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シナリオ詳細

高機動混沌勇者ランサーM

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●君も体感せよ!
 大人気フルドライブ型ロボットアクションゲーム『パンツァーG』に待望の新作発表!
 その名も『高機動混沌勇者ランサーM』!
 コロニーとチーキュによる魂の戦いから数十年。人々が争いを過去のものとしたこの時代に突如結成されたネオアデプト共和国。彼らは人類の宇宙独立を掲げあらゆるコロニーに対し宣戦布告した!
 圧倒的な進化を見せたネオアデプトの技術力に次々と制圧されていく国々。
 だがこれは希望の終わりではない。希望はまだ、ここにある!
 プレイヤーは宇宙便利屋ネオローレットのオートパンツァー乗りとなり、紛争鎮圧任務を遂行するのだ。
 果てしなく自由なキャラメイク!
 あまりにもリアルな臨場感!
 自分だけのオリジナルカスタマイズでオートパンツァーを完成させよう!
 『高機動混沌勇者ランサーM』! 今夏発売予定!

「――というのが、今回の依頼主である練達のゲーム開発会社フロロムから発売される新作テレビゲームだ。
 我々はネオアデプトの脅威から人々を守るべくオートパンツァーで出撃するのだ!」
 ベネディクト=レベンディス=マナガルム (p3p008160)がゲームの企画書をバンと机に叩きつけて勇ましく叫んだ。
 彼を囲む、というか共にテーブルを囲む仲間達はシュタバのコーヒーをちゅるちゅるしながらしばらく話を聞いていたが……。
 そっとリンディス=クァドラータ (p3p007979)はカップをテーブルに置いた。
「おちついてください。ゲームのデバッグをすればいいのでしょう?」
「ゲームに魂をもっていかれとるのう」
「仕方ないでしょう。真面目な方ほどゲームにのめりこむとこうなる」
 コーヒーをくるくるしながらしみじみ語るアカツキ・アマギ (p3p008034)と新田 寛治 (p3p005073)。
 久住・舞花 (p3p005056)はまだ熱いカップを手で覆うようにしてさましながら話に加わった。
「ある意味ローレットらしい、平和な依頼ではありませんか。わかりました、私でよければ引き受けます」
「ふむ。私も異論は無い」
 ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ (p3p007867)も甘くないコーヒーをわりと強引にがぶがぶと飲みほし、空になったカップをテーブルに叩きつけた。
「だが初戦は架空の戦い。私が少々遊んだ程度でそう熱くなれるものか……」
 リアルな戦いに身を投じ続け、いつも最前線で旗を振っていたベルフラウの目にはどこか悲しみすら見えた。
 偽物の戦いで熱くなれない心の麻痺を嘆いているのだろうか。
 それとも民草から心が離れてしまったようで寂しいのか。
「疑問だが、な」

「戦え戦士たちよ! 我が機体を、我がオートパンツァーを! 我が腕に掲げた旗を見よ! 今こそ悪しき支配から逃れるとき!
 そしてネオアデプトのテロリストたちよ! 燃えさかる紅蓮の魂、鋼を越して受けるがいい!」
 ウオーと叫びながら突っ込んでいくベルグラウの機体(オートパンツァー)。
「ゲームに魂をもっていかれとるのう」
「仕方ないでしょう。真面目な方ほどゲームにのめりこむとこうなる」
 『知ってた』って顔で見送るアカツキと新田。
 一方で、ぴっちりとしたパイロットスーツに身を包んだ舞花は無数の画面が並ぶコックピットの中で、オートパンツァーの複雑な操作を行っていた。
「まるで現実かのようなこの感覚。さすがは練達と言うべきでしょうか。
 それに、操縦の殆どは身体が覚えている……不思議な感覚です」
「本来できないことができるようになる。それがシミュレーションゲームの根幹ですからね」
 彼らがテストプレイに選んだステージは市街地。
 練達マルノウチスゴイタカイビルを中心に形成されたテロリストたちの仮設要塞を襲撃し、撃滅するのがミッションである。
「では、行こう。人々の平和な明日を守るために!」
 あっここにものめり込んでる人いる。という顔で見られつつ、ベネディクトはレバーを握りこんだ。

GMコメント

 ご用命ありがとうございます。
 こちらは練達VRゲームのテストプレイをしようという依頼でございます。
 実際に見て知っている気がするので細かい説明を省きますが、皆さんはゲームの中で『オートパンツァー』のパイロットとなりテロリストたちと戦っていただきます。

■オートパンツァー
 大きな人型ロボット。ナンカスゴイ技術によって飛んだり剣を振り回したりビーム撃ったりできる例の奴。
 皆さんはフルカスタムされた専用機で出撃できます。
 造形、装備、カラーリング。そして機体名!
 すべて自由かつお好みで選んでください。
 説明が難しくなったりしたら『あのアニメでみたアレみたいなやつ』という説明でもOKです。

■ミッション
 市街地に展開したテロリストの量産型オートパンツァー『ザビザバIII』の軍勢を自慢の装備で蹴散らしまくるところからスタートします。
 するとテロリストの秘密兵器である超巨大破壊兵器『デメテール』が出現。すごいビームと大量の追尾ミサイルとすごいでかい腕とあとなんか定期的にまき散らす自動操縦ビットの攻撃を仕掛けてきます。
 これらをくぐり抜け、ときには破壊し、この巨大ロボットを撃滅しましょう。

  • 高機動混沌勇者ランサーM完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月19日 22時10分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

久住・舞花(p3p005056)
氷月玲瓏
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)
雷神
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
ただの人のように
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃

リプレイ

●高機動混沌勇者ランサーM!
 アラートの鳴り響く巨大飛空輸送艦。透明な円形テーブルを囲むようにソファに腰掛けていた六人の男女は、オペレーションスタッフによるアナウンスによって立ち上がった。
 飲んでいたコーヒーカップ。タワーにしかけのトランプ。プレイ中の携帯ゲーム機。たべかけのハンバーガー。その他諸々、すべてその瞬間に手放して、彼らはひとつところへと走って行く。
 六機の人型ロボット兵器――オートパンツァーの揃うハンガーへ!

 開くデッキが風をうみ、カタパルトレールにはしる電磁のスパーク。
 ブルーとピュアホワイトでカラーリングされたパイロットスーツに身を包み、『月下美人』久住・舞花(p3p005056)は颯爽とコックピットへと乗り込んだ。
 閉まるハッチと点灯する各種機材。複数のモニターが映し出す多方向の映像を瞬時に確認すると、『準備完了』のシグナルに微笑んだ。
「久住舞花――Kaguya(輝夜)、出陣します」
 握り込んだレバーから魂が伝わり、舞花とオートパンツァー『輝夜』は人機一体となった。
 カタパルト通路を高速で駆け抜け、空へと飛び出す。
 眼下に広がる大要塞。
 市街地のビルに無理矢理設置された対空砲が次々と火を噴くも、巨大弾頭が着弾直前真っ二つに切断される。
 PhotonBlade――『月花』と名付けた二本のフォトンブレードが海中から見た晴天の空のごとく蒼く煌めく刃をまとい、更に次々殺到する弾頭を切り裂いていく。
 着地と同時に対空砲を真っ二つに破壊すると、爆発の炎が藍色の機体を淡く照らし、ゆらした。

 真っ赤な炎をまとい、グリーンの残光をひいて飛ぶ。
「『放火犯』アカツキ・アマギ(p3p008034)――Luminous(ルミナス)。任務了解じゃ」
 ジェット噴射による跳躍を終え、四車線ある道路の中央へ着地。ひび割れ崩れるアスファルト道路を更に踏み沈め、アカツキのあやつる白銀の機体が走り出す。
 二台の戦車がビル群の間から現れ回頭。立て続けに砲撃をしかけてくるが、ルミナスの両肩から吹き出た炎めいたエネルギー体が前方に膨大なナノマシンの幕を展開。砲撃を受け止め、焼き溶かすかのように消滅させていく。
 コックピットでにやりと笑い、レバー脇のダイヤルを操作。突撃槍型のマークを選択すると、機体腰部に保持していたスピア『ルミナススター』を手に取った。
 再び爆炎を吹いて突撃加速。戦車に突き刺したスピアが急激な熱を持ち、戦車を膨張破裂させた。
 爆破によって横転した戦車を一瞥すると、無視して先へと走り出す。

 なぜなら――。
「『ドゥネーヴ領主代行』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)――Beal(ベアル)。任務を遂行する」
 白銀の騎士風オートパンツァーが着地と共にビーム刀身をもつ洋槍を戦車に突き立て爆破。
 彼らを対応しようとビル群の影から現れた『ザビザバIII』がサブマシンガンを乱射。
 槍を抜いて飛び退いたベアルの足下を激しい火花がはねるが、ベアルは槍を構えた姿勢のまま背部に折りたたんでいたライフルを展開。
 肩にのせる形でアクティブにすると、乗用車を踏み潰しながら着地。
 コックピットで冷静に目を細めるマナガルムに、オプションバイザーが下りてくる。
 片目を多うように開いたターゲットサイト内でマーカーが動き、こちらへ接近しようと走る敵機へとマーカーが重なった。――と同時に、操縦レバーのトリガーをスイッチ。
 次の瞬間発射された砲弾が敵機を二体同時に打ち抜いて爆破した。
「ブラック1より各機へ。状態を報告せよ」

「余裕余裕。ちゃっちゃと殲滅しちゃいましょうー!」
 朱色の人型オートパンツァーが鉄道のレールをかかと部分についたローラーでもって駆け抜けていく。
「『レコード・レコーダー』リンディス=クァドラータ(p3p007979)――Librari-A(リブラリア)! 無限の書架を、力と為して!」
 線路の側面にあるビルより、ザビザバIIIがバズーカ砲を構えて待ち構えている。
 通りかかる瞬間を狙って砲撃……したが。
 リブライアに搭載された防御盾展開システム『ディクショナリス』によって追加された特殊装甲が砲撃のエネルギーを特殊空間へと受け流し防御。
 まるで本を閉じるかのようにパタンと装甲を閉じると、機体のアイカメラをぎょろりと敵機へ向けた。
 コックピット内でフッと不敵に笑うリンディス。
 レバー上部についたカバーを親指で弾くように開くと、赤いボタンを押し込んだ。
 機体の両肩からせり上がるように現れた書庫型ミサイルポットより、スクエア形状のクラスターミサイルが発射された。
 咄嗟に逃れようとする敵機を追尾し、激しい爆発で飲み込んでいく。

「ふむ……」
 パワードスーツを纏い、ビルの屋上へと降下する『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)。
 腕に装着していたマシンガンを連射し、ザビザバIIIたちへと牽制射撃を仕掛ける。
 こちらの存在を察知した敵機が振り返り射撃を開始。新田の機関銃とは比べものにならない規模の機銃射撃がビルの角をけずりとっていった。
 ダメージを逃れるべく屋上から飛ぶ新田。
「来い! ファンドロボォ!」
 新田が叫び、眼鏡を強く発光させると、どこからともなく走ってやってきたファンドライガーが跳躍。変形。新田のパワードスーツを包み込むように組み上がり、ファンドロボが完成した。
「自分は頼みたくとも頼めないイラストを、誰かに託してイラストにする。人、それをファンドと言う」
 逆行を浴び、センシティブレードを装備。こちらを唖然と見上げる敵機へと振り下ろす。
「バニー、ファンド斬り!」
 敵機を切り裂き、背を向けて見栄を切った。
「如何なる鉄壁の令嬢であろうとも、向いて見せようLtd!」

「ネオローレットの英雄達よ、どうやら揃ったようだな」
 輸送艦の特別ハッチが開き、産み落とされる竜の卵がごとく天空へと舞い降りる巨大なコンテナ。
 否。黄金のキューブめいたそれは落下と共に変形し、ずんぐりとした巨大なオートパンツァーとなってビル街へ着地した。
「『戦神凱歌』ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)――Arc(アーク)、見参!!」
 通常機体の倍はあろうかという巨大なボディ。変形中に切り離された槍のようなパーツが大きな戦旗となり、軸部分から開くバーチャルフラッグがなき歴史の風にたなびいた。
 これぞアークを象徴する装備『オルレアンドレープ』。味方各機体の信号を繋ぎ、認識を共有するシステムを搭載した戦術兵器である。
 その巨体で威圧しながらもテロリスト要塞へと接近。
 クリアになった通信によって、マナガルムからの声が届く。
「今回は市街戦。テロリストは市街の各地域に散会していると思われる、また巨大兵器を所持しているという噂もある…油断はするな」
「無論! 戦況状況は常時更新、サブモニターの確認を怠るな」
 ぶんと振った巨大な旗。隠し腕が投擲槍を取り出し、テロリストたちの巨大なバリケードへと放たれる。
 電磁場拡散機能投擲槍ラ・ピュッセル。着弾した地点を中心に激しいパルス攻撃を行い、敵機の操縦はおろか歩兵の通信機までもをダウンさせる。


 牽制程度では追い払えない武力であると判断したのか、テロリストたちは『ザビザバIII』の大量放出を決定。
 傍受した無線通信音声が若干のノイズと共にベルフラウのコックピットに響く。
『奴ら化物か』
『慌てるな補給ができるこちらのほうが有利だ』
『遠征側は長期化を恐れるはず。物量で引き延ばせ』
 独特の紋章がデザインされたパイロットスーツで腕組みをし、自らの腕を指でトン、トンとゆっくり叩くベルフラウ。
「ふむ……どうやら敵は『乗ってくれた』ようだ」
 次々と飛び出してくる敵オートパンツァー。量産機といえど数が揃えば当然ながら脅威である。彼らのサブマシンガンによる一斉射撃がベルフラウの愛機アークへと集中。
 しかし――。
「量産機ではこのArcは墜とせんぞ! 量産機ではなぁ!」
 オルレアンドレープを回転させ、ヒートホークによる近接格闘を仕掛けんとする敵機をその重量でもって強引になぎ払っていく。
 さらなる攻撃を仕掛けようとした敵機の集団に対し、リンディスのリブラリアが横滑りする形で乱入。
 集中するミサイルを『ディクショナリス』による防壁で防ぐと、舞花の輝夜とアカツキのルミナスが高所より着地。
 別方向からの砲撃をルミナスによる『インテグラルフレイムファンクション』が迎撃していく。
 更に着地時に槍を突き立てた敵機を持ち上げ、敵の射撃に向けてかざすことで防御とした。
「ふふふ、これぞエネミーシールドじゃ」
 直後、頭上を飛んだ輝夜が二本のフォトンブレードを交差。虚空を一文字に切り裂いていく。
 否、彼女が斬ったのは虚空ではない。刃がそのまま飛んでいき、射撃体勢にあった敵機をまとめて切り裂いていく。
 着地と同時に急加速をかけ、斬撃を咄嗟に避けることのできた敵機の腕や足をはねていく。
「油断するな。連中、ウワサによればその危険さゆえに開発が中止されたオートパンツァーを回収しているらしい。量産機ばかりと侮っては足下をすくわれるぞ」
 マナガルムは愛機ベアルからビームランサーを構えると、敵機集団めがけて突撃をかけた。
 次々と切り裂き、振り払う。
 そんな彼の前に現れたのが、新田の操るファンドロボであった。
 ズシンと両足で着地すると、両腕をダブルバイセップスのポーズで固めて胸のFMマークを真っ赤に発光させた。
「ファンドファイヤー!」
 浴びせられるお前もファンドになれというアツい視線の如き熱光線が敵機たちを焼き払っていく。
「ぴっちりスーツは絶好のチャンス。新田がやらねば誰がやる! ――ハッ!」
 身を乗り出すベルフラウ。
「高エネルギー反応!」
 目を見開き叫ぶマナガルム。
「避けろ!」
 見栄を切った新田を狙い澄ましたように。ファンドロボを激しいビーム射撃が突き抜けていった。
「新田ーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「噂は本当だったか……」
 ビームランサーを構え、見上げるベアル。
 あまりにも巨大な破壊兵器『デメテール』がビルを倒壊させながら立ち上がり、全身に装備された無数のミサイルポットから一斉発射を開始した。
「やぶれかぶれというわけか……ならば!」
 ベルフラウはコックピット側面に設置されたボタンカバーを拳で破壊し、赤いボタンを強く押し込む。
「『Étoile brillante』起動!」
 突如として変形をはじめたアーク。
 光の翼を備え巨大な鳥型オートパンツァーとなったアークは高速で飛行を開始。デメテールの頭上を高速周回し、機体をまばゆいほどに白く発光させる。
 それはあまりに高すぎる負荷のため、機体が燃え始めている光だ。
「此処でくたばってなど居られるゥかァーーー!!」
 大量のミサイルが集中するが、その間にアークはミサイルの数以上の情報を取得。そして仲間達と共有していた。
「これは……!」
 受信したファイルに記された『デメテール』の弱点。
 リンディスはその情報をアーカイブすると、仲間達へと通信をつなげた。
「ベルフラウさんの示してくれた道――その道は、私が切り開きます!」
 コックピットのキーパッドにパスコードを素早く入力。
「ノベリアドライブ。それが人間だけを殺す機械なら……殺しつくしてみせなさい、化け物!」
 リブラリアの両肩に展開した防壁が巨大なエネルギー体を展開。
 仲間達をすっぽりと隠せるほどの防壁が形成され、リブラリアはジェット噴射によってデメテールへと距離を詰めた。
 度重なる爆発が前から後ろへと抜けていく。
 ミサイル程度で追い払えないことを察したのか、デメテールの手法がリブラリアへと狙いをつけた。
 避ける暇はない。避けるつもりもない。
 突撃、つまりは不退転。
 リブラリアのコックピットで、リンディスは顔にかかる髪を中指でさらりと払った。
「今ならやれます……テラープログラム起動! あとはお願いします勇者達!」
 直撃するビーム。
 しかし破壊できたのはリブラリアの防御装甲とボディのみ。
 彼女に守られる形となったマナガルムとアカツキはそれぞれ槍を突き出した。
「核熱ブースター、フルオープンだ。
 喰らい尽くせ、我が炎の龍よ……ドラゴンストライク!」
 アカツキのルミナスが轟雷のごとき爆発音と共に急加速。
 自らを彗星のごとくデメテールへと突っ込ませていく。
 一方でマナガルムもまた突撃を開始。
「デウス・エクスマキナ・システム――対象を破壊する」
 キィンとコックピット内に走る蒼い光。
 走っていたマナガルムのオートパンツァー『ベアル』が、残像をつくる勢いで急加速を始めた。
 彼だけではない。
 舞花の輝夜もまた蒼い光をひいて急加速をかけていた。
 彼女のコックピットには『水鏡』のシグナルが表示され、活動限界を示すカウントダウンが始まっている。
 そこへ――。
「ファイナルファンドフォーメーション!」
 焦げ付いたパワードスーツで走り出す新田の姿。
「生きていたんですか」
「パイスーファンドがあるかぎり。挿絵ピンにする余地が有る限り、私は何度でもよみがえる!」
 新田を中心に走る狼型ロボファンドファングと虎型ロボファンドファイガー。頭上を飛ぶファンドファルコン。後ろから猛追してくるファンドエレファント。
 それぞれのロボットが変形し、新田のパワードスーツを中心に巨大ロボットを形成した。
「おいそれと手を出せぬおぜうを丸裸にしてみせる。人、それをファンドと言う」
 Fの字が光るヘルメットを装着。フェイスマスクがガチンと閉じ、ファイナルファンドロボは謎のエネルギー乱流を引き起こした。
「サンダーーーーーーーーーーーー! ファンドスクリューーーーーーーーーーーーーーーー!」
 デメテールを乱流がとらえ、ファイナルファンドロボは飛び上がり、鳥のような姿となって突撃する。
「ゴッドファンドーーーーーーーーー! スマーーーーーーーーーーーーーシュッ!」
 突撃はデメテールの頭部を粉砕しもぎとっていくに充分であった。
 そして、舞花とマナガルムに攻撃の隙を作るに充分であった。
「この一瞬が、あればいい」
 ジグザグに走り抜ける輝夜。
 まっすぐに突き抜けるルミナス。
 そして天高くより跳躍し、槍を突き立てるベアル。
 二つの斬撃は巨大な大穴と無数の切断という結果を残し、デメテールを粉砕させるに充分であった。
 激しい爆発が巨大な雲を作り、空へとつき上がっていく。
 オートパンツァーに酷いダメージをうけたものの、生存していたパイロットたちはビルの屋上や街のベンチからその様子を眺めていた。
「ふふ、これが……オートパンツァーか」





●エピローグのエピローグ
 その後。『高機動混沌勇者ランサーM』は無事発売され、練達にいる少年のハートを持つおっさんたちに馬鹿売れしたという。
 そのスタッフクレジットの中にデバッグ担当であった舞花たちの名が刻まれていたのは、いうまでもなかろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――任務達成! ゲームクリア!

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