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シナリオ詳細

雪見温泉と新年会

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●振り続ける雪を見ながら。
「新年早々積もったなあ」
「えぇ。毎年の事だけど積もったわね」
 秋は紅葉が見事だった温泉の、主人と女将が雪を見ながらお茶を飲んでいる。
「おかげで客足が減ったし」
「どうしても、秋に比べて食事の種類が減るからなぁ……」
 地物に拘るこの宿では、毎日同じものが入ってくるわけではない。特に冬はそれが顕著だ。
「種類の減った食材で、お客様の心を惹く物を考えないと……」
「一応考えてはある」
「あら、珍しい」
 くすりと笑って、蒸かしたての饅頭を一つ。
「遠い国では、新年にみんなで集まって御馳走を食べながら騒ぐ、新年会と言うイベントがあるらしい。それをやってみようともう」
「食材限られてるけど?」
「うん。だから、鍋が言うのが良いと思う」
 地元食材を使った、日によって具材と味の変わる鍋。
 雪見温泉を満喫した後に気心知れた仲間と一つの鍋をつつく。
 良いかもしれない。
「ちゃんと考えていたのね」
「酷いなー。でも……どの具材にどんな味が良いかは考え中」
 ずずー……。
 お茶をすする音が妙に響く。
「……明日、買い出しついでに色々聞いて来て頂戴」

●どんなお鍋がお好み?
「寒い時期は温泉とお鍋が幸せなんだよね?」
 『四季の温泉』と書かれた本を手に、フェリーチェが目を輝かせる。
「秋にお手伝い行った温泉が、今度はお鍋の組み合わせ教えてくれる人探してるの。今回もお手伝いしたら一泊宿泊で温泉と試食と言う名のご飯タイムあり」
 今の時期は降り積もった雪を見ながらの雪見温泉。
 寒い中、温泉でポカポカ温まるのは乙な物だろう。

NMコメント

 新年あけましておめでとうございます!
 今年もよろしくお願いします。

 餅つきは公開が大晦日だったので……!!

●目的
・美味しいお鍋を考える。
 白菜美味しい。野菜は色々あるよ。
 お肉も秋に狩って寝かせているお肉が。
 海産物は残念ながら……。

・雪見温泉を楽しむ。
 雪を見ながらゆっくりあったまろう!

・考えたお鍋を食べる。
 みんなで考えたお鍋、みんなで突こう!

 以上!!

●その他
・秋の温泉
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2280

・フェリーチェが同行します。
 美味しいお鍋楽しみ。

 それでは、皆さまの素敵アイデアお鍋お待ちしております!

  • 雪見温泉と新年会完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年01月15日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

リプレイ

●始まりの縁紡ぎ
「寒い時期の温泉と鍋……。冷えた体に暖かい鍋が染み渡って幸せだろうな」
 想像し、『フランスパン・テロリスト』上谷・零(p3p000277)がほわりと笑う。
「冬といえばお鍋にお酒、そして雪見温泉なんてもう完璧! 零くんにヴァレーリヤちゃん、フェリーチェちゃん、そして出先でよく見かけたイケる口らしき蜻蛉さん……! もうぜーったい楽しい!」
 楽しそうに笑う『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)に、隣でお茶を飲んでいた『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)が笑みを浮かべる。
「こっちの世界でもお年始はお祝いするんね。それに、逢うたことのない人とも仲良おなってみるのも、また一興。フェリーチェちゃんは久しぶりやし、ヴァレーリヤさんも、アーリアさんも、上野さんも、よしなに」
 頭を少し横に傾けてにっこり笑いかければ、アーリアは嬉しそうに笑い返す。
 今まで紡いだ縁を深めるも良き事。
 新しき縁を紡ぐのも良き事。
 新年とは、それ自体が祝うべき良き事だ。
「蜻蛉さんはどんなお酒が好きかしらぁ? 後でみんなで飲みましょう! お酒は……やっぱり熱燗、いえここは暖かい部屋で鍋を食べつつ冷たいビール!」
「ええねぇ。美味しいお酒とお鍋の組み合わせは、切っても切れん……関係やわ」
「お鍋に冷えたビールは良いですわね。でもお魚たっぷりな海洋風のお鍋……食べられませんのね。ちょっぴり残念」
 ちょっぴり唇を尖らせる『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)の呟きに、フェリーチェはお魚たっぷりお鍋かぁ。と呟いている。
「でもでも、代わりに美味しそうなお肉があることですし、心ゆくまで楽しみましょう!」
 にっこり笑うヴァレーリヤに、それぞれが思い思いの鍋をあげて行く。それをまとめてレシピを書けば、後は宿の主人にお任せだ。

●雪を見ながら
 今回もまた男湯を貸し切り状態になった零は、目の前の光景に驚きを隠せない。
「この季節となると雪が積もるのは分かってはいたが……。想像以上の絶景だな……。凄い……」
 ドアを開けた瞬間広がる雪景色。そしてその中で湯気を立てる温泉。
 いそいそと温泉に入り、ほぅ。と息を吐いた零はふとあることに気付く。
「そういや前回は温泉が久し振りすぎて気にもしなかったが……男、俺一人なのおかしくないか……?」
 そこに気づいてしまったか……。
「まぁ、貸し切りなのは広々として良いもんだけど……ペット連れ込みって大丈夫だかなぁ」
 イヌスラのライムなら大丈夫かと思わず考えてしまう零だが、今日は温泉を独り占め。しかも冷えたオレンジジュース付き。
 桶を湯に浮かべて一息つくと、隣の女湯から歓声が上がる。
「あっちは確か雪見酒だっけ? ちょっと気になるけど、俺はまだ飲めねぇんだよなぁ……」
 酒が飲める年に早くなれたら良いと思うと同時に、彼女の淹れたハーブティーも良いな。なんてそんなことを考えていた時。
「零くん、覗き見はだめよぉ? なんて、言われなくてもしないでしょうけど!」
 なんて女湯から声が聞こえて零は盛大に咽るのだった。

「見ねぇよ!」
 隣から聞こえる声に、くすくすと笑い合う女性陣。
「かわいいあの子が悲しむものねぇ」
「上野さんは良い人おるん?」
 笑いを含んだアーリアの言葉に反応したのは蜻蛉。
「えぇ。とってもかわいい健気な子が」
 くすくすと笑うアーリアに、蜻蛉の目元が和らぐ。
「お外は寒いけど、真っ白見事な雪景色は綺麗やし、ほっこりするお話も聞けて幸せやね」
 寒いけど、温かいし幸せ。
 桶の中から徳利を摘まみ上げると、空になったヴァレーリヤの杯に注ぐ蜻蛉。
「あら、有難うございます!」
 お酌を受けて嬉しそうに笑うヴァレーリヤ。
 お返しにと蜻蛉の杯に注げば、フェリーチェも真似をして三人に注いで行く。
「うちにも注いでくれるん? おおきに」
「あら、ありがとー」
 温泉で暖まった体に冷えた日本酒が心地良くて美味しい。
「あったかいお風呂に美味しいお酒! ちらちら降る雪も綺麗だし、極楽極楽でございますわー!」
 注いで貰ったお酒を一気飲みしてヴァレーリヤは満足げに微笑む。だけど気が付けばヴァレーリヤの徳利は空っぽ。
「あら、もう空っぽですわ。うーん、なんだかまだ呑みたい気分。まだお酒が残っていたら、どなたか少しだけ分けて頂けませんこと? 少しだけ、本当に少しだけで良いんですの!お願い!」
「お姉さんももうないのー」
「うちも……」
 残念そうに徳利と振るアーリアと困ったように笑う蜻蛉。となると残りはフェリーチェ。
「分けて頂けません?」
 眉をハの字にするヴァレーリヤに、フェリーチェは残っていたお酒をヴァレーリヤの杯に注ぐのだった。
「こうやって裸の付き合いをすると、一気になんだか距離が近くなる気がするのよねぇ」
「コイバナだけやのぅて、お肌や髪の毛の手入れとか、色々お話出来たしね」
「今日は蜻蛉ちゃんから聞いたお手入れ試してみなきゃ」
「うちも、アーリアさんの方法試してみるわ」
 二人で笑い合っていると、不意に響くフェリーチェの声。見ればいつの間にかヴァレーリヤが雪まみれに。
「そういえば、ノーザン・キングスの辺りではサウナを楽しんだ後に、雪にダイブしたり雪の上を転がったりすると聞いたことがありますわね。ちょっと試してみようかしら」
 なんて言って本当に転がった後、動かなくなったとか。
「回ったお酒とあまりの寒さで……なんだか眠くなって来ましたわ……」
 慌ててヴァレーリヤを温泉に連れ戻すとアーリアが小さく笑う。
「こうやって色々お話出来るのってやっぱり楽しいわぁ。ねぇ、また皆で飲みましょう?」
 その言葉に三人とも嬉しそうに微笑んだ。

●お鍋の時間
 温泉から上がったら、待っているのはお鍋の試食会。
「今回も良いレシピを有難うございます」
 ほくほく笑顔の主人は大きなお鍋を持って来る。女将は追加の食材や付けダレを。
「書いてあったものは全部用意しておきました。飲み物もこちらに」
 お茶にジュース、ビールに日本酒。
 いそいそと冷たいビールとお茶を注ぎ、みんなの前に置いて行くアーリア。
「それでは、乾杯!」
「乾杯!」
 手元のグラスを持って乾杯したら、そっと主人が蓋を開ける。
 お鍋は仕切りが付いたものだが、流石に四つに区切られたのはなかったので、二つのお鍋で合計四種類。どの案も美味しそうだったので、それなら全部楽しもう! となったのだ。
「待ってました!」
 ウキウキと零がお箸を手に取り、お鍋を覗き込む。
「どれも美味しそうですねぇ」
 復活したヴァレーリヤが目を輝かせ、アーリアは鍋の仕上げだ。
 薄く切った豚肉と白菜を交互に重ねてお鍋に敷き詰め、出汁を注いたお鍋。
「断面が似ているから、ミルフィーユ鍋って言うみたいねぇ」
 その上に水気を切った大根おろしをふわりと乗せる。
 出汁に溶けていく様はまるで雪の様。
「ふわふわのこれ、雪みたいでしょう?こうなると、みぞれ鍋とも言うみたいなの。雪見温泉なこの宿の名物として、きっとぴったりだわぁ!」
 楽しげに笑うアーリアにみんなが頷く。
 ふわふわほろほろ溶けていく様子を見ながら、アーリアの目元が柔らかく弧を描く。帰ったら彼にも作ってあげよう。
「火にかけるとほろほろと溶けていくのがまたいいのよねぇ……」
「見た目も良いし、香りもさっぱりえぇねぇ」
「あっ、それすごく美味しそう! その大根おろし、私にも分けて頂いてもよろしくて? 代わりに、私のお鍋をシェアして頂いても構わないので!」
 いそいそとお椀を差し出すヴァレーリヤに、アーリアはぷっと吹き出す。
「みんなで食べるんだから当然よぉ」
 笑いながらみんなのお椀に取り分け早速一口。
 豚肉の脂と旨味が白菜に絡み、それだけだと濃厚なのを大根おろしがさっぱりさせる。
「ポン酢と柚子が合うねぇ」

 お次は零考案のキムチ鍋。即席のキムチと思いきや、宿で漬けているキムチがあったのでそれで味付け。
 熱々辛いけど、食べると体がポカポカしてくるのは嬉しいし美味しい。
「これ、ビールと合いますわ!」
「キムチとビールサイコー!」
 カチン! とグラスがぶつかり、ビールを飲む二人。酒飲みには良いおつまみのようだ。
「キムチうめぇ……!」
 考案した零も大満足のようだ。

 ヴァレーリヤの希望は山の幸をたっぷり使った物。
「これが熊肉……! 私、一度食べてみたかったんですの!」
 たっぷりの野菜に山菜、山で採れた肉類を入れたお鍋は、癖があるけど素朴で美味しい。出汁で火を通すと言うシンプルな味付けだからこそ、好みのタレで食べられるのも嬉しい一品だ。
「温泉で温まった身体に、お出汁とお肉の味が染み渡りますわ。この山菜もいい味を出していて素敵ですわねー!」
「俺、熊肉初めてだ!」
「食べる機会あらへんもんねぇ。でも良いお出汁で美味しいわぁ」

 蜻蛉は猪肉を味噌仕立てた牡丹鍋。
 お肉と白菜なのはアーリアのミルフィーユ鍋とよく似ているけど、こちらは濃厚な味わい。
「お酒が止まらないわぁ」
 牡丹鍋を一口、日本酒を一口。濃厚な味に隠されていた猪肉の旨味を、日本酒がさっと引き出す。これを止めるのは難しい。
「うどんとか雑炊にしたら絶対美味い奴だ……!」
「それはえぇねぇ。締めはそれでお願いしよか」
 彼も気に行ってくれるだろうか。なんて思いつつくすりと笑うと、主人に締めをお願いする。

 締めまで食べ終えたらお茶を飲んでゆっくりと。
「今年も、ええ年になりそうな予感。……素敵なご縁があって良かった」
 小さく呟くと蜻蛉は全員に微笑みかける。
「これからも、よろしゅうお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いしますわー!」
「蜻蛉ちゃんこそ宜しくねぇ」
「宜しくねー」
「宜しく頼むぜ!」
 和やかな年明け。
 これからも良き縁を紡げるようにと祈るのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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