PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<バーティング・サインポスト>コーラル・レッドの眼

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●臭い、臭いにおいの中で
 海洋が国を挙げて取り組む大事業、外洋『絶望の青』への挑戦。それは起こすのは希望ばかりではなかった。
 過去幾人もの海賊を水底へ沈めてきた危険な海だ。命を落とす者も、落としかけて命からがら撤退した者も少なくない。そして──廃滅病。
 イレギュラーズの中でも発症者は増え続けている。病とも呪いとも言えるそれは命の刻限を少しずつ、けれど確実に削っていた。
 そんな中、彼らに一報が入る。

 ──橋頭堡となり得る大きな島が見つかった、と。


●ジョン・ブリアンは再び
 大きな島は『アクエリア』と海洋国が仮称している。そこを足がかりとできれば、今後の事業も大きく進むことだろう。
「でも、魔種たちも取られたくないみたいですね」
 島にたくさんいるみたいなのです、と『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000032)はイレギュラーズたちへ依頼書を出す。
「同時に、この島の周りも危険がいっぱいです。皆さんにはこちらの対処をお願いしたいのです」
 依頼内容へ目を通したイレギュラーズの1人がおや、と眉を上げる。これは確か、以前の報告書に挙げられていた──。
「フォアヴォーゲル。お察しの通り、1度イレギュラーズはこの狂王種(ブルータイラント)と交戦しています」
 今ここにある資料はその時の報告を元に、情報をより詳細に記したものだと言う。まだ全てが判明しているわけではないが、前回よりはずっと対処しやすくなるだろう、と。
「依頼を紹介しているのはボクですが、イレギュラーズの皆さんから寄せられた情報なので精度はバッチリなのです!」
 ふふんと胸を張るユリーカ。張る胸があるのかという話題は──まあ置いておくとして。
「アクエリアへ向かう途中、フォアヴォーゲルの縄張りと思われる海域を海洋軍が通ります。皆さんはその間、軍艦へ攻撃がいかないように引きつけて欲しいのです」
 とっても危険な依頼なのですけれど、と眉を下げるユリーカ。前回の報告書だと海洋の随伴船が1発で大破していたと言うのだから相当の強いモンスターと見て良い。
「あ、もちろん引きつけるのは海洋軍が敵の縄張りを抜けるまでなのです! 通信機を借りられるそうなので、縄張りを抜けたら連絡を入れるというお話になっています」
 こういうやつなのですとユリーカが取り出したのはトランシーバーのようなもの。当然練達製である。
 基本的には受信モードであり、付いているボタンを押し続けている間は送信モード……つまり声を送ることができるということだ。
「使い方は簡単なので、誰でも使えるはずなのです。これを誰か1人が持っておいてください」
 健闘を祈るのです、とユリーカはそれをイレギュラーズたちへ預ける。
 倒す必要はなくとも強敵だ。前回同様、或いはそれ以上に緊張感を持つ必要があるだろう。

GMコメント

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●成功条件
 友軍がフォアヴォーゲルの縄張りを抜けるまで引きつける

●情報精度
 情報精度はBです。
 不明点もまだ残っています。

●フォアヴォーゲル
 以下シナリオにて既出。
『<Despair Blue>ジョン・ブリアンは雲の下』
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2675

 鮮やかな黄色の体毛を持つ鳥です。人を軽く飲み込めてしまうような大サイズ。
 生態、戦闘スタイルなど多くは謎に包まれていますが、口から放たれる巨大な火の玉は船を1撃で大破させるほどの威力を誇ります。
 鳴き声は人の笑い声に酷似しており、フォアヴォーゲルが飲み込んで消化した者の声ではないかとも言われています。

 上記までは既出シナリオ同様。イレギュラーズの交戦で新たに判明したことを以下へ追記します。

 フォアヴォーゲルが飲み込むかどうかは未だ定かではありません。しかし笑い声に関しては鳴き声(後述)によって笑わされた者の笑い声を記憶しているようです。
 また、その巨体が近づくと羽ばたきによって大きく船が揺らされます。

火の玉:超神域:まともにぶつかると船が大破します。【万能】【火炎】
火の粉:中神範:火の粉が舞います。あつい。
鳴き声:超神域:笑い声は嗤い声を呼ぶ。【無】【狂気】

●ロケーション
 船の上。イレギュラーズには船が貸し出されます。アイテムがある場合はそちらの方が性能は上でしょう。いずれにしても戦うには十分なスペースがあるとします。
 天気は悪くなさそうです。

●友軍
・海洋国海軍艦×2隻
 護衛対象とも言える海洋軍の船です。縄張りとなる海域を抜けることに全力をつくすため、戦闘においてはあまり頼りになりません。
 彼らより通信機の貸し出しがあるため、船の進行状況はそこで確認できます。
 通信機はトランシーバーのような形状です。通常は受信モード。ボタンを押し続けている間は声を他の機器へ送ることができます。

●ご挨拶
 思ったより早く再戦となりました。愁と申します。
 倒す必要はありませんが徹頭徹尾、全力で押さえ込んで下さい。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

●重要な備考
 <バーティング・サインポスト>ではイレギュラーズが『廃滅病』に罹患する場合があります。
 『廃滅病』を発症した場合、キャラクターが『死兆』状態となる場合がありますのでご注意下さい。

  • <バーティング・サインポスト>コーラル・レッドの眼Lv:15以上完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年03月20日 23時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人
メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)
メイドロボ騎士
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手

リプレイ

●コーラル・レッドが舞い降りる
 風を受けながら2隻の小型船が海を行く。彼らが目指すのは絶望の青で見つかった島『アクエリア』ではなく──その近海に現れるモンスターだ。
(船があんな相手に襲われては無事では済まないだろう、何としてもこちらに引き付けないとね)
 フォアヴォーゲルの情報を伝え聞いた『メイドロボ騎士』メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)は警戒した面持ちで前を見る。もうここは現れると言われている海域だ。
 ほら、もう来たぞ──あの笑い声が聞こえてくる。

 あは、ははははは!
 ンヒヒヒヒヒッ!

 誰のものを写したとも知れない笑い声。女の声であったり、男の声であったり。はたまた老人のような笑い声も聞こえた。一体何人を狂気に陥れ、その声を写したのか。
 『旅人自称者』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)は視線をあげ、空から舞い降りた怪鳥を見上げた。
「意外と早い再会でしたね」
 応えは大きな羽ばたき。腕をかざし、風が止んだところで見上げた『希望の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)は改めてその大きさに感嘆する。
「おっきぃ鳥……」
「わぁーぉっ! なんて大きなオウムさんっ!」
 目をキラキラと輝かせてフォアヴォーゲルを仰ぐ『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)は、いやいやもしかしてと思い直す。実はオウムじゃないかもしれない、そうだとしたら間違ったことを言って大変悪いことをしてしまったのではないか?
「もしかしてワライカワセミですかっ? それともオオワライカワセミですかっ??
 しかもセルフで焼き鳥になる機能もご用意しているとは気が利いてますよっ!」
 フォアヴォーゲルへ向けてサムズアップするヨハナ。どう見てもお分かりだろう、この場違いなほどゆるゆるに緩い彼女は──通常運行である。
 なんだかとても好意的なヨハナを見てか、否か。フォアヴォーゲルはかぱっと口を開くとそこへエネルギーを集め始めた。見る間に大きくなっていく火の玉に、ヨハナは慌てて舵を切る。
「なるほどこれは美しい……」
 別の船からそんな呟きが漏れる中、吐き出された火の玉は何もいなくなった海面へ落ちる。海水が勢いよく蒸発し、そこだけ一時的に温度と湿度が上がった。
「……全く、ここまで来てよかったのです!」
 『めいど・あ・ふぁいあ』クーア・ミューゼル(p3p003529)が満面の笑みで告げる。何せこんな──絶望の青と名付けられたある意味特別な場所だが──海のど真ん中だ。焔などクーア自身が撒かない限り見られないと思っていたものだから、嬉しくないわけがない。
 だが、それはそれとして──仕事である。
「また会ったなあの野郎……!」
 『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)が紅の瞳を苛烈に輝かせる。前回ほど思い通りにさせてなるものか。
 そんな彼の周りを赤と黄色の体毛を持つハチが飛び、その腕へブスリと遠慮なく針を刺す。思わず呻く葵を余所に、ハチはどこかへと飛び立ってしまった。最もここは海のど真ん中。陸までたどり着けるわけもなく、あのハチはどこかで生き絶え、自然に還ることだろう。
 ハチの命を代償に──葵はドーピングにも似た恩恵を受ける。
「この場で火を放たれるわけにもいかないのです。徹底的に雁字搦めにしてやるのですよ!」
 クーアから放たれる簡易封印。その後を青いコウモリが尾を引いて追っていく。
 イレギュラーズたちが耐える時間は友軍の船が縄張りを抜けるまで。どうあってもこちらで気を引き、友軍たちへ攻撃を向かわせなければ良い。
 長傘を引き抜いた『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)は隠されていた銃口をフォアヴォーゲルへ向ける。
「引きつけるのが目的なら、倒す心算で仕掛けないと仕損じます。目標はね、高めに設定することが大事なのですよ」
 彼にとって、距離など然程の問題ではない。それに対応し、相手を翻弄し、最後には絡め取って撃ち落とすのだから。
 そんな彼のポケットにはトランシーバー──通信機か覗いている。そこからはノイズ混じりの音声が飛び出した。
『こちら、海洋国海軍艦! これより海域を通過する。
 イレギュラーズ、健闘を祈る!』
 それ以降切れる通信機。フォアヴォーゲルの狂気に晒してしまわないようにと寛治は応えの言葉を返さない。
「1度見た相手に何度も土を──ああ、ここだと塩水かな──舐めさせられる私ではないよ」
 この船を操舵する『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は自らの力を削って仲間たちの能力を底上げする。自身の火力はそこまででもないが、ゼフィラは1人ではない。これもまた戦い方だ。
「友軍が縄張りを抜けるまでだったっスか? それまでオレらと遊んでもらうからな」
 再びコウモリ型エネルギー弾を作ろうと魔力を込める葵。その視線が狙うは喉元だ。
 標的にされたフォアヴォーゲルはといえばもう一方の船へ視線を向けている。
「すまないけど少し君の縄張りを通らせてもらえないかな?」
 メートヒェンの不思議な発声に続き、アリアが奏でるは蛇骨の調。怒りも嘆きも苦しみも、ドロドロと溶かして混ぜたように内包されたそれがフォアヴォーゲルへとぶつけられる。
「狂気が自分だけの専売特許だと思ったら大間違いだよっ」
 フォアヴォーゲルはメートヒェンへ視線をくれたあと、アリアへと目を向けた。
(よし、攻撃がこっちに向いた! あとは皆、お願いね!)
 もし海へ落とされても懐に忍ばせた海神の護符がある。もしも船に火をつけられてしまったら──そうならないことが1番だが──思いつく限りで消火を試みるしかあるまい。
「……素直に通してくれれば簡単だったんだけど、流石にそうはいかないか」
 肩を竦めたメートヒェン。いずれにせよ、自分かアリアに注目してくれさえすれば良い。あとは余所見をさせず、攻撃を耐えきること。
 フォアヴォーゲルが急接近し、アリアへ爪で襲いかかる。腕に赤の線をつけながらも彼女は回避し、命綱がちゃんと繋がっていることを確認した。
 あの痛そうな足で連れていかれたり、ましてや食われたりしたらたまったものではない。
「貴方と決着を着けるよりも優先することがあるのですよね。さっさと嫉妬の大罪を引っ張り出さないと埒があきませんので」
 ここはお引き取り願おうか、とヘイゼルは口にしながらアリアを治療する。此度のヘイゼルは引付役ではなく、引きつける者の治療役。
 フォアヴォーゲルの急接近により波が大きくなる中、ヨハナはきらんと目を輝かせて。
「今が好機っ、ヨハナ頑張っちゃいま──うわぁっ!?」
 波が船とフォアヴォーゲルの間に立ちはだかった一瞬、自分たちの虚像となる幻影を作り出そうとしたヨハナ。けれども予想以上に早いフォアヴォーゲルの襲来に慌てて舵をきる。
「そんなこと余裕はありませんでしたねっ!
 なら今回はオオワライカワセミとあまり愉快でない追いかけっことしましょうかっ!」
 舵を操り、怒りを付与した2人を乗せたまま海を走ることでフォアヴォーゲルを引きずり倒すヨハナ。その間にも攻撃船をゼフィラが巧みに操って引付船を追いかけ、そちらへ乗り込んだ仲間たちが容赦なくフォアヴォーゲルへ攻撃を与える。

 ホーッホッホッホッ!!
 きゃははははっ!

 笑い声に付随するのは小さな悪寒と、明確なる死の香り。
「あはは……あ、しまった、」
 咄嗟に耳を塞いだものの、思わず漏れる笑い声に口元を押さえるアリア。メートヒェンはこれ以上彼女に被害が出ないよう引きつける。
 メートヒェンとヘイゼルは狂気に触れなかったが、特にヨハナなど受けようはずもありません! と言わんばかり。
「恥ずかしながらヨハナは笑われ慣れておりますのでっ!」
 これくらい何ともないのだと笑うヨハナ。後方から仲間たちの攻撃がフォアヴォーゲルを打つ。
「ひとの最期を彩る紅蓮は、私だけの専売特許。今日の貴方には扱わせないのです!」
 執拗に簡易封印を施したクーアは自らの専売特許──紅の焔をフォアヴォーゲルへつける。赤黒いそれはまだまだ不完全だが、これがクーアにとって今出せる最大に美しい焔だ。
 追いかけて葵の蹴り出したサッカーボールがフォアヴォーゲルへ飛んでいく。狙うは先ほどと変わらず、不気味な笑い声を出す喉元。
「こっちも人の命がかかってるっス、絶対上手くやってやる!」
 何人ものイレギュラーズが冠位アルバニアによって廃滅病に──死の呪いにかかっている。こんなところで立ち止まっている間にも、彼らの病は進行してしまうのだ。
 前回のような失敗をするわけにはいかない。
「さて、前回は攻撃する間すら無かったが……今回は違うよ?」
 ゼフィラは小さく笑みを浮かべ、波間へ意識を向ける。そこから発生するのは槍にも似た結晶だ。勢いよく射出されたそれがフォアヴォーゲルを追いかけ、執拗に追い詰めていく。
 封印の解けた隙をつきフォアヴォーゲルが火の玉を作ろうとするが、寛治の魔弾がそれを許さない。

 彼の持つ通信機はまだ何も捉えず、友軍の連絡が来ることもなく。イレギュラーズたちは知らせを今かと待ちながら応戦していた。
 一撃の赤、二撃の黒。攻撃を叩き込むメートヒェンに続いてアリアが不可視の刃を放つ。
「どんな形をしていても結局は鳥、ならば翼を撃つのが定石だよねっ!」
 翼の根元を狙われたフォアヴォーゲルは慌てて大きく羽ばたく。波が立ち、船も揺らぐがアリアたち4人の腰につけられた命綱が海へ投げ出されることを防いだ。
 壁を背にして体を支えていたヘイゼルは、ダメージの大きいメートヒェンを治療する。非常に攻撃力の高い敵ではあるが、複数人で執拗に簡易封印を施すため、比較的抑えられているだろうか。
「大丈夫ですっ! ヨハナたちに悪いことなんて起こりませんよっ! 絶望の青だって越えられるんですっ!
 未来に向かってババババーンッと生きてやりましょうっ! ねっっ!!」
 どこから来るのかというような謎の自信とともにヨハナが言い切る。けれど彼女の常と変わらない口調が、その明るさが確かに味方を鼓舞していた。
 攻撃船側もまた、ゼフィラの神子饗宴が仲間たちを押す。
 強烈な無回転シュートを葵が繰り出し、それに合わせて嘴を狙ったクーアのピューピルシールが飛ぶ。
「翼に打撃を与えれば、飛行能力に影響が出るでしょう」
 時間稼ぎ──最良は撃ち落とすことだが──にと眼鏡越しの鋭い視力で翼を撃つのは寛治だ。
 ヨハナの操舵に翻弄されながらフォアヴォーゲルは必死に飛び、時に自らを傷つけ、笑い声をあげる。
 そして。

 ジジッ、ジ、ジ──。

『こちら海洋国海軍艦! フォアヴォーゲルの海域を抜けた!
 そちらも速やかに離脱してくれ!』

 ノイズ混じりに聞こえた言葉は寛治のポケットから飛び出す。トランシーバーを手に取り、短く了解の旨を告げた寛治は引付船の方にも声をかける。
「早くここを抜けて合流しよう」
「がってんしょーちですっ!」
 メートヒェンの言葉にヨハナの明るい声が抜け、船が動き始める。フォアヴォーゲルに追いかけられながらも距離を変えず撤退していく2隻。途中でフォアヴォーゲルが不穏な口の開け方をしたが、アリアがとっさに持っていた苦い木の実を放り込み、同時に寛治が口の中へ銃弾を送り込む。
 口を閉じて回避せざるを得なかったフォアヴォーゲルは強く羽ばたくが、それはイレギュラーズを翻弄するためでなく自らの体勢を立て直すためのもの。
 2隻はかの敵が踵を返したことで、ようやく速度を緩めた。
「はぁ……」
 それは誰の溜息だったか──いや、全員のものだったかもしれない。ようやくあの危険海域を抜けられた、と。
 あの薄ら寒くなる笑い声が聞こえないだけでどれだけ安心することか。……ヨハナは除くとして。
 だが、だからと言ってここが安全とも言い切れない。寛治が海軍艦に連絡を取り、場所の補足をしながら2隻はそちらへと向かい始める。
「ところでさ、今後アイツを本当の意味で倒す必要って出てくるんスかね?」
 葵は船の後方からフォアヴォーゲルの帰っていった方向を見た。あれだけの大きな怪鳥が、ここからでは全く見えなくなってしまっている。一体どこへ消えたのか。
「絶望の青へ向かう船が増えてくるのならば、或いは……と言ったところでしょうか」
 寛治も同じ方向を見ながら呟く。

 この先、どうなるかわからないが──一先ず、オーダークリアだ。

成否

成功

MVP

クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド

状態異常

メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)[重傷]
メイドロボ騎士
アリア・テリア(p3p007129)[重傷]
いにしえと今の紡ぎ手

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。
 もしかしたらフォアヴォーゲルとは今後もまた戦うかもしれませんね。

 またのご縁をお待ちしております。

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