シナリオ詳細
ゾンビ襲来! ショッピングモール攻防戦
オープニング
●ヤツらは群れでやってくる!
ヤツらは、群れでやってくる――。
その群れは、町ひとつを飲み込んで埋め尽くした。
「くそ、もうここだけってことかっ……!!」
ゾンビに追い立てられてしまった住民、10名がショッピングモールに立てこもった。
このショッピングモール“ライング”は、さまざまな商店、テナントが入り、数々の商品が陳列されている。
このショッピングモールという施設は、元々混沌には存在しなかったが、ウォーカーが建造したのか異世界からやってきたのかわからないが、ともかく存在している。
しかし、今は緊急避難所になっている。
このショッピングモールの外は、ゾンビが溢れている。
さいわいにして物資は大量にある。
しかし、だからなんだと言いたくなるような状況であった。
助けが来なければ、いずれゾンビが押し寄せて餌食にされる。
恐るべきことに、ゾンビは感染する。
ゾンビに噛まれる、引っかかれるなどすると潜伏期間を経てゾンビ化してしまう。
立てこもった人々は今ところ団結しているが、これが原因で疑心暗鬼が広がりつつある。
立てこもりの主なメンバーは、以下の通り。
1.店員(男)
2.看護師(女)
3.警察官(男)
4.学生(男)
5.学生(女)
6.老人(男)
7.主婦(女)
8.子供(男)
9.子供(女)
10.労働者(男)
という具合である。武器になるような装備は持ち合わせておらず、いつまでも籠城が続くとは思えない状況だ。
●求む! 救出舞台
「皆さん、大変なのです!」
『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)が、大慌てで冒険者たちの前にやってきた。
ゾンビの脅威に晒されている。
撒き散らされたゾンビウィルスによるゾンビパニックが発生し、避難した10名の一般市民が立てこもっているという。
「このままだと、逃げた人たちもゾンビにされてしまうのです!」
一般市民の一刻も早い救出が求められている。
籠城というものは、救援がなければジリ貧に陥ってしまうものだ。
「ゾンビは群れでいっぱいいます。全滅とかするのは無理だと思いますし、救出が優先です。感染拡大を阻止しようと、焼き払ったりするしかなくなるかもしれません……」
ゾンビの恐怖は感染の拡大にある。
この緊急避難的対処として生存者ごと焼き払うという選択肢を取る可能性がある。
最悪の事態は防ぎたいところだ。
「皆さんなら、感染することはないと思います。でも、気をつけてくださいね」
ゾンビウィルスは、免疫力が高い者は感染しないはずだ。だが、それも確実とは言えない。
「それと、ショッピングモール“ライジング”の見取り図です。避難した人たちは、全員フードコードで立てこもっているようです」
ショッピングモール“ライジング”には、ホームセンターも入っており、日用品もさまざまに活用できる状況にある。
さあ、救出に向かうのだ!
- ゾンビ襲来! ショッピングモール攻防戦完了
- GM名解谷アキラ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年03月01日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●ゾンビパニック!
ゾンビである――!!
不気味な唸り声を上げながら、ずるずると徘徊する死体。
腐乱し、うろうろと生者を求めて群れをなしている。
ショッピングモール““ライジング”は、突如集団発生したゾンビたちに囲まれ、孤立していた。
中には、生存者がまだいる。
この救出のために、ローレットから冒険者が派遣された。
「うへー、ゲームだとよくあるシチュですが、リアルだときついですよ……」
現場に到着した桐神 きり(p3p007718)の正直な感想であった。
ゾンビは群れている。死臭を漂わせ、朽ちかけた肉体を引きずりながら歩いている。
きりの知っているFPS(ファースト・パーソン・シューティング)なんかだと、ゾンビモードというのもあるくらいだが、画面越しでないと途端にげんなりする光景である。
しばらく食事が喉を通らないであろう。
「ここだけ。残ったのは……ここだけなんスよね。……せめて、残ったものだけは守らなくては、ッスね」
一方、『blue』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)は気合を入れていた。
生存者がいるというのは、希望だ。
数々の店舗が居並ぶショッピングモール内を駆けていく。
見取り図は叩き込んである、生存者がいるフードコートへ向かうのだ。
「昔取った杵柄ってヤツだな。任せろ、アタシは専門家だ」
『Jaeger Maid』シルヴィア・テスタメント(p3p000058)が、ギザッ歯を見せて凶悪な笑みを見せた。
「専門家ッスか? どういう意味ッスか?」
「こういう意味さ!」
どかどかとメイド服から工具やら農具やら、スポーツ用品から台所用品やらが溢れていくる。
ホームセンターで仕入れてきた、こんなときのための“武器”だ。
ゾンビには、なぜかよく効くインスタントアームである。
「絶対皆助け出して、生きて帰ってこようね!」
その武器やらなにやらを握り、『温もりで勇気を』ヒィロ=エヒト(p3p002503)が先頭に立つ。
「ゾンビパンデミックとはね。被害者側とは新鮮だな」
『パンドラの匣を開けし者』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)は、まだ余裕を見せている。
彼は外回り組だ。突破口から脱出経路を探し、確保するのが役目である。
「えいっ!!」
「おらあっ!」
まずは、ヒィロとシルヴィアがゾンビの頭部をぶっ飛ばした。
飛び散る肉片、脳漿! ゾンビを倒すには頭部である。
ヒィロがバットで、シルヴィアがバールのようなものだ。
やはり、鈍器に限る。
たちまち、ゾンビどもが生きている者たちが立てた物音に気づいて押し寄せてくる。
「ここは私に任せて先に行け!」
ラルフが叫んだ。
ゾンビたちを引き受け、突入組を中に入れさせるのが彼の役目だ。
「ゾンビか。うん、数も多いし見るからに悪役って感じね! 全部ぶっとばして……あ、一般人の保護と脱出が優先よね、忘れてないからね」
「この手の状況でいつも思うのよ。誰が何したらこんなことになんのよ、って。……と、ここに至る経緯は気になるけど、まずは救助と脱出ね!」
『新入り稲荷様』長月・イナリ(p3p008096)、 『紫緋の一撃』美咲・マクスウェル(p3p005192)も、ヒィロのあとに続く。
やはり、数が多い。シルヴィアが調達したスコップとフライパンでゾンビどもを片っ端から殴り倒していく。
「ふたりとも、よろしくね」
ヒィロの小鳥が、外回りとの連絡用に残った。
●奴らを入れるな!
今回、作戦は突入組と待機組に分かれている。
その突入組は、ヒィロを戦闘にゾンビをぶちのめしながらフードコートへ向かった。
そして待機組である。
こちらも、なかなか大変な状況である。
ゾンビというのは、少々の肉体の欠損では動くのを止めることがない。
痛覚もないから、どれだけ破壊しても怯むことはない。
ただただ、生者へと襲いかかり、ゾンビウィルスを媒介して仲間にしようというのである。
「こんな物は練達くらいしかないと思ったが、あるところにはあるものだな……」
『彷徨う赤の騎士』ウォリア(p3p001789)が言った。
竜を模した鎧をまとい、ゾンビを食い止める。
「ショッピングモールのことか? これも異世界から来た施設かもしれんらしいぞ」
これに、ラルフが答える。
「道理でこちらで見かけないものばかりだ。食料も豊富らしい」
「調達しておいたのか? やるじゃないか、万全の体制だよ」
「その体制も、維持しないことにはどうにもならん」
「違いない!」
「フードコートがセーフゾーンだ。ゾンビどもを入れるわけにはいかん」
「――ユリーカの談によればウイルスは“撒き散らされた”もの……まさか、な……」
「どうした、ウォリア氏?」
何を危惧するウォリアに、ラルフが声をかけたのだ。
「いや、何でもない。考えすぎのようだ」
「そうか。まずは、脱出口を確保し、目の前のゾンビどもをなんとかねばならん!」
「なら、任せてもらう」
押し寄せてくるゾンビをバリケードとホームセンターで調達された鈍器で食い止めて言った。
●生き残りと合流!
屍体の群れは、まだショッピングモール“ライジング”の内部までは入り込んでいるわけではないようだ。
しかし、油断は禁物である。
生体反応がないだけあって、気配を察知するのは難しいのだ。
それに、意外なものも行く手を阻んでいる。
生存者たちが、ゾンビよけに構築したバリケードだ。
フードコートに避難した者たちが用意したのか、それとももう手遅れとなってゾンビとなった者たちが用意したのか……。
ともかく、排除せねばならない。
「えいっ!」
電撃が放たれ、バリケードが派手に吹っ飛んだ。
きりのライトニングである。
通れるだけの道を確保し、奥へと入っていく。
その先が、フードコートである。
「くそ、ゾンビか!?」
イレギュラーズが入ってくると、モップを構えた男が出迎えた。生存者だ。
「落ち着いて、ボクたちイレギュラーズが来たからにはもう安心だよ!」
「お待たせしたッス、救助部隊ッス!」
「よ、よかった……」
モップを構えたのは、労働者(男)である。
警官(男)と店員(男)、学生(男)は、子供と女性を守るようにしていた。
救助部隊の到着で、全員ほっと胸を撫で下ろした。
「大丈夫だよ。今、脱出経路を確保しているから」
美咲が、生存者たちを落ち着かせるように言った。
脱出経路の確保とゾンビの掃討が終わるまで、彼らを守りきらねばならない。
手分けして食料、物資の確保をしつつ、ゾンビの流入を食い止めるためにバリケードを構築する。
……と、どすーん、どすーんと何かの足音が迫ってくる。
「補給物資の到着だぜ」
労働用竜型ゴーレムと、それにまたがったシルヴィアであった。モール内で調達してきたさまざまな展示品、商品を運んでいる。
「しっかり陣地構築だ」
「バリバリ働くッス! お手伝いよろしくッス! いいッスか? ゾンビが来ても倒そうなんて思わなくていいッス。できるだけ距離を取りながら、イルミナたちを呼ぶ。それが一番いい方法ッス!」
「わ、わかった。俺たちもできる限りやるよ」
生存者たちに役割を分担し、それぞれ手伝いを頼む。
学生(男)や店員(男)、労働者たちが、イレギュラーズが連れてきたメカ子ロリババアと作業を開始した。
「ちょっとエネルギー補給ね。みんなも食べて」
美咲がフードコートに残された食料を漁り、生存者や仲間たちに配る。
状況が状況だけに、肉類は精神的にも食べづらく人気がない。
うどん、ラーメンなどの麺類を中心に腹を満たした。
しかし、温かい食事は何より消耗した精神を満たしてくれる。
「怖い中、よく頑張ったね」
ヒィロが子供ふたり(男女)に目線を合わせ、その頭をぽんぽんと撫でてやった。
学生(女)も、子供たちを落ち着かせるのを手伝う。
「うん、助けが来ないと思ってた……」
やはり怯えている、当然のことだ。
しかし、もうひと踏ん張りである。
「しばらくこのお姉さんと一緒にいい子にしててね?」
「う、うん!」
「この子達の手を握っててあげてもらえませんか? 一番落ち着くのは、きっと人の温もりだと思うから……」
「もちろんです。さあ、ふたりとも」
主婦(女)に子供たちを預ける。
ギュッと抱きしめられると、安心したようだった。
必ず、脱出しなくてはならない。
「わしらは、生きて帰れるんじゃろうな……!?」
老人(男)が取り乱しているようである。
このゾンビパニック、平静を保てという方が酷であろう。
「大丈夫ですから、落ち着いて」
なんとかきりが宥めている。
こういうとき、内部からの混乱が恐い。
「……来た!」
イナリの狐耳がぴくぴくと動いた。
ゾンビの集団が押し寄せているのを察知したのだ。
「迎え撃てええええ!」
声にならない呻きを上げて、ゾンビが突入してくる。
シルヴィアが仕掛けた罠にかかって手足がちぎれ飛ぶが、お構いなしに突き進んできた。
SADボマーを放り投げ、ライフルでその頭部をふっ飛ばしていった。
あまりお子様にはお見せできない惨状ができあがる。
「……脱出ルート、確保できたみたいよ!」
ヒィロがハイテレパスによってラルフとウォリアたちがルートを確保したことを伝える。
「さあ、みんな乗って!」
美咲が確保したのは、大型ワゴン車だ。
燃料がないので自走できないが、ゴリアテで牽引することはできるだろう。
その指示に従って子供、老人を優先して乗せ、ゾンビが襲いくる中を切り抜けるのだ。
●脱出!!
フードコートから、搬入路までの経路が脱出ルートとなる。
「ヴァァァァァァ――!!」
ゴリアテが進むルートにわらわらと群がるゾンビどもを、イルミナのソニックエッジが斬り払った。
「準備できた? ラルフさん、ウォリアさん」
近づくゾンビを、バイドロキネシスて焼き払いながら
「任せてくれ、ここからは我々が案内しよう」
脱出ルートを確保するため、ラルフが万能金属によるワイヤートラップを張り巡らせてある。
群れを足止めするには十分の役目を果たすだろう。
「牽引のパワーがいるなら、こいつにも引かせよう」
ウォリアが提供したのは、HMKLB-PMである。
ワゴン車を引かせる軍馬並みの馬力は期待できるだろう。
「一気に突っ切るわ!」
イナリの号令とともに、生存者を乗せたワゴンが走る。
これにウォリアが並走するように走った。
最近のゾンビは、ノロノロ歩き回る以外に走ってくる。
イレギュラーズもこれを迎え撃つ。
たちまち乱戦だ。
炎をまとわせた剣でイナリが薙ぎ払えば、ヒィロも一閃する。
「ふううううん!」
ワゴンにすがりつこうとするゾンビどもを、全身の力を込めたウォリアの右拳がまとめて粉砕した。
必殺のバーンアウトライドである。
「どけどけどけえ!」
ゴリアテにまたがったシルヴィアが、上からゾンビどもを弾丸で立て続けに掃射していく。
外界につながる搬入口まで、あとわずかだ。
「わああああ、イルミナさん!?」
学生(男)が叫んだ。
ワゴンのフロントガラスに、ゾンビどもが張り付いているのだ。
これをぶち破ろうと、何度も頭を打ち付け、砕こうというつもりだ。
逆に頭がトマトのようにベチャッと潰れたヤツもいる。
ワイパーが動いて、血糊が拭い取られる。
「今行くッス!!」
何匹かゾンビにまとわりつかれながらも、イルミナの脚が薙ぎ倒していった。
「信じる心を合せれば、困難だってきっと吹飛ばせるよ! 諦めない限り、どんな絶望の中にだって希望の道はできるんだ!」
ヒィロと美咲がワゴンに先行してゾンビたちを食い止める。
ワゴン車に群がられたら、生存者たちも危険にさらされる。
「もう少し……!」
美咲がサイバーゴーグルを装着し、その進路の視界を確保する。
群がるゾンビたちを吹き飛ばし、先に進めば全員無事に脱出できる。
「いけない、シャッターが!?」
思わず美咲が叫んだ。
知能を失ったはずのゾンビが、脱出を阻むためにシャッターを操作したのか? それとも偶然か?
搬入口を閉ざすシャッターが降りている。
「そのまま進むんだ!」
「でも、ラルフさん……」
「見ていたまえ、未完成だがあの程度ならなんとかなる」
ラルフが言うと、掌をシャッターに向けた。
放たれた術式が、シャッターの分子構造から崩壊させていく。
徹底的な破壊によって、ワゴン車が通り抜けられるほどの風穴が空いた。
「やったわ!」
ワゴン車が、生存者たちを乗せて光があふれる外の世界に向かっていく。
「よし、全員脱出したな? これでも食らうがいい、ゾンビども――」
ワゴン車の脱出を確認すると、ウォリアが渾身の一撃を太い支柱に打ち込んだ。
支えるものを失い、フロアーの崩壊が始まった。
これで、ゾンビの悪夢をモールもろとも埋葬しようというのだ。
地響きを立てて崩れ落ちていく構造物が、ゾンビたちを飲み込んでいく。
ここに、ゾンビパニックからの脱出は成功したのである――。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
ゾンビパニックからの脱出、成功しました!
生存者も脱出第一でしたので、全員無事です。
おめでとうございます。
生存者との連携やこの閉鎖業況にふさわしいギフトやスキルがいろいろ活躍しました。
やはり、ホームセンターやショッピングモールでの専門家であった 『Jaeger Maid』シルヴィア・テスタメント(p3p000058)の存在が光りました。MVPを差し上げます。
また、皆さんには『ゾンビパニックサバイバ』ーの称号を進呈します。
GMコメント
■このシナリオについて
皆様こんちは、解谷アキラです。
メカゾンビあふれる町からショッピングモール“ライジング”に立てこもり、救援を待つ一般市民を救出するシナリオとなります。
ショッピングモール内には、さまざまなものがあります(大抵の物は揃っています)。
・ゾンビ
アンデッドです。リビングデッドとかそういうたぐいです。
イレギュラーズだと感染してゾンビ化することはそうそうないですが、一般人は感染するとゾンビ化します。
ゾンビ化したら、助ける手段はありません。
無数にいます、全滅させる必要はありません。
救出が優先です。
・一般人
手伝い等できるかもしれませんが、戦闘に参加できるほどの力はありません。
ゾンビに接触すると、感染の危険があります。
武装させると多少の自衛はできるかもしれません。
精神状態は、不安定です。
個人差はありますが、ゾンビの脅威の前には無力です。
・ショッピングモール“ライジング”
巨大な商業施設で、基本的に我々がイメージするくらいの規模があります。
食料、日用品はさまざまあります。
ゾンビたちは、バリケードを破って内部へ侵入しているようです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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