PandoraPartyProject

シナリオ詳細

丑三つ時の鏡

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●とある噂の話
「ねえ……知ってる?あの噂」
「噂?」
「……最近、休んでるリエちゃんいるでしょ?行方不明なんだって」
「えっ、でも、先生は『体調不良だ』って……」
「それがね、違うんだって! リエちゃんって図書室にいた司書の妖怪と仲良かったんだけど。その妖怪と行方知れずになったんだって。他にもいなくなった子が他校でもいるって……! 怖いよね、やっぱり妖怪と一緒に暮らすなんて無理なんだよ」

「……おい、お前知ってるか?」
「なんだ、なんかあったのか?」
「人間の生徒と仲良かったイッセンいるだろ? あいつ行方不明なんだってよ」
「まじかよ。もしかして人間に連れ去られたのか? ……奴らと仲良くなんてできねえな! 信用ならねえぜ」

『深夜3時33分に3階踊り場前の鏡の前で大切な人を思うと、その人と結ばれる』
そんな風の噂が流行るのは早い。こんな話を信じない者もいれば……信じる者も少なからずいた。
「……というのが、今、私の学校で出回っている噂です。他の学校でも似たようなことが起きているのを確認しました」
ここは、喫茶あじさい。人間と妖怪の中立側に立つ場所。
そんな中、暗い表情でアルバイトの南条ツカサが告げた。他の学校での話も聴取したのだろう。やや疲れた表情をしていた。
「こちらでも裏は取れている。黒子狐の仕業だな。ツカサ、お疲れ様だ」
桜葉リョウは頷き、南条にコーヒーを出す。小さく彼女は微笑み、コーヒーに口を付けた。
「んー奴ら、何考えてんだ?ただ仲違いさせたいだけとは思えねえな。わざとだろ、噂を残してんの……なんか匂うな」
顔を顰めながら草薙カナタはぼやく。
「そこは調べてみないことには分からない。……という事で頼んだぞ、カナタ」
「まじかよ!? 俺だけ!?」
助っ人もいるから安心しろ。そう言うと桜葉は貴方たちを見て小さく笑いかける事だろう。

●噂の真相を確かめろ!
「まあ、そんな訳だ。あんたらには噂の真相を確かめてもらう為にとある学校に潜入してもらう。卒業生のカナタも同行するから、道には迷わないだろう」
どうやって侵入するのか?と問うと桜葉の代わりに南条が答える。
「私が一階にある教室の窓を開けておきます。私は今回、付いてはいけないけれど……どうかよろしくお願いします」
彼女はぺこりと小さくお辞儀をした。
「道案内は俺に任せろよ。どこの踊り場かは一発で分かる」
草薙がそう答えたのを見て、桜葉は再度貴方たちに問う。
「まあ、なんだ。真相解明といなくなった生徒の救出を頼むことになる。戦闘もあるだろうから心してかかってくれ」

●学校に潜入せよ
「やあ、前回から若干話が進んだようだよ。やっぱり君たちイレギュラーズの介入は物語に影響するようだ」
カストルがにっこりと微笑む。話が進んだように、問題も生まれたようだ。今回はどうしたんだと問うと。
「今回はアルバイトの男の子が主人公だね。学校の噂を調査するようだけど。「彼」もイレギュラーズをご所望みたいだ。行ってくれるかな?」
カストルは答えなど決まっているかのように笑みを崩さない。
これは巻き込まれるほかないだろうなと貴方たちは覚悟を決めた。

NMコメント

*挨拶*
同タイミングでホラーちっくです。こっちは学校の怪談を意識してみました。唐草稲荷と申します。こちらも誠心誠意頑張らせて頂きます。

*目標*
今回のシナリオ目標は「原因となった怪異の撃破」と「生徒二人の救助」です。
戦闘依頼となります。

*世界観*
現代日本ファンタジーです。妖怪と人間が対立していて、その中立側となり「協定を結ぶ協力」と「黒子狐の調査・撃破」をしてもらいます。対立させている「黒子狐」と名乗るものたちとの戦闘依頼が多めです。たまに非戦闘の依頼になります。

*敵*
鏡の怪異→深夜に鏡から出てくる無数の黒い手です。噂を利用し鏡を通して生徒が連れ去られています。
最大七本出てきますが、攻撃されると鏡の中に引っ込みます。
七本全部引っ込めることで怪異の正体である黒い怪物が鏡の中から出てきますので怪物を退治してください。

*鏡*
怪異の原因となった大きめな鏡。別世界と繋がっており、連れ去られた生徒が二人閉じ込められています。怪物を鏡の外に出せば鏡の世界に入れますので生徒を助けてください。怪物を倒すと鏡の中には入れなくなります、ご注意ください。
(イレギュラーズがこれにより閉じ込められることはありませんが、NPCである草薙や生徒たちが鏡の中にいた場合閉じ込められます。その場合失敗となりますのでご注意ください)

*囚われている生徒*
鏡の中にある小さな部屋に閉じ込められています。
・人間の女生徒。意識がない。
・妖怪(狼系の獣人)の男子生徒。意識が朦朧としているが、話しかけるなどすれば意識が覚醒し自ら動けます。

*同行NPCについて*
・草薙カナタ
20歳の青年。木刀を所持。イレギュラーズと比べたら弱いです。手の数を減らしたり、生徒の救助だったりができます。
性格はぶっきらぼうだが兄貴肌。喫茶あじさいのアルバイト。
→できることをやる精神です。あなたたちの指示を聞きます。
(意見が割れたり、指示がなかったりした場合は草薙が最善と考えたことをします)

*特殊ルール*
特にありません。貴方たちは普段通りの力を発揮できることでしょう。

今回のシナリオでは戦闘描写があります。流れ的には怪物を倒す前に生徒の救助を優先でお願いします。こちらもお互いの協力が必須となります。よく相談することを推奨します。

  • 丑三つ時の鏡完了
  • NM名紅榴あきら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月11日 22時25分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
アラン・アークライト(p3p000365)
太陽の勇者
彼岸会 空観(p3p007169)
メルトリリス(p3p007295)
神殺しの聖女

リプレイ

草木も眠る丑三つ時。一同は件の学校へと侵入していた。
「……こっちだ、この時間にもなれば警備員の爺さんも寝てるだろうが……静かにな」
草薙カナタがあるクラスの窓を開け入っていく。そこには机や椅子が並んでいた。次々と入っていき窓を閉める。
静かな学校の非常灯と月明かりで薄っすらと道が見える程度だ。そして用意していた懐中電灯やサイバーゴーグルで各々暗闇に対応する。
「それにしてもこの建物は何と言いますか、作りが堅牢ですね」
ぽつりと『天義の希望』彼岸会 無量(p3p007169)が呟く。
「あんたらとこの学校とは違えんだろうなあ……こっちじゃこういうのが普通だ」
階段をのぼりながら話していると空気が突然変わる。三階の踊り場はもうすぐでざわざわとなにかの存在を誰もが感じた。
「学校の怪異だかなんだか知らねぇが……俺達が今までどんな奴らと戦ってきたか、教えてやるよクソが!」
『勇者の使命』アラン・アークライト(p3p000365)が突然空中に向かい攻撃を仕掛ける。
そこには闇の中忍び寄っていた黒い手。すぐに見えない方向へと引っ込んでいく。追いかけるように駆けあがるとそこには真っ黒な鏡。手はそこから伸びていた。
「アラン先輩っ、今こそ正義の執行のときです! 誰かを救うのに、世界の隔たりなど、関係ありませんから!」
そう言うと『聖少女』メルトリリス(p3p007295)も構えを取る。
「草薙は実戦経験あるか? 後で救助を頼みたいし、温存して欲しいが」
「ま、我流だけどな。俺は救助に行けば良いんだな? んじゃ、すぐ行けるように上の階段の方で待機するぜ」
『静謐なる射手』ラダ・ジグリ(p3p000271)に言われ、にっと笑うと草薙は移動する。
残る黒い手は六本。
「然し七本とは、一本足りぬのか将又元よりその数しかなかったのかどちらでしょう?」
接近した彼岸会の壱拾弐業之壱・無量業により黒い手たちは多少ダメージを負ったようで、それぞれバラバラに勢いよく飛び出す。草薙の方に一本向かったのをラダは見逃さなかった。バウンティフィアーでその手の一本を倒す。
「さんきゅ、助かった!」
これで残り五本。
バラバラに飛び出した黒い手たちはアランの手により三本が倒される。メルトリリスもマリオネットダンスで同じ黒い手を攻撃していった。一本、また一本と黒い手は鏡の中へと引っ込んでいく。
黒い手が倒され全てが鏡に戻った時、更に空気が重くなった。草薙が硬い表情で呟く。
「なんか来る……!?」
鏡の中からずり……ずり……と何かを引きずる音と共に現れたのは黒い巨体。これが鏡の怪異の原因か、と一同は気を引き締める。
先に行動したのはラダだった。アンガーコールを使い、黒い巨体を鏡から離す。
「ーーーーッ」
ノイズまじりの叫びと共にラダたちの方向へと誘導されていくその時。
「さっさと行って連れてこいメルトリリス!!ヘマしたら殺しに行くからミスんじゃねェぞ!!」
「んもう、過保護勇者さまですね!大丈夫、すぐにあなたのところへ戻ってきますから。さあ、参りましょう、カナタさま!」
「おう!」
アランの叱咤により鏡の中に入っていく草薙とメルトリリス。ここからが本番だ、そう気を引き締めた。

鏡の中では小さな部屋がたくさん並んでいる。
「いちいち部屋を見ていくのもまどろっこしいな、おい!!」
小窓を覗きながら草薙が探す中、敵が出ないかエネミーサーチをしつつ捕らえられている少年少女を見つけようとメルトリリスもしきりにキョロキョロと見回している。
病院のような施設だ。しかし部屋数が多い分時間がかかる。
「……誰かいるのか……」
メルトリリスの耳に入った助けを求める声。少年らしき声が奥から聞こえた。
「こちらです、カナタさま!」
「ん? そっちか!」
まだ新しい痕がついているドアを無理矢理カナタがこじ開ける。そこには壁にもたれかかっている獣人の男子生徒の姿があった。
「……俺の……ことはいい、リエが……向かい側の方に……」
「分かった、今は無理すんな。メルトリリスさん、向かい側の女の子頼みます!」
メルトリリスはその言葉を受け、向かい側のドアを開けると意識のない少女が倒れている。急いで少女を抱き寄せて保護をした。
「もう大丈夫ですからね……ここからすぐに出ましょう」
草薙がよろめく獣人の少年に肩を貸し、通路に出るとメルトリリスが抱きかかえた少女の姿を見て少年は安心したように息を吐く。
「私たちについてきてください、歩けますか?」
「……ああ、俺はなんとか……」
獣人の少年の答えに安心しつつ、仲間たちの元へと急ぐのだった。

一方、鏡の怪異を引き受け時間稼ぎをしていた三人は苦戦を強いられていた。
「倒してはいけないというのは中々難しいですね……」
彼岸会はぽつりと呟く。アランも手加減をしながらの攻撃で本来の力を出し切れずに苛ついたように吐き捨てた。
「あくまで手加減だ。殺すのは最後だクソ野郎!」
ラダも攻撃に耐えながら、しかし、仲間が子供たちを連れて帰ってくると信じていた。
「貴方、言葉は解しますか?」
ふいに彼岸会が話しかけるがそれに対する答えはない。聞こえるのはノイズ混じりの叫び声。精神を削るようなその声に誰しもが顔を顰める。
その時だった。
「みんな、アラン!ただいまです!お待たせしました、さあ、壊しましょう!」
メルトリリスの声に三人の顔色が変わる。防御から一転、ラダが攻撃に転じる。
「ーーーーッ」
「後方へ! 早く!」
「りょーかい!」
鏡の中から出てきたメルトリリスと草薙が少年少女と共に後方へとはけると、二人は一斉に畳み掛ける。
「覚悟しろよ鏡の怪異。これが"太陽の勇者"だァ!!」
「さあ、今宵はそろそろ帳を降ろしましょう」
鏡の怪異はピタリと動きを止め、最後の足掻きとばかりに黒い手を伸ばす。が、それもラダとメルトリリスの攻撃によって消された。
「ーーーー」
鏡の怪異が姿を消すと鏡は元の鏡に戻ったようで、自分たちの姿を映している。怪異がいたところには御札が一枚。
「これ……やつらの式神か。まあ、とりあえず戻って報告しようぜ!」
こうして、鏡の怪異は無事解決した。そして。

「お母さん! お父さん! おにいちゃん!」
「リエ! 無事でよかった……!」
母親と抱き合い嬉しそうに笑むリエ。
「俺、本気で心配したんだからな! お前そういう所直してくれよホント!」
軽く涙を拭うのは彼女の兄だろうか、心配していたことが窺える。父親は深々と頭を下げた。
「本当に、本当にありがとうございます……」

「イッセン!」
「……母さん、俺……」
母親と対峙したイッセンは言い辛そうに口を閉じる。彼の母親は首を振り答えた。
「あんたが無事ならそれでいいよ。……皆さん本当にありがとうございました、うちの息子がお世話になって……」

子供たちを無事親元に返し、一件落着。しかし、今回の事件と南条の事件、引っかかる点がいくつも残っていた。
「黒子狐のやつらなんで、わざわざあんな式神を使ってまで学生を連れて行こうとするんだ?」
「こっちもです、なんで幽霊電車なんて噂を流していたんでしょう?」
喫茶あじさいで情報共有をしていた際、草薙と南条が頭を傾げる。
それに対して桜葉は静かに呟いた。
「……機が熟せば、否が応でも分かるさ。事件の真相も、物語の終わりも、な」
「まーたそうやってもったいぶるんだから、ったく……使われる身にもなってくださいよもう」
草薙が文句を言うと、桜葉はただ笑むだけで答えない。
物語は着実に進んでいた。

成否

成功

状態異常

なし

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