シナリオ詳細
フルラス遺跡の安全確保
オープニング
●遺跡調査の下準備
深緑と言えば、その周囲に広がる迷宮森林が一つのポイントとなるだろう。
特に迷宮森林内に存在する多くの遺跡は、深緑の民にとって守るべき財産であると同時に、調査対象でもある。
古より存在する多くの遺跡に、なにが残されているのか。
浪漫を追い求め、調査探求へとのめり込んでいく者達が後を絶たない。
リーラ・メルティス女史も遺跡調査にのめり込んだ一人である。
彼女は生まれ故郷の村の傍にあったフルラス遺跡を愛して止まない。
小さな頃から遺跡の周囲で遊び、大きくなったらこの遺跡を調査してみせると夢見た。
そして念願叶って、ついに調査へと乗り出す時がきたのだった。
「遺跡の入口の仕掛けは解読できたわ。これで扉は開くはず――」
確認しながら作業を行うと、封印されていた扉がゆっくりと開いていく。
その先には、黒洞々たる闇とともに、来訪者を誘う地下への階段があった。
息を呑みながら侵入していくと、地下空間とは思えぬほどの広大な広間(ホール)に出た。
古代の民が残した石像や石柱が並び、来訪者を歓迎する。
「す、すごいわ……これだけで歴史的な価値は十分にある……もっとよく調べて行かないっと――?」
その時、明かりを照らした足下で、何かが動いた。
それは石、砂、そして骨のようなもの――さらには遺跡に転がっていたさび付いた兜や盾、剣などが集まって、ゴーレムナイトを作り出す!
「ま、魔物! 侵入者に対する仕掛けって訳!? 数が多い……一時撤退よ!」
遺跡調査のチームメイトにそう告げて、リーラ女史達は命辛々逃げ出すのだった。
けれど、これで諦めることはできない。
リーラ女史達は、すぐに遺跡調査の下準備――魔物の掃討を行える者を探して……依頼はローレットへと持ち込まれるのだった。
- フルラス遺跡の安全確保完了
- GM名澤見夜行
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年02月04日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●安全確保開始!
フルラス遺跡の安全確保を依頼されたイレギュラーズ一行は、遺跡へと到着するとリーラ女史に出迎えられた。
「噂に聞くイレギュラーズに手助けを頂けて光栄だわ。今日はよろしくお願いするわね」
リーラ女史と握手をし軽く状況の説明を受けると、早速イレギュラーズは遺跡の中へと進んでいく。
フルラス遺跡というこの場所は、元々年代的には新しめの遺跡としてあまり価値がないと言われていた。
しかしリーラ女史が調査を進め、仕掛け扉を開いてみせるとその価値は激変することとなった。
「扉の先の地下空間に存在していた様式は、深緑――いえ、混沌の歴史の中でもかなり古い、古代の様式よ。歴史的な価値はそれだけでとんでもないものになるわ」
「すごいもんだな。子供の頃から身近にあった遺跡とはいえ、そんな新発見をしてしまうなんて。本当に浪漫溢れる話だ」
『影刃赫灼』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)の言葉にリーラ女史は「ありがとう」と気取らずに返す。
「それで、仕事の方は邪魔者を排除すればいいってことだろ?」
クロバの確認に、『蒼剣の弟子』ドラマ・ゲツク(p3p000172)が頷く。
「ええ、そのようですね。なんでも遺跡を守るガーディアンがいたとか」
「その通りよ。回避出来るトラップだったら対処のしようもあったのだけれど、流石に力任せの防衛は私達では対処できなくて」
歴史研究、遺跡発掘を行う学者なのだ。この広い混沌、中にはそんな罠を粉砕する戦闘力のある学者もいるかもしれないが、少なくともリーラ女史達のチームにはいないようだ。
「そう言うことならお任せ下さい。
女性ばかりに見えますが、皆強いのですぐに片付けてしまいますよ」
『朝を呼ぶ剱』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)が細い腕で力こぶを作ってみせると、リーラ女史が安心したように微笑んだ。
「魔種とも戦う戦士達と聞いていたので、肉体派な男性ばかりきたらどうしようかと思ってましたが、女性が多くて少しホッとしました」
「いや、なんかすまんな」
一人ハーレム状態のクロバが頭を掻く。そんなクロバに恋人シフォリィはこう言った。
「力仕事はクロバさんに任せますので、頑張って下さいね」
「……まぁ、張り切らせてもらいますよ」
地下への階段を降りて進んでいく。
徐々に光が通らなくなり、足下が覚束なくなっていく中、ユラユラと揺れる『ひだまりうさぎ』コゼット(p3p002755)の長い耳が明るく光る。月ノ光と呼ばれるピアスの光だ。
「すごいね。げーじゅつっぽい壁画が、並んでる。
今まで、誰も入ってなかったんだよね。ワクワクするね……!」
「まさに文化遺産といった感じね。
少し懐かしい感じもするわ。昔こういったところに住んでたこともあったの」
『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)がそう言うと、同じハーモニアである『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)が少し驚いて言った。
「大木の中を家にしちゃうとかはハーモニアあるあるな気もするけど、遺跡的なところに住むのはなんかすごいね。
なにか出てきちゃったりしたら、それはそれでちょっと怖いかも?」
「そういうのも含めて浪漫といえるかも? この遺跡もなにか出そうな感じね」
「まぁ出てきちゃったのはゴーレムナイトでしたけど」
リーラ女史がクスクスと笑う。
「なんにしても遺跡の調査というのは少し心が躍ってしまいますね」
『百錬成鋼之華』雪村 沙月(p3p007273)が無表情ながらにそういうと、『呪い師』エリス(p3p007830)もコクコクと頷いて、
「うんうん、やっぱりワクワクしますよね! どのようなものが眠っているのでしょうか……調査のためにもモンスター退治を頑張りましょう!」
と、元気よく声をあげた。
地下への階段を降りきって、広いホールにでるとリーラ女史は先の暗がりを指さして言った。
「ここから先が問題の場所なの。
見えるかしら? 五メートルほど先にある二つの大きな彫像。あそこのラインが侵入者を認識するラインになっているみたいなの」
明かりを掲げるリーラ女史は、まさにその彫像の先でゴーレムナイトに襲われたという。
「確かに……なにやら固そうなのが巡回してるな」
「固定ルートを回っている感じでしょうか。足音も一定間隔で乱れがないですね」
「そうね。見た感じ情報通りかな。この広間には十五体いるみたいね」
暗視を行えるクロバとシフォリィ、そしてセリアが先を見通してゴーレムナイトの確認をする。
「それじゃ、お願いするわね。
心配はしていないけれど、周辺環境を傷つけないようにだけ注意してちょうだいね」
リーラ女史の注意を聞き入れながら、イレギュラーズは武器を構えた。
フルラス遺跡の調査のための安全確保が、開始されたのだった。
●ゴーレムナイトを倒せ!
巨大な彫像の先、侵入者を見つけるためにゴーレムナイト達が巡回する。
規則正しく巡回する様は、なんとも奇妙なものではあるが、魔法による命令を一糸乱れず遂行する様は、まさにガーディアンとして優秀なものであると言えるだろう。
「それじゃ片付けていくか。障害は一気にゼロにしてしまいたいところだが――」
「できれば、一グループずつ、戦って行きたいな。いっぱい相手にすると、たいへんだよね」
「うーん、そうだね。コゼット君に手助けしてもらったとしても、全部を引きつけちゃうのは少し危険かも」
「巡回ルートは被ってないようですから、別のグループに気づかれないように戦えば、上手く一グループずつ倒せるかもしれませんね」
シフォリィの考えに一同は賛同し、気づかれないように戦って行く選択をした。
「それじゃいくよ! 咲き誇れ、誘争の赤花!」
強い意思の言葉と共に、アレクシアの魔力が赤き花の如き魔力塊を生み出す。そして魔力塊を維持したまま、進入ラインへと飛び込んだ。
まるで防犯センサーに引っかかったかのように、瞬間ゴーレムナイト達の瞳が赤く光る。そして、見た目以上の素早さでアレクシアへと襲いかかる。
「何か大事なものを護ってるのだったらごめんね!」
赤き魔力塊の花を満開にすれば、ゴーレムナイト達の注意を自らに引きつける。
「フォローは、任せて」
アレクシアの後に飛び出したコゼットが、周囲の様子を確認しながら言った。
奥に巡回している別グループが反応し、こちらへと襲いかかってくるのであれば、アレクシアをフォローし自らも盾役になろうという形だ。
ひとまずは、襲ってくる気配もなかったので、コゼットはアレクシアが抑えるゴーレムナイトへと向かい飛び回る。
黒い炎を纏う兎の舞は、如何に硬質の岩石で出来たゴーレムナイトと言えど、振り掛かる業炎を防ぐこと叶わず、その身を焼け爛らせていく。
「防具がご自慢だって? 俺の前じゃそれは無駄だろうがなッ!!」
次いでゴーレムナイトへと飛びかかるクロバが、持てる力の全てを最初から吐き出していく。
練り上げられた魔力と、鍛え上げられた身体能力から発揮される連続剣が、刹那の間に繰り出される。
轟く爆炎が暗がりの遺跡内で輝き、振るわれる数多の剣閃が硬質なゴーレムナイトの岩肌を削り取っていく。
(誰にとは言わないが、いいところ見せておかないとな――!)
恋人の前だ、張り切るのも無理はないだろう。クロバの漲る力は、一度残心へと至ったクロスエッジ・フルバーストを再度放たせる。然しものゴーレムナイトもこれに対応する力はない。強固な身体を破砕され、石塊へと姿を変えるのだった。
「遺跡は傷つけないようにしませんと……この位置でしょうか!」
敵味方の位置、周辺環境への配慮と気遣うことの多い中、エリスが魔力を練り上げ不可避の雹を降らせる。
魔力伴う破壊の雹は礫となって降り注ぎ、ゴーレムナイトへとぶつかれば衝撃と破砕の音を伴って、ゴーレムナイトの身体を削り取る。
「そしてぇ弱った敵はこうです!」
敵が弱ってきたとみれば絶対不可視の刃を生み出して、ゴーレムナイトを切り刻むエリス。防ぐこと叶わない刃が、見る間にゴーレムナイトの形を変えていった。
「立ち回りの中で、気づかずに奥のグループを釣ってしまう可能性もありますね。注意していきましょう――参ります!」
一気に距離を詰めたシフォリィが、迎撃に振るわれるゴーレムナイトの振り下ろしをサイドステップで躱すと、手にした細剣を構えて裂帛の気合いと共に一閃する。愚直なまでに真っ直ぐな一撃は、ゴーレムナイトの防御を突き破り、続く攻撃への隙を生み出させる。
「ドラマさん!」
「良い位置関係ですね――これなら他のゴーレムを巻き込まなくて済みそうです」
ドラマの得意技とも言える嵐の王はその威力も相まってド派手なエリアオブエフェクトと言えるだろう。
仮にゴーレムナイト達が距離探知ではなく別種の反応様式だったとしたら、使うのは難しかったかもしれないが、此処に至るまでの戦いでどのような探知様式だったのかは把握できている。であれば、使わない手はない。
顕現する猛き暴威の一端が、ゴーレムナイト達を飲み込み蹂躙する。脅威の威力は、シフォリィのスキルとの相乗効果で計り知れないものとなった。
飲み込まれたゴーレムナイトが、音も無く崩れ落ちるのも致し方ない話である。
「すごい威力ね。わたしのスキルも合わせたいところだけれど……」
タイミングがややズレてしまったセリアは、周囲を見渡し仲間の様子を確認する。次に動けそうなのは――沙月だ。
「そっちに合わせるわね!」
「心得ました――」
セリアの声に反応し、沙月が構える。
「全力でいくわ!」
セリアが自らの精神力を弾丸に変えると、躊躇無くゴーレムナイトへと向け放つ。鋭い弾丸は強力な一撃となってゴーレムナイトに衝撃を与える。それはそのまま次に動く沙月が決定的な一撃をたたき込める隙を作り出した。
「参ります――夢幻」
優雅な所作から一転する沙月の神速の踏み込み。どのような相手であろうとも、その流れるような動きを現実のものとは思えないだろう。
刹那の間にゴーレムナイトの懐まで踏み込んだ沙月が、静かに息を吐くように拳を突き出すと、硬質の岩肌がクレーターのように凹み、破砕音と共に衝撃が突き抜ける。
まるで、糸の切れた操り人形のように、ゴーレムナイトは砕け落ちていった。
「数が減ってきたね、この調子で手堅くいこう!」
アレクシアの檄を身に受けながら、イレギュラーズは順調にゴーレムナイト達を倒していくのだった。
●休憩も必要です
手堅いイレギュラーズの戦いは順調に進み、被害も少なめで大広間の掃除が終わった。
大広間が自由になると、周囲の警戒をしながら罠の探索をし、完全に安全が確保できたところで、リーラ女史達調査チームを呼び込んだ。
「さすがイレギュラーズね。あっという間にゴーレム達を倒しちゃうんだもの。それに遺跡の方の被害も軽微で、十分すぎる成果よ」
「まあ、まだ、残ってるのがいるけどな」
「あはは、さすがにちょっと休憩しないとね。私もちょっと傷を癒やさなきゃ」
ゴーレムナイトの注意を引きつけていたアレクシアは当然ながらそれなりにダメージを負っている。
大広間を片付けたところで、ドラマが「休憩にしましょう」と全員に促したのだった。
「数が多いですし長期戦になると思ったので、色々用意してきたのですよ」
そう言ってドラマがお茶やお菓子などなど、休憩には嬉しい軽食やデザートを広げた。
「わーい、食べていいですか? いいですよね? いただきまーす!」
我先に飛びつくエリスは大概食いしん坊である。如何に戦闘という名の運動をしているとはいえ、そのように食べまくっていては体型も気になるはずだが、彼女には無縁の話である。
「残りは十体ですか。半分以下になったとはいえ、まだまだ多いですね」
シフォリィの言葉に沙月が頷く。
「体力、精神ともに疲弊してくる頃合いでしょう。休憩を挟んだのは良い判断だったと思います」
「とはいえ、これで集中力が切れてしまうのも問題だからな。何事もほどほどにしておくのがいいんじゃないか?」
「ふぁい?」
クロバの視線に気づいてお菓子を口に詰め込んだエリスが首を傾げる。少なくとも緊張感はなくなっているようだった。
「まー油断しないようにいけば大丈夫だよ。盾役もコゼット君がフォローしてくれるしね」
「ん、まかせて」
親指を立てるコゼットに、アレクシアも倣って笑顔で親指を立てた。
「でも、思った以上に早く終わりそうね。これなら調査のほうも手伝えるんじゃないかしら?」
セリアの言葉にリーラ女史が嬉しそうに手を合わせた。
「本当? イレギュラーズは色々経験してるっていうから、その眼で気になることは色々見つけて欲しいかも!」
「まあ、そういうことなら」
「では、手早く残りを片付けてしまいますか」
「ちょっと待ってください! このクッキー全部食べちゃいますから!」
エリスがリスのようにクッキーを口に詰め込むのを笑いながら、イレギュラーズは残りのゴーレム達を処理しに向かうのだった。
●その先に待つのは……
イレギュラーズの安定した戦いは、小部屋の方でも遺憾なく発揮され、そう長い時間は掛からずにゴーレム達を倒すことに成功した。
調査チームは大いに喜び、早速遺跡の調査が開始された。
ひとまずの仕事が終わったイレギュラーズも、傷を癒やし身体を休めたあとは、この遺跡の調査を手伝うことにした。
自然会話などのスキルを駆使しながら周囲を探索する。
落ち着いて遺跡の広間を歩いて見ると、そこかしこに文化遺産となりそうな壁画や石像が並んでいるのがわかる。
古代人が残したかったものは何なのだろうか。歴史の深さを感じながら、イレギュラーズは手がかりを探して探索を続けた。
「うーん、やっぱり気になるのはこれよね……」
メモ片手にリーラ女史が唸る。
「何か気になる者でもありましたか?」
ドラマが尋ねると、リーラ女史は広間の奥の壁をなぞりながら言った。
「ここに書かれてる文字は、入口の仕掛け扉と同じ言葉なの。その形式もとても似ている……まだ先に道があるかもしれないのだけれど――」
そう言って周囲を探るように見るが、求めているものがないと頭を振った。
「扉を開く仕掛けが周囲にないのよね……」
「確かに、この壁の僅かな隙間から風の音が聞こえますね……仕掛けがどこかにありそうです」
超聴力で風の音を聞くシフォリィが言うと、リーラ女史は「そうなると……」と言って小部屋へと向かう。
「この小部屋には他の石像と僅かに違う石像があるの。反対の小部屋にもよ」
それは”剣をもたない石像”と”兜をかぶってない石像”だという。
「怪しいのはこれよね……安易な考えなら他の石像と同じようにすることだと思うのだけれど……」
どこかに都合良く丁度良いサイズの装備がないものか、と悩んでいるとイレギュラーズ達がポンと手を叩いた。
「さっきのゴーレムが色々装備してたよな」
「うん、武器と防具。それに骨」
「骨はともかく、武器と防具は怪しそうよね」
そう言って倒したゴーレムの残骸から装備を集めてくる。
「似たようなもので揃えられてるね……総当たりでもいいけどなにかヒントはないかな?」
アレクシアの言葉に沙月が考えながら、ハイセンスでいくつかの装備に共通点があるのを見つけ出した。
「これとこれ、それにこの辺も微妙に色が違いますね」
「おー、確かにですね。それに飾りの宝石もなんだか綺麗です」
エリスの言葉にリーラ女史は頷いて言った。
「それじゃこの辺りを総当たりで調べて見ましょうか」
「なにか起きると大変だから、退路は確保しようね」
コゼットに促されて、石像に装備をもたせるのはイレギュラーズがすることになった。
”剣をもたない石像”に剣を持たせる。予想通り剣はぴたりと収まった。
続いて、もう一つの小部屋へ行き、”兜をかぶってない石像”に兜を被せる。
「なにもおきないね?」
「一回で上手くいったらラッキーですね。もう少し組み合わせをいじってみましょう」
そして、何度目かの試行をしたところで――僅かに遺跡全体が揺れながら、地響きのような音を立て始めた。
緊張が走る中、広間へと戻ってみると――
「壁が空いた……って言えるのか?」
クロバが苦笑して言う。
視線の先、広間の奥の壁が”僅か”に開いていた。
「あらら、遺跡自体が古くなりすぎて仕掛けが壊れてしまっていたのでしょうか?」
「ナイフは差し込めるけど……ウンともスンとも言わないですよ!?」
これはなんとも残念な結果だとリーラ女史を見ると、リーラ女史は目を輝かせてこう言うのだ。
「フルラス遺跡はまだ先があるのね! これは絶対いかなくちゃ!
大丈夫、次は機材を持ち込んで、慎重にこの扉を開いてみせるわ! 絶対にこの先に行くんだから!」
と、まさに子供のようにはしゃぐのだった。
なるほど、この人はこの遺跡が本当に好きなんだなとイレギュラーズは笑う。
この先の道が開かれたとき、きっとまた依頼がくるだろう。
そんな予感を覚えつつ、イレギュラーズの安全確保はひとまず終わるのだった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
依頼お疲れ様でした。
MVPはセリアさんに送ります。連携がとてもよかったです。
依頼お疲れ様でした。またのご参加をお待ちしています。
GMコメント
こんにちは。澤見夜行(さわみ・やこう)です。
遺跡調査が始まるようです。
邪魔な魔物を倒して安全安心を確保しましょう。
●依頼達成条件
敵の全滅
■オプション
遺跡調査の手助けをする
●情報確度
このシナリオの情報精度はBです。
情報は全て信用できますが、情報にないことも起こったり発見できたりするかもしれません。
●遺跡について
迷宮森林に存在する遺跡の一つ。扉の先には広大な地下空間が広がり、歴史的な文化遺産が残っている。
リーラ女史の調べでは、遺跡はさらに地下へと続いてそうだが、新たな仕掛けを解除しないと進めないようだ。
小部屋の”剣をもたない石像”と”兜をかぶってない石像”が怪しいとリーラ女史は言う。
●敵について
侵入者を迎撃する魔物の群れ。数は二十五体。
五体で一つのまとまりになっていて、近づかなければ襲ってこないようです。
遺跡内の大広間に三グループ存在し、左右の小部屋に一グループずつ存在しています。
骨のようなものに石と砂で肉付けされ、武器防具を装備しています。
戦闘能力は並ですが、耐久値が高く、また防御技術に優れています。
数が多いのでスタミナとの勝負になるでしょう。
●戦闘地域について
深緑は迷宮森林東部のフルラス遺跡内での戦闘になります。
大広間に、小部屋が二つ。大きな石像や石柱が並びますが、文化遺産でもあるので障害物に使うのは避けた方がいいでしょう。
開けた場所なので、戦闘行動に支障は出ません。
また遺跡内は地下空間で暗いので、明かりは必須でしょう。
そのほか、有用そうなスキルやアイテムには色々なボーナスがつきます。
皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
宜しくお願いいたします。
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