、ひんやりとした氷に囲まれてみる花火はいかがだろう?

NMコメント

 ようやく梅雨が明けましたね!
 森の魔法使いことシルバが何かお願いしたいことがあるようですが、まずは花火を楽しみませんか?

●目的
・花火を楽しむ。
 勿論花火よりご馳走やウサギたちとの戯れを楽しむも良しです!

●花火
・こんな色の花火が見たい。
 こんな模様が見たい(と言っても♡や☆、簡単な花模様程度)があれば入れてください。
 もしかしたら希望の花火が上がるかも?

●ご馳走
・ちょっと凝った家庭料理ぐらいですが、シルバとフェリキス頑張りました。
 料理を作りたい人は一緒に作るのもありです!

●NPC
・シルバ(森の魔法使い)、フェリキス(シルバの弟子)、ウサギたち(もっふもふのリンゴ好き)がいます。
 好きに絡んでください。ウサギは人懐っこいです。

●その他
・8/11までに全てお返しできるように頑張ります。
・暑い夏を吹き飛ばす、とはいきませんが、みんなでわいわい楽しみましょう!

  • 夜空に咲く花完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年08月11日 22時06分
  • 章数1章
  • 総採用数6人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

天月・神楽耶(p3p008735)
竹頭木屑

 ひんやりとした氷の冷たさを楽しんでいた神楽耶に、シルバが良く冷えたお茶を差し出した。
「もうすぐ花火が始まるよ」
「有難うございますシルバさん。
 ……私は今までで一度も見たことがありません。それは月よりも大きいのですか?」
「初めてなんだ。花火は夜空に咲く花と呼ばれるぐらい、華やかなものだから楽しんでね」
 にこやかなシルバの言葉に、神楽耶はぱちぱちと目を瞬かせる。
「夜空に咲く花という響きはとても雅なものだと思います。楽しみです」
 そう言って微かに微笑みを浮かべていた神楽耶だが、花火が始まった瞬間逞しい肩がビクリと跳ねた。
「敵襲か!?」
 今まで聞いたこともない大音量と光の洪水に驚き、愛用の漆黒の双刀に手を添える。だが周囲は警戒どころか、ワクワクした様子で空を見上げている。
「敵襲ではない……?」
 警戒したまま双刀から手を放し、空を見上げるとそこには満開の花畑。
「……これが花火……。綺麗なものだ……」
 大きな音にはついびっくりしてしまうけど、見上げた夜空の美しさには魅入ってしまう。
「ん、お前達も花火を見に来たのか」
 指先にふれるもっふりとした感触に驚きみると、神楽耶の周りにはいつの間にかやってきていたウサギたち。
 膝の上に乗せて撫でれば、ウサギたちは撫でられながら夜空を見上げる。
 ひんやりとした氷から漂う空気とウサギたちの体温に挟まれながら花火を堪能していると、お茶の氷がカランと音を立てた。

成否

成功


第1章 第2節

サンティール・リアン(p3p000050)
雲雀
ブラッド・バートレット(p3p008661)
0℃の博愛

 新芽のように鮮やかな大きな目で、サンティールは花火を見ながら佇むおおきな黒い影を見た。
 黒い影の中、花火の光を受けた瞬間だけきんいろの髪だけが輝く姿が酷く印象的だ。
 ぼんやりと花火を見るその目には、色鮮やかな花火はどんな風に見えているんだろう。
「おにいさん、こんばんは」
 それが知りたくて、サンティールは黒い影に声をかけた。

 ブラッドは特に何をするでもなく、ただ夜空を彩る花火を見上げていた。
 そこには何の感情も見られない。ただ、彼はそこにいるだけ。
(何もしない時間というのは少々慣れません)
 花火に思うところがあれば今自分は楽しんでいると言えるのだろうか。と考えていると、不意に後ろから声を掛けられた。
 振り向くとそこには、小柄な少女が一人。
「あ、僕はサンティール。サティって呼んで欲しいな」
「こんばんは。俺はブラッドです。何か用ですか?」
「えと……」
 小さなサンティールと大きなブラッド。
 その差を表すように、サンティールが精一杯背伸びして腕を伸ばす。
「いいなあ。きみは背がたかいから、きっと僕よりうんと広くせかいを見渡せるんだろうね」
「背が高くても何も変わらないと思います」
 淡々としたブラッドの言葉に、思わずサンティールは笑ってしまう。
「あはは! そうかな。でも視野は広がると思うんだ!」
「視野を広げたいのですか?」
「広がったら良いなぁ。とは思うよ。
 僕はなんてことない旅人で、語り部みならいさ。色んなことを、色んな面から見えたら素敵でしょう?」
「みならい? ですが様々な話を語り継ぐ方なのですね、立派です。
 俺は神に使える身として、人々の救いの為に旅をしています」
「へえ! すごいね! 誰にでも出来ることじゃないよ!」
 目を輝かせるサンティールに、ブラッドは静かに首を横に振る。
「俺にとって、そうするのは当然のことです」
「ふぅん?
 ねぇ、僕も一緒に花火見て良い? 一人で見るより二人のほうがワクワクするし、すてきだもん!」
 後ろではなく横に並んで花火を見上げると、サンティールはにっこり笑う。
「『すてき!』ってよろこびは、はんぶんこするひとがいたほうがうれしいからね。
 あんまり思わない?
 ふふふ! じゃあ、僕の『うれしい』を分けてあげる!」
 ぱち、ぱち。
 そらに咲き綻ぶ花の彩に合わせて、サンティールは魔法で火花を散らしてくるりと踊るように回って見せる。
「今のはねえ、『たのしい』のいろ!」

 夜空を彩る花火とは違う、優しい色の魔法の花火。それを見てブラッドは思う。
 花火を見て素敵という気持ちを半分与える事が出来るのなら、何も感じない、何も与えられない自分からサンティールは「嬉しい」を感じるのだろうか。
 答えは分からないし、一緒に見た花火は今まで見た花火と変わらない。けれど、サンティールが咲かせた「たのしいいろ」の花火は、ブラッドの目に空の花より一段と輝いて見えたかもしれなかった。

成否

成功


第1章 第3節

ミミ・エンクィスト(p3p000656)
もふもふバイト長
マルク・シリング(p3p001309)
浮遊島の大使

 花火が始まる少し前、青々とした芝を下駄で踏みながらやって来たのは浴衣姿のマルクとミミ。
「ご馳走に花火だって。楽しみだね」
「ご馳走! 楽しみですねぇー。……おぉっと、無論花火もですが」
 わたわたと付け加えながらも、ミミの尻尾は思い浮かべたご馳走の数々にパタタっと動いている。
 それを微笑ましく見守りながら、マルクはミミの歩調に合わせてご馳走が並べられたテーブルに向かう。
「夏らしいところに出掛けたかったから、夏祭りの話は渡りに船だね」
「豊穣のお祭りの時はなんかバタバタしてましたしねえ。今度こそ夏をえんじょいするのです!
 ところで浴衣姿どうですか!」
 くるりと目の前で回って見せれば、遅れて尻尾もついてくる。
「うん。大きな花が元気いっぱいで、青が爽やかで良く似合ってるよ。髪飾りも可愛いし、ミミさんらしい帯飾りが素敵だね」
「有難うございます! ミミもお気に入りなのです! マルクさんも浴衣良く似合っているのです」
 帽子がお洒落ですね。と笑うミミに、マルクは帽子を取って優雅に一礼して見せた。

 テーブルの近くに来ると、風に乗って料理の匂いがやってくる。その匂いに揺れるミミの尻尾を見て、マルクが微笑む。
「料理貰ってくるよ。肉料理好きだったよね」
 唐揚げとか、焼き鳥とか、ハンバーガーとかなら、あるかな? とミミの好きな物があるかと心配するマルクの気持ちが嬉しくて、ミミの尻尾もぶんぶん揺れる。
「んではミミは飲み物の方をー。マルクさん飲みたい物、あるです?
 ミミはお茶として……マルクさんお酒とか呑まれます?」
「そうだね……。普段は飲まないけど……折角だから、少しだけ、お酒飲んじゃおうかな。ビールとか」
「分かりました! ビール貰ってくるのです!」
 ぱたぱたと走って飲み物を取りに行ったミミを見送り、マルクも料理を皿に盛っていった。

「こういうところで食べると、いつもの料理でも美味しく感じるよね」
 熱々ジューシーな唐揚げを冷えたビールで流し込む。暑い夏には最高の一時だ。
「こうお祭りの時は、只の串焼き鳥だのもなんか美味しい感じ、するですよネ」
 ミミも焼き立ての串焼き鳥を頬張ってご機嫌だ。
「不思議だよねぇ」
 笑いあいながらご馳走を食べていると、話題は花火へ。
「花火はどんな種類のが見られるんだろう。大きな打ち上げ花火を間近で見たときの、肺に響く音が好きなんだよね」
「確かにあれはびっくりするのですよ!?」
 丁度花火が上がってびっくりしてしまったミミだが、見上げた花火に魅入ってしまう。
「おおー花火、綺麗ですねえ」
 その横顔を見ながらマルクが優しく呟く。
「花火も綺麗だけど……花火に照らされてる人の横顔を見るのも、好きだよ」
 呟きを聞いたミミは、きょとんと首を傾げる。
「?? 特にいつもと変わんないと思いますけどー?」
 そう言って自分の自分の頬っぺをつついてみせるミミに、マルク次の花火で誤魔化すのだった。

成否

成功


第1章 第4節

サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌

 手に持ったコップの中で、氷がカラカラと音を立てる。
 暑さを孕んだ夜風も、すぐ傍にある氷の冷気のおかげでそこまで苦ではない。
 サイズの膝の上を占領するウサギたちの体温も温かい程度だ。
「音に怯えるなら家に居たら良いのに……」
 音にビクリと反応するウサギを撫でながらぼんやりと夜空を見上げるサイズの目に、青い花火、赤い花火、黄色い花火とカラフルな花火が映る。
 体中を振るわせる大きな音と、瞬きの間だけ夜空を彩る大輪の花に、サイズは小さく呟く。
「花火か……。火薬系は作ったことないが……こう見てみると手間と消費時間がわりにあわないな……」
 妖精のような体ではなく鎌が本体であるサイズは、鍛冶を好み、得意とする。それ故火はよく扱うが、火薬は扱ったことがない。
 鍛冶は直接火と向き合うのだから火薬は厳禁。故にサイズが火薬を扱ったことがなくても当然だが、ある程度は火薬に関する知識はある。綺麗な打ち上げ花火を作るために、どれほどの修練が必要で、作るのにどの程度時間がかかるかもざっくりとだが知っている。
「あの刹那の花を咲かせるのに何時間使ってるのやら。まあ、刹那ゆえに色んな人が花火に魅了されるんだろうな……」
 周囲にいる人たちは反応こそ違えど、皆花火に魅了されている。
「いつか暇が出来たときに作ってみたいな……」
 その時どんな花火を作るのか。
 静かな願いを胸に、サイズも花火が終わるまで夜空を見上げ続けていた。

成否

成功

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