シナリオ詳細
もっと! ばりゅあぶる ぱんつ
オープニング
●ぱんつの沙汰も、金次第
欲のある所、金は集う。
金のある所、欲は集う。
その社会的法則は決して揺らぐことは無いだろう、たとえそれが何であれ、どうであれ。
しかしその対象がいびつなものであった場合、どのような地獄絵図が生まれるのであろうか?
「ヒャッハー! 見ろよ! 『乙女』がこんなに一杯! 大儲けだぜ!」
「畜生! 騙された! これは泥以下の価値しかねえじゃねえか!」
その結果が満月の夜の下、砂漠の中央で行われているこの有様である。
商人たちが満天の星の下、篝火に照らされる箱を前に指を折り、競りでその箱を買い漁り――中身を見て一喜一憂する。中身は、綺麗に折りたたまれ箱にぎっしりと詰められた中古の下着。
その下着が誰のものであるかを察すると商人達はそれぞれ十人十色の表情を浮かべながら金貨や宝石といった高価なものの数々を放り投げている。しかし彼らは決して変態の集まりなどではない。
彼らがもしその下着を裏ルートで流すときが来るのならば、その購入者は相当の変態なのであろう。だがその売り手は、彼らは決して変態などではない。
彼らは欲深な人間の心の闇につけこみ高額で商品を売り捌く、立派なラサの商人の一人にすぎないのだ。
「おい見ろよ! この蒼はもしかして……!」
……実際の光景を見た人がどうおもうかは、おいといて。
●MVPみたび
「理由なんていらないよね? ラサで見つかった不正な取引現場を潰してほしいの」
『いねむりどらごん』カルア・キルシュテン(p3n000040)のその突然の言葉にローレット内に動揺が広がった。
いつもは眠そうにゆっくり話す彼女が、三点リーダを使わないなんて!
「みんなは心あたりあると思うんだけど、イレギュラーズの下着泥棒が最近増えてるんだよね」
ああ、なんだ……『また』この子は盗まれたのか――
そんなイレギュラーズ達の哀れみの目を受けながらもカルアは淡々と、傭兵……ラサ傭兵商会連合の地図を開く。
バツ印が赤でつけられた所は闇市、サンド・バザールから東に数キロ離れたある砂漠の1地点。オアシスも町も無いその砂漠の1地点に、その『裏取引』は行われているという。下着泥棒から買い取った下着の取引現場なのだ。そこに集まる商人は当然真っ当な身分であるはずもなく、揃いもそろってお尋ね者であるらしい。
「盗んだ人は捕まらなかったけど、取引現場さえ抑えれば食い止められるから。流通する前にみんなには下着を取り返して来てほしいの」
のんびりしていて3度も下着を盗まれるカルアもカルアであるが、だからといって下着泥棒やその取引人が許される道理は存在しない。
それに、『そういう商品』が沢山ある現場を襲撃すれば当然相応の商品を得られるであろう――そんな下心を持ったイレギュラーズ達は、カルアの元へと集う。
「来てくれてありがとう、それと」
カルアは集まってくれたイレギュラーズへと感謝するとあなたの方を向き……一つ、質問をするのであった。
「念のため、あなたもタンスの中を見ておいた方がいいと思うよ」
- もっと! ばりゅあぶる ぱんつ完了
- GM名塩魔法使い
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年03月21日 00時35分
- 参加人数8/8人
- 相談4日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●「どっせえーーい!!!」
「うぎゃーッ!」
出品された蒼いぱんつに商人達の気が取られたその瞬間であった。満月よりも眩い、太陽の様な『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)のメイスに商人の一人がぶんなぐられたのは。
硬直し振り返る残りの商人達にヴァレーリヤは気にも留めずにその置かれた籠を眺める。中にあるのはレオンのぱんつが数えきれないほど……イレギュラーズ達の間で取引すれば何百万ゴールドにもなるその『大金』を眺めながら、静かに彼女は呟いた。
「成程、高額で売り捌ける商品であればパンツであっても取引を。見上げた心掛けですわね」
ヴァレーリヤは静かに目を瞑ると――燃え盛るメイスを構え、弱った商人へ全力でフルスイング!
「……なんて言うと思ったかー!なにわざわざ人のパンツを盗んでまで売りさばいていますの!」
「ぐ、ぐあー!?」
商人がそのまま篝火へと弾き飛ばされ、辺りの光源が奪われたのを合図にヴァレーリヤに続き仲間達もまた全速力で飛び込んでいく……彼女達もまた、ぱんつを盗まれた恥ずかしさとおまたのスース―を怒りに変えて商人へと殴りこむイレギュラーズなのである。
「くそ、アレは鉄帝の飲んだくれ聖女……特異座標が強盗行為とはなんという事か!」
「強盗? 薄汚い盗人風情が……良い身分で御座るな?」
悪態をついた商人に対し、『咲々宮一刀流』咲々宮 幻介(p3p001387)は大太刀を静かに抜くと不届き物の商人の肉体を薙ぎ払う。美しい女性達の下着ならまだしも、何故男性の、しかもこの世界に召喚されたばかりの自分が、よりによって自分の下着を盗まれなければならないのか!
「拙者達が来たからには、明日の朝日は拝めぬものと思うがいい……!」
「そうですよ!」
幻介の攻撃で追い詰められた商人が、『朝を呼ぶ剱』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)の眩い一閃にぶった斬られ倒される。眩い光を放つスカートの内側を隠すようにシフォリィは抑え込むと、彼女も同じく怒りの声をあげた。
「なぜ、なぜ私達のぱんつを盗んでいったんですか……! 何人かはアイテムとして登録されてないんですよ!」
「何人かって、それわたしのこといってる?」
『ぱんつもぐもぐ』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)がシフォリィの肩を抑えひょっこり現れ、「あ、アローアロー?」とやけに気さくに話しかけた。商人達の何人かは彼女と会ったことも、また彼女のそれが『ろくでも無い』ことも知っている。
「いやあ、今回わたしのマイぱんつが盗まれちゃってね。今はスペアなのです、カースドの」
「本物もカースドじゃないですか!」
シフォリィのツッコミをスルーし秋奈は真紅の刃を剥き出しにすると、商人たちへ向けて呪縛の一閃を放つのであった!一刻も早く発作が来る前に自らのぱんつを取り戻し、ハムハムするために――
うげ、と一歩後ずさった商人達の背中がトン、と叩かれる。眼前の珍妙な敵から目を背ける様にある商人が見た物は――美しい戦闘装束に身を包んだ『Ende-r-Kindheit』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)の瞳――
「ねえ、オジサマー……アタシ達のぱんつどこにあるか教えてくんない? 見逃してアゲルからサ♪」
「あ、ええと」
商人は惑わされる様に人差し指を突き出し一つ箱を指さそうとするも知らないのか迷う様に手を震わせて。
「――んっなわけないでしょ! お気に入りのぱんつだったんだぞ! ゆ゛る゛ざ ん゛!」
ほんの数秒後、商人は用済みと判断された股間を膝にぶっ潰され、悶える様に泡を吹きながら気絶してしまう事となる。
「なに敵に惚れてるんだ! 事態を理解してるのか!」
その不甲斐ない仲間にある商人は呆れながら拳銃を取り出しミルヴィへ向け全弾ぶっ放すも、その銃弾は割って入った別の商人――もとい、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)の硬質化した鉄腕に情けない音をたてながら叩き落されてしまう。
「あれ?! お前さっきからいたよな!?」
「はい、いましたが」
エッダはボクサーが取る様に腕を構え、戦闘態勢を取りながら事情を話す。
「自分は波風荒立てず正当にレオン殿のを安く取り戻そうと……決してヴィ―シャがあと少し我慢出来ていればとは」
「本音が漏れていますわよ」
拳銃の商人は舌打ちをしながら「見ない顔だが、可愛いメイドと思って見逃していたのに」と小言を漏らした――だがそれは逆に、エッダの逆鱗へと振れてしまう事となる。
「メイドじゃねーっつってんだろ!」
「言ってnゲボァ!?」
なんたる理不尽、素早く懐へ潜り込み商人達のみぞおちに叩きつけられたエッダの文字通り鉄拳制裁は商人を吐血させ、地面へブチ転がしてしまう。
「……ええい不埒な悪党ども!! 観念するが良いであります!!」
突然の逆襲、それも四方八方からの奇襲に商人達は狼狽えながら迎撃に当たる。
「非常事態があれば近くで警戒に当たる傭兵の皆さんが来てくれます! それまで何としてでもぱんつを死守するのです!」
オークショナー役の商人が即座に慌てながら豪華な装備を纏い、仲間を勇気づける様に声をかける。
彼が戦闘指揮役である事は火を見るよりも明らかであったが……それよりも目についたのは、彼の背後にある無数の籠!
「ありました、あれです!」
商人達の塊のど真ん中を突っ切る様にパカダクラを走らせ、『木漏れ日の妖精』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)が籠の山の前で飛び降りると雑に積まれた箱を一つ掴み飛び降りた。
素早くその白い中身を確認し、リディアは「ありました! 秋奈さんの!」と叫ぶと、後方からやってきた仲間へと放り投げた。
「……素早いですね」
パカダクラで出来た商人達の隙間を更に押しのけるように散らしながら『旅人自称者』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)はその籠をキャッチすると、彼女の乗るマンモスの背に備え付けられた大籠へ入れつつ見下ろすように箱に入った無数の下着の色を見比べる。闇市では恒例として流れるぱんつの卸売市場とも言うべきその会場には老弱男女を問わず様々な下着が籠に入って整列している。常識的に考えれば制裁沙汰以外の何物でもあるまい。
「さあ、手分けして探しませうか」
ヘイゼルは全員分のぱんつの色や柄が印されたメモを片手に、リディアへと見下ろし声をかける。
「はい……うぅ……捜索のためとはいえ、ちょっと恥ずかしい思いをしたんですから絶対にみつけないと……!」
リディアたちは事前に『9人集まって自分のぱんつを説明する』という地獄の様な作戦会議をしたのだ。恥までかいて、ぱんつを盗まれて、ここまでされて成功させないわけにはいかない。
だがこの作戦こそが、この世の終わりの様な時間を生み出すのであった……。
●「それでは今一度、ぱんつのデザインの確認を行います」
ヘイゼルの言葉にカルアが凍り付く、今なんて言った?
「カルアさんのは尻尾用の穴と紐が付いたピンク」「待って!」
「間違って無いですね、見つけやすい色なので時間もかからないでせう」「!」
商人達の攻撃も意に還さず淡々と桃色のぱんつの入った箱を手早く仕訳けていくヘイゼルにカルアは震える。取り違えを絶対に起こしてはいけないとはいえ!
「同志たちに聞かれたくないなら先に始末するしかないよー? それ♪」
いつの間にか白いぱんつを咥え商人達をわちゃわちゃさせつつ秋奈が器用に喋る、流石にぱんつ狂いは格が違った。
「なぁに、見られても困るぱんつを持ってなければ問題ないのであります」
片っ端から商人達を挑発しては重い鉄拳攻撃を受け止め反撃の痛打を急所に叩きこんでいくエッダの顔は非常に涼しげであった。
「うーん、これ、洗ってないすぱっつ……?」
リディアが籠から取り出したその黒いスパッツが発掘されてしまうまでは――
「ぱんつ以外は反則だろ!」
汗はひたひた、匂いはむれむれ。相手は下着泥棒なのだ。あっても不思議ではないがエッダにとってはたまったものではない。が。許すまじ。全員死すべしと鬼神の如く怒りを露にしたエッダは更に拳に込める力を数倍に手加減なしの制裁を商人達へとぶちかます。
「シフォリィさんのは大きくて白いフリルの付いた黒です、大きい……」
「大きさは柄と関係ないですよ! なんで2度言うんですか!」
どこか恨み声の入った様なリディアの言葉にシフォリィは叫びながら商人達の攻撃を躱し、返しの刀を叩きこむ。
「後で自分で探すんで他の人のを探してください!」
絶好調とはほど遠いもののシフォリィの二殺の剣技は立ちふさがる商人を切り裂くのには十分すぎるほど鋭かった。
「いいんです?」
「大丈夫です! 絶対に取り返しますから!」
「……そのヘイゼル殿、女性ものの下着を拙者が探していいものか?」
一方、幻介は素早く斬り伏せた商人達の残骸を背後に立ちながら、ヘイゼルの箱の仕分けを手伝っていた。彼女曰く自分の世界では男性の下着であるので別に恥ずかしくはないのだという。
「それに背に腹は代えられませんから、それに女性の体型や籠を開けずに見透かせる幻介さんはこの作戦の要です」
気にしたそぶりを見せず答えるヘイゼル、そうとは言えど異性の下着を探す事に罪悪感を覚え顔を紅くする幻介に対し、彼女はぼそりと呟くのであった。
「ある意味貴重な体験をしましたね」
「嬉しくないのでござる……」
「それを今すぐ返しなさい! ぶっ※しますわよ!!!」
「ぎえー!?」
ヴァレーリヤは燃え盛るメイスを振り下ろし、敗戦濃厚と籠を持って逃げ出した商人へ焼印を焼き付ける。ごろりと転がる箱に思わず涎が出そうになるのを我慢しながら彼女はメイスを松明代わりにしつつ中身を確認すると……あったのは某情報屋Gのぱんつ。
「ゴミですわ! なんで当たりを持って逃げないんですの!」
ヴァレーリヤは気絶した商人の顔面に籠をぶん投げるとそう言い捨てた。
「やはり先程のアレを狙うしか……」
「ミルヴィさん……その、えっちですね」
「言わなくていいカラ!」
リディアが顔を赤らめ、ぷるぷると震えた手で握るその布地があるかないかの黒いぱんつをミルヴィは奪い取り頬を膨らませる。
「えっちなのは否定しないけど、お気に入りのデザインだからいーのっ!」
ミルヴィは殺意をメラメラと燃やしながらも、生かさず殺さずと悶える商人の下腹部を蹴り上げる!
「見――げぼぁ!」
どさりと倒れる商人の股間を踏みつぶしながら、ミルヴィはぱんつを自らの懐へと仕舞った。
「このぱんつ見ていいのはアタシの好きな人だけなのサ!」
「勝負下着ですか……? うぅ、私ももっと大人っぽいぱんつを盗んで欲しかったです……白地に緑のドット柄なんて……」
「だから言わなくていいってば!」
そんなイレギュラーズ達のやり取りが交わされながらも、彼女達の怒りを買った下着商人は片手間に始末されていく。魔種や魔物退治で手慣れたイレギュラーズ達にとって、下着泥棒の仲介人など恐れるに足りない。
「鍛えてたのに! なんでこんなノリの奴らに!」
そして、そんな商人の自業自得の断末魔がラサの空に広がると。消え失せる彼らの意識の中には何故か謎の講義を続ける秋奈の声がねっとりと頭に響いていた……
「いいですか?ぱんつというのは紀元前から――」
●そして闇市へ
「ちょっと! 一体ラサはどうなってるのサ!」
商人達が転がった夜の砂漠にミルヴィの怒りの声があがる。
ミルヴィが怒るのも無理はない、籠の中には彼女達だけではなく各国の首脳、著名人、王族――ありとあらゆる人物の下着が入っていたともあれば。
自分達だけ取り返して売ったり着服するのも夢見が悪い、持って帰れるものだけでも本人に還してあげようではないか。イレギュラーズ達は手分けして、それを持ち帰る事に決めたのであった。
「まあ、へラオスに乗らないで脚で帰ればいいカナ」
ミルヴィは幻獣に載せるだけ載せると、静かになったオークション会場の中心で勝利の舞を……しようとして慌てズボンを抑えた。
「はっ……アタシ今ノーパンだった……!」
「そう! みんなのぱんつはここにある!」
秋奈は両手に何人かのぱんつの籠を抱え、口に薄緑のぱんつを咥えながら器用にしゃべる。
「そして某ファンマネがご所望されてるので私は味を確かめるのだ!」
「へえ、誰の味を確かめるのでせうか?」
「あっ」
何故よりによって本人の目の前でしてしまったのか。
「ふんっ!」
「ぴぎゃ!」
ヘイゼルの制裁で、なんとなく秋奈の頭は見事に砂の中へ――
「そんなに堪能したいならどうぞ自分で運んでください」
ヘイゼルが勢いよくドスンと勢いよく籠が震える背中へと叩きつけると、秋奈は痙攣をやめ全く動かなくなってしまう。
「このひとはまったく……いきませう」
「ドスコイ!」
ヘイゼルはマンモスに声をかけると、ヘイゼルは数十個の箱が乗ったマンモスと共にゆっくりと帰っていった。
「ふむ」
エッダはその光景を眺めながら、ヴァレーリヤへと声をかける。
「他人のぱんつを盗むのは良くないのでありますフラウ」
「ぎくっ!」
どさくさに紛れ抜き取った1枚の蒼いぱんつを手に、ヴァレーリヤは思わず身体が硬直する。
「こ、これは違いますのよ!」
「なるほど違うのでありますか、ならばこれは自分が貰うのであります」
エッダが頷き取り出したのは、ヴァレーリヤのぱんつが入った籠。
「あーーーー! 貴女、いつのまに!?」
「真っ先に確保したのです、帰ったら売ります」
真顔ダブルピースで煽るエッダ。
「例えばそこに酒場があるとする……そこで自分が浴びるほど酒を飲むとする……その代金としてこの布切れは足りているのか? その答えは貴女の財布が知っているのでありますフラウ」
「なっ、売り飛ばす気ですか!? 承知しませんわよ!」
「では、その蒼いぱんつと交換という事で。おら金出せよ」
「ぐぬぬ……」
足元を見るエッダに歯を喰いしばるヴァレーリヤ、自分のぱんつが闇市に流されるくらいならこの蒼いぱんつを手放すのもやむなしか。
「わかりましたわ……では無事に帰ったら交換という事で」
だがただではすまさない。後でごまかして適当にちょろまかしてやろう、内心そう思いながらヴァレーリヤがそのぱんつをポケットに入れようと瞬間、ポンポンと彼女の肩は叩かれた。
「なんですの! 今大事な交渉をしているところですのに――」
振り返ったヴァレーリヤが見たものは、豪勢な装備に身を包んだ、傭兵が数十人。
「あっ」
ぽとりとぱんつを落とすヴァレーリヤ。
そういえば、増援が来るって言ってたような――
「ヘラオス!」
「パカダクラさん! 逃げてください!!」
「ダカァー!」
今積んだものだけでもと全速力で動物達を走らせ、自らも走って逃げるリディアとミルヴィ。大慌てで走った勢いで躓き、いくつか箱をぼとぼとと落としてしまうが気にするものか。この数なのだ、どうせ、きっと、自分たちのものをピンポイントで落とす運の悪さではないだろうから!
「ふむ、ヘル傭兵の皆様もヴィーシャのぱんつに興味がありますか――」
「アレはそういうのじゃありませんわ! この数は分が悪いので逃げますわよ!」
ヴァレーリヤに服を掴まれ、ずるずると運ばれていくエッダ。2人の鉄帝人は、砂塵に紛れ消えていった。
「待つのであります! 承知しないの内容次第では本当に――」
「幻介さん、これを!」
シフォリィは幻介に彼の褌の入った籠を手渡すと逃走を促す、他人の物を優先したばかりにこうなるとは……幻介は悔しそうに周囲を見回すと、彼女を案じて声をかける。
「かたじけない、しかしシフォリィ殿は――」
すでにシフォリィたちの周囲には、無数の傭兵が彼女たちを拘束せんと刃を向けている。しかしシフォリィは首を振ると、ポケットから幾つかのぱんつを取り出した――
「いいんです! 私の値段の付いてないぱんつが流通するはずありませんから! それに秘策もあります!」
知る人ぞ知る高価なぱんつの数々。傭兵達が思わず声をあげるのをシフォリィは確認すると、空の箱にそれらを全部ぶち込み遠くへ放り投げた!
「それ! お金で動く傭兵さんなんでしょう!」
彼女の言葉通り、高級なぱんつの入った籠へと群がる傭兵達。それでも問題ない、彼らは商人のぱんつに手は出さないが、その籠の中身はシフォリィが持ち込んだ戦利品なのであるから……
「さあ、逃げましょう幻介さん! ぱんつを盗むものはぱんつに制裁を受けるべきです!」
「ぎょ、御意!」
シフォリィが手を引くように急かすと幻介も頷き、街の方角へと向かって行く……傭兵達はまだ知らない、高級なぱんつに包まれる様に一度手にしたら最後、逃れられぬ暗殺の手が襲い掛かる令嬢のぱんつが紛れている事に。
逃げる8人の冒険者たち――そして、最後に残ったのは一人。
「どうせ、みんな、ぱんつ流れる――」
砂に頭が埋もれたまま幸せそうな秋奈の声が、ぽつりと彼女を取り囲んだ傭兵たちの中央で響くのであった……
その夜の秋奈がどうなったかは、誰も知らない。
そしてうっかり紛失してしまった何人かのイレギュラーズのぱんつの行方もまた、彼女達はまだ知らない――
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
本当に申し訳ございませんでした。
ぱんつ商人たちは見るも無残にぼこぼこにされ、イレギュラーズ達は見事にぱんつを取り返す事ができました……逃げる時に少し落としてしまったようですが。
ちなみに商人達に死者はいません、ただ数か月は病院でガタガタ震える思いはしてもらう程度です。
MVPの人は僕と一緒に反省しといてください。
ご参加ありがとうございました、またの機会をよろしくお願いします。
おや、何人か精神的に重症を負っているようですね?何故でしょうか……。
GMコメント
不定期闇市シリーズ第5弾。
スケジュールの都合上相談日数が「4日」となっています、ご了承ください。
●依頼内容
『ぱんつ競り会場』を襲撃する。
深夜ラサのどこかで行われているという闇市商人達の会場を襲撃して、盗まれたイレギュラーズのぱんつを取り返してください。
『当然』イレギュラーズ8人のぱんつを取り返すのが最終目標ですが、カルアのぱんつを取り返せば依頼自体は成功となります。
●成功条件
悪い商人をなるべくぶちのめす。
カルアのぱんつを取り返す。
●シチュエーション
若干寒気が差し込む夜の砂漠。
直径約100mの広い円状の会場の中央に絨毯が敷かれておりその上でぱんつ商人達が競りを開いています。
オークショナーを取り囲むように光源として篝火がいくつかあり、戦闘能力を持つ悪い商人が20人ほどいます。出血系を使う程度の小技しかできず、さほど強くはありません。
オークショナ―の背後には100個ほどぱんつの入った籠がありそれぞれに1人のぱんつがまとめてつまっています。
籠は1主行動で1個中身を確認できます。非戦スキルを使用すると大幅に見当を付ける事ができるでしょう。
(運ぶ手段があれば有利にはなりますが、無くともある程度の運搬・戦闘は出来ます)
ぱんつ商人達は襲撃を受けると傭兵の増援を呼ぶため、戦闘開始後15ターン以内にぱんつを見つけてください。
●『いねむりどらごん』カルア・キルシュテン(p3n000040)
何故か防御力が大幅に低下し攻撃力が大幅に上がっています。
プレイングで呼ばれなければ描写の範囲外でこっそりイレギュラーズのお手伝いをします。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●Panzer!
当シナリオには箪笥の中のパンツの残量に拠らない『社会的な』死亡判定が有り得ます。
また当シナリオに参加したメンバーは『ぱんつを盗まれている』という設定で進みます。描写はいらない!という人はプレイングに『ぱんつ不要』と記載をお願いします。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします……『不要』ですからね? 他の言葉じゃダメですよ?『覚悟』とか……。
それでは、よろしくお願いします。
Tweet