PandoraPartyProject

シナリオ詳細

おもちスライム襲来!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 幻想、ローレットにて。
 新年を迎えて、休暇を取っていたイレギュラーズ達も再び動き出しており、情報屋もまた依頼の斡旋の為に参加メンバーを募る。
「今年もよろしくお願いいたします」
 『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)はローレットへとやってきたイレギュラーズ達へと、丁寧に頭を下げる。
 一通り挨拶を交わし合った後で、彼女は早速、困った問題が起きている場所があり、解決を願っている人々がいると話を持ち掛けた。

「幻想のとある街におもちスライムの群れが現れており、人々を襲っているそうです」
 新年始まって間もないというのに、群れを成して現れたのは白く伸縮性が異様に高い物体の群れ。
 一応、スライムに該当するモンスターなのだが、物質を溶かす力はなく、スライムの亜種とでもいうべき存在だ。
「ですが、この数日、大型のスライムを中心として街の人々へとぶつかって行ったり、建物を破壊したりなど危害を及ぼしているようです」
 大型は全長4m程。2段重ねになった鏡餅のような容姿をしており、ダイダイも自分の体を変化させて作っているらしい。
 そして、大型スライムは15体ほどの直径2~30cm程度の大きさをした楕円形のおもちスライムを従え、人々へと襲い掛かっているのだ。
「自我を持ってしまったこのおもちスライムは、魔物として本能のままに人を襲っているフシが見られます」
 それらは、街の外れの丘陵地帯に群がるように集まっている。
 そして、時折、街目がけて移動し、人々へと襲い掛かっては退き、襲い掛かっては退きを繰り返している。
 現状は些か面倒くさい相手といった状況だが、本格的に街へと侵攻してくる前に討伐しておきたい相手であるのは間違いない。

 そこまで説明したアクアベルは敵能力、戦闘場所については書面で手渡して。
「無事に倒したら、街の人と一緒に食べてしまうのもいいかもしれませんね」
 このスライムは倒すと、完全におもちのようになるそうだ。
 量もかなりあるので、被害に遭った町の人と一緒に食べてしまうといい。
 焼き餅、雑煮、ぜんざい、いそべ焼き、きなこ餅などなど。
 自分なりにアレンジして皆に振舞うのもいいだろう。
「それでは、よろしくお願いいたします」
 最後にアクアベルは小さく礼をし、改めて今年一年のご愛顧と、依頼の解決を願うのである。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
 2020年もよろしくお願いいたします。

 幻想のとある街におもちスライムの群れが強襲してきますので、全ての討伐を願います。
 ネタシナリオではありますが、判定はノーマル相応ですので予めご了承願います。

●敵……おもちスライム×16体
 溶かす能力はないものの、異常なまでの伸縮性を持ったスライムの変異主です。
 倒すことで、通常のお餅と同様に食べることが可能です。

○鏡餅スライム×1体
 全長4mほどあり、2段重ねの餅と上のダイダイを模した大型スライムです。
 その形のまま攻撃するだけでなく、自らの意思で大きく変形することが可能なようです。

・のしかかり……(A)物自範・窒息
・地響き……(A)神中域・乱れ
・とりもち……(A)神中範・泥沼・不殺
・お餅バレット……(A)神遠貫・連
・お餅うにょーん……(A)物近列・災厄

〇おもちスライム×15体
 直径25cm程度のスライム。だいたいバスケットボールくらいの大きさです。
 身体を変形させて直接体当たりしたり、手足に絡んでこちらの動きを封じたり、顔に張り付いたりして、攻撃を行ってきます。

〇場所
 とある幻想の街の外れにいつの間にか現れたおもちスライム達が群がり、街へとちょいちょいちょっかいを出してきている状況です。
 街はずれの丘陵地帯となっていて中心に街道が整備されております。
 所々に木々や草むらがありますが、基本的には見通しの良い場所です。

 事後、討伐したおもちスライムは水で洗ってからつき直して、普通のおもちと同様に食べることが可能です。
 折角なので、街の住民と一緒に炊き出しのようにして、お餅を食べてみてはいかがでしょうか。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • おもちスライム襲来!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年01月26日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ポテト=アークライト(p3p000294)
優心の恩寵
ジル・チタニイット(p3p000943)
薬の魔女の後継者
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
美咲・マクスウェル(p3p005192)
玻璃の瞳
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長

リプレイ


 ローレットから派遣されてきたイレギュラーズはまず、今回の敵から被害に遭っている街を通過する形で現地へと向かう。
「リハビリがてら、と思ったんだが。結構厄介そうな奴らだな」
 黒く長い髪を纏めた『ディザスター』天之空・ミーナ(p3p005003)は仲間達が準備を整える間に街の人から話を聞き、そんな印象を抱く。
 この街は現状、おもちスライムなるモンスターの度重なる襲撃によって、疲弊してしまっていた。
「そんな危険な状態じゃ、いつ街が壊されたり、人死にが出たりしちゃうか、わからないよね……」
 長いアホ毛とふさふさの狐耳・尻尾を持つ『楽しく殴り合い』ヒィロ=エヒト(p3p002503)も表情を陰らせてしまう。
「お餅なスライムが街を襲って来たら、住民がお餅を嫌いになってしまうかも……」
 灰色の神の幻想種、『遠足ガイドさん』レスト・リゾート(p3p003959)はそんなことになったら、きっとお餅屋さんが悲しむとマイペース思考である。
「自我を持ってしまった、ねぇ」
 虹色の魔眼を持つ黒髪女性、『魔眼の前に敵はなし』美咲・マクスウェル(p3p005192)が息をつく。
 事情を聞く限り、数日で死者なし。
 早めにそのおもちスライムを止められれば良いのだが、原因を探るにしても混沌では日常的に妙なことが起きてしまうようである。
「……気にしないでおこう」
 ただ、そんな美咲の一言を、『蒼蘭海賊団団長』湖宝 卵丸(p3p006737)は別の意味で捉えていたようで。
「街や人々に被害が出ているなら、正義の海賊としては見過ごしておけないから……」
 そこで、仲間の視線に気づいた卵丸は顔を真っ赤にして。
「べっ、別に後で食べるお餅に、釣られたわけじゃないんだからなっ!!」
 彼はツンとした態度で、そっぽを向いてしまっていた。
 それはそれとしてと、ゆるふわな金髪の樹精、『優心の恩寵』ポテト=アークライト(p3p000294)は顎に手を当てて。
「スライムなのにお餅……。しかも、食べられる……相変わらずこの世界は不思議がいっぱいだな」
 混沌という世界の実状に、興味が尽きないポテトである。
「討伐しただけ御馳走が出来るって、とても素晴らしい事だと思うっすよ!」
 蒼白な肌、額の上部に2本の角を生やす『シルクインクルージョン』ジル・チタニイット(p3p000943)はすでにお腹がぺこぺこなのか、揚げ餅の料理ときなこ餅が食べたいっすと要望を口にする。
「とりあえず、今はおもちスライムを倒そう」
「誰も悲しまない為に……そして、お餅を美味しくいただく為に頑張りましょうね」
 改めて、被害を及ぼす敵の討伐に意欲を燃やすポテトの言葉を受け、レストは仲間達にも同意を求める。
 すると、一通り街での用事を済ませた美咲が改めて一言。
「さ、つきまくりにいきましょか」
「絶対、ボク達の手で止めよ!」
 そんな彼女に懐いているヒィロもまた、大きな声で意気込んで見せるのだった。


 さて、町の人に食材調達を進めていた美咲。
 同時並行で、ヒィロが町の人達に不安なく心明るく待っててもらう為に炊き出しの話をして、お餅の食べ方の希望や準備をしてもらおうと元気づけていた。
「それじゃ、丘へ出発ー!」
 改めて、ヒィロの一声で街を発つメンバー達は、街道を歩いて丘を登っていくと……。
 そこには、白く丸い物体がいくつも飛び跳ねていた。
「ああ、なんて美味そうなスライムだ」
 その光景に、狼の獣種である『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)が思わず口元を拭いそうになる。
「全身が餅でできているなんて、俺に食ってくれと言わんばかりじゃあないか」
 ただ、目の前のモンスターを食べ物と捉えるジェイクに対し、ミーナは思うことがあったようで。
「……え、服溶かさないの? お前それでもスライムなの? 可愛い女の子の服溶かすのがスライムだろ?」
 そんな彼女の声を感知してか、こちらへと近づいてくるおもちスライム達。
 さらに、その後方から鏡餅を思わせる大型のスライムの姿が。
 敵の出現を受け、イレギュラーズ達はチームを鏡餅班と通常のおもち班2つに分け、立ち回り始める。
 鏡餅班、レストは仲間や鏡餅から距離を取ると、ジルもまた近接攻撃を受けないところまで下がる。
 その鏡餅班、敵の引き付け役となるのは……。
「……ヒィロ、でっかいの抑えておいてね」
 そう言われた美咲の手をぎゅっとにぎり、大きく頷くヒィロだ。
「頑張って抑えておくから、早く倒しに来てね、美咲さん……」
 美咲の温もりで勇気をもらったヒィロにとってはこれで百人力。
「これなら絶対負けないよ! えへっ」
(私がそっちなら「別に、倒してしまっても構わんのだろう?」とか言うとこなんだけど)
 そんな胸を張るヒィロに、美咲は安心して抑えを任せるのである。
「さあ、皆で餅パーティーと洒落込もうぜ」
 ジェイクが両手に拳銃を握ると、おもちスライム達も一斉に応戦態勢を取って飛びかかってくる。
「おもちスライム達をやっつけて、皆でおもちを食べるんだぞっ!」
 敵を前に卵丸は思わず本音を漏らしつつ、腕に特製のパイルバンカーを装着して接敵していくのである。


 ぴょんぴょんと地面を跳ねて飛んでくるおもちスライム達の駆除へと乗り出すイレギュラーズ達。
 ただ、その背後の鏡餅スライムが障害になると判断したメンバー3人が接敵し、抑えに当たる。
「さぁ、かかってきなよ!」
 威風放つヒィロがお餅バレットを発射してくる鏡餅を引きつけつつ、小さなおもちスライムから引き離し、そちらの対処班がスムーズに撃破できるようにする。
 そのヒィロの為、レスト、ジルが回復支援に動く。
「楽しいお餅ぱーちーの為に……ここで怪我をさせる訳にはいかないわ~」
 鏡餅の攻撃に直接巻き込まれぬよう移動するレストは、調和の力を使って体力回復をメインに立ち回る。
 加えて、ヒィロの体力が万全であれば、レストは鏡餅に簡易封印を施してその力を封じようとしていたようだ。
 だが、鏡餅スライムもそう簡単には力を封じられはせず、自重で地面を叩きつけてきた。
「御馳走が待ってるから、気張って下さいっす!」
 近接攻撃を食らわないようにと一定の距離を保つジル。
 とはいえ、序盤は鏡餅スライムの広範囲攻撃が及ぶこともあり、加えて近場にいるおもちスライムの攻撃にも巻き込まれてしまう。
「お餅パックは勘弁して欲しいっす!」
 顔を「盾看板」でガードして最低限の視界を確保しつつも、ジルは恐怖を打ち払う術を使い、仲間達が万全な状態で戦えるよう努めていた。
 そんな中、ヒィロが再度威風を放つと、鏡餅は彼女に注意を払い、近距離からの体当たりや身体の一部を伸ばしての締め付けなどを始めていた。

 飛び回る小さなおもちスライムは、ポテト、ジェイク、ミーナ、美咲、卵丸の5人が当たる。
 攻撃の起点となるのはミーナだ。
 死神である彼女は、光を飲み込む闇の領域を展開して。
「さあ、私の領域に入ってきな。喰らってやるよ、お前らの魂を!」
 おもちスライムは声を理解することはないだろうが、その振動に反応して群がってくる。
 ミーナの方へと集まる敵を他メンバーが纏めて倒す形だ。
「掛れ希望の虹の橋……必殺、蒼・海・斬!」
 虹の如き七色を「キルデスバンカー」に纏わせた卵丸は、一直線に虹色斬撃を飛ばす。
「てめえ等全部、喰らいつくしてやるぜ!」
 ジェイクはミーナから注意の逸れたおもちスライムへと弾丸を放つ。
 それは牽制の一撃。ジェイクは若干かするように調整して狙撃し、ジェイクは自分達の方へと注意を向けるようにする。
「攻撃手全員が『自分が全部倒す』くらいの勢いでやれば、きっと早いよ」
 美咲は青い衝撃波でフリーになったおもちスライムを吹っ飛ばし、位置を調節していく。
 そんな仲間達の回復には、ポテトが当たって。
「おもちの特性なのか、スライムの特性なのか、よく弾むし良く伸びるな……」
 ポテトはおもちスライムに動きが束縛されぬように。とりわけ顔に張り付かれないよう気がけて、回復が必要となる仲間の状態の見極めに当たっていた。
 その後は、比較的順調に数を減らす。
 近場の敵にミーナが手に生み出した虚無の剣で切りかかり、ジェイクが鋼の驟雨を浴びせかけて纏めておもちスライムを無力化していく。
 美咲も茨を形作る腐食結界『ラヴィアンローズ』で纏めて敵を捉えて弱らせていくと、ミーナが魔力を纏わせた拳を叩きつけて相手をただの餅へと化していく。
「串団子の様に貫き通す!!」
 おもちスライムを貫通していく卵丸だが、やはり彼もまた顔へと張り付いてくる敵には警戒して。
「卵丸の顔を狙うなら、食べられる覚悟で来るんだぞっ」
 彼が思いっきりおもちスライムの体を噛み千切ると、驚いたそいつは思いっきり跳び上がってしまっていた。


 飛び跳ねるおもちスライムは奇襲で動きを封じられる危険もあるが、丁寧に対処すればなんてことはない敵だ。
「まだまだ倒れる訳には……いかないんでなぁ!」
 仲間を巻き込まぬよう、再度ミーナが闇の領域を展開すると、釣られてやってきた敵目掛け、美咲が虹の魔眼を煌めかせて体力気力を奪いつくしてしまっていた。

 おもちスライムを全て倒した5人はすぐ、鏡餅スライムの抑えを行う3人の方へ向かう。
 基本的にはヒィロがうまく抑えてはいるが、途中、レストが近づいてくる鏡餅スライムの強烈な体の叩きつけを受け、パンドラの力を使ってしまっていた。
「油断大敵とは言ったものね~」
 そんなおっとりマイペース口調のレストだが、傷は浅くない。
 自らに調和の力で傷を塞ぐだけでなくレストを気遣い、ジルも自身の力を回復魔力へと転化して彼女の傷を塞ぎに当たっていた。
 そこに駆けつけるポテトもまた、抑えに当たっていた3人をメインにおもちスライムを相手にしていた仲間を含め、神聖なる救いの音色を響かせて回復に動く。
「食いでがありそうな餅じゃねえか。とっとと終わらせて皆で餅パーティーだ!」
 力ある鏡餅スライムへとジェイクは奈落の呼び声を発して戦いの流れを変える。
 さらに、卵丸も援護すべくまずは虹の斬撃で様子見して相手の攻勢を削ぐ。
「思ったより硬くはないんだぞ」
 攻撃はおもちスライムと同じように通ると判断した卵丸は、「キルデスバンカー」の杭を打ち込み、鏡餅スライムの護りを穿っていく。
 すかさず、ジェイクが鋼の銃弾を鏡餅スライムの巨体へと浴びせかけ、体力を削っていた。
 立ち回りながらも、攻撃を繰り返し、丁度いい立ち位置へと動いていくメンバー達。
 序盤から鏡餅スライムの抑えに当たっていたヒィロは後方に美咲の存在を確認し、改めて鏡餅スライムの正面へと立つ。
「来なよ、勝負をかけるよ!」
 威風堂々と相手に呼びかけるヒィロへと身体を大きく変形させてくる鏡餅スライム。
 相方である美咲がここぞと最大火力を狙って。
「ほんとはつきたてでやるものじゃないけど、鏡割りくらいの気分で!」
 虹色の虹彩で、彼女は殺意を込めた視線で鏡餅スライムを捉える。
 だが、思った以上にしぶとい鏡餅スライムは正気に戻り、自らの周囲へととりもちを仕掛けてくる。
 とはいえ、全身がぼろぼろになり、鏡餅の姿を維持するのがやっとになってきていた敵の最後の抵抗といったところ。
 飛び込んできた卵丸がバンカーを大きく振りぬいて。
「貫き通せ、音速を超えた鏡開きの一撃なんだぞっ!」
 音速の一撃によって、大きな穴を穿っていく。
 ついに、鏡餅スライムはその場へとぺちゃりと潰れ、動かなくなってしまった。
 トドメこそ卵丸に譲る形となったものの。強烈な鏡餅スライムの攻撃に耐え続けていたヒィロは後方の美咲へと飛び込んで。
「美咲さん! ボク頑張ったよー!」
 そんな可愛らしい彼女の頭を、美咲は優しく撫でるのだった。


 全てのおもちスライムを倒して……。
「お疲れ様……だけど、運んでつき直すお仕事もあるからね?」
「集めて洗って、お餅パーティーだな」
 美咲はまだまだ仕事が残っていることを示すと、ポテトが早速手近なおもちスライムの残骸を拾っていく。
 応じた卵丸も集めていくのだが、おいしそうなお餅に彼は自然に顔を緩めてしまって。
「……べっ、別に卵丸お持ちに気を取られてなんか」
 ぐううううううう。
 お腹を鳴らしてしまい、卵丸はお餅を持ったまま顔を真っ赤にしてしまっていた。
「もちってさ。私は焼いてから砂糖醤油派なんだけど……」
 ミーナもさっきまで動いていたおもちスライムの残骸を餅と割り切って集めながら、仲間へと問いかける。
「皆は何で食う派? ……ってかよく考えたら、この世界。餅あったんだな……」
 旅人であるミーナはお餅の存在しない場所を巡っていたことも多かったのか、少しばかり嬉しそうにしていたようだ。

 おもちスライムを街へと運び、材料を購入したイレギュラーズ一行。
「おいしいお餅一緒にどうっすか? 倒したてっすよ!」
 ジルの呼びかけに応じた町の人達と一緒に水洗いなどで餅を洗い、町の人達と一緒にぺったんぺったんとお餅をついたメンバー達は早速調理開始。
「第2ラウンド、餅パ!」
 楽しそうに美咲はまず、磯部、安倍川、蓬餅と調理に当たる。
 胡桃餅に砂糖醤油ダレの揚餅も美味しい。
「薄くして餅ピザもいいな……どんどん食べてね!」
 調理に時間のかかるものを作る間、比較的簡単に作れる品を美咲は仲間や街の人達へと振る舞う。
 ポテトは自身のギフトで野菜も育て、仲間が用意したものと合わせて野菜がたっぷり入った雑煮を作る。
「焼いたお餅を入れると美味しいぞ」
 ということで、仲間が焼いた餅を投入し、いただく形だ。
「やっぱり、餅料理といえば雑煮だろ」
 ジェイクがそちらに興味を示し、早速いただく。
 その味を明日への糧とすべく、噛み締めたジェイクはお代わりもしていた。
「おばさんはミントアイス大福を作ってみるわ」
 レストはつきたてお餅に、ミントシロップを混ぜてこねこね。綺麗な青緑色に変色していく。
 次に、牛乳、生クリーム、卵、ミントシロップを温め、ボウルで温め、ボウルを氷と塩で冷やしてミントアイスを作る。
 ミント餅でミントアイスをやさしく包めば、ミントアイス大福の完成だ。
「ミントシロップを多めに入れて清涼感マシマシなの。スースーするでしょ~?」
 一風変わった食感を楽しむことができる一品。
 レストは取り出した種をギフトで瞬時に成長させ、綺麗な花を咲かせて花畑を造ってみせた。
「さあ、お花見お餅ぱーちーの開始よ~」
 こちらは街の人々にかなり好評で、この時期には珍しい花を愛でながらお餅の美味しさに舌鼓を打っていた。
 さらにポテトもお餅を焼き、既に作られている磯部、黄粉といった他の仲間が作っていない味を楽しめるようにする。
「砂糖醤油にバター醤油……ちょっと変わった所で蜂蜜バターなんてどうだろう」
 あまり食べない味わい方に、町の人達も新たな発見をしながらお餅を楽しんでいたようだ。
「ボクいーっぱい食べちゃうんだ!」
 続き、揚げ餅、汁粉と美咲が作る間、ヒィロは幸せそうに彼女の傍で調理に励む。
「ヒィロ、今日の一番は?」
 また何かお気に入りの品を作るという美咲に対して、ヒィロは彼女が作る手作りの品ならば何でもと笑顔を浮かべて。
「今日頑張った自分へのご褒美だもん……えへっ」
 大切な美咲と一緒に食事という至福の一時を味わい、ヒィロはとても幸せそうだった。

「んふ、皆のお餅料理も、とっても美味しいわ~」
 レストもある程度調理を済ませれば、はむはむ、むにゅーんと伸びるお餅を楽しそうに食べる。
 ジルもそれらのおもち料理を一通り口にしていく。
 どれもこれも、おいしそうなので、食べ過ぎ注意と自制も考えるジルだったが……。
「うーん、お仕事後のお餅は美味っす! お代わりっす!」
 とはいえ、命の恵みは大切だと考えるジルは、食べ残しなんて駄目だと考え、全部完食していく。
 運命消費も辞さないという覚悟で食べていた彼女だったが、さすがにそこまではいかなかったらしい。
「これほど美味い餅なら、恋人も喜ぶに違いない」
「あ、私も家族に少し持って帰っても良いだろうか?」
 ジェイクが土産にとパック詰めを頼むと、ポテトも夫や娘にも食べさせたと持ち帰りを希望していた。

 これだけ食べても、まだまだ食べきれない量のお餅。
 この餅パーティーで食べられなかった分は保存食となり、長く街の人々に愛されることとなるのだった。

成否

成功

MVP

ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPは鏡餅スライムの抑え
相方とのコンビネーションなどといった活躍からお送りさせていただきました。
今回はご参加、ありがとうございました!

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