PandoraPartyProject

シナリオ詳細

悪霊の館

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●無謀な肝試し
「本当に何か出そうねえ……」

 朽ちかけた館にやってきたのは、5人の男女だった。
 街から外れた山の上にあり、見下ろすような場所に立っている。
 この館には、悪霊が棲み着いている。
 口さがない者はそのように噂しあっている。
 実際、やってくると霊が出てきそうな雰囲気がびんびんに漂っている。
 この館の持ち主は、かつて魔術に耽溺し、死んだ愛妻を甦らせようとしたとか、そんな曰くがある。

「たしか、所有者はコルダー・ビーコットっていう商人で魔術師でもあったって言うぜ」

 5人のうちの1人が言う。
 コルダー・ビーコットは一代でそれなりの財を得たが、その財を得たのちに若い妻を迎えた。
 年の離れた夫婦だっただけに、コルダーが注ぐ妻への愛情、あるいは執着は相当なものだったようである。
 絵師、彫刻家、吟遊詩人までも集め、妻の姿、美貌を讃える言葉を並べさせた。
 今でも、この館にはその妻の絵姿や彫刻の類が多数置かれている。

「そんなに愛情を注いだ妻だったが……流行病で若くして亡くなってなあ。コルダーは嘆き悲しみ、誰とも会わないようになり、妻を生き返らせる魔法はないかと魔術にのめり込んでいったそうだ」

 ひとしきり、この館の由来を語る。
 5人は、所有者の未練が残る館に、軽い気持ちで肝試しにやってきたのだ。
 スリルを求め、そして自分の肝っ玉は太いと仲間内にアピールするという、実に短絡的な発想であった。

「あれ? ひょっとして、幽霊が怖いの?」
「そんなことはないって……!」

 若者たちは、この館の中でじゃれ合っている。

「見ィツケタ……――」

 そんな声が響き、何か冷たい空気が流れた。
 若者たちは、息を呑んだ。
 そこに現れたのは……。

●悪霊の館探索
「皆さん、大変なのです。悪霊が出たらしいんです!」

 ギルド・ローレットでは、『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)が慌てふためいていた。

「幽霊が出るって噂の館に、若者たちが肝試しに言ったんですけど……そのまま行方不明だそうです。このまま帰ってきてないです」

 軽い気持ちで廃墟に入り込み、そのような目に遭う例はあろう。
 会談ではよくあるパターンだ。

「館ですけど、一階はキッチン、食堂、リビング、物置、浴室、トイレとなっていて、二階は寝室、書斎、展示室となっています。くまなく調べて、行方不明になった人たちを探してきてください。もし、手遅れだったとしても、最悪遺留品くらいはと……」

 ユーリカも、悪い想像をしていしまっている。
 さて、悪霊が取り憑いているという館、何がでてくるか。

GMコメント

■このシナリオについて
 皆様こんちは、解谷アキラです。
 幽霊屋敷探索です。
 館にやってきた5人の男女を探し、連れ帰りましょう。
 場合によっては死んでいるかもしれませんが、その場合は死体を見つけて遺留品を持って変えれば依頼は達成されます。
 探索範囲は、以下の通り。

▼一階
キッチン:隠れられそうな戸棚、倉庫がる
食堂:テーブル掛けがかかった長机がある。
リビング:調度品の類が置かれている。
物置:鍵がかかっている、外す、壊す必要あり
浴室:かすかに水音がする。
トイレ:気配はしない。

▼二階
寝室:古びたベッドがある。
書斎:書棚と机。
展示室:コルダーの妻を描いた作品が多数ある。

●探索について
 探索ですが、ひとり1回、1部屋を調べられます。
 その部屋のどこかに5人がいます。
 プレイングにはどこを調べるか書いてください。
 9部屋ありますから手分けしないと全部屋探しきれませんので相談してください。
 複数人で同じ部屋を探索すると、探索の成功率が上がり、敵や危機にも複数人で対処できるメリットがありますが、探索できる場所が減ってしまいます。
 そのままでは全部屋調べられませんが、プレイングによっては追加行動のボーナスがあります(全屋調べなくとも5人見つけた場合はそこで探索終了とします)。
 悪霊の館を探索する怪奇ホラーテイストのシナリオですので、ホラーなどの定番なプレイング(怯える、怖がる、強がる、いらんことして呪われる等)をすると、GMが追加の探索を認める場合があります。
 追加の探索が発生したら、基本的に調べきれていない部屋を調べに行きます。
 この追加の探索は、必ずしも全員に発生するものではありません。
 プレイングを吟味して、そのうちから何人かをピックアップします。
 館の探索を終えた(全員行動した、行方不明者を全員見つけた)とGMが判断した時点で、悪霊が出現して全員と対決する展開となります。

 ちなみに、行方不明の男女5人組の内訳は以下のとおりです。

ニック:リーダー格、強がり
マーティ:チャラい、とりまき
マイク:臆病、ふとっちょ
リンダ:美人、強気
シドニー:怖がり、影が薄い

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 悪霊の館完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年04月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
シラス(p3p004421)
超える者
橘花 芽衣(p3p007119)
鈍き鋼拳
ヴォルペ(p3p007135)
満月の緋狐
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
カナメ(p3p007960)
毒亜竜脅し
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護

リプレイ

●キッチン
 そんなわけで、8人が悪霊の館にやってきた。
 肝試しのために入り込み、戻っていない5人を探し出すのだ。

「モルダー! ってか寝てろよお前!」

 『風の囁き』サンディ・カルタ(p3p000438)は、サイボーグ少年モルダーを館の外で待たせることにした。
 彼を慕うことじであるが、何者かに改造されて以来、とても疲れやすい。
 この館に連れて行くよりは待たせておいたほうがいい、そういう判断である。

「大丈夫? 悪霊、怖いんじゃ?」
「ああああ、悪霊なんかこわくねぇぜ! 本当にっ!」

 サンディはモルダーに言う。
 モルダーがサンディを心配したのは、強がっていても、あきらかに入る前から怖がっていたからだ。

「さ、昨晩だって超よーく寝たし、朝のコンディションはバッチリだ!!」

 実は眠れていない。
 お曲げ屋敷探索と聞いて、朝ごはんもまともに喉を通らなかったのだ。

「大したことねえって。ただのボロ屋かよ。俺の寝床と大差ねえじゃん……」

 館内は荒れ放題である。サンディの寝床が大変なことも想像に難くない。
 さっそく、仲間たちと分かれて捜索を開始する。
 館は広く、手分けして探さないと日中に終わりそうもない。
 サンディは、まずキッチンに来ている。

「キッチンねえ……」

 朝ごはんを食べてないから、必然的に腹は減る。
 キッチンにまだ食べられそうなものが残っていないかという期待もあった。

「こう、戸棚の中とか、床下ミニ倉庫とかに食い物残っていることもあるからな」

 物音を立てながら探すのは、恐怖を紛らわすためだ。
 食器棚の下などから、開いて探していると……。

「ぶわわわわわわわっ!?」
「うわああああああっ!?」

 サンディ開けようとした戸棚から、まるっこい者が飛び出してきた。
 口に干し肉を加えた臆病者の、ふとっちょマイクである。

●書斎
 『銀青の戦乙女』アルテミア・フィルティス(p3p001981) は、書斎を探っていた。
 こういう、館の探索では書斎にはいろいろな手がかりがあるものである。館の主が魔術の研究をしているという噂があるなら、なおさらだ。
 昼だというのに館は薄暗く、カンテラの灯りが必要だった。
 アルテミアは、書斎や机の影などもの入念に調べた。
 机の下を覗くときは、必然的に身を低くかがめなければならない。
 こういうとき、突き出すようになるお尻を見られないですむのは単独行動の利点でもあった。
 姫騎士は、常に何者かからの視線によって危機を招いてしまうものである。

「誰もいない、か……」

 ひと通り、アルテミアは書斎を調べ終わった。
 この部屋には、潜んでいる者はいないようだ。

「それにしても、幽霊には剣が通じない事が多いから嫌なのよねぇ……。怖くはないわよ? ホントよ??」

 などと、誰にいうでもなく言い聞かせるような独り言をつぶやいてみてもした。
 そんなアルテミアであったが、まだこの部屋で調べ泣けばと直感する。
 こういう探索で必要なのは、残された日記である。
 「窓に、窓に」なんて書いてある日記が定番ではないか。
 さっそく机の引き出しを調べると、それらしいものを発見する。
 ぱらぱらとめくると、この館の主であったコルダー・ビーコットが残したもののようである。
 妻への妄執と、その妻を生き返らせようという魔術の記録が綴られている。どうも、人体を集めて妻を再生しようとした節がある。
 そしてページを読み進めていくと――。

『見たな!』

 と大きく血文字で書き殴られていたのである。

●物置
 『鈍き鋼拳』橘花 芽衣(p3p007119)とゼファー(p3p007625)は、物置を調べていた。
 人が隠れるのに、うってつけの場所だ。
 しかし、この館は全般的に不気味な雰囲気が漂っている。

「いわく付き、って奴かしらね……」
「ワタシも幽霊は苦手なんだよね……殴っても手応えがないから」
「まあ、さっさと探してさっさと連れ帰りましょ?」

 ゼファーが言うと、芽衣が頷いた。
 さて、物置の戸であるが、鍵がかっていてもふたりなら力技で解決できる。
 バキッと芽衣がぶっ壊してしまった。

「おーい、助けに来たわよぉ」

 ゼファーがさっそく中に呼びかける。
 それはそれとして、置かれている品々にも興味を示した。
 案外、金目のものがあるかもしれない。
 こういうところで見つけたものは、冒険者のボーナス扱いされるのだ。

 ごそっ……。

「芽衣、聞こえた?」
「う、うん」

 確かに、物音がした。ネズミか何かの可能性もあろう。
 カンテラを持つ芽衣がその方向を照らす。

「ひぃぃぃぃぃぃっ!? 来るなぁぁぁ!!」

 いきなりの叫び声は、心臓に悪い。
 リーダー格のニックがその場にいた。
 どうやら、ふたりを幽霊か何かだと勘違いしたようである。

●展示室
「誰かいるか? 助けに来たぜ」

 展示室に入るなり、『ラド・バウC級闘士』シラス(p3p004421)は呼びかけてみた。
 声は返ってこない、しーんと静まり返っている。
 展示室には、館の主だったコルダー・ビーコットが画家や彫刻家に作らせたという亡き妻に捧げる芸術品の数々が陳列されていた。
 生前は美しい女性であったことが窺える。
 コルダーが執着するのも、わかろうというものだ。
 しかし、薄暗い館の中では美しい女性の姿というのは妙に怖い雰囲気を醸し出してしまう。
 まして、主人が死後も妄念に取り憑かれたとかいう曰くがあると尚更である。
 描かれた女性がこっちを向いているようにも感じられるし、置かれた彫像がに動いてきそうにも思える。

「だーかーらー! 怖くねえっつってんだろうが!」

 わりと自棄糞気味に言ったシラスであった。
 やってきた展示室を丹念に調べつつも、誰かが隠れている気配がなかったことも関係していた。
 仕返しとばかりに、展示されている作品に対していたずら書きをしていく。いわば、八つ当たりだ。
 マジックやチョークでタラコ唇にしたり、鼻毛を伸ばしたりと、やりたい放題である。

「まあ、こんなもんで勘弁してやるか!」

 そう言って、シラスは展示室を後にした。
 背後から送られた絵画と彫像の怒りの視線には、気づかなかった。

●寝室
「おにーさん、助けに来たんだけど。誰かいるかい?」

 声は返ってこない。
 しかし、この寝室に誰かが潜んでいるのは、『満月の緋狐』ヴォルペ(p3p007135)にはよくわかる。
 恐れの感情が、ひしひしと伝わってくる。
 問題は、その潜んでいる者が肝試しに来た若者たちかどうかである。
 少ない可能性であるが、恐れの感情をもったまま死んだ亡霊……なんてこともあり得るのだ。

「どこに隠れているんだい?」

 ベッドの下を覗いてみる。
 怯えて隠れそうな定番の場所だが、そこにもいない。

「あーやだやだ……おにーさん、こういうの苦手なんだよ」

 などと愚痴りつつも、部屋を探していく。
 クローゼットに近づいたところで、恐怖の感情が大きくなっていくことに気づいた。

「ははあ、そこだね。みーつけた」

 ヴォルペがクローゼットを開けると、絹をつんざくような悲鳴が響いた。
 怖がりで、影が薄いシドニーであった。

「うわあ、おにーさんおばけじゃないって!」
「ち、ちが……」

 あまりに怖がって声が出ないようだ。

「ん? どうしたんだい」
「あなたの後ろに、いたの……!」

 シドニーが恐怖していたのは、ヴィルペの背後についていた幽霊だというのだ。

●食堂
「おっばけやっしきのたーんさくー♪ きーえたごっにんをさっがしだせー♪」

 そんな歌を歌いつつ、『優しいカナ姉ちゃん』カナメ(p3p007960)は食堂にやってきた。

「さっがしだせー♪ だせー、だせー、だせー……」

 しーんと静まり返った食堂に、カナメの歌声は虚しく響いた。
 自分を勇気づける歌でもあったのだが、返って逆効果だったかもしれない。
 誰もいない食堂の寂しさ、薄気味悪さを強調してしまった感がある。

「ま、まずは長机の下だよね……?」

 長机は、テーブルクロスがかかっている。
 めくって覗かないと、その下がどうなっているのかはわからない。

(もし、死体がいきなりバーンって出てきて、こっちを向いてたら……)

 ここで思わず想像してしまった。
 そういう展開、よくある。よくあるからこそ、カナメも想像してしまったのだ。

(どうしよう、やめる? やめちゃう?)

 しかし、ここに来たのは歌っていたとおり、消えた五人を探し出すため。
 怖いから探さなかった、では依頼が達成できない。
 意を決して、テーブルクロスをめくる。
 すると、恐怖に歪んだ顔の女性と目が合った。

「みゃあああぁぁぁぁ!? 出たぁぁぁぁぁ!!」
「ひゃああああああああああああああああっ!!」

 お互いの絶叫が輪唱された。
 そんなわけで、消えた五人のうちのひとり、リンダを見つけたのである。

●浴室
「悪霊……肝試し……お化け屋敷、か」

 『放火犯』アカツキ・アマギ(p3p008034)がやってきたのは、浴室である。
 空気も淀んでいて、湿っぽい。

「ふ、ここは肝っ玉のアカツキと呼ばれた妾の出番というわけじゃな!」

 肝っ玉のアカツキ、聞くと肝試しには強そう、怪奇現象やホラー展開もばっちりに思えるだろう。
 しかし、彼女の脚は生まれたての子鹿のように震えていた。
 そのふたつ名の由縁は、肝試しに呼ぶとばっちりな肝っ玉のリアクションを取ってくれるからに他ならない。
 彼女は、御札やら何やらの除霊グッズを大量に持ち込んでいる。
 これなら幽霊も逃げていく、そう思うかもしれない。
 しかし、霊能力者界隈では、このように言われることもあるという。
 下手な除霊グッズは、返って幽霊を起こらせるだけ、と。
 高い除霊グッズを売りつけるための言葉かもしれないが、もっともな理屈に思える。
 そのうえ、水場といえば霊が溜まりやすいと言われる心霊スポット。
 なぜ浴室を調べるなどと自分で言い出してしまったのだと、アカツキは今更になって後悔する。

「おーい、誰か居るかのー? こ、こわくないったらこわくないぞー、出てくるのじゃ」

 声も震えて、ビブラート気味であった。
 シャワーカーテンが閉まったままというのが、おあつらえ向きである。
 ごくり、と息を呑んでシャワーカーテンに手をかける。
 そして一気に開く!
 
「ふっ、驚かせおって……何もないではないか」

 そう、バスタブには誰もいない。
 おばけも、迷い込んだ五人の男女もいない。
 アカツキは、ほっと胸を撫で下ろした。
 しかし、振り返った背後に人の姿が!

「ふぎゃあああああああああああっ! ……って妾の姿じゃないか。脅かしよる」

 姿見の鏡に映ったた自分の姿である。
 それはそれで心臓に悪い。
 だが、その姿見に映ったアカツキは口まで裂けた笑みを浮かべたのである。

●リビング、トイレ
「でっ、でっ、で……」

 言葉にならない声を上げ、リビングにアカツキが転がり込んでくる。

「で、出たの!? やっぱり出たのね? 危ない日記は、烈火業炎撃で焼却処分したから大丈夫!」

 続いて、書斎から戻ってきたアルテミアも駆け込んでくる。

「展示室にもトイレにもだーれもいなかったけど、そっちはどう?」

 シラスも戻ってきた。

「ぎゃああああ!? でっ、出たぁ!」

 ソファの影から、誰かが転がり出てきた。
 普段はチャラいマーティである。
 その彼が、出てくるなり小さい子供のように怯え、アルテミアすがりついた。

「ちょっ……!? でも、もう大丈夫ですよ」

 そう言ってマーティを落ち着かせるアルテミアであったが、彼の恐怖は消えることがなかった。

「その人の、後ろ! 後ろ!」

 マーティが指差すのは、シラスの背後だ。
 憤怒の形相の亡霊がいる。
 妻の美しさを穢されて怒り狂うコルダーの霊と、彼の未練に引き寄せられて芸術作品に宿った霊たちである。

「つ、捕まっていていください!」

 アルテミアは、マーティをかばうように抱きしめた。
 何か母を思い出すような柔ない感触に、マーティも幾分か落ち着きを取り戻したようである。

「出たな、幽霊!」

 ビシッと幽霊の足元(いや、足はないが)にカードが突き立った。
 悲鳴を聞いて駆けつけたサンディの登場だ。

「ほんとに幽霊かよ!」

 続いてやってきたシラスもびっくりである。
 そして、霊たちを激しく起こらせた行為に、見に覚えがあった。

「さぁて、やっぱり居たわね此の手合い……!」
「殴ればどうにななるんでしょ!」

 ゼファーと芽衣も、物置からニックを引き連れてリビングにやってきた。
 構えたゼファーに幽霊が襲いかかると、芽衣がショットガンブロウとダイナマイトキックをお見舞いした。
 幽霊だけに、手応えは微かであったが、それでもまったく殴れないというわけではない。

「ちょっと! 出てくんの遅いんだってっ!?」

 食堂でリンダの悲鳴にビビったままのカナメがやってきて、やけくそ気味に片刃の機械剣で斬りまくった。
 幽霊たちも、業火に焼かれてはたまらぬと蹴散らされる。
 
「ひぃっ、ぜんっぜん、怖くない! 怖くない! 悪霊退散じゃあああチェインライトニング!」

 アカツキは叫んだ。
 雷が鎖のようにのたうち、亡霊たちに絡みつく。
 
「おにーさんに任せな! さっさと終わらせて帰るよ!!」

 救助したシドニーを引き連れたヴォルペが駆けつけると、彼女を背に庇いがながら引き付け、豪奢な手甲にレジストクラッシュを込めて殴りつけた。
 いける、幽霊であろうと物理攻撃は通用する。

「剣が通じるのなら、怖くもなんともないわ!!」

 恐怖を吹っ切ったアルテミアも、ギガクラッシュで芸重作品に宿った霊ごとぶった斬る。

 これを見たカナメも、元凶であろうコルダーの霊に組み付き、スープレックスを放った。
 腰を持ち上げるようにしたのち、相手をそのまま浴びせ倒しにする必殺のカナメボトムである。
 この一撃で、幽霊は見事にノックアウトされた。
 もはや、成仏してあの世に退散するしかない。

「うわああぁん! 怖かったよー!! お化け屋敷なんでもういぎだぐないー!」
「よーし、よーし。もう大丈夫ですよ。もう危ないところにははいらないようにね」

 声を上げて泣きじゃくるカナメや救助者を、アルテミアは抱き止めた。
 もう、幽霊屋敷はこりごりである。きっと五人もそのはずだ。
 救助者を連れて、皆でその場を後にした。
 ……誰も、憑いてきていないよね?

成否

成功

MVP

アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護

状態異常

アルテミア・フィルティス(p3p001981)[重傷]
銀青の戦乙女
シラス(p3p004421)[重傷]
超える者
アカツキ・アマギ(p3p008034)[重傷]
焔雀護

あとがき

 以上、悪霊の館の探索でございました。
 五人全員、無事救助に成功しました。
 悪霊も皆さんの活躍とスープレックスによって祓われました。
 なお、カナメボトムはロックボトムというよく似た技があります。アドリブで対応しました。
 部屋をくまなく探索し、人質を漏れなく全員救出したので大成功とします。
 MVPはビビりっぷりが良かったアカツキに差し上げましょう。
 それと称号もいくつか授けさせてもらいました。
 それではまた、お会いしましょう。

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