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シナリオ詳細

<第三次グレイス・ヌレ海戦>オスプレイによる海賊船急襲作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●卑劣なる海賊達の要求
 二十二年ぶりに発された海洋の『大号令』。
 『絶望の青』を越えて至るという海洋建国以来の悲願に向けて、海洋はにわかに沸き立っていた。
 しかし、その動きに思うところを抱く勢力もまた、存在する。
 一つは、『大号令』の準備として行われた近海相当の主な標的とされた海賊達。彼らは連合を組み、生き残りの道を模索し始めた。
 一つは、ゼシュテル鉄帝国。武力を以てして海洋を威圧し、『大号令』の成果から利を分捕らんとする。新造の大型鋼鉄艦を出撃させ、鉄帝皇帝が自ら親征していることから、その本気度は窺い知れると言えよう。
 これらに対し、海洋は大型艦の動きが制限される狭隘なグレイス・ヌレ海域に鉄帝艦隊を引きずり込み、海賊連合諸共に迎え撃つ。
 ――第三次グレイス・ヌレ海戦。その火蓋が、切って落とされた。

(――やはり、か)
 海洋軍艦シーガイアの甲板で、艦長である老騎士アモンは内心で嘆息した。目の前にいる、軍使を名乗るカラスの飛行種から手渡された書状には、予想どおりの内容が書かれていたからである。
 曰く、我々は海洋国民の人質を取っている。その命が惜しければ一切の戦闘行動を取ることなく、我々による攻撃を甘受すべし、と。
「――わかった。当艦は以後、一切の戦闘行動は取らない。そう伝えてくれ」
「ギャハハ! 随分と物わかりがいいじゃねぇか! それなら、精々大人しく俺等にボコられてくれや」
 老騎士の返事を返事を軍使にはとても相応しくない口調で嘲笑うと、カラスの飛行種はシーガイアから飛び立っていった。
(当艦は戦闘行動は取らんよ。当艦はな――だが、大人しく沈められるわけにはいかんでのう。頼むぞ、イレギュラーズ)
 揚々と飛びゆく軍使を見送りながら、老騎士はタイミングを見計らって、ジェスチャーで部下に合図を出した。

 グレイス・ヌレ海域上空二百メートル。
「……合図だ。行くぞ、イレギュラーズ」
 ミサゴの飛行種で構成される部隊『オスプレイズ』のリーダーは、シーガイアからの発光信号を確認すると、自身と隊員達がそれぞれ抱きかかえているイレギュラーズ達に告げた。
 次の瞬間、秒速十五メートル――時速五十四キロ――での急降下が始まった。目指すは、人質を取っている海賊共の船三隻である。軍艦シーガイアと人質達の命運は、イレギュラーズ達の活躍にかかっていた。

●時は僅かに遡り
「只今、戻りました」
「――如何だった?」
 シーガイア艦長室。一人の女が、入室してくる。その姿を認めるや、老騎士は尋ねた。彼女はミナミハナイカの海種であり、保護色で姿を消せる。その能力を活用して、老騎士の配下で密偵として働いているのだ。
「やはり、ザン三兄弟はザン三兄弟でした。襲撃した先で攫った人々を人質にしてこちらの動きを封じた挙句、その人々を使って自爆攻撃をさせるつもりです」
 ふぅ、と老騎士は椅子の背もたれにもたれかかり、ため息を吐いた。
 ザン三兄弟は、残虐・残酷・残忍で知られるシャチの海種の海賊達である。彼らが海賊連合の一員として第三次グレイス・ヌレ海戦に参戦すると聞いた老騎士は、何かしらの卑劣な手を使ってくるに違いないと踏んでおり、密偵を忍び込ませて探りを入れていた。
「人質達は何とか救い出したいところだが――」
 老騎士が呟く。人質達は海洋の国民であり、言うなれば同胞である。海賊達に捕まらなければ、共に『大号令』に胸を躍らせていたはずだ。そんな彼らを見殺しにする気にはなれなかった。
 しかし、その手段を如何するか。悩む老騎士に、女はあるアイデアを述べた。
「とんでもないことを思いつくのう――しかし、それをローレットが受けてくれるかどうか」
「最近ローレットで活動を始めた情報屋で、一人チョロいのを知っています」
「チョロい」
「んんっ! ――元より、ローレットは私達に全面協力すると決めています。その方針を盾にしつつ、人質を窮状から救いたいと切実に訴えれば、依頼を受けさせることは可能でしょう」
「なるほど……人質を救うためには、形振りは構っていられん。何としても、その情報屋に依頼を受けさせてくれ。その他の準備は、儂の方で進めておこう」

●上空二百メートルから三隻を同時急襲
(あー、やっちゃったかなぁ……これ、怒られるかなぁ。でも、依頼として受けちゃった以上は参加者を募って成功させないと……とても許せる話でないのは確かだし……)
 老騎士の密偵から「チョロい」と評された『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)は、思い悩みながらもローレットの中を歩き、依頼の説明に向かっていた。密偵の読みどおり、勘蔵は何時の間にか老騎士の依頼を受けてしまったのだ。
「えー……と。依頼の説明を始めてよろしいでしょうか。今回の依頼なんですが……これから始まる第三次グレイス・ヌレ海戦で、上空二百メートルから急降下し、海賊連合の船を急襲してほしいんです!」
 イレギュラーズ達が待つ部屋に入った勘蔵は、依頼についての説明を始めた。最初は躊躇しつつも、最後は一気に言い切る。
 その言葉に、ざわ……ざわ……、とざわめくイレギュラーズ達。勘蔵はそのざわめきが大きくなる前に、理由の説明に入った。
「――と言うのも、ですね。第三次グレイス・ヌレ海戦に参戦する海賊、ザン三兄弟が、人質を取って海洋艦隊の動きを封じてきます。人質を救出するにはこれがベスト、と言うわけで、海軍軍人の騎士アモン氏より依頼がありました」
 じゃぁ、飛行種や飛行スキル持ちしか依頼に参加出来ないのか? イレギュラーズ達の中から上がった疑問を、勘蔵は否定する。
「いえ、海賊船の上空二百メートルまでの移動と、そこからの急降下は海洋の空中輸送部隊『オスプレイズ』がやってくれます。逆に言うと、急襲の足並みを揃える必要があるため、飛行種や飛行スキル持ちであっても急降下までは『オスプレイズ』に運ばれなくてはなりません」
 ――余程機動力に優れていて、彼らのスピードに合わせた飛行が出来るなら話は別だが。
「さて、依頼を成功させる条件ですが、一つはザン三兄弟全員の戦闘不能です。ただし、こちらの条件を目指す場合、一分半以内に達成しなくてはなりません」
 何故なら、一分で人質は自爆用ボートに乗せられ、さらに三十秒後には自爆用ボートがシーガイアに到達して接触するからだ。シーガイアは海洋軍艦の中では大型艦で耐久力も高いが、次々と爆薬を舳先に装備したボートに特攻されては、大破沈没は避けられない。
 しかも、ザン三兄弟はそれぞれ自分の船に別れているため、こちらも戦力を分散して当たらねばならない。誰か一人でも討てなければ、人質達はザン三兄弟への恐怖から解放されず、特攻を敢行してしまうだろう。
「もう一つは、全ての船から人質を救出し、脱出させることです。おあつらえ向きに、脱出には自爆用ボートが使えます。ただし、その間は誰かがザン三兄弟や戦闘要員を抑えておく必要があります」
 それまでに必要なのは、およそ一分半。ザン三兄弟や戦闘要員を倒す必要は無いとは言え、その間は耐えきらなくてはならない。ただでさえ分散させている戦力をさらに分散させている状況でそれが可能なのかどうかは、慎重に考える必要があった。
「ザン三兄弟は卑劣な手段に頼ることが多く、その部下も含めて実力は高いとは言えません。しかし、こちらも三隻に戦力を分散させざるを得ず、その分リスクは上がっています」
 おまけに、戦場までは上空二百メートルからの急降下である。それも含めて勘蔵は申し訳なさそうにしながら、しかし確りとした口調で告げた。
「――しかしながら、海戦において人質で脅しつけた上、その人質を特攻させるなど、到底許しがたい卑劣にして非道です。どうか、どうか……皆さんの力でザン三兄弟を目論見を潰し、人質になった人々を無事に救出して下さい……っ!」
 情報屋として、依頼人の感情と自身の感情を混同するのはNGなのだろう。そう自覚しつつも、勘蔵は自身の義憤と無念を抑えきれず老騎士や密偵の想いに上乗せし、直角に頭を下げてイレギュラーズ達に懇願した。

GMコメント

やあ (´・ω・`)
ようこそ、私のシナリオへ。
このダークモカチップフラペチーノは私の奢りだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、嘘こそ言ってないけど「タイトル詐欺」みたいなものなんだ。済まない。
確信犯だしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「!?」みたいなものを感じてくれたと思う。
何千字も真面目でシリアスな文章を書いてると、
タイトルくらいははっちゃけられるならはっちゃけてみたくなる
そんな事情もあって、このタイトルを決めたんだ。

じゃあ、真面目な解説と行こうか。

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●成功条件:以下のいずれかの条件の達成
A:ザン三兄弟全員を戦闘不能にする(生死は不問)
B:全ての海賊船から、囚われている人質を救出し、脱出させる

●失敗条件:以下のいずれかの条件の発生
A:いずれかの海賊船で人質の救出を行わないまま、戦闘開始から10ターン目を迎える
B:いずれかの海賊船で、ザン三兄弟と戦闘しているイレギュラーズが全員戦闘不能となる
 (EXFやパンドラで復活した場合は条件に含めない)

●【重要】書式について
 このシナリオでは、プレイングに以下の書式で誰の船に何の目的で降下するかを示して下さい。
1行目:降下対象の海賊船(ザン・ギャック/ザン・コック/ザン・ニーンのいずれか)
2行目:降下してからの行動(ザン三兄弟と戦闘/人質の救出)

例:
1行目:【ザン・ギャック】
2行目:【人質の救出】

記入がない場合、書式が守れていない場合、ランダムに決定します。その結果、人員バランスが狂って依頼が失敗に陥る可能性もありますので、十分にご注意下さい。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ザン三兄弟
 シャチの海種の兄弟で海賊。性質は名前とOP内容から察して下さい。
 卑劣な手段で生き残ってきたため、実力自体は高くありません。
 それぞれ、自身の所有する別々の船に搭乗しています。

・ザン・ギャック
 ザン三兄弟長男。バ火力タイプです。攻撃力に優れます。
 攻撃手段など
 バトルアックス(通常攻撃) 物至単
 爆彩花(アクティブスキル) 物至単 【防無】【反動80】
 クラッシュホーン(アクティブスキル) 物至単
 豪鬼喝(アクティブスキル) 物至列 【痺れ】【飛】
 オーラキャノン(アクティブスキル) 物遠単

・ザン・コック
 ザン三兄弟次男。タンクタイプです。HPと防御技術に優れます。
 攻撃手段など
 シャムシール(通常攻撃) 物至単
 ブロッキングバッシュ(アクティブスキル) 物至単 【痺れ】
 オーラキャノン(アクティブスキル) 物遠単
 茨の鎧(アクティブスキル) 自付与 【反】【自付】【副】
 ディフェンドオーダー(アクティブスキル) 自付与 【自付】【副】

・ザン・ニーン
 ザン三兄弟次男。スピードタイプです。回避と反応、EXAに優れます。
 攻撃手段など
 ダガー(通常攻撃) 物至単
 ソニックエッジ(アクティブスキル) 物至単 【乱れ】【凍結】【麻痺】
 オーラキャノン(アクティブスキル) 物遠単
 スニーク&ヘル(アクティブスキル) 物至単 【ブレイク】【防無】
 衝撃の青(アクティブスキル) 神遠単 【飛】

●海賊 ✕30
 ザン三兄弟の部下のうち、多少なりとも戦闘能力がある者です。
 1隻10名ずつ、3隻に分かれて乗っています。
 基本的に雑魚ですが、それでも攻撃が集中すれば回避ペナルティーはしっかりかかります。
 また、概ね4回に1回の割合でクリティカルを発生させますので、基本的な威力は高くないとは言え甘く見てると痛い目に遭うでしょう。
 攻撃手段はダガーや曲刀(いずれも物至単)のみです。

●海賊船 ✕3
 今回の戦場です。甲板は全長30m✕幅15mです。
 降下完了時のイレギュラーズ達の初期配置は甲板の縁から5m以内となります。
 波揺れなどによる補正はありませんが、【飛】を受けた場合、位置によっては海中に落下する可能性があります。

●人質 ✕30
 10名ずつに分けられて、3隻の船倉に押し込められています。
 ザン三兄弟への恐怖に支配されており、何者の介入もなければ6ターンかけて自爆特攻用の小型ボートに乗せられ、シーガイアに向けて進んでいきます。シーガイアは脱出して救助を求めているものと判断してしまい、回避は行いません(もともとサイズの関係でシーガイアによる回避は極めて困難ですが)。
 9ターン目終了時点でシーガイアに次々と特攻。シーガイア諸共海の藻屑となります。

 人質を救出するには、1ターンかけて見張りの海賊を突破して(この見張りは戦闘能力が無いため、突破に判定は必要ありません)、1ターンかけて船倉に行き、1ターンかけて救助しに来た旨を告げて、6ターンかけて小型ボートに便乗させて脱出させる必要があります。
 つまり、同じ船にザン三兄弟や戦闘要員と戦う別のイレギュラーズがいるなら(いなければ、当然ザン三兄弟や戦闘要員は人質の救出を妨害してきます)、最短9ターンで人質の救出・脱出は完了します。

●騎士アモン
 アンモナイト海種の老齢の海軍軍人。シーガイア艦長。騎士らしく、巻き貝モチーフの鎧を着ています。
 人質を見捨てることが出来ず、救出を求めて密偵を通じローレットに依頼を出しました。

●『オスプレイズ』
 ミサゴの飛行種で編成された、海洋の空中輸送部隊。
 機動力6の運搬性能持ちです。
 0ターン目に上空200メートルから時速54キロで急降下、1ターン目に減速しつつイレギュラーズ達を安全に着陸させます。2ターン目には上空に急速離脱します。
 反応判定は必ずザン三兄弟や戦闘要員に勝利するものとします。

 また、イレギュラーズが海中に落下した場合は、拾い上げて救出してくれます。
 しかし救出はターンの最後となるため、該当のイレギュラーズが戦闘に復帰出来るのは翌ターンの最初からになります。

 なお、イレギュラーズがザン三兄弟の撃破に人員を集中した場合、7~9ターン目で全員の撃破に成功したならば、既に自爆ボートに乗って出発した人質にそのことを伝えて特攻を止めてくれます。

●シーガイア
 騎士アモンが艦長を務める艦です。海洋軍艦の中では大きめで耐久力に優れます。
 砲撃で沈むことはありませんが、小型ボートによる特攻を受ければ沈没します。

●小型ボート ✕30
 一人用の小型ボートです。舳先に特攻用の爆薬が備え付けられています。
 一転、人質を救出した場合は、脱出させるための重要アイテムとなります。
 海賊船1隻につき、10隻用意されています。

●時系列整理(全員がザン三兄弟に戦闘を挑み、人質を救出しない場合)
・0ターン目
 『オスプレイズ』降下開始
 イレギュラーズ、運搬を受けているため行動不能
 海賊側、不意打ちを受けたため行動不能
・1ターン目
 『オスプレイズ』、イレギュラーズを着艦させる
 ザン三兄弟、換装の必要が無いため普通に降りたイレギュラーズを狙って攻撃
 戦闘要員、クロスボウから白兵武器への換装→イレギュラーズに接敵。攻撃不可。
 イレギュラーズ、ターン最後に行動(『オスプレイズ』による着艦を「待機」する必要があるため)
 人質の見張り、人質を自爆用ボートへ誘導開始
・2ターン目
 イレギュラーズ、通常タイミングで行動可能
 人質、船倉から自爆用ボートへ移動
・6ターン目
 ターン終了時、人質が自爆用ボートに搭乗完了
・7ターン目
 人質、自爆用ボートでシーガイアへと移動開始
・9ターン目
 ターン終了時、人質がシーガイアに特攻
・10ターン目
 冒頭、シーガイア大破。シーガイアから総員脱出。シナリオ失敗。

●重要な備考
<第三次グレイス・ヌレ海戦>ではイレギュラーズ個人毎に特別な『海洋王国事業貢献値』を追加カウントします。
 この貢献値は参加関連シナリオの結果、キャラクターの活躍等により変動し、高い数字を持つキャラクターは外洋進出時に役割を受ける場合がある、優先シナリオが設定される可能性がある等、特別な結果を受ける可能性があります。『海洋王国事業貢献値』の状況は特設ページで公開されます。
 尚、『海洋王国事業貢献値』のシナリオ追加は今回が最後となります。(別途クエスト・海洋名声ボーナスの最終加算があります)

  • <第三次グレイス・ヌレ海戦>オスプレイによる海賊船急襲作戦完了
  • GM名緑城雄山
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年01月03日 22時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
セララ(p3p000273)
魔法騎士
ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
シグ・ローデッド(p3p000483)
艦斬り
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
リカ・サキュバス(p3p001254)
瘴気の王
アト・サイン(p3p001394)
観光客
アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)
航空指揮

リプレイ

●VSザン・ギャック
(ええ、いえ……ここから?  いや、もっとやりようがあったのでは?)
 高度二百メートル。オスプレイズに抱きかかえられつつ、眼下にザン・ギャックの船を見下ろしながら、『パンツ泥棒』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)はそう問い質したい気分になっていた。
(――決して、高い所が怖い訳ではありません)
 実際に問い質すのを我慢しつつ、アルヴァは誰に聞かせるでもなく内心で独り言ちた。

「残虐か。名前通りのどうしようも無い奴みたいだなァ。人質を救出し、奴等にも落とし前付けてやらんと……俺の気が済まん」
「全く以って、面倒な事だ。……だが、我ら二人で挑めば大した敵ではない。そう思わんかね? レイチェル」
「ああ、そのとおりだ──往くぞ、シグ。最愛の人。愛しい俺だけの魔剣。俺に、望みを叶える力をくれ」
 アルヴァの近くでは、同じようにしてオスプレイズに抱きかかえられながら、『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)と『『知識』の魔剣』シグ・ローデッド(p3p000483)が言葉を交わし合っている。この三人が、上空からザン・ギャックの船に乗り込むメンバーだった。

「――アモンめ! シーガイアを動かさない代わりに、こんな連中を送り込んできたか! まぁ、いい。まとめて始末してやる! 白兵戦、用意!」
 ザン・ギャックは自身の船へと急接近する三人の姿を認めると、自らの行いを棚に上げ、苦々しげに呟く。だが、すぐに手下に指示を出した。
「まずは、お前からだ!」
「――ぐうっ!?」
 甲板に着地した三人のうちレイチェルに狙いを定めると、ザン・ギャックはバトルアックスの柄を両手で握りしめ、この一撃で終わらせるとばかりにクラッシュホーンを放った。渾身の怪力で放たれた袈裟懸けの一閃は、レイチェルの左肩から右腰にかけてをパックリと深く斬り裂いた。
「レイチェル!」
「俺に構うな!」
 次を受ければ、レイチェルは間違いなく倒される――シグはライフアクセラレーションで回復させるべきか逡巡するが、それを察したレイチェルが叫ぶ。
 次の瞬間、ザン・ギャックの周囲に、眼の紋様の魔法陣が出現した。シグの異想狂論「常識圧殺」である。渾身の一撃を放ったばかりのザン・ギャックに回避する余裕はなく、ザン・ギャックは手痛いダメージを受けると同時に持てる技の発動を封じられた。
 レイチェルはその様子を確りと確認すると、フ、と微かに薄く笑って、ザン・ギャックを中心に禁術・煉獄百華を発動する。
「ぐおおおおおっ!?」
 百華の如く燃え盛る煉獄の焔は、ザン・ギャックを見事に捉え、周囲の手下達を諸共包み込む。五人の手下達は最早戦闘どころではなくなり、甲板の上をゴロゴロと転がって消火しようとするが、やがてピクリとも動かなくなった。

(――で、人質の救出ですか。よくあるお話ですが、迅速に行いましょう)
 早々に激しい戦いが起こっている甲板を後にして、アルヴァは人質が押し込められているであろう船倉へと駆け込んでいった。
 その先で見張りが人質を特攻用ボートに誘導して乗せようとしているところを目撃すると、アルヴァはその誘導が終わるまで隠れていることにした。

「――間に合え!」
 ザン・ギャックがレイチェルに次の一撃を入れる前にと、シグはライフアクセラレーションでレイチェルを癒やす。
「助かるぜ、シグ」
 深く刻まれた傷が、徐々に塞がっていく。まだ傷が完全に塞がりはしないものの、レイチェルの顔色が明らかに良くなっているのが、はっきりと見て取れた。
 シグによって癒やしを受けたレイチェルは、ザン・ギャック達から距離を取ると、再度ザン・ギャックを中心に禁術・煉獄百華を発動した。今度は二度目と言うこともあり、ザン・ギャックは辛うじて直撃を避ける。だが、煉獄の焔に巻き込まれた手下三人は、先に倒れた五人の後を追うようにして甲板の上を転がり、そのまま倒れた。
「貴様あああああっ!」
「――チッ」
 既に満身創痍ではあるが、ザン・ギャックは気力を振り絞って吼えると、レイチェルに横薙ぎの一閃を浴びせる。さらに、残る手下の一人が運任せでダガーを腹部に突き立て、軽くない傷を負わせた。

 レイチェルへの、シグのライフアクセラレーションとザン・ギャックの追撃だが、今度も紙一重でシグが先んじた。傷は軽くないとは言え、次で倒されるような危険な領域は脱したかに見えた。
「うおおおおおっ!!」
 だが、最後の足掻きと言わんばかりの咆哮を放ちつつ、ザン・ギャックはレイチェルに斬りかかる。袈裟に斬りかかった一撃を避けたと思いきや、ザン・ギャックは返す刀ならぬ返す斧で逆袈裟に斬り上げる。
「何ッ……!? ……だが、これで終わりだ!」
 思わぬ直撃に、驚愕を隠せないレイチェル。しかし、レイチェルはすぐに凄惨な笑みを浮かべると、ザン・ギャックの頭を両手で挟み込む。右半身に刻まれた魔術式を緋く輝かせると、零距離で悠久のアナセマを放った。
「ち……き、しょう……」
 呪いの一撃は、ザン・ギャックの残る生命力を根こそぎ刈り取った。ズン、と甲板に倒れて、ザン・ギャックは二度と動かなくなる。
 ふ、と気が抜けたか、レイチェルもザン・ギャックの後を追うように倒れかける。だが、シグが駆け寄って、レイチェルの身体をしかと抱き留めた。
「はは……悪いな、シグ。無茶やった説教は後でゆっくり聞くさ」

「お、お頭がやられちまった!」
「あ、慌てるな! 俺達にはまだ、人質が……」
(――そうですか。二人は、もうザン・ギャックを倒しましたか)
 ザン・ギャックが倒されたことで、船内の海賊達は浮き足立つ。アルヴァは予想外に早い決着に驚きつつも、騒ぎながら人質を盾にしようとやってきた海賊達に、ロベリアの花を浴びせかけて無力化した。
 さらにアルヴァは人質を誘導する見張りもロベリアの花で片付ける。そして深呼吸。応急精神統一によって精神を安定させ、会話力を向上させてから、人質達に語りかけた。
「皆さん、私達はローレットです。海洋の軍人さんの依頼で、皆さんを救出に来ました」
「……ほ、本当に、助けに来てくれたのかい?」
「ええ、もう大丈夫です。よく頑張りました」
 アルヴァの言葉に、人質達はわぁ、と歓喜に包まれる。
「さぁ、さっさと脱出してしまいましょう。海洋の軍艦シーガイアが、皆さんを待っています」
 アルヴァの誘導に、人質達は嬉々としてザン・ギャックの船から脱出していった。

●VSザン・コック
 ザン・コックの船にも、オスプレイズによる二人のイレギュラーズが降下した。
 『旅人自称者』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)と『魔法騎士』セララ(p3p000273)である。
 着地した二人を目掛けて、海賊達が武器を持ち替えながらわっと集まってくる。
「女二人で乗り込んでくるなんざ、いい度胸じゃねぇか!」
 ザン・コックは挨拶代わりにとヘイゼルに曲刀を振るったが、その一撃は空を切った。
「――人質を脅して自爆特攻させられるなんて、随分と強面の兄弟なのですね。ですが、やっていることを考えますと実に見掛け倒しなのですよ」
 ヘイゼルはザン・コックに舌鋒を浴びせながら、手近な海賊と自身を赤い糸で結びつけ、その注意を引きつける。

(人質に自爆特攻させる!? 極悪な海賊だね。許してはおけないよ! 正義の魔法騎士セララが、海洋の平和を守ってみせる!)
 同時に、セララがその扉を潜り、人質達の元へと向かう。ザン三兄弟の非道に憤りつつ見張りを瞬殺したセララは、人助けセンサーの感によって人質達の位置を把握し、瞬く間に人質達の元に辿り着いた。
「ローレットのイレギュラーズだよ! キミ達を助けに来た! 海賊は怖いかも知れないけど、ボク達は絶対にキミ達を助ける! だから、信じて指示に従って!」
「本当に、ローレットが!?」
「俺達、助かるのか!?」
 固い意志から放たれた力強い言葉に、恐怖と絶望に囚われていた人質達の表情が希望を抱いたものに変わっていく。そんな人質達に、セララは脱出のための指示を出していった。

 ヘイゼルは、船倉に向かう扉を背にして、海賊達がセララの元へ向かえないよう立ちはだかる。さらに、赤い糸で引き寄せた海賊を盾にするようにして、一度に接する敵の人数を減らした。こうなると、いくら数がいようともヘイゼルと戦えるのはザン・コックを含めて三人程度。
 その一方、ヘイゼルの動きも制限されるため、海賊達からの攻撃を回避しにくくなる。しかし、元よりヘイゼルの回避の技量は優れており、多少不利になったとしてもザン・コックやその手下の及ぶところではなかった。
 不運にもザン・コックのブロッキングバッシュが何度かまぐれ当たりしたものの、その威力は高いとは言えず、ヘイゼルを倒すには到底及ばない。その上、ヘイゼルは赤い糸によって手下から生命力を急襲し、回復する。ミリアドハーモニクスを使うまでもなかった。

(小細工、やってみようかな)
 セララは人質達に脱出の指示をしつつ、自爆用ボートのうちの一隻から舳先に装着されていた爆薬を取り外し、導火線とライターを使って即席の時限爆弾を作り上げる。
(一隻分だけだから、沈めるまでは厳しいかもしれないけど)
 それでも、時限爆弾を船底にセットすると、セララは人質達が無事に脱出したのを確認してから、甲板へと上っていった。

「人質達は無事に脱出させたよ!」
 甲板に出てきたセララが、ヘイゼルに告げる。脱出用ボートと化した自爆用ボートが、次々とシーガイアへと向かっている。
 ヘイゼルとの戦闘に参加出来ないでいた海賊達は、人質達が特攻するのではなく脱出するのだと気付くと、武器をクロスボウに持ち替えて脱出した人質達を撃とうとする。
「大の男がこれだけ揃って女一人取り押さえられないなんて、随分とまあ、勇ましい海の男なのですね! なるほど、自分達で襲わずに人質を特攻させるなんて手を考える訳なのです!」
 脱出した人質から自身へと海賊の意識を向けさせるべく、ヘイゼルは挑発を試みる。頭に血が上った海賊達は、まんまと挑発に乗ってしまった。
「ここからはボクも行くよ! ギガセララブレイク!」
「ぐわあーっ!」
 さらに、セララの一閃が海賊の一人を戦闘不能に追い込んだ。こうなると、海賊達はもう脱出ボートに構うどころではない。

 ヘイゼルとセララは脱出ボートが安全圏まで離脱する時間を稼ぐと、空を飛んでザン・コックの船から脱出する。少し遅れて、ズン! と言う衝撃が、ザン・コックの船を襲った。

●VSザン・ニーン
「気に入らねえんだよ……人質に自爆特攻させるなんて、許せねえ。そんな臭えゴミは、処分しちまおうぜ」
 ザン・ニーンの船の上空二百メートルで、『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)はザン三兄弟の非道に憤慨しつつ、気炎を上げていた。
「そうですね! 酷い海賊にはきっちりオシオキしないとですね!」
 『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254)が、ジェイクに応じる。こちらも、気合い十分だという様子だ。
「……それにしても、うひゃあ……高い高い。私泳ぐの苦手なんですよ…降下した勢いで足くじいたり海に堕ちないようにしないとですねー」
「大丈夫だ。海洋軍人の誇りにかけて、お前達を目標まで安全に送り届ける」
 利香とオスプレイズのやりとりを聞いていたジェイクは、「落っこちねえよな?」と言う不安を口に出すのを止めて、これからの戦いに意識を集中した。
(ここまで来たら、やるっきゃねえな。ザン・ニーンとか言う、ふざけた名前の海種をぶちのめしてやる!)
 ジェイクと利香の近くでは、『観光客』アト・サイン(p3p001394)がオスプレイズに抱きかかえられながら、無心になってドーナツを食べている。
 アトを抱えているオスプレイズは怪訝な表情をしたが、この後に向けて必要な行動であるため、アトは気にせずドーナツを食べ続けた。

「……俺の船に降りてくるとはな。どれほどのものか、見せてもらおうじゃねぇか。トップギアで行くぜ!」
 イレギュラーズ達が甲板に降り立つと同時に、ザン・ニーンが仕掛ける。ジェイクの前後左右にザン・ニーンの姿が現われたかと思うと、四人のザン・ニーンはソニックエッジの一撃と、ダガーでの刺突を代わる代わるジェイクに浴びせかける。
「……分身だと!?」
 驚愕しつつも、ジェイクは回避し、防御しようと試みる。だが、ほぼ同時に八度の攻撃は回避に特化していない限り到底捌ききれる者ではなく、ザン・ニーンのダガーはジェイクをズタズタに斬り裂いた。
「――チ、仕留めた、と思ったんだがな。流石はイレギュラーズ、伊達じゃねぇか」
「臭え汚物に褒められたところで、嬉しくはねえな。さあ、今度はこっちの番だぜ! まとめて、海の藻屑にしてやる!」
「――くっ、避けきれないだと!?」
 ザン・ニーンや手下達から距離を取ると、ジェイクは反撃とばかりに、ザン・ニーンを中心にしてプラチナムインベルタを放つ。降り注ぐ鋼の豪雨は、ザン・ニーンを斬り刻み、手下三人を戦闘不能に追い込んだ。
「スピードに自信があるみたいですが、目線はしっかり止めてやります!」
「ぐ、ぬうっ!」
 利香はこれ以上のジェイクへの攻撃を食い止めるべく、渾身のチャームで海賊達の注意を引き付ける。ザン・ニーンはダガーを自らの片腕に突き刺して耐えるも、手下の大半は利香に注意を奪われた。

 その攻防の間に、アトは空中に跳び上がる。何と、アトが食べていたドーナツはセララがレビテーションポーションを練り込んで作ったものだったのだ! そしてアトは、ザン・ニーンの船を空中から一望する。
(小型ボートを出すなら搬出口があるはずなんだけど……開く様子はない、か)
 特攻ボートを出すために搬出口が開くだろうと言う、アトの予想自体は当たっていた。ただ、この時点ではまだ搬出口は開いてはいない。
 ザン・ニーンと戦っている二人を思えば、搬出口が開くのを待っているわけにも行かず、アトは船倉への扉を潜り、船内から船倉へと向かった。
 
 利香のチャームに耐えたザン・ニーンは、ジェイクを仕留めるべく追撃をかける。ジェイクは駆け寄ってくるザン・ニーンを銃撃で牽制しつつ防御に専念するが、舞うようなダガーの連撃を全ては回避しきれず、さらにダメージを受けて満身創痍にまで追い込まれてしまう。
「手負いのジェイクさんばかり狙って……そんなに、私みたいな小娘が怖いんですか?」
 痛手を受けている敵を倒して頭数を減らす、と言うのは戦術上当然の判断ではあるのだが、それを挑発混じりに誹ってきた利香のチャームに、今度はザン・ニーンは耐えられなかった。激昂し、狙いを利香に変える。
「雑魚だと思って放置していれば……いいだろう! 奴は最早虫の息! 貴様から先に仕留めてやる!」
 その気迫に刺激されたか、七人の手下のうち三人が利香にダガーを直撃させる。元よりダガーであるため威力は低いのだが、それでも無視出来るダメージとは言い切れなかった。

 激昂したザン・ニーンは利香に突きかかる。が、その前に利香に斬り刻まれた。
「――なッ!?」
 雷迅月翔斬・新月によるカウンターである。魔法電流によって強化された肉体から、不可視となるほどに神速の斬撃が繰り出されたのだ。
 それに対して、ザン・ニーンは利香に攻撃を命中させてはいるが、高い防御力に阻まれてダメージと言える程のダメージを与えられていない。
 さらにジェイクから追撃のようにプラチナムインベルタを浴びせられ、ザン・ニーンの傷はますます深くなっていった。手下もこれで五人が戦闘不能になり、残るは二人となっている。

「はいはい、ローレットが助けに来ましたよっと! 小型ボートに乗って、そのままシーガイアまで突っ走れ!」
「ローレットが!? 本当に!?」
 見張りを観光客流剣術奥義『死中求生』で瞬殺したアトは、人質達に救出に来た旨を告げる。恐怖から一転して歓喜に包まれた人質達は、アトの指示に素直に従って脱出の準備を整えていった。

「く、くそっ!」
 こんなはずではと言わんばかりに再度利香に突きかかったザン・ニーンであったが、結果は同じ――いや、それ以上に悪かった。
 雷迅月翔斬・新月から繋がるように、剣爪三連撃。直撃こそ避けられたものの、『夜魔剣グラム』は着実にザン・ニーンの生命力を削り取っていった。なお、ザン・ニーンの攻撃は今度は利香に擦りさえしていない。
 ザン・ニーンを含めて残る三人に、再度プラチナムインベルタを放つ。ザン・ニーンには直撃こそしなかったものの、強運にも回避に成功し続けていた手下二人をきっちりと捉えて倒した。
 手下が全滅したところで、ジェイクは反動に構わず銃技『驟雨』をザン・ニーンに放つ。
「ぶばっ……ぐええっ……」
 吹き付ける銃弾の雨によって全身を蜂の巣にされたザン・ニーンは、よろよろと数歩歩くと、自らが流した血の海にバタリと倒れた。

「これで、任務完了かな」
 アトは、小型ボートがシーガイアに向けて無事に脱出するまでを見届けた。そして甲板に上ってジェイクや利香と合流すると、上空で待機しているオスプレイズに向けて回収を要請し、帰途についたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)[重傷]
祝呪反魂
ジェイク・夜乃(p3p001103)[重傷]
『幻狼』灰色狼

あとがき

 この度はシナリオへのご参加、どうもありがとうございます。
 人質達は、無事にシーガイアに回収されました。彼らの今後は元の住処に帰るか、『大号令』の遠征艦隊に合流するかでしょう。
 これも、ひとえに皆様の人員配分並びにプレイングの妙があってのことだと思います。

 ところで、このシナリオのタイトルについてですが、初見で如何思われましたでしょうか。ミサゴの飛行種に空中輸送してもらうというのを思いついたのでちょっとはっちゃけてこのタイトルにしてみたわけですが、「まさか、混沌にV-22が!?」とか、「いやいや、絶対何かの引っかけだろ」とか、思われた事をそのままにお教え頂けると幸いです。
 ええ、リプレイの感想とかそっちのけで構いませんから(でも、リプレイの感想とかも合わせて頂けると狂気乱舞します。私が)。

 それでは、お疲れ様でした。
 楽しめて頂けてましたら、幸いです。

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