PandoraPartyProject

シナリオ詳細

酒蔵妖精の気まぐれ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●クルラホーンの気まぐれ
 クルラホーンは酒蔵に住む妖精だ。
 背は小さくて、酒盛りが好きで陽気。
 宴会があればいつの間にかちゃっかり参加している。
 そんなクルラホーンだが、自分の酒を奪おうとする人には容赦しない。だが逆に、酒をくれる人には優しくなり、気が向くと秘蔵の酒を分けてくれることもある。
「こいつは良い酒だ」
 今年出来上がった酒はクルラホーンも納得の出来。
 そうなると一人で楽しみたい気持ちと、誰かと分かち合いたい気持ちに揺れ動く。
「……良し。酒を持ち寄りにしよう。こいつは良い酒と交換だ」
 ついでに酒の肴も欲しくなる。
「良い酒と良い肴を持っている奴か……。さて、誰に声をかけるか……」

 それは人と妖精が共にある世界。
 人は妖精の善き隣人であり、妖精は人の良き隣人である。
 良き隣人との仲を壊してはいけない。
 悪しき隣人とは距離を取り、付き合い方を決めなければいけない。
 さぁ、あなたはこの世界でどんな隣人となる?

●フェアリーテイル
 淡い緑の本。その表紙には沢山の妖精たちの姿。タイトルは『フェアリーテイル』と書かれている。
「お酒が好きで、お勧めのお酒があって、おつまみも用意出来る人っている?」
 フェリーチェの質問に首を傾げると、フェリーチェは『フェアリーテイル』を開いた。
「お酒好きの妖精が、凄く良いお酒が出来て宴会したいけど、誰に声をかけようか悩んでるの。声をかける相手の条件は二つ。良いお酒を持参することと、美味しいおつまみを用意すること」
 良いお酒を持って行くと、クルラホーンのお酒と交換してくれる。クルラホーンは酒好きなだけあって酒には中々煩いけど、お眼鏡にかなえば持って行った酒に見合った酒を返してくれる。
「未成年は飲酒は駄目だけど、ジュースで宴会に参加するのは大丈夫だよ」
 美味しいおつまみ目当てに宴会に参加するのも良いだろう。
「クルラホーンは良き隣人だよ。良かったら彼に付き合ってあげて欲しいな」

NMコメント

 この物語に出てくる妖精は伝承通りの妖精ではありません。ご了承ください。
 そんなわけで、妖精たちと不思議な一時を過ごしてみませんか?

●目的
・美味しいお酒、おつまみを持ってクルラホーンと宴会を楽しむ。
 お勧めのお酒について思う存分語ってください。
 そしてそれに合う肴も紹介しましょう。
 クルラホーンは赤ワインにチーズがお好みのようですが、美味しい物なら何でも食べます。
 未成年は飲酒は禁止。その代わりジュースで楽しんで下さいね。

●クルラホーン
 全長70㎝ほどのヒゲの小人。
 酒が生涯の支えと言わんばかりの酒好き。
 良いお酒が出来てご機嫌。
 新しい良き隣人が増えたらもっとご機嫌に。

●その他
 お酒は適量で楽しい時間を過ごしましょう!

  • 酒蔵妖精の気まぐれ完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年12月09日 22時30分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

武器商人(p3p001107)
闇之雲
ウィリアム・M・アステリズム(p3p001243)
想星紡ぎ
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹

リプレイ

●酒蔵妖精と酒盛りを
「こんばんはー」
 『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が酒蔵のドアを叩くと、少しだけドアが開いて、下からクルラホーンが見上げていた。
「何の用だ」
「良いお酒持ってきたの。一緒に飲みましょう?」
 しゃがみこんで視線を合わせるアーリアから同類の匂いを嗅ぎ取ったのか、クルラホーンはドアを開いた。
「良い酒を出すならこちら良い酒を出す。どんな酒が出てくるか楽しみだ」
「もっちろん! とびっきりのお酒と美味しいおつまみ持ってきたから期待して頂戴!」
「我(アタシ)もお勧めを持ってきたよ」
 そう言って『闇之雲』武器商人(p3p001107)が大量の荷物を酒蔵に持ち込む。
 酒蔵はそれなりの広さはあるが、当然のようにその殆どを酒樽や酒瓶が占めており、空いているスペースは僅かだ。
「ねぇ、僕も飲んでも大丈夫?」
 見た目が十代半ばにしか見えない金のウィリアム、ではなく『未知の語り部』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)がクルラホーンを見ると、クルラホーンは怪訝そうに眉根を寄せた。
「飲みたいなら飲めば良いだろう?」
「本当? 良かったー。僕こんな見た目だから、良く未成年扱いされて飲ませて貰えない時あるんだよ」
 お酒を飲むのは好きなんだけど。と笑うと、金のウィリアム、ではなくハーヴェイも事前に作って来た料理を酒蔵に持ち込む。
「お前さんも飲みたいなら飲めば良いんだぞ?」
「え、いや……。俺はまだ酒を飲めない年齢だから遠慮しとく」
 そう言ってフードを下げる赤のウィリアムこと『希望の聖星』ウィリアム・M・アステリズム(p3p001243)。
「飲まんなら、何の為に来たんじゃ?」
「俺、来年で二十歳でさ。まあ……興味あるんだよ。お酒に。知り合いに旨そうに呑む奴が何人も居ると余計にさ」
 誰とは言わないけど、そのうちの一人はここにいる。
 美味しいお酒と飲めると聞いて、美味しいおつまみを作れると言われて手をあげた、酒宴の主が!
「後、もし初めて飲むならどんな酒が良いのかなって思って」
 と言う赤のウィリアム。もといアステリズムの呟きは、張り切ったアーリアの声にかき消された。
「美味しいお酒には美味しいおつまみよね! ちょっと張り切っちゃったわ!」
 そう言いながらアーリアは持ってきた酒とおつまみと置いて行く。
 春巻きの皮でチーズ、トマトソースにバジル、ジャムを包んでパリッと揚げたものは、まだあったかくてほんのり湯気が立っている。
「ほぅ。これはつまみに良さそうだな」
「でしょー? 中身も色々だから食べ飽きないわよぉ」
 早速クルラホーンが一つ摘まんで食べて行く。
「パリパリした皮と溶けるチーズが良いな」
「ヒヒ……。我(アタシ)も酒に合うつまみを持ってきたよ」
「僕も」
 三人がどんどんとおつまみと酒を置いていくので、空きスペースはあっという間に埋まって行く。アステリズムも慌てて持参したソーセージを出す。
 空きスペースには餃子に燻した沢庵、お鍋いっぱいのトロトロ牛筋煮込み。七輪の周りには野菜やベーコン、チーズなどが集まっている。更には半解凍の鮭の刺身にハーブを練りこんだソーセージ!
 酒もなかなか種類豊富だ。レモンサワーにミルク酒、濁り酒に高級ワイン。それでもみんなお勧めはまだ出していないようで後ろは懐に見え隠れ。
「とっておきは、場がほぐれてからにしようじゃないか」
 そう言って笑うと、武器商人はお勧めの組み合わせを紹介し始める。
「まずはレモンサワー。蜂蜜入りとスッキリしてる甘くないタイプの2種類を用意したよ。つまみは餃子がお勧めさ。ジューシーな鶏肉の中に餃子のタネを詰め込んで、皮がパリッとなるまで焼いたものだよ」
「ほぅ……。こいつは中々手の込んだつまみだ。酒との相性も悪くない」
「あら、美味しいわぁ」
「レモンサワーが脂を流してくれるのが良いね」
 軽く七輪で焼き直して熱々になった鶏餃子を頬張り、さっぱりとしたレモンサワーで流し込む。熱々ジューシーな餃子の旨味とさっぱりとしたレモンサワーの相性は、定番だけど間違いない。
「アステリズムの旦那はこっちだよ」
 差し出されたのはレモネード。それも蜂蜜入り。
「……なんか、今凄く一人未成年なのが悔しくなった」
 みんなが酒を飲んで盛り上がっているのに、一人ジュースで素面というのも面白くない。
「成人したら絶対酒飲んでやる」
 ふてくされながら飲む蜂蜜入りのレモネードは当然甘かった。
「ヒヒ……。チョコレートをあげるから不貞腐れないんだよ」
 長い裾からぽん。と置かれたのは一粒のチョコレート。
「チョコレートはミルク酒によく合うよ。あぁ、新鮮なミルクで作った蒸留酒で、度数は高いけどクセが少ないのが特徴だね」
 チョコレートを食べてミルク酒を口にすると、口の中でチョコレートが溶けてミルク酒と混ざり合う。
「面白いが、ワシには甘すぎる」
「あら、私は好きよぉ? あ、甘いのが好きなら、メルティ・グラオ・クローネ飲んでみる?」
 ミルク酒と甘いおつまみを繰り返すハーヴェイに、アーリアがチョコレートリキュールを勧める。
「我(アタシ)も少し貰おうか」
 武器商人はなんとミルク酒が入ったグラスに入れてくれと言う。だけどミルクとチョコレート。合わないはずがない。
「デザートカクテルね!」
「うん。一緒にするとコクもプラスされて良い感じだね」
 甘いデザートカクテルのおつまみは、意外にもホックリ甘い焼きいもに癖のあるブルーチーズをのせた物。芋の甘味とチーズの癖のある塩気が甘くなった舌を元気にしてくれる。
「……美味いのか? それ」
「ほっとするけどしっかりアルコールも感じられて、大人の甘さって感じかな?」
 にこにこ笑いながら、ハーヴェイはアステリズムを撫でる。
「いや、何で撫でるんだよ!?」
「うふふ。怒っちゃ駄目よぉ? ウィル君は飲めない分いっぱい食べて大きくならなきゃ!」
 アステリズムの取り皿におつまみをどんどん乗せるアーリア。既に何を何杯飲んだのかわからない。
「よく食べて大きくなれって……これでも結構育ったんだけどな。成人する頃にはもっと立派になってやるからな! つーか飲み過ぎてないだろうな? 潰れても背負って帰るような体力、俺には無いからな!?」
 宴会の場で素面の人が背負う定め、後片付けの気配を感じて必死になるアステリズムだがもう遅い。君以外はみんな良い感じに飲んでいる!
「大丈夫だよ。ちゃんと歩いて帰れるから」
 にこにこ笑いながらハーヴェイは自分の取って置きを出す。
「これは【ノームの花蜜酒】。深緑西部原産のとある花の密を集めて作ったにごり酒だよ」
 綺麗な瓶の中、白く濁った液体がとろりと揺れる。
「ほぅ。見た目はしつこそうだが以外とさらっとしているな」
「そうなんだよ。この独特の口当たりがうちの里では人気だね。口当たりが良いから飲み過ぎてしまう人が多いのだけど、意外とアルコール度は高いから翌日が地獄になる人もいるよ」
「二日酔いは嫌ねぇ……」
 楽しい時間の後にやって来る苦い時間。だけど二日酔いを恐れてこの楽しい時間を辞めるなんて選択肢、アーリアの中にはなかった。何故なら彼女は酒宴の主。美味しい酒は至福なのだから!
「なら今度は我(アタシ)のお勧めさ」
 そう言って武器商人が取り出したのは人魚姫。
 今までとは違う香りがふわっと広がる。
「ほぅ……。これは珍しい匂いだな」
 珍しい、だけど間違いなく美味い酒の匂いにクルラホーンはにやりと笑う。
「ヒヒ……。この子は人魚姫。キリッとした辛口の味わいの日本酒さ」
 おつまみには海水から伝統的な天日干しで作った塩と、燻製にした沢庵だと言う。
「ほぅ! こいつは良い」
 キリッと辛口の日本酒はクルラホーンのお眼鏡にかなったようだ。
「お褒めに預かり光栄さ」
 いつものように笑う武器商人。だがハーヴェイは気づいてしまった。武器商人が既に己の5倍は飲んでいることに。
「強い……!」
 微かに震えるハーヴェイに気付き、武器商人はにっと笑った。
 そんなやりとりに気付かず、アーリアがとっておきを取り出す。
「盛り上がって来た頃に最終兵器登場!」
 後ろに隠していた樽をどん! と前に置き、被せていた布を取ると鮭の刺身を引き寄せる。
「そう、「美少女殺し」withル・イぺ! 黄金の組み合わせ!」
 花の様な芳香と重厚な旨味が特徴で、ル・イペとの組み合わせはまさに神。
「美少女(種族)も御用達の一杯……。せーのでクルラホーンさんと一緒に割りましょ! せーの!」
 カコン! と良い音がして芳醇な香りが広がる。
 半分凍った鮭の刺身が口の中で蕩け始め、独特の旨味が口いっぱいに広がる。そしてそこに美少女殺しを一口。
「これよこれー!」
 感極まるアーリアの横で、速攻一杯飲んでしまったクルラホーンが二杯目を所望するのだった。

「良い酒と美味いつまみを貰ったからには、ワシもとっておきを出そう」
 そう言ってクルラホーンが取り出したのは一本の瓶。
 注げばふわりと果物の匂いが広がるが、それよりも目を引くのはその色だ。
 深く澄んだ青。それでいて、光を当てると淡い水色に色を変える。
「……クルラホーンさんが自慢するのもわかるわぁ。しっかりとしてるのに柔らかな口当たり。さらっとしたのど越しとふわっと抜ける果物の甘くて爽やかな香り……」
「これは我(アタシ)も初めてだね。見た目も味も極上さ」
「うん。まさに妖精の秘酒だね」
 一口飲んで恍惚とする三人を見て、クルラホーンは満足そうに笑う。
 どうやら、新しい良き隣人とは仲良くなれそうだ。

「……結局俺が後片付けか……」
 すっかり出来上がった大人たちを見て、アステリズムは少し不貞腐れる。
(でもまぁ……暫くは皆が酒を楽しんでいるのを眺めていよう。いつか、俺もこんな風に自分も楽しめる日が来るんだから)

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM