PandoraPartyProject

シナリオ詳細

餅つけもちもち!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●餅つき要員募集中☆彡

 餅つきとは?
 モチと呼ばれるモンスターをボコボコにすること。ダメージを与えれば与えるほど良質の餅になるとされる。

「……だ、そうだが。貴殿らの反応からすると、どうにも一部の常識とは異なっていると見た」
 苦笑を浮かべる『焔の因子』フレイムタン(p3n000068)の言葉にイレギュラーズたちはブンブンと頷く。どう考えても常識とはかけ離れていた。
 だって普通だったら、餅といえばもち米だろう。蒸して杵と臼でついて出来上がるもの。何をどうしたらモンスターになるというのか。
 だがしかし、いやこれが正しいだろうと彼らを怪訝な顔で見る者もいることにはいる。元からそうであった旅人(ウォーカー)や、この世界で生を受け育ってきた者だ。
 彼らからすればこれこそ常識。むしろもち米って何だという気持ちかもしれない。
 何はともあれ、依頼だ。餅つき(戦闘)要員募集である。
「このモチというモンスターだが、数が多いらしい。見つけることは容易だそうだ」
 この辺りらしい、とフレイムタンは羊皮紙のメモを見せた。具体的な出現ポイントらしいが──多いな。結構書いてあるぞ。
 全ての場所へ向かうのなら手分けする必要があるだろう。大人数募集かと視線を上げてみれば、募集枠はなんと8名。
「量はいらない、と。ただ手分けする必要はあるな。出現する場所によって餅の味が変わるらしい」
 8名で達成できる依頼なのだろうか、それは。
「ああ。我も同行するよう頼まれている。……年の暮れに」
 首を傾げながら告げるフレイムタンにイレギュラーズたちも思わず首を傾げてしまう。年末に依頼の打診があったということだろうが、なぜ彼は首を傾げているのか。
 その視線に気づいたのか、フレイムタンが視線を移した。その先はローレットのカウンター。腰かけているのは蔓薔薇を身にまとわせた少女──『Blue Rose』シャルル(p3n000032)だが、その表情はいつになくぼんやりとしている。
 彼女が表情豊かになってきたのは、実は昔の話と言うわけでもない。召喚されたばかりの頃を知る者ならば最近のシャルルを見て驚くかもしれないし、たった今のシャルルを見たら「昔のようだ」と思うかもしれない。
「いつもならブラウがいるのだがな」
 フレイムタンの言葉にはっとするイレギュラーズたち。そういえば最近、ひよこの姿をトンと見ない。あの愛らしく、微笑ましい目で──時には食欲にまみれた視線で──見られているひよこを思い出してそちらを見たのか。
 シャルルは最近抱えていたモノがいないとあって、どことなく身に力が入らないという雰囲気だ。彼女から視線を外し、フレイムタンはイレギュラーズと羊皮紙へ目を向ける。
「わざわざ年明けの依頼に関して話すので、何事かと思ったのだが……予定か何かなのだろうな」
 1人頷くフレイムタン。まさか彼に「ひよこはネギマになったかもしれません」などとは……言えまい。

GMコメント

●成功目標
 餅つきをしよう!
 餅食おう!!

●餅つき
 モチというモンスターがいます。とてもとても弱いです。子供でも倒せます。
 今回は倒すことが目的ですが、より正確に言うなら『オーバーキルするくらい攻撃をぶちかます』です。
 およそ10秒(1ターン)に加えたダメージによって餅のモチモチ加減が変わります。
 周囲には配慮して攻撃しましょう。
 納品指定数は各場所につき20個です。

●モチ
 みょーんみょーんと飛び跳ねる白い物体です。前後左右の区別はつきません。
 一応体当たりしてきますが、子供が受け止められるくらいにソフトです。柔らかく優しい。
 餅へ変わると同時に、くっつきにくい殻へ閉じこもります。そのまま運べます。殻はトンカチなどで割ることが可能です。

●餅食おう
 本依頼では指定数以上の餅を持ち帰ることが可能です。
 余分な餅はローレットに持って帰ってきて皆で食べることができます。持ち帰りは可能ですが、アイテムにはなりません。
 こういうの食べたい! とありましたらプレイングに書いておくと良いかと思います。

●出現ポイント
・幻想南部の草原地帯(味なし)
・ラサの首都付近(きなこ)
・深緑西部の森(ずんだ)

※カッコの中はモチが餅になった時の味です。
※それぞれ地図が用意されているので迷いません。大量発生しているので好きなだけとってきてください。

●注意!
 1人1箇所にしか行けません。いくつも行くと時間が足りないからです。
 なお、最後に持ち寄って食べるときは交換こして大丈夫です。

●NPC
 フレイムタン(p3n000068)が同行します。イレギュラーズほど強くはありませんが、そこそこ戦えるという認識でいてください。イレギュラーズの指示には基本従います。
 また、『Blue Rose』シャルル(p3n000032)もローレットの場でのみ登場可能です。こちらは完全に『交流専用』のような登場の仕方になるため、皆様からプレイングで指定がない場合は登場しません。

●ご挨拶
 愁と申します。
 皆さま、餅は食べましたか? 私は雑煮に入ったくたくたの餅が好きです。磯部も好きです。今年も食べました。美味しかったです。
 相談の際は誰がどこへ行くかの他に、こんなもの作るよ! こんな餅食べたい! というお話をするとプレイングを書く時に楽しい……かもしれません。
 それではご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

  • 餅つけもちもち!完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2020年01月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
激情の踊り子
メイメイ・ルー(p3p004460)
あたたかい笑顔
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
美咲・マクスウェル(p3p005192)
あの虹を見よ
城火 綾花(p3p007140)
Joker
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
マスコットのワモ口
コルウィン・ロンミィ(p3p007390)
靡く白スーツ

リプレイ

●深緑西部の森にて
「ふむ……」
 一拍起きながら、『靡く白スーツ』コルウィン・ロンミィ(p3p007390)は小さく眉を寄せる。その視線の先にあるのは依頼書だ。
(モチというものはこのように手に入れるものなの、か?)
 仲間たちの反応を見る限り、そうであるようなそうでないような。出身世界によって異なるのだろう。
 まあ、ここはほら。混沌だから。割となんでもアリだから。
 半ば無理やり自らを納得させたコルウィン。傍らへ「よろしく頼むぞ」と声をかけると、やる気いっぱいな『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)が力強く頷いた。
「はいですの。この悲しみを、甘そうな『ずんだ』に、ぶつけてやりますの!」
 彼女の悲しみとは──それはほんの少しだけ時を遡る。

「わたしは、ずんだに、いってみたいですの!」
 メンバーが決まり、最初に希望を述べたのはノリアだった。何せ──海育ちの彼女にはとても悲しい特性が1つあったから。
「ちょっとやそっとの塩味なんて、あたりまえのことすぎて、あまり感じないですの!」
 ほんのちょっぴり眉尻を上げるノリア。彼女にとっては大事な、とても大事な問題だった。
 海はしょっぱい。塩水なのだ。そこに暮らしていた者として、塩なんて陸で暮らす者の水と同じくらいに当たり前。ノリアにとって、陸で出てくる食事は"塩味"という味気ないものが多いのだろう。
 ──ここで『つるんとしたゼラチン質のしっぽ』が彼女の特性だろうと思った者は決して、そう決してゼロではないはずだが黙っておこう。
「ずんだは甘そうですの。わたしも、美味しく食べられるはずですの!」

 こうして、ノリアはずんだモチ狩りに来たのだった。
 コルウィンとともに歩いていると、遠目にみょんみょんと跳ねる白い物体が見え始める。2人は目配せするとそれぞれ動き始めた。

 コルウィンは見つけられないよう、木々に隠れる。
 対してノリアは見つけられるよう、隙だらけにフヨフヨと空中を泳いでいく。

 さて、モチがどこから五感を得ているのか定かではないが──うぞうぞとモチたちはノリアの方へ近寄り出した。みょーんみょんと優しいボディタッチを受けながら、ノリアは戦っても大丈夫そうな場所を探す。
(柔らかいですの。そしてたくさん、たくさんいますの)
 これなら一気にノルマ達成できそうだ、とノリア。合図をすると隠れてついてきていたコルウィンが姿を現す。
「どうぞですの」
 ノリアが差し出したのはふしぎな貝殻。海の中で拾っていたそれは、コルウィンの力を加護により底上げする。自らも握りしめたノリアはぐっと前を見据えた。
 みょんみょーん、ぽよんぽよん。
 気の抜けるような音と実際に気の抜ける体当たりを受け終えて、ノリアはひらりと舞い上がる。そう、人がちょうどジャンプしたくらいの高さまで。
「いきますの!」
 放つは体内に貯水された海水。勢いの良い水鉄砲にモチたちが地面へ叩きつけられる。その中心へ飛び込んだコルウィンは武器を大きく振り回した。
「そらぁッ! 美味いモチになるがいいッ!」
 急ぎ離脱したノリアの後を暴風が吹き荒れる。モチたちはその風に巻き上げられ──。

「コルウィンさん、やりましたの!」
 嬉しそうなノリア。周囲にころんころんと眉のようなそれが転がる。殻に閉じこもったずんだモチだ。
「ああ。この調子でもっと手に入れたいな」
 コルウィンは頷いてザックへモチを回収していく。自分も持とうと拾い、懐にしまおうとしたノリアは彼に待ったをかけられた。
 彼女は囮になり、攻撃もしている。モチまで持たせるわけには行かない、と。
「そこまでやらせたら俺、ノリア嬢の旦那さんにぶちのめされても仕方ないから持つよホント」
 かの姿を思い出し、苦笑いを浮かべるコルウィン。『旦那さん』の言葉に小さく頬を染めたノリアは、じゃあお願いしますの、と彼へ任せることにした。


●ラサの首都付近にて
「バベルがおかしくなっちゃったのかな」
「知ってるのと何か違うんだよね……」
 揃って首を傾げる『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)と『Joker』城火 綾花(p3p007140)。不思議そうに『焔の因子』フレイムタン(p3n000068)が目を瞬かせる。
「……これは混沌のごく一部にしか生息しない、ということか」
「あたしの所では違ったんだよ」
「うーん……あ、」
 依頼書をじっくり見て『いつもの混沌不思議生物シリーズだ』と納得した焔。このモチは知らないがこの流れはよく知るものである。綾花も頷く。
「こういう正月もあるって事で、うんうん」
 混沌という実に雑多な世界だ。それはそれ、これはこれ。地域によって異なるなんて珍しいことじゃない。
 目的地へ向かう綾花の手元でコインが跳ねる。出た面は──表。
 たかがコイントス、かもしれない。それでもここで引いている運気に任せてみたくもなるもので。
「焔さん、フレイムタンさん! あたし、ちょっと身勝手だけど運試ししてみたいんだよ!」
「運試し?」
 聞けば、綾花の戦闘スタイルはまさにギャンブラー。大成功か大失敗が多くを占める。美味しいモチを作るか、はたまた倒せないか──そんな賭けに出たいのだと。
「我は構わない。焔は?」
「ボクも良いよ! 合流したら全員で集中攻撃とかしてみようか?」
 頷いた焔はふと目を瞬かせ、フレイムタンを見る。その視線に気づいた彼はどうした? というように首を傾げてみせた。
「──ううん、なんでもない!」
 そう告げる口元はほんの少し、上がっていた──かもしれない。

 みょん。
 みょんみょんみょん。ぽてっ。
「これがモチ……この前かまくらで食べたのも元々はこんな風だったのかな」
 優しい体当たりを受けながら焔はモチを見下ろす。以前のあれかと頤に手を当てたフレイムタンはモチを見下ろした。
「……かもしれないな。こうして生きている姿を見ると、不思議な心地だ」
「ね。でも、もちもちした感じで結構可愛いかも」
 あっちはどうかな、と綾花の方を見る焔。綾花は1匹のモチと対峙していた。
 放たれるソウルストライク。彼女は運気を──引き寄せた。
「やったんだよ!」
 砂漠にころりと転がる白い繭。拾い上げた綾花は「ここに集めておいていい?」と焔たちに問うた。
「うん、いいよ! フレイムタンくん、ボクたちも頑張ろう!」
「ああ。まずは……あのモチから倒そう」
 示されたモチへ2人で攻撃を加える。着々とモチを倒していく中、途中で綾花も合流して。
「いくよっ!」
 フレイムタン、綾花と続いて焔の攻撃。槍の先端に炎の力を込め、モチに突き刺した──ところで、ふと。
(あれ? もしかして爆発できな粉が舞っちゃう?)
 思い至った直後、ボフンとモチが爆ぜる。殻に閉じこもる直前のきな粉が舞って3人へ襲いかかった。
「ごほっごほっ」
「うう、口の中がパサパサするんだよ……」
「けっほけっほ、うぅ、ごめんね」
 次からは気を付けなければ、と反省しつつ目を開ける焔。きな粉は舞ったものの、モチはちゃんと倒せたようだ。
「納品数までだいぶかかりそうだ」
「皆で食べる分も合わせると30個くらいは欲しいし……いくらかまとめて倒しちゃった方がいいかも」
 美味しさと、余力と。3人はそれらのバランスを取りながら、順調にモチを倒していったのだった。


●幻想南部の草原地帯にて
「餅つきの季節、です、ね」
 頬をふわりと染め、ワクワクとした様子の『さまようこひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460)。そこまで量は必要なさそうだが、たくさん持ち帰れたらその分食べられそうだ。
「ブラウへのお土産分も餅を手に入れれるよう頑張るぞー!」
 『海のヒーロー』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)はやる気満々。珍しくギルドを不在にしているひよこにも分けてあげられるくらい、たくさん持って帰るのだ。
「やっぱ餅はプレーンなのに好きな味をつけるのがいいよな!」
「はい……焼いてよし、煮てよし。好みのタレをかけてもよし……乾かしてから、揚げても、美味しいです」
 調理法を指折り数えるメイメイにわかってるじゃねーかとワモンがにっかり笑う。そんな彼の姿もほんのちょっぴり──おもちっぽいかも、なんて。
「……あ、ワモンさま、むこうに……モチが、たくさんいます、よ」
「よっしゃ行ってみよーぜ!」
 ファミリアーの視界を頼りに草原を歩く1人と1匹。やがてみょんみょーんと跳ねる白い物体を発見した。さあ、モチ狩りの時間である。
 メイメイのアタックオーダーがモチに襲いかかる。その間に群れへ接近したワモンは宙を舞った。
「オイラはアシカじゃねえ! アザラシの──ワモンさまだ!!」
 叩きつけられるアザラシパワー。殻に閉じこもった2匹、いや2つのモチをメイメイは拾ってリュックに詰める。
「メイメイ、次行くぜ! どうせなら少しでも美味い餅にしたいもんな!」
「はい。たくさん、持って帰りましょう……!」

 もうそんな時期なんだね、という『仲良し』ヒィロ=エヒト(p3p002503)の言葉に『仲良し』美咲・マクスウェル(p3p005192)が視線を向ける。
「餅つきは年明け後なのね。私のいた地域だと、年末のうちに準備するの」
 気にするほど大きな違いではないけれど、こういった違いを知ると面白い。ヒィロもそうなんだ! と驚きの声を上げて。
「じゃあ美咲さんにとっては新鮮な感じかな? 一緒に頑張ろっ!」
 モチつきも料理も、彼女となら百人力。餅だっていつも以上に美味しくなりそうだ。
 モチたちを見つけると、すでにメイメイとワモンがモチ狩りを始めている。彼らのモチも合わせて数えるから、納品目標の半分以上をこちらで集められれば良いわけだ。
(美咲さんの全力を叩き付けてもらって最高のモチつきにするためにも、きっちり下準備しないとねっ)
 ふんす、と気合いを入れるヒィロ。その姿にモチがみょんみょんぽてんと纏わりついてくる。そんなモチたちを1列に並ばせて、ヒィロは隣を振り返った。
「美咲さん、準備OK?」
「ええ、いつでも」
 美咲が頷き、それじゃあとヒィロはモチの方を見る。モチは何かが始まるのか、とぽよぽよ跳ねて伺っているが──。
「──これがボク得意の「モチこね」、興奮(怒り)と恍惚で極上極楽のヘブン状態にする究極の合いの手だよ!」
 ヒィロの放つ威風に巻き込まれるモチたち。彼女に合わせ、美咲を中心に死滅結界が形成された。
「攻撃集中、全力攻撃……いけ! ラヴィアンローズ!」
 それは正確にモチだけを絡みとる。瞬く間にいくつもの繭が転がった。
 何度か連携を繰り返し、数の目処がついたところで狙うのは美味しさを追求したモチ。
「これは歴戦のモチツキストのボクにも未知の領域……!」
 さしものヒィロもドキドキしながら、先に威風を仕掛けておく。いくわよ、と美咲が目を伏せて──開いたら開始の合図だ。
 美咲が殺意のこもった魔眼で視線を刺すと同時、ヒィロは動き出す。全力を込めた雷撃がモチへと叩きつけられた。
「まさか、魔眼の力で餅つきすることになろうとは……まさに『私の目をしても見抜けなんだ』ってヤツだわ」
 ころんと転がる繭を拾い上げる美咲。はてさて、このモチはどんな味がするのだろう?


●餅パーティ!
「シャルルちゃんの分もとって来たから一緒に食べようよ!」
「……いいの?」
 目を瞬かせる『Blue Rose』シャルル(p3n000032)。イレギュラーズたちに近づいてくる様子はやはり、少し元気が無さげだ。
(元気づけてあげられたらいいんだけど……)
 かのひよこが帰ってくれば最も良いのだが、焔も彼の行方は知らない。きな粉餅に海苔でブラウの顔を作ってみようか?
「フレイムタンくん」
「どうした?」
 しーだよ、と人差し指を口元に当て、彼の耳にゴニョゴニョゴニョ。話を聞いたフレイムタンは小さく頷いた。
 一方、シャルルの元にちょこんと現れたのはワモン。あざらしたんぽが丁度よく温い。
「今頃あいつはオイラに負けず、ヒーローかつどーしてるんだぜ!」
「……ヒーロー??」
「おう、ヒーローだってことは誰にも言えねーからな! ブラウが何も言わなかったのはそういうことだぜ!」
 そうなんだ、と何とも言えない顔をするシャルル。ブラウとヒーローが結び付かないが、ワモンの言う通りなら納得できてしまうのだ。
「ほら、どれ食べるんだ? 味なしは色々とできるぞ!」
 な、メイメイと促されて彼女が頷く。彼女だけでなく、ヒィロと美咲もすでに調理へ取り掛かっていた。
「餅はあまり食べてこなかったから、どういう味付けがいいかよく分からないんだ」
 何があるの? と問う綾花。ワモンはシャルルの膝から飛び降りて、早速出てきた餅を指す。
「オイラのおすすめはこいつ、海苔で巻いて食べるやつだな! 確かイソベー焼きっつーんだっけ?」
 食ってみろよ、と促されて綾花がつまむ。海苔の割れるパリパリと言う音とともに餅が伸びる伸びる。新鮮な食感に目を瞬かせる彼女を脇に、ワモンも出された餅をむしゃむしゃと、むしゃむしゃと──。
「……はっ!? 美味すぎてうっかりブラウへのお土産も食っちまうところだったぜ!」
 これ以上うっかり食べてしまわないように、ワモンはブラウ用の餅を別にする。そこへヒィロと美咲が大量の餅料理とともに戻ってきた。その種類の多さに綾花の喉がゴクリと鳴る。
「一気に食べて喉に詰まるか詰まらないかの賭け……は違う違う。そういうのはただの無謀で賭けなんて言わない!」
 命を粗末にしてはいけない。ここは普通に、美味しく少しずつ食べるのだ。
「味なしは餡子に大根おろしでしょ。チーズや漬物も結構いけるよ」
「ずんだは生クリームが合いそうだし、きな粉は抹茶粉を足したりぜんざいかけたり!」
 あわやよだれが出そうになるヒィロ。だって全部美味しそうなんだもの。美咲も美咲で、この量を全て平らげてしまいそうで後が怖い。
 まあ美味しそうなものを目の前にして、我慢しろという方が無理な話なのだが。
「きなこやずんだはどんな味なんだー? オイラその二つ食べた事ねーから普通の餅と交換でくってみてーぜ!」
 な、な、と視線を向けられたノリア。もちろん甘い餅が良いけれど。
「しょっぱいお餅とも、交換しないわけじゃ、ありませんの」
 それ自体の味は変わってしまうけれど、皆でとってきた美味しさは変わらないのだから。
 折角だから、と高級天然海塩を提供するノリア。皆の笑顔が、幸せがここにあるならノリアも幸せなのである。
 自分も、と交換してもらって餅をコンプリートするメイメイ。ぜんざいは甘いと教えてあげれば、ノリアの瞳も嬉しそうに輝いた。
「ふむ……美味いな。しかし口いっぱい入れると流石に詰まりそうだ。よく噛まねばな」
 ずんだ餅を食べるコルウィン。その視線はあちらへ、こちらへ。次はどれを食べようかなどと考えていると。
「はい、雑煮食べる人ー」
 美咲の言葉にちらほらと手が上がる。受け取ったメイメイは、その中に浮かぶ具材に目を瞬かせた。
(おもち……お雑煮……とりにく……いえ、いえ、まさか)
 まさかとは思うものの、無事を祈らずにいられないのは──そんな可能性も捨てきれないひよこだからである。
「んーっ! 美咲さんの、皆のおかげで、今までで一番美味しいよー!」
 幸せいっぱい! なヒィロは不意に美咲を呼ぶ。どうしたの、という言葉に彼女は目を輝かせて。
「あのね。あーん、して?」
「ふふ、あーん好きだねぇ」
 待ってて、と餅を切り分ける美咲。喉に詰まらせたら一大事だ。
「ふむ……ニンニク醤油バター餅が旨いと話を聞いたんだが、これか?」
「そのようなものがあるのか」
 コルウィンが視線をやると、フレイムタンが興味を持つ。綾花が「醤油? バター?」としげしげ餅を眺めた。
 その傍ら、焔はシャルルの方へ。はい! と見せたのはフレイムタンとの合作、きな粉ブラウ。目を丸くしたシャルルは何とも──申し訳なさそうな顔をして。
「……気にさせちゃったか。ごめん」
「ううん、謝ることじゃないよ」
「そうかな。……ううん、そっか。そういうもの、なのか。
 ……じゃあ、ありがと」
 小さく口角を上げたシャルルに、焔は満面の笑みを返して。さあ食べよう! と餅パーティに彼女を誘った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。まさかブラウがこの後、あんなことになろうとは……。

 餅の食べ方が沢山あって、私もワクワクしました。ご参加ありがとうございました。
 それではまたのご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

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