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シナリオ詳細

レットデットゼリー収容違反報告

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●レットデットゼリー
 危険度C。
 収容番号■■■■は一辺3メートルの透明なガラスケース内に常に配置し、計測目盛りのついた5リットルのガラス容器に保存します。
 セキュリティレベル3以上の職員による交代で常に監視され、容器からあふれた場合1秒以内に収容室の密閉を行なってください。
 仮に■■■■が人体に触れた場合、対象者のセキュリティレベルにかかわらず洗浄処理されなければなりません。また、収容番号■■■■の保管場所の半径10キロメートル以内に葬儀場、火葬場、墓地、霊安室があってはなりません。
 収容番号■■■■は赤色のゼリーとその中心核によって構成されています。
 中心核は透明で3センチ大の球体に見え、いかなる方法でも破壊することができません。
 核の周囲には常に赤いゼリー状の物体が張り付いています。
 通常の状態では収容番号■■■■に変化は起きず、特別な動作はしません。尚、中心核および赤いゼリーに動物の死体を接触させてはなりません。
 また監視員はメンタルテスト及び経歴調査を行ない、殺人歴や殺人傾向、自殺傾向や死体に触れる趣味趣向が存在しないことを必ず確認しなくてはなりません。
 また収容室内において動物の持ち込みの一切を禁止し、仮に持ち込まれた場合は対象とそれを持ち込んだ人物を■■■■しなければなりません。

 実験記録1
 職員が赤いゼリーを触れたところ、対象および職員に特に変化はなく、感想を尋ねた所『ひんやりしていて気持ちよい』と応えました。

 実験記録2
 職員に赤いゼリーを水と半々で溶かしたものをビタミンドリンクだと偽って飲ませたところ、特に変化はなく感想を尋ねると『あまくてさわやか』と応えました。

 実験記録3
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。

 緊急報告。全実験を中止。
 収容番号■■■■を危険度CからBに変更。
 担当している職員は速やかに退去してください。

 緊急報告。対象の危険度をBからAに変更。
 ただちに関連施設を閉鎖してください。対象に接触および関係した全職員は■■■■してください。

 緊急報告。
 収容番号■■■■の破壊処分が決定しました。職員は直ちに武装して破壊に当たってください。

 最終報告。対象の処理を外部ギルド・ローレットに依頼しました。

●魔道具の破壊依頼
 あなたがギルド・ローレットへ訪れた時、その依頼書は存在していた。
 練達のどこかで開発され、幻想に持ち込まれた魔道具。その破壊を求めた依頼である。
「道具といっても、ほとんどモンスターのような有様なのよね」
 『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)がため息交じりにほお杖をついた。
「幻想貴族のコンテイン氏からの依頼なんだけれど、野に放たれた魔道具の破壊が依頼内容なの。
 名前は『レットデットゼリー』。
 分裂と増幅を繰り返すゼリー状の物体よ。
 まるで個々に意志があるかのように動作していて、動物や虫を窒息死させて溶かしているさまが確認されているわ。
 物理的破壊が有効であることと、中心核の破壊によって増幅そのものを止められることが分かっているわ」
 プルーは出せる限りの資料をテーブルに広げると、あちこちに塗りつぶしのあとがあることをさして渋い顔をしてみせた。
「言いたいことは分かるわ。けど、壊して潰せばそれでおしまい。それ以上はノータッチでいい依頼よ。それじゃあ、あとは任せたわね」

GMコメント

【依頼内容】
『レッドデッドゼリー』全固体の破壊。
具体的な破壊方法については下記を参照。

【レッドデッドゼリー】
 全長1~2mの歪んだ球体をした、薄い赤色のゼリー状物体です。
 内部には直径3センチほどの中心核が存在しています。
 レッドデッドゼリーは戦闘中に分裂をおこし、新規生成した固体に中心核そっくりの疑似核を発生させます。
 尚、本物の中心核を破壊することで分裂をそれ以上起こせなくすることができます。
 戦闘開始時には既に『本物の中心核をもったレッドデッドゼリー』が3体存在しています。

 レッドデッドゼリーの攻撃方法は
 溶解(物至単【火炎】)、溶解液噴射(物中列【火炎】【猛毒】)の二種類です。

 場所は幻想東の草原地帯です。
 遠目に分かるくらい目立っています。

【分裂判定と核破壊判定】
 レッドデッドゼリーは戦闘中に分裂しますが、本物の中心核を破壊することでそれを停止できます。

 真偽に関わらず核ひとつごとに毎ターン開始時にロールを行ない、約3割確率で新規にレッドデッドゼリーが出現します。
 新規に現われたレッドデッドゼリーはHPAPともに満タン状態となります。
(※1ターンにつき個体数が最大で2倍にまで増えるということです)
 
 レッドデッドゼリーのHPをゼロにした際に核破壊の判定が行なわれ、true判定となった場合『中心核の破壊』が達成されます。
 この判定は科学や薬学の知識があるとボーナスがつき、その他様々な工夫によってボーナスを得ることができるかもしれません。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • レットデットゼリー収容違反報告完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年02月27日 21時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

花房・てふ(p3p000003)
BBBA
クルシェンヌ・セーヌ(p3p000049)
魔女っ娘
チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
八田 悠(p3p000687)
あなたの世界
シキ(p3p001037)
藍玉雫の守り刀
アイリス・ゴールド(p3p001102)
愛と正義の小悪魔
リカ・サキュバス(p3p001254)
瘴気の王
刀根・白盾・灰(p3p001260)
煙草二十本男

リプレイ

●知るべきでない秘密、忘れるべきでない秘密
 風に髪束が靡く。
 塗りつぶしだらけの紙束を握り、『魔動機仕掛けの好奇心』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)は眉間に手を当てた。
「うへえ、いったいなんのためにこんなもの持ち込んだのかな。塗りつぶしだらけの資料もなんか不穏だし……」
「ノータッチ言われたら気になるよね」
 後ろからのぞき込み、耳元で囁く『祖なる現身』八田 悠(p3p000687)。
 まるで悪魔のささやきのようだったが、すぐに『わざわざ詮索はしないけどさ』と自己完結させた。
 耳を塞ぐようにして首を振る『看板娘、または夢の支配者』雨宮 利香(p3p001254)。
「このゼリー、なにでできてるかちょっと想像ついたような……うぅ……こういうのは苦手な気がする」
 利香は形容しがたい恐ろしい何かがゼリーの死骸から飛び出して自分の中に溶け込んでいく想像をして身震いした。
 真に恐ろしいのは、それがもしかしたら実現してしまうかもしれないことだ。
 気分を変えるべく『どう思いますか?』と後ろを歩いていた『愛と正義の小悪魔』アイリス・ゴールド(p3p001102)へと振り返ってみる。
 アイリスは資料の裏紙に書き付けたなにかを翳して見せてきた。
 『ねこですよろしくおねがいします』とあった。あとなんかネコの絵がついていた。
 サッと前に向き直る利香。
 その後もなんだかしきりに『ねこでした』『ねこはいます』と語りかけてくる遊びに目覚めたアイリス……を意図的にスルーして『魔女っ娘』クルシェンヌ・セーヌ(p3p000049)へ振り返っておく。
「この子に似てるね? え? 違う……?」
 なんだか頭上に乗っけたスライム的ななにかと語り合っていた。
 この辺でお留守番しててねといって頭から下ろすクルシェンヌ。
「かえりたい、帰ってジンジャーエールでも飲み――はっ」
 うっかり思考が口に出ていた『屑鉄卿』刀根・白盾・灰(p3p001260)は口を覆い、コホンと咳払いした。
 逃げたい。依頼だからやるしかない。できるなら帰りたい。という気持ちが顔に出ていたが、わからないでもないので『BBBA』花房・てふ(p3p000003)も『刃に似た花』シキ(p3p001037)も触れなかった。
「作戦、会議を……」
「あ、そう、そうですね」
 灰は自前の資料を広げて見せた。
「皆で話し合った通り、分裂体を可能な限り無視して本体を攻撃します――」
 灰の語った作戦のおさらいはこうだ。
 主な敵の引きつけ役は利香と灰。
 チャロロと悠が科学や薬学で判断をして本体であると分かれば化粧品の白粉を振りかけて印をつけるというものだ。
 残るメンバーはとにかく本体と思しき敵を集中攻撃していく。
 弱みがあるとすれば、前衛メンバーが6名とかなり多いので敵の数が増えすぎた場合中距離列攻撃を一斉に叩き込まれて崩壊する恐れがあることくらいだろうか。逆に言えば数が増えすぎる前に本体を倒せれば押し切ることができるので、前のめりな陣形はむしろ好都合かもしれない。

●獣が牙をむくがごとく
 通称レッドデッドゼリーを追跡するのはまるで難しくなかった。なぜなら地面の草がまっすぐに消えていたからだ。
 商人たちが用いる道からも外れた場所をぞりぞりと移動する赤い粘液の群れ。
 こちらが相手に気づいた時、相手もまたこちらに気づいていた。そうと分かるほど明確にクイックターンをかけ、恐ろしいスピードでこちらに這い寄ってくるからだ。
「ぐぅ……!」
 盾を構え、名乗り口上を行なう灰。
 クリーンヒットをしそこねた(【怒り】の付与に失敗した)個体群がスピードそのままで突っ込んでくる。
 ざん、と平らな砂地に踏み込むチャロロとクルシェンヌ。
「迎え撃つ――機煌宝剣!」
「いっぱい増える前に全部倒しちゃおっか――変身!」
 チャロロは剣を、クルシェンヌはステッキをそれぞれ掲げた。
 剣から吹き出た炎のエフェクトがチャロロを包み込み、真っ赤なバトルスーツへとたちまちのうちに変化していく。
 熱風が吹き抜け、銀色の髪が一瞬だけ逆立った。
 一方で魔法の光がリボンのようにクルシェンヌを包み込み、彼女の普段着を戦闘装備にチェンジさせていった。
「よーっし、それじゃーいっくぞー!」
 マジックグローブを握りしめ、魔法の光で軌跡を描きながらレッドデッドゼリーへ殴りかかった。
 ぼすんと腕が引き込まれる。まだだ。もう一発パンチを叩き込む。
 衝撃が内部へと伝わりレッドデッドゼリーが波打った。対抗するかのように身体を大きく広げ、獣が獲物を喰らうかのようにクルシェンヌを包み込もうとする。
「させるか!」
 重々しい剣からエネルギー噴射をしながら突っ込むチャロロ。
 レッドデッドゼリーを巻き込んで宙に浮き、無理矢理に味方から引きはがす。
 チャロロの剣にからむようにゼリーがうねうねと伸び、腕を飲み込んでいく。
 想像したくないような音と痛みが腕に走り、チャロロは歯を食いしばった。
 援護射撃を始めるてふ。
 それに守られるような形で悠は目を細めた。
 チャロロと戦闘していた個体が分裂を開始。
 飛んで距離を離す個体とチャロロと戦闘を続ける個体をそれぞれ観察していた悠が鋭く声を上げた。
「あいつだ。さて、当たるかな?」
 悠は白い粉末を詰め込んだ袋を握りしめた。
 レッドデッドゼリーは自分が標的になる可能性を知っているのか、それとも本能か、恐ろしい速度で飛び回り、跳ね回り、簡単に狙いを定めさせてはくれない。ターゲットボードの真ん中にダーツを刺すのが難しいと考えれば、駆け回るターゲットへの当てづらさは想像に難くない。
 しかし悠はよく狙いをつけ、勢いよく粉末の入った袋を投げつけた。
 それを攻撃行動とみたレッドデッドゼリーが回避行動をとるが派手に直撃。白い粉末が散り、ゼリーの一面を白く塗った。
「あれが……?」
「間違いない……と、思うよ。多分ね」
 きわめて曖昧なことを言って片眉をあげる悠。
「けど狙うなら急いだほうがいいよ。覚える努力もしたほうがいいかな。だってほら」
 粉末は風に流れ、命中時に散った分も含めて他の個体にも降りかかっている。
 一番派手に降りかかった個体を狙えばよいのだが、その個体にも変化が現われていた。
 個体表面の粉末がじゅわじゅわと溶解し消えていくのだ。
「問題ありません。個体を覚えて目を離さないように追いかけ回せばいいだけのこと――!」
 灰は自分に飛びかかってくるレッドデッドゼリーを剣で切り払った。
「お願いします!」
「――」
 彼の横を駆け抜けていくシキ。
 靡く髪が、足跡が、甘い残り香をふりまくがごとく桜の幻影を散らしていく。
 溶解液を吹き出すレッドデッドゼリー。
 シキはジグザグに走って回避すると、刀を鞘から抜きだした。
 ジグザグに描かれる幻影。抜いた刀が水しぶきを上げるがごとく吹き出す幻影。周囲を一瞬だけ桜色に染めると、シキはレッドデッドゼリーを切り裂いた。
「赤が飛び散って…まるで、血、みたいで……凄く、綺麗」

 津波のように襲い来るレッドデッドゼリー。
 利香は退かずに踏み込み、黒い魔剣を防御姿勢のままにして飛び込んでいく。
 自分を包み込む生ぬるい温度。
 自分を包み込む鉄の臭い。
 自分を包み込むどこかで触れたことのあるなにか。
 思わず息を止め、無理矢理に駆け抜ける。
 身体を押し止めようとするレッドデッドゼリーの感触と、足全体に絡みつく泥のような感覚。
 このまま動きを止めればじわじわと溶かされてしまうのではという想像ごと振り切って、利香はレッドデッドゼリーの反対側から飛び出した。
 ばすんとはじけ飛び、地面にしみこむように消えていく。
「これも分裂体でしたか。残りが分かれば……」
「ほっ」
 アイリスが無表情に両手をクロスさせた。
 否、その先にあるパペットたちを操ったのだ。
 足の生えたニンジンとダイコン。よくエロダイコンとか呼ばれる造形のパペットだ。彼らはまるで生き物のように高速キャットウォークで駆けていくとレッドデッドゼリーにシンクロスパイラルキックを叩き込んだ。
「シュール」
 アイリスはまるで無表情だが、なんだかちょっと満足そうだ。

●地獄よりも地獄な
 二体のレッドデッドゼリーに挟まれて、シキはじっと立っていた。
 シキを逃がすまいとぐるぐる回るレッドデッドゼリー。そして同時に飛びかかる刹那、シキは素早く一文字斬りを放った。
 すぱんと切断されたゼリー。断面を追うように走る桜の幻影。
 安定した形状を取り戻そうと動くレッドデッドゼリーに、シキはあろうことか手を突っ込んで見せた。
 肉を焼くような臭いやあまり想像したくないあれやこれが起こったがそれらを振り切り、シキは相手の核を引きずり出す。
 握りしめ、ばきりと崩壊させた。
「……次は、どれを、殺せばいいの?」
「いいえ、下がってください! ダメージを受けすぎています!」
 灰は『ここは私が』と言ってレッドデッドゼリーをひきつけにかかった。
 てふが射撃で援護にかかる。
 この時点で灰は現状の陣形におけるスキル選択が正しかったのかどうか何度か考え直していた。
 彼の作戦は要約すると『シールドバッシュ』と『名乗り口上』の往復だった。名乗り口上が敵にヒットすれば近接攻撃するだけの存在になるので槍衾ファランクスの長所を活かしきれるが、しっかりクリーンヒットしてくれなければダメージがないぶん空振りと同じになってしまう。
 名乗り口上がクリーンヒットしなかった場合をあまり想定していなかったので、基本射程が異なるシールドバッシュとの相性が少々怪しくなっていたのだ。
 それは同じように引きつけ役をかっていた利香も同じで、結果としてレッドデッドゼリーの『溶解液噴射』に対抗するための手段として活用する流れになっていた。
「こいつらの仲間にはなるもんですか……!」
 溶解液を振り払い、声を上げる利香。
 振りかざした魔剣を相手の核に突き立ててると、レッドデッドゼリーはウニのように変形したあと爆ぜるように崩壊した。
「これで……本体は倒し終えましたね……」
 がくりと膝を突く利香。残る分裂体のレッドデッドゼリーたちが溶解液を一斉噴射し、浴びせてきた。

 『パターンに入った』と悠は考えた。
 至近距離からの攻撃が多いこちらに対し、レッドデッドゼリーは下がって溶解液を広く浴びせるという戦法に出始めたのだ。対応が遅いところからして学習能力が窺えるが……それはそれとして。
 主導権はこちらにある、と言っていい。
 クルシェンヌは両手にばちばちと火花を纏い、レッドデッドゼリーに連続パンチを叩き込んでいく。
 アイリスは飛び上がらせたパペットたちの回し蹴りで溶解液を弾きながら突き進み、連続交代パペットキックを浴びせていった。
「あぶない!」
 飛んできた溶解液から庇うように飛び出したチャロロが、その身に溶解液を浴びた。
 装甲が嫌な音を立て、ぐらりと身体がよろめく。
「か、回復をしないと……ポーションを」
「味はこれでいい?」
 悠が赤いイチゴ味のポーション(ペットボトル入り)を取り出した。
 無言の抵抗を見せるチャロロ。
「ソーダ味もあるよ?」
 青いソーダ味を取り出すと、チャロロは素早くそれをひったくった。
「これでよし!」
 チャロロはポーションを一気のみすると、剣に炎のエフェクトを吹き上がらせながらレッドデッドゼリーを切りつけた。
 大上段からの縦斬り、強引につなげて横一文字斬り。
 レッドデッドゼリーは激しく爆発四散し、地面にしみこむように消えていった。

●■■■■
 剣を杖のようについて引きつった笑みを浮かべる灰。
「何とか死なずに済んだ……良かった! フゥー、なんだよこのイチゴジャム共め……お、脅かしやがってよぉ!」
「口調口調」
 パペットをしまいつつのアイリス。
 クルシェンヌはちゃっかり元の服装に戻っていたが、妙な鉄っぽい臭いが残っていた。
「どうしよう、これ」
「皆さん大丈夫ですか? 念の為にこいつを取っときましょう」
 利香の言うように、てふやシキも身体に付着したレッドデッドゼリーの残骸らしきものを払い落としていく。
「まだ臭いがついてるよ。はやく身体洗った方がいいかな」
「……うん……そうだね……」
 悠がどこまでも意味ありげに頷いたが、それだけだった。
 振り返るとただ地面がある。
 レッドデッドゼリーの群れがあったことなど忘れたかのように、ややしめった大地があるだけだ。
 もう一度資料を取り出し、目を細める。『中心核は透明で3センチ大の球体に見え、いかなる方法でも破壊することができません』という一文に、ただ沈黙をした。
「わざわざ詮索はしない、って言ったしね」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 『RDZ』――事件終了
 ――good end

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