プリンセスに楽しみを

オープニング

▪︎大きな城の一室での会話
　この世界にあるものは巨大な遊園地とその中央にある大きな城。事の発端はこの城の一室での会話だ。

「ひーまーでーすーわー！」
「フェスタお嬢さま、どうか気を鎮めてください」
この場にいるのは二人。この城、遊園地、そしてこの世界の主プリンセス・フェスタ。そして、フェスタを幼い頃から育ててきた『爺や』と呼ばれる年老いた妖精だけだ。
「そんなに暇なら、この爺やが絵本の読み聞かせを…」
「今更絵本で喜ぶ歳でもないですわ！」
「ではアクションマンガを…」
「マンガは読み聞かせするものではありませんわ！」
「では恋愛小説を…」
「というか、城中の本は全部読み尽くしましたわ！」
先程から寝転がっていたフェスタは起き上がって爺やに顔を近づける。
「それと、いつになったら遊園地で遊べるのです？もう10年以上はこの城に閉じこもっていますわ」
「仕方ありませぬ。何せお嬢さまの両親は整備不良のジェットコースターに乗ってお亡くなりになられたのです。同じようにお嬢さまがお亡くなりになられたらこの世界は消えて無くなってしまうのですよ！せめて良い殿方を見つけて、後継を残してから好きなだけ遊んでください！」
「そんなことは知ったこっちゃないですわ！むしろ、ジェットコースターで死ねるなら姫は本望ですわ！」
こんなことを言うこの世界の主を前に、爺やは困惑するばかりだ。
「あぁ、誰かこのプリンセスに遊園地以外での楽しみを見せてくださるものはいないか…」

▪︎楽しみを提供
「この世界の遊園地はとっても楽しいの。だから、お願い！プリンセスを楽しませて、この世界を救ってくれる？」
境界案内人、ポルックスはイレギュラーズに向かってその世界を救うようお願いする。
「楽しませろって言ったって、どうやって楽しませれば良いんだ？」
一人のイレギュラーズの質問にポルックスは答える。
「それはあなたたちの自由よ。特技を見せるのもよし、趣味を教えるのも良し、面白いお話を聞かせるのでもいいわ！」
そうしてイレギュラーズはその世界でプリンセスを楽しませるべく、四苦八苦していくのであった。

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第1章

第1章 第1節

プリンセス1

まず最初にプリンセスの部屋に来たのは全身鎧のような見た目の大柄な男、マッチョ⭐︎プリンだ。彼は馬車引いており、その馬車には大量の巨大プリンが積まれている。
「ほ？この馬車に積まれてるのはプリンですわね。それで、これをどうするのかしら？」
すると男は馬車から巨大プリンを一つ取り出し、また懐から弓も取り出す。
「オマエ、プリン…トッテオキ、ミセル！」
そう言うと、なんと男は取り出した弓を矢を番ずにそのまま巨大プリンにぶつけた！プリンは粉砕され、破片が床に飛び散る。
「オマエモプリン…ナラ、デキル！」
「わぁ、楽しそうですわ！なら私もやってみてますわ！」
幸いというべきか、フェスタはそもそも弓矢を見たことが無かったためマッチョの行動に対して疑問を持つことはなかった。

こうしてマッチョが馬車からプリンを出して、二人で弓を使って楽しく巨大プリンを壊し続けていると…
「まぁ、こんなに部屋を汚してしまって…申し訳ありませんが、今日はこれでおしまいです。どうぞ、お帰りください」
爺やにそう言われてマッチョは無垢なる混沌へ返されていった。ちなみにフェスタはその後部屋を汚したことに対して爺やにこっ酷く叱られた。

成否

成功

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第1章 第2節

次にプリンセスの城に来たのは大きな体格の、所謂オークと呼ばれるような見た目の男、『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン（p3p002081）だ。彼は今、自身の要望もあって城の厨房でプリンセス・フェスタを待っている。
しばらくして、フェスタがゴリョウの前に来た。
「それで、貴方は何をするのです？」
「そうだな。せっかく厨房に来てもらったからには、料理を楽しんでもらうぜ！」
二人は早速厨房に入っていった。

「よし、手も洗い終わったから早速作るぞ！ところで、作りたい料理のリクエストはあるか？」
「ポップコーンとプリン以外ならなんでもいいですわ。けど、出来るなら色々な楽しみ方がある料理を食べたいですわね」
「そうか…ならパウンドケーキはどうだ？中に入れるもん次第で色んな楽しみ方があるぜ」
「そうですわね。それでは今日はパウンドケーキを作りましょう！」
こうして、ゴリョウとフェスタはパウンドケーキ作りを始めた。まず初めは練習として中に何も入れないプレーン、次は爺やからの要望でレーズン入りを作っていった。そこから、ケーキを焼いている匂いに釣られて来た、城で働く他の妖精たちも集まり、ゴリョウとフェスタは妖精のシェフの手を借りながら長い間パウンドケーキを作り続けるのであった。

成否

成功

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第1章 第3節

次にプリンセスの城に来たのは短髪で鋭利な目をした男、『聖断刃』ハロルド（p3p004465）だ。彼はプリンセス・フェスタの部屋で彼女と話している。
「そういや、アンタは城の本は全部読み尽くしたらしいな」
「そうですわね。何度も読み返したので内容もほとんど覚えていますわよ」
自慢げにしているフェスタを見て、ハロルドはニヤリと笑う。
「そうか。なら、今度はアンタが創る側に回ってみたらどうだ？まずは二次創作からやってみるか」
ハロルドからの提案にフェスタは首を傾げる。
「えっと…まず二次創作ってなんです？」
こりゃ思ってたより骨が折れそうだ。ハロルドはそう思った。

二次創作の説明を終えて、二人は早速創作活動に取り組んだ。フェスタは最初の時はノリノリで取り組んでいたものの、やはり時間が経つに連れて飽きてくるようで、そんな頃合いを見計らってハロルドは飽きさせない工夫をしていった。
そして、何度目かの休憩時間にハロルドは一つの発見をする。
「ん？今描いている絵は何だ？」
「あっ、これは今書いている話を想像して描いている絵ですわ」
どうやら、いわゆる挿絵を休憩時間で描いているようだが、初心者にしてはかなり上手い。
そこでハロルドは今やっている作業を中断し、漫画で描いてみるように言ってみた。するとフェスタはかなりのやる気を出し、またハロルドの干渉無しでもモチベーションを保ち続け、結果単行本一冊分に相当する量を彼女は描けた。

成否

成功

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第1章 第4節

次にプリンセスの城に来たのは小柄で長い髪の男、『灰に咲くアザミの花よ』アレックス＝E=フォルカス（p3p002810）だ。アレックスはプリンセス・フェスタに問いかけた。
「ところで姫よ。私はかつて司書をしていて多くの物語を知っているのでな。好きな要望を述べてみるがいい。大方の要望には添えると思うぞ」
「そうですわね…なら、王道の冒険物語を聞いてみたいですわ」
「そうか、冒険物語か…それなら、こんな話はどうだ？」

そう言ってアレックスが語ったのは、一人の男と一体の悪魔の冒険譚だ。それぞれ『王になる』という目的は同じだが、種族の違いから当初はお互いを嫌悪し合っていた。しかし、二人で冒険を続けるにつれてお互いに信頼し合うようになり、最後には二人とも王の座につくことができたのだ！

物語を聞き終えてフェスタは大いに感動し、それをみたアレックスは複雑な心持ちで無垢なる混沌へ戻っていった。

ちなみにアレックスの話には続きがあり、二人とも王の座につけたは良いものの、それぞれの民衆は彼らの関係を良しとは思わず結局二人とも革命によって処刑されてしまう。そして話の作者も秘密裏に殺され、物語は禁書となってしまったのだが、これらの事実をフェスタが知る事はないだろう…

成否

成功

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第1章 第5節

最後にプリンセスの城に来たのは長髪でスタイル抜群の女性、『己喰い』Luxuria ちゃん（p3p006468）だ。彼女はまずフェスタにギフトを使うことに対して同意を得ようとする。
「ところでフェスタちゃんにわたしのギフトを使ってもいいかしら？」
「えっと、ギフト？というのはよく分からないですけど、楽しませてくれるためなら構わないですわよ」
フェスタの同意が得られたことで、Luxuria ちゃんとフェスタは最高のパートナーとなれた。それによってフェスタが楽しみたいことが丸わかりになるはずだったが…
「それで、フェスタちゃんは何をして楽しみたいの？」
「うーん、それが自分ではよく分からないのですわ。だから、貴女の楽しみを教えてくださる？」
どうやらうまく行かなかった。

その後二人は爺やも連れて城の展望台へ向かった。そこからは遊園地を見渡すことができ、実はフェスタもたまにそこへ訪れるらしい。そこで三人は遊園地の来場者を対象にして人間観察をしていた。
「それにしても、どのアトラクションも列ができるほど人気なのね…」
「まあ、ここの遊園地は特別だからいろんな人達がいっぱい訪れるのですわ」
「それはそうと、やはりジェットコースターもそうだがアトラクションの老朽化も問題になっておるから、リニューアルを考えませんとな」
こうして三人は展望台で談笑を楽しんだ。

成否

成功