PandoraPartyProject

シナリオ詳細

孤児院強襲作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●深夜の『出荷』
 幻想南部、ルアト領ルアトの街の裏通り。そこに問題の孤児院はあった。
 深夜、荷台を引いた馬車が孤児院の前に着くと、御者以外の乗員達が素早く降りて中へと駆け込んでいく。
 しばらくすると、何人かの子供を肩に担いで乗員達、いや、それ以上の人数がぞろぞろと孤児院の中から現われて、荷台にドサドサと子供達を載せていく。子供達は目隠しと手錠足錠で拘束されているが、手荒な扱いに対して何の反応もしない辺り、眠らされていることが窺い知れた。
「――今日の出荷は、これで全部か?」
「ああ。くれぐれも気をつけろよ。最近は領主サマも感付いているらしい」
 ヒソヒソとそんな会話が交わされた後、馬車は裏通りへと消えていった。荷台に載せられた子供達の運命は――ご想像にお任せしたい。

●孤児院の『裏』
「――今回の依頼ですが、孤児院を襲撃して欲しいのです」
 『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)が、声を潜めてイレギュラーズ達に告げる。
「ほう、孤児院を?」
 怪訝な反応をするイレギュラーズ達。それに対して勘蔵はこくりと頷くと、話を続ける。
「ええ。この孤児院は確かに孤児院ではあるのですが、その実は孤児を『入荷』し、『出荷』するまで保管する拠点として機能しています」
「――つまり、その孤児院をぶっ潰して孤児の売買が出来ないようにしろ、と?」
「はい、その通りです。依頼人は、ルアト領の領主。膝元の街でそのようなことが行われているのを知った結果、ローレットに依頼を出してきました」
 ローレットに依頼が来た理由は、いくつか存在する。
 一つは、ルアト領主は過去の事件で動かせる兵士を減らされており、これ以上の人的損害を嫌っていること。
 一つは、それに加えて質も高くないので、特にこのような作戦では失敗した上に孤児達に犠牲を出しかねないこと。
 一つは、孤児院を運営する商人リフィア・ドペによって、領主の部下が買収されている気配が濃厚であり、信頼出来ないこと。それならば、依頼を受けた以上は確実に遂行してくれるローレットに任せたい、と言うわけだ。
 一つは、これは勘蔵の推測だが、孤児に被害が出た場合を考えてのこと。つまり、その際に領主の兵士が襲撃を行った場合は領主の不手際とされてしまうが、ローレットが依頼を受けて襲撃したならイレギュラーズの不手際で済む。
「孤児院にいるのはドペに金で雇われたごろつきか、精々傭兵崩れですから、戦力的には大したことはないでしょう。ただ、一人でも逃がすとその後に響きますので、絶対に一人として逃がさないようにお願いします」
 その上、孤児達を人質に取られる危険性は十分あるので気をつけて欲しい。そう付け加えると、勘蔵は深々と頭を下げてイレギュラーズ達を見送った。

GMコメント

 こんにちは。緑城雄山です。
 今回はタイトルでは悪属性っぽいけど実は、と言うのをやりたいなぁと思いまして、こんなシナリオを用意致しました。どうぞ、よろしくお願いします。

●成功条件
 孤児売買に従事する男達の全滅(生死不問)
 ※孤児達の生死は依頼の成否に影響しません。名声にも影響しません。
  不手際云々はフレーバーだと思って下さい。

●失敗条件
・ドペの部下が一人でも逃亡に成功する

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●孤児院
 かつては普通に運営されていましたが、ドペが買収してから児童売買のための拠点となりました。
 ロの字状に廊下が通っていて、その左右に子供達の部屋があります。
 北側に表門、南側に裏門があり、窓は成人男性が通り抜けるには小さいため、ドペの部下が外に出るにはこの二カ所を通るしかありません。
 東側と西側には中庭とそこにある食堂に抜ける扉がありますが、中庭から外には出られません。
 これはメタ情報になりますが、ドペの部下に飛行種、飛行スキル持ち、ジェットパック装備者などはいないものとします。

 仕掛ける時間帯は、イレギュラーズに一任されています。

●ドペの部下 ✕不明
 戦力としては大したことはありません。ただし、不利になると孤児達を人質に取る可能性があります。
 孤児達を人質に取った場合、反応に多大な補正を得た上で人質を即死させることが出来ます。
 そのため孤児達を死なせたくないのであれば、彼らを如何倒すかよりは、如何に人質を取らせないか、また、人質を取られた場合に如何に対応するかが肝になると言えるでしょう。

●孤児達 ✕不明
 ドペ達の『商品』です。年齢は様々のようです。
 かつては多い時で100人が孤児院にいたと言いますが、今はさすがにそこまでの大人数はいないと見られています。
 依頼が完了した後に彼らを如何するかは、領主と勘蔵の間では全く何も触れられていません。

●リフィア・ドペ
 ルアトの街に居を構える商人です。孤児の売買を行うために孤児院を買収し、部下にその管理を任せています。
 イレギュラーズが依頼を完了すれば、領主がすぐさま有罪として逮捕に向かう段取りになっています(一人でも逃がすと依頼が失敗になるのは、ドペに連絡されてこの段取りが狂い、逃げられてしまうためです)。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • 孤児院強襲作戦完了
  • GM名緑城雄山
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年05月31日 22時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
リア・クォーツ(p3p004937)
願いの先
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
彼岸会 無量(p3p007169)
帰心人心
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
ドゥー・ウーヤー(p3p007913)
海を越えて
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
ボディ・ダクレ(p3p008384)
激情のエラー

リプレイ

●孤児売買を許せるはずはなく
「身寄りのない孤児を集めて売り払うとか……反吐が出るわ! ウチの院のガキ共も、こういう奴らに酷い目に合わされたのも居たのよ……クズ共が!」
 孤児院を拠点に孤児の売買を行う輩がいる――それを知った『旋律を知る者』リア・クォーツ(p3p004937)の反応は、嫌悪と憤怒の入り交じった非常に激しいものであった。リア自身が、このような輩に虐げられた孤児達を見てきた、と言うのもその一因であろう。
「気分悪ぃなァ……ああ、気分がすこぶる悪ぃ……。いつも行き場のねえガキ達は悪い大人の食いモンになっちまう……面倒なのは好きじゃねえが、知っちまった以上は助けねえとな」
 『Punch Rapper』伊達 千尋(p3p007569)も、やはり行き場を失った子供達の行く末を見てきたのであろう。リア程激しくはないものの、孤児達が商人ドペやその手下達の商品にされているという事実に、嫌悪感を抱いている。
(売られていった子がどんな目にあわされるか、考えるだけで寒気がするよ……)
 『魔動機仕掛けの好奇心』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)は、買われた孤児の行く末を想像して、ぶるっと身を震わせた。奴隷として強制労働に従事させられるなら、まだいい方と言える。慰み者にさせられたり、あるいは――。
「放っておけば、私の肉のように死体にされる可能性があります。推奨される行為ではありませんので、撲滅を遂行しましょう。」
 そんなチャロロの内心を知ってか知らずか、『匣の屍人』ボディ・ダクレ(p3p008384)は言った。ボディは、首無し死体の頭に運動指令装置である『匣』を据え付けたアンデッドである。そして、ボディの言ったことは間違ってはいない。世の中には、人体実験や快楽殺人のために人を買う者もいるのである。
「ええ! 全くこのような所業、貴族の一員として見過ごせませんわ! 我がキルロードの名に懸けて……無辜の民を害するこの様な悪鬼外道共に相応の報いを!」
 『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)が、ボディの言葉に同意しつつ気炎を上げる。「ノブレス・オブリージュ」を家訓とし、自ら努めてその家訓を体現せんとするガーベラにとって、ドペや手下達の諸行は自身の言うように到底見過ごし得ぬものであった。
(……私も(長命な幻想種の基準では)孤児でしたけれど、クレンの村では我が子同然に扱われていました……私は何と幸せだったんでしょう! 今度は私が、次の世代に恩を返す番です……必ずや、孤児達を助けてみせます!)
 『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)は過去の自分が幸福に恵まれていたことを改めて認識し、感謝する。それと共に、ガーベラとは対照的に、内心で静かに決意を固めていた。
「子供が拐われる、なんて嫌な話だ……更に大人が自分の立場を使って、組織としてそういう事をするなんて。……絶対に、何とかしないと」
 『鏡の誓い』ドゥー・ウーヤー(p3p007913)は、孤児売買の事実を自身の心に受け止めさせるかのように静かに、そして決然とつぶやく。そのつぶやきに、彼岸会 無量(p3p007169)は静かに頷くのだった。

●強襲、開始!
 問題の孤児院に突入するタイミングは、イレギュラーズ達の決定に任されていた。結果、イレギュラーズ達は日が沈んで少し経って、暗くなった頃を選択する。夜の帳に紛れて、イレギュラーズ達は孤児院の裏側へと回った。
「……裏口には、誰もいませんね」
「好都合だな! こういう事はスピードが大事だぜ! 早く行きなGOGOGO!」
 エミリアが温度視覚で誰もいないのを確認すると、千尋は素早く裏口にかけよって扉を開き、他のイレギュラーズ達を中に送り込む。
「さァて……後はここで、通せんぼだな」
 千尋はその身体で裏口を封鎖すると、逃げてくる手下を待ち構えた。

「何なの、この旋律は……暗くて静かすぎる……これは、諦めと絶望? それに、荒々しく不快な音が混ざり始めてる……」
 リアは、院内にいる者の感情をそう感じ取った。様々な孤児達と接する中で何度も聴いてきた旋律ではあったが、ここで聴く旋律は怖いほどに暗く静かだった。その中に、不協和音のように混ざる荒々しい音は、おそらく部下達のものだろう。
「……感付かれたみたいね」
 部下達は何者かが侵入したと悟ったらしい、とリアは告げる。
「……急ごう」
「ええ!」
 そうなれば、表門も急いで押さえねばならない。その役割を担っているドゥーとガーベラは、全速力で駆け出した。

 院の廊下を表門へと突き進む、ドゥーとガーベラの二人。だが、西側の中庭への出入り口から人相の悪い男が何人か現われる。ドペの部下達である。
「ここは私が押さえますわ! ドゥー様は、早く表門へ!」
「……わかった」
 感情探知で男達の出現を読んでいたガーベラが、邪魔だとばかりに『真ドラグヴァンディル』を横薙ぎに振るう。細剣の姿に戻っている伝家の名剣の一薙ぎは、男達を瞬く間に昏倒させた。
 男達が倒れたことで出来た道を、ドゥーは一目散に駆けていく。

「待て! 逃がさないよ!」
「チッ、見つかったか!」
 ドゥーが表門に着いた時には、扉を開けて逃げだそうとする男の姿があった。ドゥーは男に駆け寄りながらすかさずナッシングネスを放って、虚無のオーラの中に包み込んでいく。
「……良かった。間に合ったみたいだ」
 間一髪、何とかドペの部下を逃がさずに済んだと安堵したドゥーは、大きく深呼吸して一息つくと、そのまま表門から誰も逃がさないように警備する。すぐに、後を追ってきたガーベラも合流した。
 その後、院内に喧噪が巻き起こる中で、一人、また一人と表門から逃げようとする男達が現われる。だが、その度にドゥーが表門の前からナッシングネスを放って、ガーベラが接近してレジストクラッシュを浴びせるというコンビネーションで、次々と昏倒させていった。

●中庭へ向かえ
 ――ドゥーとガーベラが、中庭への出入り口から出てくる男達と遭遇する少し前。
「チャロロさん、商人の部下達の居場所は掴めた?」
「うん。オイラ達への、かな。反感のほとんどが、今は中庭に集まっているみたい」
「それじゃ、今度は子供達の――」
「待って! 中庭に集まっている反感が、左右に分かれだした!」
 クオリアで感じた旋律を元に、リアはチャロロに感情探知でドペの部下達の居場所を探るように頼んでいた。部下達のほとんどが中庭――おそらく食堂――に集まっていることを、チャロロは探り当てる。
 それでは今度は子供達の居場所を、と頼もうとしたリアを、チャロロが制止した。
「院内中にばらけられると、思わぬところで子供達が人質に取られる危険性があります。散らばる前に撲滅しましょう」
「そう……ですね」
 ボディの提案に、エルシアも同意する。チャロロとリアも異存はないとばかりに頷き、一同は東側の中庭への出入り口を目指して駆けていった。

 廊下を駆けていく四人。その眼前には、もうドペの部下達の姿があった。
「おい――がはっ!」
 イレギュラーズ達の姿に気付いて誰何しようとした男が、声を駆けようとした瞬間にボディの『瞬きのトゥワイス・トゥワイス』に貫かれる。
 エルシアは、リアやチャロロの後ろで祈りを捧げる。子供達が無事であるように――、男達の悪意が必ずここで潰えるように――、仲間達が勝利を掴むように――。
 その祈りが通じたのか、リアのスターゲイザーからのスター・ドロップが、狙った男をそのすぐ後ろにいる男もろともに蹴り飛ばして昏倒させる。
「オイラはローレットのイレギュラーズ、チャロロだよ! オイラたちが来たからには、きみたちは逃がさないよ!」
「何をぉ! このガキがぁ!」
 チャロロは名乗り口上をあげて男達を挑発する。果たして、男達はあっさりとチャロロの挑発に乗った。男達はチャロロに襲いかかるが、廊下では一度に攻撃出来る人数が限られる上、男達はチャロロに攻撃を当てられこそすれ、まともに傷つけることは出来なかった。
 再度のボディのソニックエッジと、リアのスターゲイザーとスター・ドロップのコンボによって廊下に出てきていた男達が全滅すると、チャロロは中庭に出て食堂に入る。
「おおっと、こいつらの命が惜しければ、下手なことはするんじゃねぇぞ」
 二人の男が、それぞれ十歳にも満たないような少女の首にナイフを突きつけて、食堂に入ってきたイレギュラーズを脅す。
「くっ……」
 卑怯者め、と言いたげに顔を歪めるチャロロとリア。しかし、男達が得意でいられるのもそれまでだった。
 次の瞬間、ボディの『瞬きのトゥワイス・トゥワイス』が男達の一人を貫く。
「……幻想種が、何故人間種の命など考慮すると? 今まではこれ以上の罪を重ねぬよう、配慮してあげただけなのに――」
「ひ、ひいっ、人でなしめ!」
 さらに畳みかけるように、それまで祈っているだけだったエルシアが、演技を交えながら契約精霊達に魔力を与え、術式を紡ぎ上げていく。ボディのソニックエッジでもう一人が倒されたばかりなのもあり、男は人質は有効ではないと誤解して少女を放り出し、逃げようとする。エルシアの目論見が、当たったのだ。そこをリアのクォーツ式ドロップキックが蹴飛ばした。
 見捨てられたと思ったか、緊張から解放されたからか、放り出された少女は大声を上げて泣き始める。それに釣られて、もう一人の少女も泣き出した。
「あ、アレは演技で、う、嘘ですからね! ごめんね……!」
 慌てて、少女に謝罪するエルシア。リアやチャロロも混ざって宥めて、ようやく少女達は泣き止んだ。
「……あとは、千尋さん達に任せようか」
 少女達が泣き止むまでに時間がかかったこともあり、四人は以降は孤児達の保護に専念することにした。表門と裏門さえ押さえておけば、逃げられることはないのだ。

 ――裏門を封鎖している千尋の前にも、逃げようとする男が現われた。
「早速来やがったな……ここから先は行かせねえよ」
「く、くそっ。邪魔だっ!」
「遅っせえよ!」
 男が千尋に突っ込んでくるが、Z-1で超集中状態に入っている千尋にとって男の動きはスローモーションだった。男の顎にWHITEOUTを決めて、その名のとおり男の意識をホワイトアウトさせる。
 もう数人ばかりがバラバラのタイミングでやってきたが、千尋はその都度WHITEOUTで殴り倒し、裏門から男達を通すことなく守り抜いた。
「これで、粗方終わりか? あっけねえな。……ま、ガキを人質にする外道と出くわさなかったのは、何よりだけどよ」
 院内の喧噪が静かになると、超集中状態の反動で疲れたとばかりに、千尋はふぅ、と一息ついて独り言ちた。

●孤児達の未来に幸あれ
 ドペの部下は全員死亡するか戦闘不能に陥り、孤児達も無事に保護した。
 チャロロとガーベラの感情探知や千尋のハイセンスによる入念な捜索を経て、取り逃した部下も保護し損ねた孤児もいないと確信したイレギュラーズ達は、依頼の達成をルアトの領主に報告するべくチャロロとエルシアを使いに立てる。二人から依頼の達成が伝われば、ドペはルアトの領主によって逮捕され、孤児達の売買はもう行われることはなくなるはずだ。

「この子達の今後がどうなるのか心配だな……何処かで預かれるといいんだけど」
「身寄りも皆無ですし、領主様に善良な孤児院に移動させる嘆願をしましょうか?」
「なんかこう……ローレットに一任できねえ? 手に職でもつけてよ、自信つけて仲間が増えれば前向きになれると思うんだよな」
 数十人の孤児を一度に何処かに移すのも難しく、かと言って孤児達だけを孤児院に残すことも出来ないと言うわけで、残りのイレギュラーズ達は孤児院に残っている。
 事情を聴かされていてもなお不安そうな顔をする孤児達を前に、ドゥー、ボディ、千尋はその未来を案じる。だが、三人の懸念はガーベラの高笑いとともに吹き飛ばされた。
「オーホッホッホ! 心配要りませんわ! あの子達の今後については、私の人脈で便宜を図りますわ!」
 ガーベラはそれぞれの希望を聞いてリアの孤児院への斡旋もするし、自身の農園でも引き取ると言う。さらに、千尋のアイデアも容れて、手に職を付けたい子には職能ギルドを通じて、職人の元に弟子として住み込みで働く道も用意すると告げた。
 他の者が言ったのであれば「お前にそんなことが出来るのか」と疑われるだろう。だが、ガーベラは貴族として極めて強い人脈を持っている。ガーベラ自身のギフトもあって、ガーベラの言葉は場にいる全員に説得力を感じさせた。
「リア様も、それで構いませんわよね?」
「もちろんよ。希望があればあたしの一存でウチの修道院で受け入れるし、必要であればもっと別の信頼のできる孤児院の紹介状も貰ってあげる。もし、帰る場所があるなら送り届けてあげる」
 一も二もなく、リアは了承の意を示す。そして、膝立ちになって目線を孤児達と同じくすると、大きく両腕を広げて手に届く何人かをぎゅう、と抱きしめた。
「まぁ、なんにせよ……もう、安心して。今度は、あたし達がちゃんと守ってあげるから……」
「……うっ、ひっく……ひっく、うぅ、うぅ、うええええええん!」
「うう……うええええええん!」
 最初は微かに、しかし次第に大きく、孤児達の嗚咽が響いていく。急に泣き出した孤児達にリア以外の四人は戸惑ったが、クオリアによって安らかな旋律が聞こえるリアにはその理由がわかっていた。
 自分を護ってくれる、安心して頼れる大人に初めて、もしくは再び出会えた、安堵の涙なのだ――と。

 しばらく時が経って、チャロロとエルシアが孤児院に戻ってきた。
「ドペって商人が捕まったの、ちゃんとこの目で見てきたよ!」
「没収した財産の一部を孤児達に回してくれると言う約束も、領主さんから頂いてきました」
 チャロロとエルシアは、ドペの逮捕を見届けた上で、その財産について一部でも孤児達のために割けないか交渉してきたのだ。
 その報告を聞いた五人は喜び、孤児達の行く末に目処が付いたことを聞いたチャロロとエルシアも喜んだ。

 ――その後、孤児達は一人、また一人と行き先が決まり、やがて全員の行き先が決まる。最後の一人が引き取られていくのを見送ったイレギュラーズ達は、今回の事件で助けた孤児達が例え厳しくとも幸せな人生を送っていけるのを、願わずにはいられなかった。

成否

成功

MVP

ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige

状態異常

なし

あとがき

 シナリオへのご参加、ありがとうございました。
 本文中にも書いたとおり、ドペは逮捕され、孤児達は無事に保護されて新しい行き場を見つけました。これも、皆さんのプレイングのお陰です。

 MVPは、自身のスキルやアイテムを上手く駆使してしっかりと『noblesse oblige』を果たすプレイングをかけて下さったガーベラさんにお送りします。

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