PandoraPartyProject

シナリオ詳細

コンカツ! ~鉄帝式~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●みんなで声をあわせて、せーの!

 \\ぱっるすちゃーん!//

 闘技場に集まる面々からの一斉コールに登場するは『アイドル闘士』パルス・パッション(p3n000070)。笑顔を振りまき手を振って、ファンサばっちりに出てきた彼女は皆から見えるよう簡易ステージへとのぼる。つい先日まで海洋の、それも絶望の青で戦っていたとは思わせぬ身軽さだ。
 鉄帝の北部は遅れた春を迎えた、とでも言うのだろうか。気温も過ごしやすく、寒さに凍えることもない。鉄帝人としても体を動かしやすいこの季節は喜ばしいのである。
 そんな中で行われるのは。
「皆、好きな人は連れて来た? 魅せつける準備はバッチリかな?」
 拡声器での問いかけに野太い声が次々と応える。あとから続くのは女性陣の勝気な声だ。
「負けんじゃないわよー!」
「ボコボコにしてやるわ!」
 気合と言う面では男女とも同じくらいかもしれない。闘志十分な彼らにひとつ頷いて、パルスは拡声器を握りしめた。

「それじゃあ──鉄帝式婚活戦、開幕だよ!!」

 ウオオオオオーーーーー!!!

 湧き上がる一同。彼らの彼らによる彼らのための婚活がここに開幕した。
 初見の者にもわかりやすく言えば、『強さでアピールしよう』という戦いなのである。鉄帝といえば力。強さ。それらを知らしめてモテようという場なのだ。
 もちろん不特定多数にモテたい輩もいれば、ここで好きな子に格好良い所を見せるぞという純情な者もいる。それは男女問わずであるし、戦いたくなければ観客として楽しんでも良いのだ。最も──お互いに良い所を見せたい者が大部分を占めているが。
 そんな彼らの様子にパルスはいいなあと小さく呟いた。拡声器まで届きもしない声は誰に拾われるでもなく闘技場の地面に転がっていく。
 パルスはアイドルで闘技場のB級ファイター。けれどそれ以前に女の子、恋に恋する乙女なのである。
 告白とか。デートとか。ゆくゆくは結婚とか。戦いの前だって「他の誰でもないパルスの為に頑張るよ」とか、言ってほしいじゃない!
 しかし現実はと言えば──諸君が知っている情報で概ね間違いないと思われる。仕方ないと言えば仕方ない。なんたってパルス・パッションはラド・バウのアイドル闘士なのだから。

 彼女の羨む参加者の中に『あなたたち』はいた。
 婚活したかったとか強者と戦いたかったとか諸々理由はあるだろうが──主だった理由は勿論、依頼である。
『わたしでは勝てないんです』
 悲痛な声があなたたちの脳裏に蘇る。悔しいと言わんばかりの、声音が。
 此度の依頼主は鉄帝の女性であった。既に未来を約束した恋人がおり、この婚活戦も互いに格好良い所を見せんがため出場予定だったのだ。
 しかしその予定は1人の男によって狂わされる。卑怯な手段により大怪我を負った恋人は意識不明の重体となり、当然この婚活戦には出場していない。彼がいなければ男の力量はこの場で良く映えることだろう。
『勝手な自己満足だとわかっています。それでも』
 男を敢えてこの婚活戦でズタボロにして立つ瀬がない状態にしてほしい──女性の依頼内容はそのようなものであった。
 力を見せつける場で叩きのめせば男は弱者として見られることになるだろう。依頼人の恋人を潰してまで見せ場を作りたかった男の思惑が崩されるというわけだ。
 ──いた。
 鉄帝の屈強な男女たちに紛れ、周囲に負けず劣らずなガタイの良い人影が視界に映る。此度のターゲット──『鉄腕の』ブラッチアだった。

GMコメント

●成功条件
 『鉄腕の』ブラッチアを倒す

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。不測の事態は起きません。

●エネミー
・『鉄腕の』ブラッチア
 両腕が機械の鉄騎種です。ガタイの良い男性で、自らの腕を武器に戦ってきます。
 それなりの強さがあるはずですが、仄暗い噂が尽きないことからあまり好かれていません。
 攻撃力に特化しており、回避は苦手なようです。

拳斧:両拳を握りしめ、思い切り振り下ろします。【出血】【体勢不利】
旋回:硬い腕が振り回され、竜巻を起こします。【乱れ】【混乱】

・【体力自慢】婚活参加者×3
 婚活戦に出場している男女です。鉄帝人のため、通常の人エネミーと同じように考えてはいけません。強いです。
 武器を持っていたり、素手であったりと様々ですがいずれも至近~近距離の攻撃を行います。
 HPに特化しており、攻撃力は低めです。

・【素早さ自慢】婚活参加者×2
 婚活戦に出場している男女です。鉄帝人のため、通常の人エネミーと同じように考えてはいけません。強いです。
 ナックルによる至近~近距離の攻撃を行います。
 反応と回避を得意としており、防御技術はイマイチのようです。

・【耐久自慢】婚活参加者×1
 婚活戦に出場している男です。鉄帝人のため、通常の人エネミーと同じように考えてはいけません。強いです。
 鉄騎種の屈強な体と併せて分厚い防具を身にまとっており、防御技術はピカイチです。半面、回避には劣ります。
 大きな斧を担いでいます。

●フィールド
 闘技場です。障害物はなく、広く使って戦うことができます。
 しかし戦闘の範囲を広げれば広げる程乱戦となるでしょう。

●鉄帝式婚活戦
 鉄帝国の一部で行われる戦いです。バトル・ロワイヤル形式ですが、自分の気が済んだら棄権と言う形で退場しても構いません。
 この戦いで最後の1人となりモテたい者や、恋人と共に参加して互いの格好良い所を見せあう者が多いです。1人の女性をかけて(男性のこともあります)戦う姿なども見られるそうです。

●ご挨拶
 愁と申します。
 鉄帝といえばね。力じゃないですか。こういう婚活あると思うんです。
 尚、ブラッチアを倒したあとは棄権して退場して構いません。個人的趣味で戦い続けても構いませんが、重症になる可能性が上がります。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • コンカツ! ~鉄帝式~完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年07月14日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)
流星の狩人

リプレイ


 『アイドル闘士』パルス・パッション(p3n000070)の開戦宣言に周囲が湧く。その中で小柄な『ひだまりうさぎ』コゼット(p3p002755)はぐるりと辺りを見回した。
 広い。大きい。まず出てくるのはそれらの言葉だろう。そしてここにいる一同が同じ意思を持って──しかも婚活のために──集まっているというのも不思議な心地。けれど強い者が格好良く、また頼もしく見えるというのは納得だ。
「おもしろいね婚活戦」
「オレは豚カツも好きだぞー」
 『理想のにーちゃん』清水 洸汰(p3p000845)の脳内は似て非なる食べ物で埋め尽くされているらしい。豚カツ、メンチカツ、エビフライ……と、段々元の意味から離れていく。
「婚活はな、実力を誇示して求愛する場なのだ」
「なるほど! 実力をコジするんだな!」
 教えてくれた『ラド・バウC級闘士』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)の言葉をそのまま復唱する彼であるが……意味がイマイチわからないながらも頷いた、そんな雰囲気であった。
「婚活って別に実力を見せる必要はないんじゃが……」
 婚活、もとい結婚活動が力に結びつく辺り鉄帝らしい。もしかしたら脳みそだけでなく、遺伝子レベルで筋肉なのやもしれない。
「だが、それがいい」
 肩を竦める『こむ☆すめ』リアナル・マギサ・メーヴィン(p3p002906)に、小さく笑みを漏らす『エージェント・バーテンダー』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)。いかにも鉄帝らしい婚活だ。
 婚活の場であるが故に、このバトルロワイヤルは勝ち残っても報酬はない。その勝利と栄誉、他者からの視線が報酬といっても過言ではないのだ。報酬がないならば、代わりに宣伝のひとつも良いだろうとモカはこっそり狙っている。
 しかしそんな国風を知るが故に、此度の件は許し難くもあった。
(自分が目立つために卑怯な手を使うなんて……)
 一泡吹かせてやる、と『弓使い(ビギナー)』ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)はロングボウを手にこっそり標的の背へ視線をくれる。体つきはがっしりとしており、その下にある筋肉が存在を主張している。むき出しになった両腕がキラリと陽の光を浴びて煌めいた。
 ──いや、煌めきならイレギュラーズとて負けはしない!
 きらめく金髪、きらめくおでこ。存在さえきらめいている『きらめけ!ぼくらの!ゲーミング』御天道・タント(p3p006204)はきらめくふわふわポンポンを持って!
「観客の皆様! このわたくし!」
 はいここで指パッチン!

   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タント様!///

「──と! 頼もしい仲間たちにご注目あれー!!」
 ふぁっさふぁっさとポンポンを揺らし、最後にはリアルロワイヤルインペリアルポーズを決めるタント。どこからか拍手喝采大歓声が起こり、こんなクソうるさいきらめきパワーには誰も彼もが振り返らずにいられない。もちろん、かのブラッチアも。
「いいね、タノしくなってきた!」
 『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)はぐっと拳を握り、相手の敵意を真っ向から受け止める。相手もまたイグナートを最初に倒すべき敵と定めたようだ。
 その眼前にモカの残像。毒蜂の群れが押し寄せるような錯覚とともにブラッチアの硬い体へ打撃が走る。
「ちっ、小賢しい!」
 ブンと機械の腕が風を唸らせる。受け身をとったモカの後ろから鉄騎の右拳がブラッチアを打った。硬い物質同士の甲高い音が響く。鉄腕の名に恥じない硬さを持っているのだろう──腕は、の話だが。
「最強の一撃で来なよ。その鉄腕が見せかけのモノじゃなきゃね」
「はっ。泣き目を見るのはお前だぜ」
 イグナートの挑発に容易く乗ったブラッチア。その拳を躱さず正面から受け止め、殴り返していく。コゼットが周りをぴょんぴょん跳ねて暗器を翻し、ブラッチアの背後では不意に青の扇が舞った。リアナルの追撃が敵の背後から刺さる間にも、タントのきらめきがイグナートを応援する。
「皆様、こちらは気にせずフルスロットルでやってしまってくださいまし!!」
 ふわふわポンポンを揺らすタント。その眩しさに向かってくる他の参加者もいるが──その行く手は鋭い一矢で遮られた。
(上手く戦えるか不安だけど……)
 やるしかない。ミヅハは次の矢を番え、向かってくる敵を狙いすます。その射線を遮らぬよう立った洸汰はその存在感で通せんぼ。
「この先に行くなら、オレを倒してからだぜ!」
 子供の姿を甘くみてはいけない。なんたって彼はイレギュラーズなのだから。
 舞い踊るリアナルの背後を狙った参加者の1人は不意の斬撃に腕を交差させる。この程度ならまだまだ──そう思った矢先、ぞわりと悪寒を走らせる声が聞こえた。
「御主、中々に強そうだな」
 ニィと笑う汰磨羈が刀を構える。戦ってくれるのだろう? とでも言いたげに。
 イレギュラーズが相手している他も乱闘となる中、執拗に速さで攻めていたモカは小さくため息をつく。
「……あなたは弱いな。私が倒すまでもなさそうだ」
 その呟きも小さいながら、ブラッチアには聞こえたのだろう。顔を真っ赤にした彼は腕を思い切り振り回し、周囲にいたイレギュラーズこと竜巻へと巻き込む。
「おっと」
 とん、と軽やかに地を蹴って下がったコゼット。そしてリアナルもまた自らの運命力でもって切り抜ける。風の止んだそこには、暴風に囚われていた仲間たちが足を震わせながらも立っていた。
 こういう時こそ我らが太陽、タント様の出番である。
「オーッホッホッホッ! こんなものですかしら、鉄腕のブラッチア様!」
 お決まりの高笑いとともに傷が癒えていくイレギュラーズたち。(見た目は)小娘に挑発されたとあっては、ブラッチアもただで済ませるわけにはいかない。その両拳を組み合わせ、勢いよくタントの頭上から落とす。
 しかし。
「おっと、ごめんあそばせ!」
 ぺちん、などと可愛らしい音は流石に立たない。けれども容易く──実際、払った手は結構痛かったけれど──受け流したタントにブラッチアが目を剥く。勢いのままに下を向いてしまえば、その頭上からはまた煽り台詞が。
「どうされましたの? ぽんぽんいたいですの?」
 くすくすくす。そんな笑いが聞こえてきた気がして、ブラッチアはガバリと顔を上げた。その目の前でぴょんと白兎が跳ぶ。
「あたしを、見て」
「ああくそ、跳ね回るんじゃねえ! 邪魔だ!」
 ぶんぶんとご自慢の腕を振るも、身軽なコゼットにはなかなか届かない。イグナートはタントの回復で持ち直すと再びその拳でブラッチアを力強く打った。
 対ブラッチアから離脱したモカは新たな参加者に行く手を阻まれる。いかにも硬そうな敵にモカは口端を吊り上げた。
「戦いがいがありそうだ」
「奇遇だな、俺もそう思う」
 それぞれの武器を構え、打撃と斬撃が入り混じる。しかし身軽なモカの方がいくらか上手か。
 一方で子供さながらの体力と持続力で相手を通さない洸汰。彼に請われるハイタッチにさしもの鉄帝人も疲れが滲んでくる。
 洸汰へ援護射撃を向けていたミヅハは、視界の隅から向かってくる敵にはっと構えた。ナックルによる打撃に顔を顰めながらも、その直前に放った矢が相手の肩へ命中したことを見届ける。
(そうだ。俺だって、戦える……!)
 例えこの世界へ召喚され日が浅くとも、立派にイレギュラーズなのだ。
 そんな最中、洸汰の阻んでいた参加者の1人へ汰磨羈が切りかかる。彼女も無傷とはいかないが、しかしタントの支援もあってまだ攻勢は衰えない。
「斬り甲斐があるな?」
 笑う汰磨羈の足元、まるで水でもあるかのように波紋が広がる。その波紋が敵へ辿り着いたその瞬間、睡蓮の花が咲いた──ように見えた。
 殴り殴られ、拳で語り合ったイグナートはもう良いだろうとその拳を受け止める。ブラッチアの周りを再び白兎が跳ねて、彼は眉をしかめるとコゼットを睨みつけた。イグナートはそんな彼から飛びのくと背を向ける。
「鉄腕は返上することだね。この国で”鉄”を名乗るにはクンフーが足りないよ」
 そんな言葉も、コゼットに気を取られた彼には聞こえていないかもしれないが──まあ、イグナートには関係ないことである。
「ねえ、おじさんも結婚したいの?」
「当たり前だろう!」
 そっかぁ、と呟くコゼット。強さ以外に取り得もなさそうな男だと続いた言葉にブラッチアは拳を上げる。空振りした拳は行き場なく、そこへすかさずリアナルが舞って畳みかけた。合間に汰磨羈の睡蓮状結界が彼を取り巻き、切り刻まんと斬撃が跳躍する。
「でもね、卑怯者はカッコわるいし、ぜったいに結婚したくないよ」
 コゼットの手の内で暗器が翻り、ブラッチアを翻弄する。今や女2人に大の男が翻弄される状況だ。
 こんなことがあって良いのか。いいや負けるなどあってはならない。ましてや、敵から応援の言葉をかけられるなど以ての外。嗚呼、嗚呼、なんと煩わしい白兎か!
「オーッホッホッホッ! さあ、言い訳ならば観客の皆様に聞こえるようにどうぞ!」
 その後方で高笑いするタントがまた煩わしいのだが、まずはとその視線は変わらずコゼットへ向けられる。
 回し蹴りで参加者を地へと沈めたモカは次の標的、と視線を巡らせるが──。

「ほぁッッ」

 ──不意に、何とも間抜けな声が響いた。
 思わず誰しもがそちらを見れば、そこには急所を押えたブラッチアの姿がある。男は皆釣られて痛そうな表情を浮かべ、女は何とも言えない表情を浮かべる。
 とん、と着地したコゼットはひとこと「カッコわるいね」と言い放ち。最後にこれは言わねば済まないとモカは崩れ落ちたブラッチアの前へ立ちはだかった。
「あなたの敗因を教えてやろう。腐った性根、そして……女を敵に回したことだ!」



 ブラッチアが倒れた。
 鉄帝である程度の実力を持ち、しかし仄暗い噂の尽きないあのブラッチアが。

 ウオオオオオオ!!

 会場から喝采が巻き起こる。ブラッチアが正々堂々の真っ向勝負で負けたことは、観客たちにとって大変スカッとするものだったらしい。鉄帝とは本来そういう気質なのだから、さもありなん。
「いいぞ!」
「素敵ー!」
「あいつらイレギュラーズじゃねぇか!」
「次は俺と戦わせろ!」
 賑わう観衆たちに、しかし洸汰はばったーん! と倒れてみせた。タントがこれ見よがしに驚く。
「まあ! 大変ですわ、救護室へ運ばないと!」
 こうしてタントの支えにより救護室へ搬送──もとい、退場した洸汰とブラッチア。タントもちゃっかりそのままギャラリーへと回る。残った面子は傷だらけながらもその瞳に闘志を乗せ、参加者たちを見返した。
「いやほら、私踊ってただけじゃし?」
 嘯くリアナルとて無傷ではない。勝ち残ることに拘りはないが、まあ折角だしとその場へ残った。
 そう。戦えばたち戦うほど、その強さを見せつけるほどモテるのが本来在るべき鉄帝式婚活戦である。
「モテて悪い事は無いからな。全力で行く!」
 汰磨羈は火力の薄い場所へ。何故? だってそこで火力を出せば目立てるから!
 この場でモテるつもりも、ついでに言えば結婚するつもりもないコゼットとて戦闘続行。折角なら勝って気持ち良い思いをしたい。
「誰が勝とうが構わんよ? ただ、嫌がらせはさせてもらうがの☆」
 ニンマリと笑い、体力自慢へ攻撃を仕掛けていくリアナル。あとは気力が尽きるまで戦うのみである。オーダークリアした今、敵味方などありはしない。
 彼らの戦い方を眺めつつ、ギャラリー席へ移っていた洸汰は傍らのブラッチアへ視線を向けた。もはや逃げる体力もなさそうだが、万が一を考えてメカぴょんたが見張っている。
 勝負に勝ち負けがあるのは当たり前、彼はその中で実力を見せたかったのだろう。ここでは強さを見せる機会がない限りモテる対象に入らない。
「でも自分が目立ちたいからって、他の人をぶっ潰しちゃうようなラフプレーはダメなんだぞ!」
 戦うなら正々堂々と。それこそこの国で求められていることだろう。下で戦う仲間たちのように──。
「さあ、かかっておいで! 1人残らずゲキタイしてあげるよ!」
 戦いに瞳を輝かせるイグナートが次々に挑発し、その頑強たる拳を叩き込んでいる姿が見える。彼のまっすぐな戦い方はギャラリーを殊更熱くさせていた。
 けれども鉄帝人とてヤワではない。互いに殴り殴られ、倒し倒され。救護室へ担がれてきた者を手当てした洸汰がギャラリー席へ戻ると。

 ワアアアア──!!!!

 チャンピオンが決まり、その周囲には倒されたらしに人の影がいくつかある。仲間もいるようだ。洸汰は他のギャラリーに混ざって拍手を送り、労いの言葉を叫んだ。

「皆、マジでカッコよかったぜー!!」

成否

成功

MVP

コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ

状態異常

イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)[重傷]
黒撃
ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)[重傷]
流星の狩人

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。
 またのご縁をお待ちしております。


 余談。このリプレイ書いている間、タント様はゲーミングタント様だったのか……と衝撃に包まれていました。

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