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シナリオ詳細

<バーティング・サインポスト>シーホース・ランペイジ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 『絶望の青』を攻略すべく、じりじりと版図を広げるイレギュラーズ。その冒険結果を待ちわびるギルド『ローレット』と海洋王国に、吉報がもたらされた。
 ――水と食料のある大きな島の発見だ。
 『アクエリア』と仮称する島にはしかし、多数の魔種も確認された。後半の海へ向けた橋頭堡を築くにはそれらの制圧が必須となる。
 一刻も早くアルバニアを倒し、『絶望の青』を超えるために。冒険者はアクエリア制圧戦に向かった。


 アクエリア近辺の敵性勢力を排除し、上陸作戦を支援せよ――それがクーリッジ艦隊に下された命令だった。
 二隻の随伴艦を従え、海をうろつくモンスターを倒しつつ回遊していたところ、突如として現れた藻場に船足を取られ立ち往生した。
「こりゃあ……」
「『出る』な」
 船員たちが言い交わす余裕もあればこそ。ザッ!と飛沫を上げて海中から三体のサハギンが現れた。
「ギエエエ!」
「ギャッギャエエ!」
 全身にびっしりと鱗を生やし、ぬらぬらとした光を帯びて悪臭を放つ敵が旗艦に降り立つ。
 甲板のサハギンは雄叫びを上げると一人の船員を取り囲んだ。手にした三叉槍を振り上げる。
「そうはさせない!」
 イレギュラーズと船員達はサハギンに立ち向かった。二三合もやり合えばこちらの勝利だーーしかし敵は息吐く暇すら惜しいようで、交戦中もさらに三体のサハギンが甲板に現れ、別の船員を狙って囲む。
 連戦の途中、クーリッジ艦長は舌打ちをした。
「きりがない!」
 旗艦にはイレギュラーズがいることもあって死者は出ていないが、随伴艦では倒れる船員も出始めたようだ。このままではジリ貧だ。
 サハギンの振るった槍をかわした船員が、足を滑らせて海に落ちた。
 クーリッジは船べりへ駆け寄る。
「大丈夫か! 今助ける!」
「艦長、海の中にでけぇシーホースがいる! 腹から……!」
 海面に顔を出した船員はあらん限りの声で叫んだが、報告を最後まで受け取ることは出来なかった。海中から現れたサハギンの槍に貫かれて沈んでいった。
 藻だらけでよく見えず仔細不明だが、大型の魔物がいるからには相応の理由があるのだろう。
 イレギュラーズに向かって艦長は叫んだ。
「先に海中の敵を片付けてくれ!」

GMコメント

 こんにちは、乃科です。
 攻略拠点確保のため、一緒に制圧戦しましょう。

●依頼内容
 シーホース型狂王種の撃退
 サハギンの退治

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 船は強制的に停船中。
 毎ターン、三体のサハギンが発生。ランダムで三隻のどれかに乗船します。若干旗艦の確率が高くなっています。
 サハギンの発生源は海中にいるシーホース型狂王種です。
 上から見ると藻だらけでよくわかりませんが、潜ってしまえば視界は通常通りで狂王種も目視できます。

●敵
・サハギン ×沢山
 身長1メートル前後の三叉槍を持った半魚人モンスター。
 知性は低いが狂王種の命令に従って、一人の船員を三人で囲み三叉槍で刺します。
 油断せず対処すれば倒せる敵ですが、時間経過と共に増えます。
 シナリオ開始時点で各船に三体ずついます。

・シーホース型狂王種 ※PL情報
 全長20メートル程のタツノオトシゴ。鎧状の鱗に覆われた細長い体と筒状の口をした独特の形状。
 腹のポケットから無限にサハギンが発生、くるりと巻いた長い尾を揺らしてサハギンに指令を出しています。
 口から針を飛ばして遠距離攻撃を行います。囲まれると大回転で周囲の敵を攻撃します。
 大きさに見合った耐久性があります。

●味方
 開始時点で旗艦と随伴艦、各8名の乗組員がいます。
 時間の経過と共に死者が増えます。各船に乗り込んでサハギン退治を手伝うと生存率が飛躍的に上がりますが、その分、狂王種に対峙する仲間が減るので戦闘に時間がかかります。
 普段はイレギュラーズの指示を聞いてくれますが、今は戦闘で手一杯です。

●その他
 都合よく『咥えていれば呼吸が出来る不思議な木の実』が甲板にあったので、水中呼吸等のスキルが無くても海中活動が可能です。
特にプレイングに記載がなくても、必要に応じて使ったと判定します。

●重要な備考
<バーティング・サインポスト>ではイレギュラーズが『廃滅病』に罹患する場合があります。
『廃滅病』を発症した場合、キャラクターが『死兆』状態となる場合がありますのでご注意下さい。

  • <バーティング・サインポスト>シーホース・ランペイジ完了
  • GM名乃科
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年03月20日 23時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

R.R.(p3p000021)
破滅を滅ぼす者
Lumilia=Sherwood(p3p000381)
優響の音色
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
秋宮・史之(p3p002233)
若木
無限乃 愛(p3p004443)
魔法少女インフィニティハートC
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
ハルア・フィーン(p3p007983)
仲間がいるから

リプレイ


 補給地点となるアクエリア島の確保は、こちら側にとっての利点のみならず相手にとっての損失にもなる。
 なんとしてでも、成功させて皆に楽をさせたい――
 『白綾の音色』Lumilia=Sherwood(p3p000381)は白銀のフルートに唇を当てた。万感の思いを乗せて神の剣のバラッドを奏でる。澄み切った音色が周囲の人々の加護となる。
 後は海中にいる親玉――おそらく狂王種――を倒すのみ、だが。
 今の状況からして、イレギュラーズ抜きではサハギンにおされてしまう。それでは良くないのだ。勝った上で船員の命も守り、皆で島に上陸しようではないか。
 イレギュラーズは目配せを交わした。
「私はここでサハギンの相手をする役!」
 茨の鎧をまとい『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は挙手した。
「私も防衛を担当します!」
「いいだろう、船上に訪れる破滅を滅ぼそう」
 『魔法少女インフィニティハートD』無限乃 愛(p3p004443)と『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021)も役割を宣言し、それぞれ随伴艦へと分かれる。
 海からサハギンが飛び出した。ちょうど正面に着地したので『大号令の体現者』秋宮・史之(p3p002233)は足を狙って転ばせ、『暴猛たる巨牛』ルウ・ジャガーノート(p3p000937)が一撃で両断する。
「女王陛下の民を傷つけるなんて許さないよ! みんなでこの海を『希望の青』へ変えると決めたんだから!」
「先に海中のデカい奴ね、了解。ささっとやっつけて全員無事に帰還しようじゃねえか!」
 残るイレギュラーズと船員に手を振って、二人は海へダイブした。

「おっと、危ない」
 『屋台の軽業師』ハルア・フィーン(p3p007983)は海に落ちかけた船員を掴んで甲板に引き上げた。
 船員を狙うサハギンにしたたかな一撃を見舞い、ひとまずの安全を確保する。
「助かった。しかしこいつら、キリがない。下にはもっと怖い奴がいるんだろう……?」
 船員はすっかり怖気づいた様子だ。
「まかせてよ、やっつけてくるっ」
 ハルアは普段通りに笑って胸を叩いた。あまりに普通の、例えば街角で偶然会った時に浮かべるような平和な笑顔だったので、つられて船員の恐れが和らぐ。
 呼吸のための木の実をくわえてハルアは海へと身を踊らせた。

「船底を直接攻撃されても困りますし、虎穴に入らずんば、ですわねー」
 『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)は少し考え、船に備え付けの浮き輪におもりを括り付けた。
「もしも救援をお願いする時は、これを放ちますわー」
 海中の敵は『巨大なシーホース型で腹からサハギンを出している』としか情報がない。五人で戦力不足だった場合の次策を用意しておこうと思ったのだ。後で取り越し苦労だったと笑い話になればいい。
「それでは船上はお任せいたしますー」
「……残る皆様、ご武運を」
 メリルナートは海中に消えた。
 演奏を終えたLumiliaはフルートを大切にしまうと、木の実を咥え、上空から急降下する鳥のように水中へと飛び込んだ。


 イレギュラーズは潜った。深く、深く、『絶望の青』の奥を目指して。
 上からは鬱蒼と繁っているように見えた藻は、海底から伸びてゆるやかに撚り集まり、一本のロープ状となって船体を繋ぎ止めて海面に広がる。
 嫌な生温さと肌から染みるような腐敗の混じった臭さ。テンションの下がる海に閉口しつつ、イレギュラーズは敵影を探した。
 特にハルアは感覚を総動員し、海の異変を探る。異常な泡や、藻の揺れ、音は無いか。サハギンやその親玉が発する音は――
 不自然な揺れ。海流を感じて身体を向ければ、弾丸のように海面へ向かうサハギンの気配を捉えた。そこから来た場所を逆算しておおよその当たりをつける。
(あっち!)
 ハルアは史之に身振り手振りで教えた。史之は念話で仲間と情報を共有する。会話が不自由な海中活動で連携を取るのに、ハイテレパスは大変役に立つ。
 イレギュラーズは一心に泳いだ。
 邪魔な藻をかき分けて、先へ。倒すべき敵の下へ。
 新たなサハギンが三体、脇をすり抜けていく。
(俺達も敵だよ! 無視してると後悔するよ!)
 史之はすれ違いざまアピールした。二体は素通りだが一体ひっかかって身体を反転させる。
 船上へ向かうサハギンを減らすことに成功した。攻撃する手間を惜しんで引き連れたまま先を目指す。
 先へ、先へ。
 視界は悪くないし、適当に探していてもいつかはサハギンや巨体を発見できただろう。それでも、手がかりを掴んだハルアのお陰で早々に狂王種の姿を捉えることが出来た。
 そいつは海の底、ごつごつした岩の間をさまようように往復していた。
 シーホース――タツノオトシゴを巨大化させて禍々しさを練り込んだ歪な姿をしている。岩肌めいた表面は堅牢そうな印象だ。大きな腹のポケットから三体、また三体と正確にサハギンを排出している。
 排出リズムを刻むように、モールス信号を打つように、トントンと尻尾が動いている。
 近づくイレギュラーズに気づいたのか、シーホースは顔を上げ、周囲を確認するように左右に揺れた。
(速攻でカタをつけていくぜ!)
 ジャガーノートは先陣を切って敵に迫った。圧倒的な膂力から繰り出される大剣でひとまず腹のポケットを狙う。
 硬質な手応えがあった。鈍い音が海を震わせる。金属製かと思うような衝撃だ。
 攻撃されてようやく、シーホースは小さな敵の存在に気づいたのだろう。ジャガーノートのいるあたりをめがけて針を射る。
 近すぎたせいか狙いは外れて海底に刺さった。ずぅん、と辺りを揺らして杭のように針がめり込む。
 休む間を与えず、Lumiliaは呪歌を歌った。魔術の剣で深紅の斬撃を放つ。役目を終えた魔力は花弁の姿になって、かぐわしい香りを残して消えた。肺に染み込むような悪臭を中和する一抹の清涼剤だった。
 続けてハルアが肉薄し、尻尾へと強かな一撃を見舞う。しびれるような硬い手応えだ。
 一瞬だけ尻尾の動きが止まった。同時にサハギンも動きを止め、キョロキョロとあちこちを見ている。すぐに尻尾の動きが戻るとサハギンもまた従来通りの動きを取り戻す。
(効果あり、だね!)
 あの動きで指示を出しているようだ。そして邪魔をすればサハギンの動きが滞る。
 上の仲間のためにもなるべく尻尾を狙おう、と史之はハイテレパスで伝えた。そして増殖し続けるサハギンを捕まえるべく名乗りを上げる。
(サハギンなんかに……『絶望の青』なんかに負けてられないよね!)
 確率は五分の一といったところか。少しでも引きつければ乗船するサハギンが減り、船上の戦いが楽になるだろう。

(わたくし歌は、ちょっと自慢ですのよー)
 皆の先行きを祝う歌を口ずさみ、メリルナートは氷の槍を投擲する。歩き続ける者の幸いを願う旋律は味方を祝福し、希望へ向かう力となる。
 シーホースの飛ばした針が頬をかすめても、歌うことをやめない。シーホースに立ち向かうジャガーノートが、ハルアが、皆が勝利を掴み取るために祈りを歌い続ける。

 表皮の硬さにいまいち効果がわかりにくいが、こちらの攻撃は効いているようだ。シーホースのヒレがしんなりとしおれる。
 規則正しく動く尻尾が止まり、岩に絡む。
 史之はそれを見逃さなかった。動作を変える理由がある、と判断して仲間に告げる。
(様子が変だ。後退か防御して!)
 イレギュラーズは忠告に従って狂王種の行動に備えた。
 岩に絡めた尻尾を支点に、シーホースは巨躯を振り回す。
 渦となる水圧、それに硬質な身体がイレギュラーズに襲いかかる。大きさに任せた暴力的な攻撃は単純ゆえに激しかった。
 踏ん張りのきかない水中のこと、各々が四方へと飛ばされる。
 巻き込まれた無数のサハギンはひとたまりもなく、あっけなく絶命した。


 ――少し前、船上では。
 随伴艦にて、船員を倒して歓喜の声を上げるサハギンにR.R.はエーテルガトリングを放った。
「ギィ!」
「ギギィ!」
 一撃では足りなかったようなので、もう一度。サハギンは穴だらけになって倒れた。
 初手で囲まれて、なすすべもなく殺されたのだろう。サハギンの輪の中心にいる船員の顔は苦悶に満ちていた。
「サハギン程度を破滅と呼ぶには軽いが……滅びの死兆を滅ぼす為に力を尽くそう」
 R.R.は甲板を俯瞰し、ばらばらにサハギンに立ち向かう船員へ言った。
「纏まれ! 陣形を崩さぬよう戦うんだ」
 数に任せて襲いに来るなら、こちらも数で対抗するのが基本だろう。それに味方が纏まってくれればこちらも動きやすい。
「ギャ!」
「ギャギャ!」
 サハギンが威嚇しながら船員に向かう。
「やんのかオラ!」
「負けねえぞオラ!」
 群れた船員は棒を振り回して対抗する。気迫で拮抗している場面に、R.R.はマジックミサイルを放った。急所を撃ち抜かれたサハギンが倒れ、連れのサハギンが怒る。
「ギギギャイ!」
 サハギンが船員とやり合い、一歩下がったところを魔力の弾丸で撃ち抜く。
 倒した、と小さな勝利を確認するのは後にする。一体減らしたと思ったら、次から次へと新手が湧いて船員を襲うのだ。
 それでも、仲間が潜ってからサハギンの数が少し減った。一度に三体が、二体だったり一体の時もある。比例してすこし戦闘が楽になった。
 船の前方か後方に船員を固めて護りたかったが、ままならない。いつ、どこから湧くとも知れない敵のせいで船員達は数人ずつ固まるのに精一杯だった。
「オレは攻め滅ぼす事しか能が無い。故に自分の身は自分で守れ。数ぐらいは減らしてやるがな」
 徐々に疲労の色が見える船員を励まし、R.R.はサハギンの殲滅に励む。


「さあ、Step on it!! 私が相手だ!」
 旗艦の甲板にすっくと立ち、ウィズィは朗々と名乗りを上げる。船員を襲っていたサハギンが一体「ギャ」と反応して標的を変えた。反応したのは一体だが『囲んで倒す』の命令は絶対らしく、つられて近くの数体がウィズィへと向かった。
「ギギギ!」
「ギャエエエエ!」
 耳障りな雄叫びを上げるサハギンを必殺技、すなわち大きなナイフで一体ずつ確実に仕留める。
 時々は三叉槍で刺されるが、そんなかすり傷は後回しで敵の数を減らすことに専念した。
「さあ、敵はここですよ!」
 ウィズィに引き寄せられて、半分以上のサハギンが彼女を囲み、槍を繰り出す。
 圧倒的な数の差だ。援護しなければ、と駆け寄った船員にウィズィは注意した。
「近寄らないで、遠くから攻撃して!」
 イレギュラーズと違って彼らはパンドラの奇跡を持たない。一度死んだら戦うことも、笑うことも、確保したアクエリア島に上陸することも出来ないのだ。
 だから欲張った。狂王種を倒すことと、皆の生存との両方を手に入れて笑うのだ。
「いいのか、君も下へ向かわなくて!」
 サハギンの包囲網の向こう、援護射撃をしながら尋ねる艦長にウィズィはきっぱりと言った。
「大丈夫。狂王種ならあの五人で倒せます」
 随伴艦のR.R.や愛や船員達を見渡し、それに、と続ける。
「ただ倒すだけじゃなくて……全員で、生きて帰りたいじゃないですか」
「君達は……。いや、感謝する。そうだな。生きて帰ろう」
「そうそう。総員、気合入れて行きますよっ!」
 拳を振り上げるウィズィの胸に、海洋王国特別勲章が輝く。
 応、と船員は声を揃えた。


「愛無き魔を波間に還す、愛と正義の焦光! 魔法少女インフィニティハート、ここに見参!」
 変身バングを挟み、随伴艦に降り立った愛は朗々と名乗った。
 そして魔砲 type.D――怪我だらけの船員にバリアを張り、サハギンに向かって魔砲を放つ。
 キラキラしたピンク色の愛ビームが、知性も愛も無い魔物を群れごと駆逐する。
 群れを殲滅したら次は、大怪我をした船員の治療だ。
「回復しますね、えいっ!」
 キラキラしたハート型の魔力が優しく船員を包み、深い刺し傷を癒やしていく。
「助かった……」
「当然のことをしたまでです。さあ、安全な場所……は無くとも、なるべく後方で怪我を増やさないように休んでいてくださいね」
 愛は船員に肩を貸して退避させつつ、海から飛び出したサハギンをスパークで撃ち落とした。

 いつ終わるとも知れない防衛戦だ。
 黒黒と藻に埋め尽くされた海中の様子はわからない。ただ勝利を信じて、待つ。


 息が上がる。
 Lumiliaとメリルナートはミリアドハーモニクスを唱え、傷ついた仲間の回復を図る。
 狂王種の攻撃はどれも強力で、かすっただけでも大怪我になる。避け損ねたら致命傷だろうか。
 全身の傷から血を流しながらも、彼らは攻撃の手を休めなかった。

(これで、どうだ!)
 ジャガーノートは力いっぱい剣をふるう。狙い続けた尻尾にズン、と切れ目が入った。
 シーホースが高音の声を発する。悲鳴のように聞こえた。
(よっしゃ、勝機だ!)
(『波状攻撃』っていうのを頑張るよ!)
 ジャガーノートと立ち位置を交代し、ハルアは出来たての傷口に切れ目の無い刺突と斬撃を繰り返す。
 傷口から青い液体が漏れた。奴の血だろうか。尻尾の動きが鈍ってサハギンも統制が乱れる。一直線に海面を目指していたサハギン達が、迷うように振り返ったりその場をぐるぐる回ったりしている。
(あら、好機ですわー)
 メリルナートはなお生じるサハギンもろとも、腹ポケットめがけてディスペアー・ブルーを歌った。冷たい呪いを帯びた歌声はサハギンとシーホースにまとわりつき、命を削る。
 そこにLumiliaは呪歌を重ねた。敵に向けた呪いのハーモニーが海を満たす。朗々とした響きを受けて、シーホースは海底に倒れた。


 サハギンの動きが乱れた。愚直に守っていた集団戦をやめてバラバラに動きだす。
 それからすぐに増援が途切れた。
 船上にて防衛戦を繰り広げていた三人は、海中での勝利を確信した。
 R.R.が残るサハギンを一体ずつ仕留めていると、船の脇に仲間が浮上してきた。
 ガッツポーズに頷き返して、甲板へ上がる手助けをする。

「まだ残っていやがったか」
 旗艦の様子を見たジャガーノートは大剣を担いだ。全身ボロボロにも構わずそちらへと跳んで掃討に加わる。
 もう数体が残るのみだったが、加勢により一瞬でサハギンは片付いた。
 ハルアは船上を眺めて声をかける。
「怪我人はどこかなー? 回復手伝うよ!」
「こっちこっち!」
「ここにもいるから手伝ってください」
 ウィズィと愛が答える。
 全員が怪我だらけだけれど、残る少しの余力を船員に分けて回った。
「うわー、服が藻だらけ。クリーニングに出さなきゃ、あはは」
 天使の歌で瀕死の重傷なんかを回復し、一息ついてようやく、史之はそんな軽口を叩く余裕も生まれた。
 残った船員は半数弱。全滅すら覚悟していたのを思えば大勢が助かったと言える。
 イレギュラーズは死者に黙祷を捧げ、勝利を報告した。

 久々の戦闘が終わり、片付いて、R.R.はどっと疲労を感じた。右も左も良く分からない『絶望の青』だったが、滅びを一つ滅ぼした確信を手に掴んだ。
 マストに寄りかかって座ると疲れがまぶたを重くする。 
「俺は寝る。何かあったら引っ叩いてでも起こしてくれて構わん」
「助かった。……助かった、本当にありがとう」
 クーリッジ艦長がイレギュラーズに礼を述べるのを聞きながら、R.R.は目を閉じた。

成否

成功

MVP

ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫

状態異常

R.R.(p3p000021) [重傷]
破滅を滅ぼす者
秋宮・史之(p3p002233) [重傷]
若木
無限乃 愛(p3p004443) [重傷]
魔法少女インフィニティハートC
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371) [重傷]
私の航海誌

あとがき

ご参加ありがとうございました。
満身創痍の勝利でした。
MVPは、笑い話になった次策を用意していた方に。

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